超法規的組織シャーレ で 仕事をしたくない サトウカズマ先生 作:奈音
全てのモモトークを朗読してくれる坂道のぼる朗読実況、お待ちしております。
一話 未成年奉仕組織シャーレ
――我が名は佐藤和真。魔王を討伐せし勇者パーティーのリーダーにして、死ぬまで困らない大金と屋敷を所有した勝ち組であるもの。
……の、はずなんだがなぁと、つい先ほど手に入れた「シッテムの箱」なるものの、サポートAIからの説明を聞きながら、どうしてこうなったのかを考える。あれは確か、アクアが俺の秘蔵の酒を勝手に空けやがったために、いつも通り泣かせてやった後、これもまたいつも通りにやり過ぎてしまった為に、じとっとしためぐみんとダクネスからの視線に耐え切れずにエリス様の所に逃げ込んで時間でも潰そうかと、何も考えずにテレポートを行った後の事だったか。
「――先生? 先生、聞いてますか?」
「……あー、聞いてる聞いてる。あれだろ。
嫌がる女子生徒を無理やりシャーレとかいう奉仕組織に所属させて、
顎で使っていいってことだろ?」
「違います! …いえ、最終的には違わないのかもしれませんけど。
とにかく違います! ちゃんと聞いてください!」
「…つっても、給料も払わずに、未成年の女子学生に
善意の奉仕を求める組織って、かなりやばくないか?
俺も働くのは嫌いだし、家の中でゴロゴロしているだけで暮らしたいし、
その状態でひぃこら働いてるやつらを眺めてるのは、最高に楽しいんだけどさ」
「シャーレはそんないかがわしい組織じゃありません!
というか先生?
本当にカズマ先生は連邦生徒会長から派遣された先生なんですか…?
――ううん、でも、シッテムの箱を起動できてるし…」
サポートAIが思い悩む声を背景にしながら、駄女神とドM騎士と爆裂狂の狂乱に慣れきってしまったカズマの脳は、シャーレという組織は字面以上にやばい組織ではないのかと疑い始めた。テレビゲームで遊ぶ際には取扱説明書など読みはしないカズマだが、過去に法律関係で何度も痛い目を見ているからか、法律関係の書類には穴が開くほど網羅したこともある。
そこで鍛えられたカズマの読解力によって、シャーレに許された権力関係の条文は読めば読むほどやばいことが分かってしまう。国連に法的強制執行権と武力鎮圧を許可しますって言ってるようなもんだぞこれ、やばすぎないか…?
そしてそんなやばすぎる組織シャーレのTOPがサトウカズマ。組織員はまだ誰もいない。先程までの乱痴気騒ぎはそう言うことが分かっている連中が、都合が悪い組織のTOPを殺すなり拉致するなりして、成り替わったり傀儡にするために起こしたものなんじゃないのか…?
一連の流れのおかしさは、同時多発的にテロが起こった時点で明らかであり、連邦生徒会側のやる気のなさからも、シャーレという新組織を排除したがっているようにしか見えない。
――もしかして、今すぐ逃げないとやばい?
いやまてそれは短慮に過ぎる。さっきもそうだったが、ああいうことをたくらむ連中は現場で働く使い捨ての手足に必要以上の情報は与えない。出てくるのはそう、確実に仕留められると分かった時だと、裁判によって処刑されそうになった情景が頭によぎり、若干顔を青白くするカズマは考える。
――じゃあ、その手足を全部奪ってしまえば解決では?
「――なぁ、アロナ」
「……うーんでも、さっきの指揮も完璧だったし、
どうして――な、なんですかカズマ先生?」
「素行の悪い生徒の一覧と目的って分かる?」
その日、キヴォトスに激震が走る。
連邦捜査部S.C.H.A.L.Eが、裏社会に入り浸る生徒のほぼ全てを掌握したというニュースによって。
原作の流れはご都合主義により無視します。