住みます芸人、BSよしもと…『吉本興業』大躍進のウラで「赤字事業」を続けている、意外すぎるワケ
ダウンタウンなど数多くのタレントのマネージャーを担当した後、音楽、出版、スポーツマネージメント、デジタルコンテンツ、映画など数々の新規事業を立ち上げて、吉本を笑いの殿堂からエンターテインメント企業に発展させた吉本興業ホールディングスの大崎洋会長(編集註:崎はたつさき)。
<【前編】『吉本興業』の大崎会長がここにきて語った「意外すぎる本音」…俺は、経営者に向いてなかった>では、大崎さんがどういう想いを持って約6000人もいるタレントが活躍出来る“場”を作り続けて来たのかを聞いた。
本稿では大崎さんが長年こだわり続けて来た『地方創生』と、それを実現するために自ら立ち上げたテレビ局『BSよしもと』への想いに迫る。
「バランス悪くなってるなあ」
『地方創生』に取り組もうとしたきっかけは何だったのだろうか。
「東京と大阪を新幹線で移動してるじゃないですか。早朝やったり昼間やったり、夕方やったり夜やったり。車窓の景色をずっと見てると、海が見えたら漁師さんとか居てるのかなあとか、魚は何が獲れるのかなあとか、畑が見えたらもうそろそろ収穫かなあとかって思うんですけど。
東京都内でずっとやっていると、海を見てどんな仕事があるのか、地方都市、中核都市を見て、屋根がいっぱい見えるんだけれども、皆それぞれ何の仕事をしてどんな生活をしているのかが、だんだんイメージが湧けへんようになって来て。
なんか偏ってるなあ、バランス悪くなってるなあ、個人としても、ひょっとしたら会社全体としても。東京で大阪で、視聴率がどうや、マスコミがどうやみたいな、会社も個人も皆バランスが悪くなってるなあとずっと思ってて。
ある年の12月30日に(現在は吉本興業ホールディングス社長の)岡本ちゃんと銭湯のサウナに入ってたら、テレビニュースをやってて、地方が疲弊してて雇用がなかなか無いみたいな話があって。