こんにちは。
小夜子です。
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夫(夜明けさん)に拒否される側のレス妻です。
新婚からずっとセックスレス。
気づけば干支一周回ってました。
私と夫の夜明けさんが本当の意味で向き合い始めるまでの12年間の歩みを綴っていきます。
本ブログはセックスレス解消指南ブログではありません。
「どう生きるか/死ぬか」に真剣に向き合った私の人生のターニングポイントの記録です。
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昨日の記事はこちら。
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「あ~~!眠い!」そう言い出したコロちゃん。
「どこかで休憩したい!」というのが本当に休憩をしたいだけなのか、
いわゆる「そういうこと」なのかいまいち判断がつきませんでしたが、いずれにせよ
自分に性的な魅力があるとは全く思っていなかったので、
バカらしいウソをついてまで「休憩しよう!」と言い出したことが驚きでもあり
また嬉しくもありました。
「あ~~眠い!眠くて死んじゃうかも!」
「俺はいいけど小夜子ちゃんにもし何かあったらいけないから!休憩しないと帰れない!」
そう言い続ける彼に「ほんとに何もしない?ほんとに休憩するだよね?」と聞きました。
彼は「もちろん!!そんなことするわけない!!!」と言いました。
「じゃぁ・・しょうがないな・・・」と答えました。
その答えを聞くやいなやコロちゃんは全速力でエンジンをふかし、
高速道路わきのキラキラしたホテルに入りました。
あまりにもタイミングよくお城ホテルが登場したので、
あとから思えばここもコロちゃんお気に入りの行きつけスポットだったのかもしれません。
もしくは「海に寄りたい」と言い出した時からコロちゃんの頭の中では最終ゴール地点を見据えていたのかもしれません。
コロちゃんの勝ち。
黒いビラビラの垂れ幕の中にセダンをするりと滑り込ませ、
キラキラと輝く部屋のパネルの前に立ちました。
これは一体どういう顔で選んだらいいんだろうとは思いましたが、
そこはコロちゃんがなめらかな指使いでさっくり選びました。
たった数時間前に出会ったばかりの男とホテルで部屋を選んでいる。
こんなこと誰が想像できたでしょうか。
私はこんなことをするタイプの人間ではないのです。
いたって真面目に、王道の人生を目指して生きてきました。
「コンパで知り合ったばかりの男とホテルに行った」
仮に同じようなことを女友達に告白されたとしたら、・・・私は全力でたしなめたでしょう。
「彼氏に振られたからって自暴自棄になっちゃダメだよ」
「自分を大切にしなよ」
いかにあなたの選択が間違ったものなのかを教え、
正しい選択をこんこんと説いたと思います。
・・・・でも事実として私は今、何の関係性も築けていない人とホテルのベットの上にいる。
ここで二度目の選択権が私にやってきました。
別にホテルに入ったからといってしなくても構わないわけです。
もしもそういう雰囲気になろうものなら、
「本当に寝るだけって言ったよね?」と頑なに拒否することだってできたはずだし、
襲ってこようものなら怒って帰る選択肢だってあったはずです。
でも、私はどこか冷静なようであり、高揚しているようでもありました。
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結局、人生二人目のお相手は、コロちゃんになりました。
「するわけない!」と言っていたコロちゃんですが、
「しないわけない!」に変わりました。
でも、コロちゃんのせいにするつもりはありません。
私自身も「別にいいかな」と思ったんです。
理由は特にありません。
成り行きでさっき会った人と一夜を共にするなんて自分の人生の辞書にこんなコースは全く入っていません。
1ミリも入っていません。
エラー以外のなにものでもない。
コロちゃんのことを好きになったわけでもないし、付き合うとかそういうことでももちろんありませんでした。
かといって、「夜明けさんのことを忘れるためにヤケクソになった」というわけでもないし、
「自分なんてどうなったっていいや」という自暴自棄になったわけでもありません。
自分を粗末にしているという感覚もありませんでした。
それどころか、別に減るもんでもないし、もったいぶるほど大したものでもないからいいかなと思ったのも事実だし、
夜明けさん以外の人としたらどうなるんだろうという好奇心もかすかにありました。
とはいえ、生理的に絶対ムリだというわけでもなく・・・
ただなんとなく 「別にいいかな」と思った、それだけです。
ただ考えていたのは、
最初さえ飛び越えてしまえば、
次はあっさりと飛び越えれるんだなということ。
私と夜明けさんが時間をかけてようやく飛び越えた一線を、
大人になるとこんなにも簡単に素早く飛び越えてしまうものなんだなとぼんやりと考えていました。
最初は乗り越えるのがすごく難しいように思えた高い壁でも、
何度も登ってるうちに慣れてくるし、登り方もコツをつかんで分かってくる。
あの頃はすごく大きく感じた教室の机と椅子も、
大人になって訪れてみると「こんなに小さかったっけ?」と思う感覚と一緒で、
一度超えてしまえば、
悲劇的なわけでもなく、ドラマチックなわけでもなく、
ただの既成事実が残るだけ。
「したんだから責任取ってよね!」とも思わないし、
「しまった!」とも思わないし、
うっとりもしません。
ドラマみたいに朝起きたら「あれ!?」なんて綺麗なものでもないです。
しっかりと私は起きていましたし、自分の意志で2択のうちの1つの選択肢を選びました。
ただ、長い人生の中でこういうこともあるのかなと思っただけ。
と、同時に自分の持つ危うさも感じました。
自分の道を信じて進んできていると自負していたけど、
まるっと鎧を剥がしてみれば、
私は脆くて愚かで浅はか。
自制心は持ち合わせていないし、
場の雰囲気に流されやすく、
求められると断り切れず押しに弱い、
自分に自信がないから他人で心の隙間を埋める
自分の弱いところを直視せざるをえませんでした。
たまたまこれまでめぐりあわせがよかったからうまく生きてこれただけで、
運が悪ければ、今頃どうなっていたかわからない。
知らないうちに危険な橋を渡ることになっていたことだって十分にあり得たと思います。
自分なんて全く信用できないなと・・・思いました。
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これまでの私の辞書の中では「セックスは大好きな人とするもの」だと思っていたし、
「感情と行為がリンクするもの」だと思っていました。
愛してるからこそしたい。
愛してるからこそしたいと思ってくれる。
そういうものだと思っていたし、
それが正解だと思っていたし、
そうあるべきだと思っていました。
でも、現に今私は別に特別な感情なんてなくても出来たし、
大好きじゃなくても出来たし、
してしまったことに特別な後悔も抱いていない。
これまで、自分の中で「こうだ」「こうあるべきだ」と思いこんでいたものがだんだんと分からなくなりました。
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結果的に休憩するつもりが朝まで泊まることになり、
私はコロちゃんのセダンで職場まで送ってもらいそのまま仕事に行くことにしました。
お互い今後どうするのかとかそんな話は一切せず、
ただ軽快に喋るコロちゃんと中身のない会話をして楽しく並んで朝マックを食べました。
昨日の夜、居酒屋で会った時にはまさか朝マックまで食べることになるなんて1ミリも考えていませんでした。
「また連絡する」と約束だけしてお別れしました。
それでいいと思いました。
私の中で大切なものって一体なんなのだろう・・・。
すぐにわからなかったけど、じっくりとこのことをかみ砕いて自分の中で咀嚼し続けました。
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時には間違った判断もしたり、正反対の行動をしてしまったり、
その道に進むことがよくないとわかっていても、
場の雰囲気に流されたり、
誤作動を起こしたり
正しいと言えない判断をしてしまう瞬間がきっと誰にでもあると思います。
きっと皆さんの心の中にもふと思い出す「あの時の光景」があるんじゃないかなと思います。
是非、「あなたの話」を聞かせてください。自分語り大歓迎です。
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