• 
• 

　米大統領退任時に機密文書を持ち出した問題をめぐり、連邦大陪審は8日、トランプ前大統領を起訴した。複数の米メディアが報じた。共和党のトランプ氏は民主党のバイデン現大統領と並び、2024年大統領選への出馬を表明している有力候補の一人。3月に続いて起訴されるのは2度目となるが、今回も罪を全面的に否定している。

　米CNNによると、トランプ氏は七つの訴因でフロリダ州マイアミの連邦地裁に起訴された。具体的な罪名などは不明という。

　トランプ氏は8日、「私が起訴されたとバイデン政権が私の弁護士に通知した」とSNSに投稿した。マイアミの連邦地裁に13日に出頭するよう求められていると明かしたうえで、「私は無実だ」と主張した。

　トランプ氏は3月、不倫の口止め料をめぐる虚偽記載の罪で、ニューヨーク州の大陪審で起訴され、米国史上初めて起訴された大統領経験者となった。今回は、連邦大陪審によって大統領経験者が起訴される初の事例となる。今後は複数の刑事裁判を抱えながら、次の大統領選での返り咲きを目指す異例の展開となる。

　21年1月に大統領を退任した際、トランプ氏はホワイトハウスから大量の機密文書を自宅に持ち帰ったとされる。米連邦捜査局（FBI）は22年8月、フロリダ州にあるトランプ氏の自宅「マール・ア・ラーゴ」を捜索し、100点以上の機密文書を押収した。

　捜索時の資料によると、トランプ氏は権限がないのに国防に関わる文書を違法に保持した疑いが持たれている。また、捜査当局から機密文書の提出を求められたあとも、一部の文書の隠匿を図るなどの捜査妨害をした疑いもある。

　機密文書には、イランのミサ…