行政書士の試験内容とは?試験科目・出題形式・科目別対策法を徹底解説!
- 2020.12.03
行政書士試験は、年齢や学歴関係なく誰でも受験できる試験です。
しかし、行政書士試験の受験を検討している人の中には、試験の内容についてまだ具体的にはわかっていないという人もいるのではないでしょうか。合格するためにまずすべきことは、敵をよく知ることです。
当コラムでは、行政書士試験の内容や試験科目、配点について解説します。科目ごとの対策方法についても解説しているため、行政書士試験合格を目指す人はぜひ最後までチェックしてみてください。
目次
行政書士試験の科目と配点
行政書士試験は大きく分けて「法令科目」と「一般知識」の2分野があり、それぞれ46問(配点:244点)、14問(配点:56点)の合計60問(300点)が出題されます。
配点でいえば、法令科目が全体の8割以上を占めます。
出題形式と配点をまとめると、下記のようになります。
行政書士試験3つの出題形式
行政書士試験には、以下の3つの出題形式があります。
- 5肢択一式
- 多肢選択式
- 記述式
それぞれ例として、過去問とともに解説します。
5肢択一式
5肢択一式問題とは、基本的には5つの選択肢の中から正しいもの、または誤っているものを1つ選んで解答する出題形式で、解答は1問ずつマークシート用紙にマークします。
5肢択一式の問題(令和4年度 行政書士試験問題4)
薬局を営むXは、インターネットを介した医薬品の通信販売を始めたが、法律は一定の種類の医薬品の販売については、薬剤師が対面で情報の提供および薬学的知 見に基づく指導を行うことを求めている。そこでXは、この法律の規定が違憲であり、この種の医薬品についてもネットで販売する権利が自らにあることを主張して出訴した。この問題に関する最高裁判所の判決の趣旨として、妥当なものはどれか。
令和4年度 行政書士試験問題|過去の試験問題 | 行政書士試験研究センター
1 憲法 22 条 1 項が保障するのは職業選択の自由のみであるが、職業活動の内容や態様に関する自由もまた、この規定の精神に照らして十分尊重に値する。後者に対する制約は、公共の福祉のために必要かつ合理的なものであることを要する。
2 規制の合憲性を判断する際に問題となる種々の考慮要素を比較考量するのは、第一次的には立法府の権限と責務であり、規制措置の内容や必要性・合理性については、立法府の判断が合理的裁量の範囲にとどまる限り、裁判所はこれを尊重する。
3 本件規制は、専らインターネットを介して販売を行う事業者にとっては職業選択の自由そのものに対する制限を意味するため、許可制の場合と同様にその必要性・合理性が厳格に審査されなければならない。
4 本件規制は、国民の生命および健康に対する危険の防止という消極目的ないし警察目的のための規制措置であり、この場合は積極目的の場合と異なり、基本的人権への制約がより小さい他の手段では立法目的を達成できないことを要する。
5 本件規制は、積極的な社会経済政策の一環として、社会経済の調和的発展を目的に設けられたものであり、この種の規制措置については、裁判所は立法府の政策的、技術的な裁量を尊重することを原則とする。
※試験問題の無断転載は禁止されています。
5肢択一式対策のポイント
全問題の中で圧倒的に出題数が多いのは5肢択一式の問題であるため、学習の際は5肢択一式の過去問や予想問題を中心に解いていくことになるでしょう。過去問を活用した効果的な時短学習方法は、過去問を「解くもの」ではなく「読むもの」ととらえて取り組むことです。
そのために注意すべきポイントは以下の2つです。
(1)正しい選択肢は暗記用として活用する
正しい選択肢を、そのまま暗記用として活用してみましょう。本試験で出題されるかたちのままインプットすることは、テキストの内容を丸暗記するよりも効率的です。解説とあわせて読み込めば、知識の定着につながるでしょう。
また、関連する条文や判例がある場合は、テキストの該当ページや条文、判例集を読み込むことも効果的です。
(2)誤りの選択肢を正しい選択肢に直してみる
誤りの選択肢も、ただ誤りだと切り捨ててしまえばそれまでですが、使いようによっては学習に活かせます。どの部分が誤りなのかを探しだし、どのように直せば正しい選択肢になるのかを考えることで知識の定着が図れるでしょう。
また、誤りの選択肢に慣れ親しむことで、本試験ではどのように引っ掛けてくるかがなんとなく掴めてきます。まさに「誤りの選択肢こそが教えてくれる」といっても過言ではないでしょう。
多肢選択式
多肢選択式問題とは、一言でいえば語群選択問題です。
用意された20の語句の中から空欄に当てはまるものを選ぶ形式で、例年憲法から1問、行政法から2問の計3問出題されています。
多肢選択式の問題(令和4年度 行政書士試験問題25)
※試験問題の無断転載は禁止されています。
多肢選択式対策のポイント
20も語句があると混乱してしまうのではと不安に思うかもしれませんが、同じ語句が入る箇所には同じ記号を当てはめてくれてあるため、それがヒントになります。しっかりと5肢択一式の知識が入っていれば、正解にたどり着けるでしょう。もしわからなくても、ある程度消去法が通用する部分でもあります。
また、5肢択一式は不正解の場合まったく得点になりませんが、多肢選択式の場合、1問あたり8点と配点が高いうえ、すべて正解しなくても部分点がもらえます。そのため、諦めずにとにかくひとつでも多く解答を埋めることが大切です。
なお、多肢選択式の問題には、文章理解に必要な空欄補充のテクニックが応用できます。文章理解対策をあわせて行うと効果的です。
記述式
記述式とは、解答を40字程度で記述を行う形式の出題方法で、例年行政法から1問、民法から2問の計3問出題されています。
なお、記述式に対する具体的な採点基準は、合格発表後に解答例が公表されるものの、公開はされていません。
記述式の問題(令和4年度 行政書士試験問題44)
開発事業者であるAは、建築基準法に基づき、B市建築主事から建築確認を受けて、マンションの建築工事を行い、工事完成後、Aは当該マンションの建物につき、検査の上、検査済証の交付を受けた。これに対して、当該マンションの隣地に居住するXらは、当該マンションの建築計画は建築基準法令に適合せず、建築確認は違法であり、当該マンションも、そのような建築計画に沿って建てられたものであるから違法であって、当該マンションの建物に火災その他の災害が発生した場合、建物が倒壊、炎上することにより、Xらの身体の安全や家屋に甚大な被害が生ずるおそれがあるとして、建築基準法に基づき違反建築物の是正命令を発出するよう、特定行政庁であるB市長に申し入れた。しかしながら、B市長は、当該建築確認および当該マンションの建物に違法な点はないとして、これを拒否することとし、その旨を通知した。
令和4年度 行政書士試験問題|過去の試験問題|行政書士試験研究センター
このようなB市長の対応を受け、Xらは、行政事件訴訟法の定める抗告訴訟を提起することにした。この場合において、①誰を被告として、②前記のような被害を受けるおそれがあることにつき、同法の定める訴訟要件として、当該是正命令がなされないことにより、どのような影響を生ずるおそれがあるものと主張し(同法の条文の表現を踏まえて記すこと。)、③どのような訴訟を起こすことが適切か。40 字程度で記述しなさい。
(参照条文)
建築基準法
(違反建築物に対する措置)
第 9 条 特定行政庁は、建築基準法令の規定又はこの法律の規定に基づく許可に付した条件に違反した建築物又は建築物の敷地については、当該建築物の建築主、当該建築物に関する工事の請負人(請負工事の下請人を含む。)若しくは現場管理者又は当該建築物若しくは建築物の敷地の所有者、管理者若しくは占有者に対して、当該工事の施工の停止を命じ、又は、相当の猶予期限を付けて、当該建築物の除却、移転、改築、増築、修繕、模様替、使用禁止、使用制限その他これらの規定又は条件に対する違反を是正するために必要な措置をとることを命ずることができる。
※試験問題の無断転載は禁止されています。
記述式対策のポイント
苦手意識がある人や、本試験の際にどのように書けばよいのかわからず、白紙で提出してしまう人もいます。たしかに、行政法・民法ともに条文や判例の知識を問われる問題が多く、基本的な知識が入っていない状態ではなかなか書けません。
しかし、コツさえ掴めば5肢択一式の知識で十分対応できる問題ばかりです。まずは5肢択一式の学習に努め、一通り知識が入ってから取り組むことをおすすめします。
そして直前期には過去問とは別に記述式問題集を1冊用意し、何周か解いておくとかなり力がつくでしょう。
配点については1問20点と高く、全問正解できれば60点です。部分点ももらえるため、得意にしない手はありません。とにかく書くことを意識しましょう。
注意しなければならないのは、誤字脱字が減点対象になる点です。誤字脱字だらけの状態では、せっかく書くべきことがうまく書けても得点を落としてしまいます。せめてテキストに出てくる用語くらいは、正しく書けるようにしておきたいものです。
行政書士試験の合格基準
行政書士試験の大きな特徴は、明確な合格基準が設けられており、合格基準点以上得点できれば合格できるところです。
合格基準は以下のとおりです。
①法令科目で122点以上得点すること
②一般知識で24点以上得点すること
③合計で180点(全体の6割)以上得点すること
合格するためには、3つの条件をすべて満たす必要があります。
さらに、注意点も3つあります。
注意1. 足切りがある
まずは「足切りがある」ということです。
例えば、法令科目で満点を取ったとしても、一般知識で24点に満たなければ不合格になってしまいます。
そのため、単に180点以上取れればよいという考えではなく、法令科目と一般知識の両方で得点できるようになっておく必要があります。
関連コラム:行政書士試験における足切り(基準点)とは?概要と足切り点を解説
注意2. 180点に到達するか
次に、合格基準のうち①②を満たしても、180点に到達しない場合があるという点です。
①122点+②24点=146点
③180点ー146点=34点
上記の場合、①②の条件はクリアしていますが、合格には34点足りません。
そのため、足りない34点をどこかで獲得できるようになっておかなければなりません。
なるべく苦手や捨て科目を作らないようにし、得意を伸ばしていくなどの戦略が必要です。
注意3. 法令科目の得点が合否を左右する
3つ目は、一般知識で満点を取っても、合格基準点である180点に到達するためには法令科目で124点以上取らなければならないため、結局合否を左右するのは法令科目の得点だということです。
一般知識にも気を配りながら、法令科目を中心に学習計画を立てる必要があるでしょう。
行政書士試験概要
ここでは、行政書士試験の概要をご紹介します。
試験日はいつ?
行政書士試験は例年年に1回、11月の第2日曜日に実施されています。
令和4年度は11月13日(日)に行われました。
関連コラム:行政書士試験日はいつ?日程・申込方法・試験の基本情報を解説
試験科目は?
試験科目は、法令科目が5科目と一般知識1科目の計6科目です。
詳細は以下のとおりです。
- 民法
- 行政法
- 憲法
- 基礎法学
- 商法・会社法
- 行政書士の業務に関する一般知識等
出題範囲は広く、多岐にわたります。
闇雲に学習するのではなく、しっかり計画を立てて学習を進める必要があります。
どれくらい難しいの?
行政書士試験の合格率は10%前後です。
関連コラム:行政書士の難易度とは?合格するとすごいのか合格率・他資格比較・偏差値で例えて解説
行政書士試験に合格するためには、600〜1,000時間の勉強時間が必要であるといわれています。あくまで目安ですが、1年間の学習で一発合格したい場合は、1日につき2〜3時間は勉強する必要があるということになります。
関連コラム:行政書士は独学でも合格可能!勉強時間&効果的な勉強法とは?
決して簡単な試験とはいえませんが、合格できない試験というわけでもありません。正しい学習方法で取り組めば、誰にでもチャンスはあります。
受験料は?
行政書士試験の受験手数料は10,400円です。
受験資格は?
行政書士試験は、誰でも何度でも受けられる試験です。
受験するのに必要な資格はありません。年齢、性別、学歴、国籍等も問われません。
科目ごとの試験内容
行政書士試験の内容を、科目ごとに紹介します。
法令科目
まずは法令科目の科目ごとに試験内容や配点、対策などについて解説します。
なお、解説する順番は、おすすめの学習順序順になっています。学習順序についてもぜひ参考にしてみてください。
※順番については法改正などにより予備校の配信スケジュールがずれることがあります。その場合は配信スケジュールに準拠してください。
民法
民法は300点満点中76点と、行政法の112点に次ぐ配点となっており、行政書士試験において合否を左右する重要科目のひとつです。
近年、行政書士試験の法令科目は難化傾向にあり、中でも民法は特にその傾向が強いといわれています。そのため、いかに効率的な学習と正しく対策できるかが合格の鍵を握ります。
民法の出題数や得点は以下のとおりです。
出題形式 | 出題数 | 配点 |
5肢択一式 | 9問 | 36点 |
記述式 | 2問 | 40点 |
合計 | 11問 | 76点 |
民法 対策のポイント
民法を攻略するためには、AやB、Cといった人物が登場する事例問題を解けるようになることが必須です。
ただし事例問題は、ただ条文や判例を丸暗記するだけでは解けません。条文や判例を正しく理解し、実際にどのようなケースにどの条文や判例が適用できるのかを考えて、正解を導きださなくてはなりません。
また、記述式を意識することも重要です。
記述式対策として、基本的な用語や制度について簡潔に書けるようにしておくことや、5肢択一式を解いているときにも「この知識が記述式で問われたらこう書こう」など、日頃から意識して学習しましょう。漢字を正確に書けるようにしておくことも大切です。
関連コラム:【行政書士試験】民法の勉強法とは?科目の特徴と勉強のポイント3つ
行政法
行政法は300満点中112点と、全科目の中でもっとも大きなウェイトを占めています。
行政法の出題数や得点は以下のとおりです。
問題形式 | 出題数 | 配点 |
5肢択一式 | 19問 | 76点 |
多肢選択式 | 2問 | 16点 |
記述式 | 1問 | 20点 |
合計 | 22問 | 112点 |
行政法 対策のポイント
行政法は憲法や民法に比べてなじみがない分、とっつきにくさを感じる人が多いかもしれません。
しかし、条文の知識をそのまま問われる問題が多く過去問での学習が有効であるため、学習しやすく力を伸ばしやすい科目でもあります。
学習のコツは、できるだけ具体的なイメージをもつことです。
例えば、スピード違反で取り締まりにあい、免許停止処分を受けた場合を例に挙げてみましょう。免許停止処分は行政処分です。処分が不当だと思う場合は行政不服審査法に基づいて不服申し立てができますが、処分が違法でないと判断されれば、不服申し立ては棄却されてしまいます。
また、免許停止処分を受けた場合は超加速度に応じて反則金が科されますが、これは行政罰にあたります。
このように、身近な例をイメージしてあてはめれば、より理解は深まるでしょう。
なお、条文を学習する際についても、条文が適用される場面や適用された場合にどのような結果になるのかなどをイメージしながら学習することによって、理解が深まり記憶に残ります。
関連コラム:行政書士試験「行政法」の勉強法とは?科目の特徴と勉強のポイントを講師が解説
憲法
憲法は人権、統治の2分野から出題されます。
出題数や得点は以下のとおりです。
問題形式 | 出題数 | 配点 |
5肢択一式 | 5問 | 20点 |
多肢選択式 | 1問 | 8点 |
合計 | 6問 | 28点 |
憲法 対策のポイント
人権の分野では、主に判例の知識が問われます。判決文の中で、実際に試験に出題される箇所はある程度決まっているため、過去問を用いて出題傾向を探り、つかむことが効率的な学習には必要です。
しかし、判決だけを押さえておけば通用するような問題ばかりではなく、過去には判決文要約を並べ替える問題が出題された年もありました。そのため判決だけでなく、判決に至った一連の流れをなんとなくでも理解しておいたほうがよいでしょう。
また、統治の分野では、条文知識がそのまま出題されることが多い傾向にあるため、条文知識を固めつつ、過去問を繰り返していくことが重要です。
憲法は出題数こそあまり多くありませんが、憲法のできが試験に大きく影響することもあるため、安定して得点できるようになっておきたい科目です。
関連コラム:行政書士試験「憲法」の勉強法とは?配点&取っておくべき点数、勉強のポイントを講師が解説
基礎法学
基礎法学は以下のように、5肢択一式の問題が2問出題されます。
問題形式 | 出題数 | 配点 |
5肢択一式 | 2問 | 8点 |
基礎法学 対策のポイント
たった2問ですが、されど2問です。1点足りずに落ちてしまうというケースも少なくないため、捨て科目にしてしまうのはもったいないでしょう。
ただし、法学一般の幅広い知識の中から出題されるため範囲が広く、2問のうち1問はトリッキーな問題が出題される傾向にあるのが基礎法学の特徴です。1問目から長文を読まされ、戦意を削がれてしまうこともありますが、そういうものだと割り切って冷静に残り1問を取りにいきましょう。
そのためには手を広げすぎず、過去問でしっかり演習をしておくことが重要です。
法令科目をすべて学習すると法律そのものの構造や基本原理も自然に身につくため、基礎法学をおさらいのようなかたちで法令科目の最後に学習することもおすすめです。
関連コラム:行政書士試験「基礎法学」の勉強は最低限でOK?勉強法を講師が解説
商法・会社法
商法・会社法は以下のように、5肢択一式の問題が全部で5問出題されます。
問題形式 | 出題数 | 配点 |
5肢択一式(商法) | 1問 | 4点 |
5肢択一式(会社法) | 4問 | 16点 |
合計 | 5問 | 20点 |
商法・会社法 対策のポイント
商法・会社法も基礎法学同様に、範囲が膨大な割には出題数が多くないため、ついつい放置してしまいがちです。しかし、こちらも捨ててしまうにはもったいない科目です。
商法に関しては、最低限基本的なことは押さえておきましょう。
一方会社法は「株式会社の設立」や「機関」などの分野が理解しやすく頻出分野でもあります。2問は獲得するつもりで学習しましょう。
特に会社法は、将来的に会社設立手続きやコンサルティングの業務を行う際に必要となる知識です。合格後の自分の姿をイメージしながら学習すると、モチベーションも上がるのではないでしょうか。
一般知識
多くの受験生にとってネックとなるのが一般知識です。残念ながら一般知識の対策が十分にできず、足切りにあってしまう受験生も毎年一定数います。
一般知識攻略のポイントは以下のとおりです。
- 基準点突破を忘れない
- 出題傾向を知る
- 政治・経済・社会に時間をかけすぎない
- 文章理解を得点源にする
一般知識では高得点を狙うというよりも、確実に足切りを免れられるようにすることが重要です。まんべんなく学習するのではなく、点数を取れるところで確実に取るという意識で臨みましょう。
特に、どこから出題されるか予想しにくい政治・経済・社会に時間をかけすぎないようにしましょう。なぜならたくさん時間をかけても、かけた時間だけの効果を得られにくいためです。それよりも文章理解を得点源にし、情報通信・個人情報保護の分野でも確実に得点できるようにしておくことが大切です。
政治・経済・社会
政治・経済・社会からは、以下のように5肢択一式の問題が7問出題されます。
問題形式 | 出題数 | 配点 |
5肢択一式 | 7問 | 28点 |
政治・経済・社会 対策のポイント
範囲が幅広く、どこから出題されるのかが予測しにくい科目ですが、以下のとおり過去に頻出している分野もあります。
- 各国の政治制度
- 日本の選挙制度
- 国際問題
- 金融政策
- 財政問題
- 環境問題
- 社会保障制度
- 労働問題
まずはテキストと過去問を押さえましょう。新聞を読む習慣をつけることや、日頃からニュースに対してアンテナを張っておき、気になったニュースをネットで検索することなども効果的です。
ただし、時間をかけすぎることはおすすめしません。全問正解を目指すよりも、7問中3〜4問取ることを目標に学習を進めるとよいでしょう。
例えば政治・経済・社会で4問取り、情報通信・個人情報保護で2問、文章理解を3問すべて正解できれば計9問で余裕を持って合格基準である24点を突破できます。
関連コラム:【行政書士試験】一般知識の政治・経済・社会(政経社)の対策法
情報通信・個人情報保護
情報通信・個人情報保護からは、以下のように5肢択一式の問題が4問出題されます。
問題形式 | 出題数 | 配点 |
5肢択一式 | 4問 | 16点 |
情報通信 対策のポイント
情報通信では、情報や通信技術に関する基本的な用語知識が出題される傾向にあります。難易度はあまり高くなく、用語の意味を知っているだけで正解肢にたどり着けるような問題も多く出題されます。
そういった問題を取りこぼさず確実に正解できるよう、用語と意味を正しく理解しておくとよいでしょう。
また、個人情報保護の分野については、以下のような法律の条文知識が問われます。
- 個人情報保護法
- 行政機関個人情報保護法
- 情報公開法
- 公文書管理法
法令科目と同様に、テキストや条文、過去問を中心とした学習が有効です。学習した分だけ得点につながりやすい分野であるため、得意分野にしておくと一般知識に対する攻略がぐっと楽になるでしょう。
文章理解
文章理解からは、以下のように5肢択一式の問題が3問出題されます。
問題形式 | 出題数 | 配点 |
5肢択一式 | 3問 | 12点 |
文章理解 対策のポイント
以前は並べ替えや空欄補充、文章要旨把握がまんべんなく出題されていましたが、近年は空欄補充型の出題のみです。
国語力も重要ですが、空欄補充はテクニックが比較的使いやすい出題形式です。苦手意識がある人はできるだけ早めに過去問に取り掛かり、とにかく問題を解くことに慣れましょう。近年の文章理解は難易度が低めで得点しやすい傾向にあります。ぜひ全問正解し、一般知識の得点源としてください。
文章理解で安定して3問正解できるようになれば、あとは3問取るだけで24点は突破できるため、足切りにあう可能性はかなり減るはずです。
関連コラム:【行政書士試験】一般知識の「文章理解」対策法は?解き方と点の取り方を解説
まとめ
行政書士試験の内容や試験科目、配点、科目別の対策法などについて解説しました。
行政書士試験は合格率10%前後という難関資格です。たった1割しか合格できないと考えると、自分には無理なのではないかと思って諦めてしまう人もいるかもしれません。しかし、難しい試験だからこそ、合格できたときには世界が変わったような気持ちになれます。
また、試験を通して得られるものもたくさんあります。
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