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川 ゚ -゚)子守旅のようです extra:その他の人々





extra:その他の人々




(#゚д゚ )「聞いてるんですかマニー様!」ドンッ

¥・∀・¥「聞いているよ」

(#゚д゚ )「いーえ聞いてません! もう一度言わせてもらいますよ!
     どこの馬の骨とも分からぬ護衛など、即刻! クビにしてください!!」

¥・∀・¥「用心棒は必要だよ。
      私は若くない。自分1人守ることも儘ならないんだ」

(#゚д゚ )「俺はあなたの右腕です、側近です、あなたの身に危険が迫れば俺が何とかしてみせましょう!」

¥・∀・¥「そうは言っても……」

(#゚д゚ )「そういうわけだ、おい、つー! 俺と勝負しろ!
     俺が勝ったらお前はクビだ。組織とやらに帰るんだな!」

(*゚∀゚) ギリギリギリギリ

( ;д; )「あっ痛い痛い痛い痛い腕もげるごめんなさいごめんなさい痛い許してー!!」

¥・∀・¥「君クッソ弱いじゃないか……」



1:落ち着いた子



(#;д; )「『クソ』などと! そんな汚い言葉を使わないでください!」

¥・∀・¥「そうだね、聞き苦しいことを言ってしまった。すまない」

(#;д; )「昔のマニー様は、あのような下品な物言いをしたことなどなかった!」

¥・∀・¥「シェルター生活が長くて、若い子たちの言葉遣いがうつってしまったかな。
      はは、50代のおじさんが若者言葉だなんてみっともないね。
      ごめんよ、つー。嫌な気持ちになっていないかい?」

(*゚∀゚)"「だいじょぶ」

(#;д; )「ああそうです、もとはといえばあの俗悪どものせいだ!
     おのれ庶民め、マニー様の優しさにつけこんでカネモチ家のシェルターに寄生して!!」

¥・∀・¥「彼らは避難所に入れなくて困っていたんだ、
      うちにはまだ余裕があったのだから受け入れるのが当然だろう?」

( ;д; )「……さすがマニー様、俗人どもとは器が違う」

(*゚∀゚)「ご主人えらい」ナデナデ

¥・∀・¥「はは、ありがとう、つー」

(#゚д゚ )「!? おい! お前っ! 何をしている!
     マニー様を子供扱いするな、馬鹿にしているのか!」

¥・∀・¥「いいんだよ、ミルナ。私は嬉しい。
      頭を撫でられるなんて、40年ぶりかもしれない」

(;゚д゚ )「は、はあ」

¥・∀・¥「父様も母様も滅多に褒めてくれなかったし、
      大人になってからは尚のこと、褒められる機会も少なかった。
      撫でてもらうというのは、気恥ずかしいけれど心地がいいね」

(*゚∀゚)「つーも撫でて」

¥・∀・¥「もちろん」ナデナデ

(*゚∀゚)「わー」

(;゚д゚ )「そ、そんな……マニー様がそのように思っていただなんて……
     くっ、俺は側近失格だ!! マニー様の撫でられたいというお気持ちを察することも出来ないなんて!!」ショック

¥・∀・¥「別に、撫でてほしいと思っていたわけではないよ……君ちょっとキモいな」

(#゚д゚ )「マニー様! 言葉遣い!」

¥・∀・¥「ああ、また……ごめんよ」

(*゚∀゚)「ミルナきもい」

¥・∀・¥「こら、つー」メッ

(*゚∀゚)「ごめんなさい」

¥・∀・¥「正しい言葉を使わないとね」

(*゚∀゚)「ミルナ気持ち悪い」

¥・∀・¥「あっごめん、そういうことではなくて」

(*゚∀゚)「ミルナ本当に気持ち悪い」

( ゚д゚ )「こいつ捨ててきていいですか」

¥・∀・¥「許可すると思ったのかね」

(#゚д゚ )「というか話戻しますよ!
     百歩ゆずって、護衛を雇うのは仕方ないとして!
     何故こんなガキ……子供を雇ったんですか! おいお前何歳だ!?」

(*゚∀゚)「9歳」

(#゚д゚ )「9歳ですよ9歳!」

(*゚∀゚)「あ、でも昨日10歳になった」

(#゚д゚ )「10歳ですよ10歳!」

¥・∀・¥「そうなのか! おめでとう、つー。言ってくれれば良かったのに。
      この宿の隣にお菓子屋さんがあったよ、ケーキが置いてあるといいね」

(;゚д゚ )「しまったマニー様が優しいばかりにまた話が逸れた!」

(*゚∀゚)「ケーキ食べていいの?」

¥・∀・¥「もちろん。プレゼントもあげないと。欲しいものはあるかい?」

(*。 。)「新しいナイフが欲しい……」モジモジ

¥・∀・¥「わあ。想定外だった。どんなナイフがいいのかな」

(*゚∀゚)「えっと」ジッ

( ゚д゚ )「何だ。こっちを見るな。俺は買ってやらんぞ」

(*゚∀゚)「首を貫通できるくらいのやつ欲しい」ジッ

( ゚д゚ )「こっち見ないでください」

¥・∀・¥「私はよく分からないから、一緒に買いに行こうね」

(*゚∀゚)「ミルナの首を貫通できるくらいのやつ……」

¥・∀・¥「そんなピンポイントじゃないと駄目かね」

( ゚д゚ )「使途が固定されすぎでは」

(*゚∀゚)「別にミルナに使うわけじゃないけど」

¥・∀・¥「それは助かる。使われると私まで困るよ。
      でもこの町は小さいから、あまり立派なナイフはないかもしれないな」

(*゚∀゚)「ミルナの指が落とせるくらいのでもいい」

( ゚д゚ )「やだなー! あわよくば俺に使う気満々でやだなー!!」

¥・∀・¥「ははは。ウケる」

( ゚д゚ )「どこが面白かったんですか今」

¥・∀・¥「いや、堅物な君が20も年下の女の子に振り回されているのが可笑しくて。あはは。
      安心したまえ、彼女なりの冗談だから。ねえ、つー」

(*゚∀゚)「……」

¥・∀・¥「マジか」

( ゚д゚ )「こいつ捨ててきます」

¥・∀・¥「それは駄目だ」

(#゚д゚ )「護衛を雇うにしても、こんな危険思想の子供でなくたっていいでしょう!
     そもそも護衛ならばカネモチ家に大勢いたのに!」

¥・∀・¥「彼らは土地に残って皆を助けるべきだ。
      あの国──もう国ではないけれど、あそこの復興には人手が足りていない。
      君を1人連れてくるのだって、ぎりぎりのところだったんだよ」

(*;д; )「そ、それなのに俺をお供させてくれたんですか!」

¥・∀・¥「いや君がほとんど無理矢理ついてきたようなものだが」

( ゚д゚ )「マニー様のお手伝いこそ我が人生。
     一生ついていきます」


 ギリギリギリ
(*゚∀゚)( ;д; )「痛─────い!!」


( ;д; )「何で関節きめられたんだ今!?」

(*゚∀゚)「ご主人に不快感を与えた」

¥・∀・¥「たしかにちょっとキショイとは思った。
      すまない言い直す。気色悪いとは思った」

( ;д; )「側近として普通に健気な発言では!?」

¥・∀・¥「私などに君の貴重な人生を捧げるものじゃないよ。
      君には奥様がいるし、いずれは子を持つのだろうから」

( ゚д゚ )「家内もマニー様に一生ついていく所存なので大丈夫です」グッ

¥・∀・¥「君たち夫婦が心配だ」

( ゚д゚ )「戦災孤児だった俺を拾い育ててくれたのですから、
     俺の命は概ねマニー様のものです。
     家内も、他所の家で奴隷として虐げられていたところをマニー様に助けていただけたそうですし」

¥・∀・¥「私は子を生せないまま妻と死に別れたからね、
      せめて困っている子達を助けられたらと思っただけだよ」

(*゚∀゚)「ふぁー」キラキラ

( ゚д゚ )「あっもしかしてそれですか?
     この歳でこんな血生臭い仕事してるこいつが哀れで惨めだから雇ってやっただけですか?
     さすがマニー様お優しい」


  ギリギリギリ
(*゚∀゚)つ< ;д; )「うあ─────ん!!!!!」

.

¥・∀・¥「今のはミルナが良くないな」

< ;д; )「そんな! ほっぺた千切られかける道理がどこにありますか!」

¥・∀・¥「つーは誇りを持って私達の護衛をやってくれているんだよ。
      つーのことも仕事のことも馬鹿にするような発言はいけない」

< ;д; )「あわわ……マニー様の目が笑ってない……」

¥・∀・¥「おこだよ私は」

< ;д; )「マニー様がおこだ……」

¥・∀・¥「激おこだよ」

< ;д; )「激おこだ……!」

(*゚∀゚)=3「おこ!」プンスカ

(;゚д゚ )「ってだから! どうしてわざわざこんな子供を雇ったんです?」

¥・∀・¥「癒しが欲しかった」

(;゚д゚ )「そんな理由ですか!?」

¥・∀・¥「私も本当は普通の……護衛然とした成人男性を雇うつもりだった。
      しかしどんな要望にも応えると言われて、咄嗟に子供を望んでしまった……」

(*゚∀゚)「あひゃー」

(;゚д゚ )「咄嗟に癒しを欲するほど追い詰められていたのですかマニー様……!
     なぜ俺に相談してくれなかったのです! 俺がストレス軽減のため尽力いたしますのに!」

¥・∀・¥「うん……それだね……君の距離感がストレスの元なんだよね……」

(*゚∀゚)「ミルナの首を貫けるくらいのナイフが欲しい」

(;゚д゚ )「たちの悪い冗談やめてくださいよマニー様!
     こいつ改めて決意固めちゃったじゃないですかー!」

¥・∀・¥「冗談ではないんだよね……」

¥・∀・¥「とはいえ『落ち着いた子』という要望に対し、
      表面上おとなしいけど内面がバイオレンスな子が派遣されるとは思わなかった」

( ゚д゚ )「あっ、それなら返品できるんじゃないですか?」

(*´゚∀゚)「ご主人、つー嫌い?」

¥・∀・¥「いいや、つーが来てくれて良かったと思っているよ。
      いい子だし、頼りになるし、楽しい。ミルナも毎日楽しそうだ」

(;゚д゚ )「えええええ楽しくありませんよ何でそうなるんです!?
     俺が毎日のようにつーをクビにしてくださいって言ってるの聞いてますよね!?」

¥・∀・¥「君が私に何度も頼みごとをしてくるなんて、昔はなかったね」

(;゚д゚ )「それだけ必死なんですよ俺は!
     失礼とは承知してますが!」

¥・∀・¥「ふーむ……君にとっては重大な願いだというのに、聞き入れられず申し訳ない。
      これでは私が君に頼みごとをするわけにもいかないな」

( ゚д゚ )「えっ何ですか聞きますよ?」

¥・∀・¥「そうかい。じゃあ隣のお菓子屋さんにケーキがあるか見てきてくれるかな。
      あったら適当に見繕ってきてくれ」

(;゚д゚ )「なっ、くっ、……マニー様が言うのなら……!」


< ガチャッ バタン


(*゚∀゚)「……」

¥・∀・¥「あ、つーは苦手な物などあるかな。先に訊いておけば良かった」

(*゚∀゚)「ミルナ苦手」

¥・∀・¥「ごめんね、食べ物の話だよ」

(*゚∀゚)「ない」

¥・∀・¥「そうか、ならミルナが何を買ってきても大丈夫だね」

(*゚∀゚)「うん……」

¥・∀・¥「……」

(*゚∀゚)「……」

¥・∀・¥「……ミルナが苦手なのかい?」

(*゚∀゚)「苦手」

¥・∀・¥「どうして」

(*゚∀゚)「だって」

(*゚∀゚)「……だって……」

(*゚∀;) ポロッ

(*;∀;)「だってミルナがつーのこと嫌いなんだもん……」ポロポロ

¥・∀・¥「おお、泣かないでおくれ、よしよし」

(*;∀;) ピエーン

¥・∀・¥「彼は長いこと気を張ってきたからね。
      自分1人で何とかしようとしていけない」

¥・∀・¥「……天災の折、私を裏切った部下がいたんだ。
      危うく私は死ぬところだった。ミルナがいち早く気付いたおかげで助かった。
      その頃からかな、ミルナに落ち着きがなくなったのは。
      それ以前は、君のように物静かな人だったんだよ」

(*;∀;)「嘘だあ」グスン

¥・∀・¥「本当だよ。私の命は彼の命も同然なんだ、
      だから私に迫る危険が恐ろしくて常に慌てているんだろう」

¥・∀・¥「──絆が強いという意味じゃない。
      私という後ろ盾がなければ、彼は地位を失い、孤児だった頃の苦しい生活に戻ってしまう。
      だから私に無事でいてほしいし、周りを信用できなくて他者を近付けたくないんだ」

¥・∀・¥「もちろん、純粋に私を案じてくれる情も、それなりにはあるだろうけどね」

(*;∀;)「……だからミルナはつーのこと嫌いなんだね」

¥・∀・¥「嫌いなわけがないよ。
      つーは私に優しいから」

(*;∀;)「ミルナには酷いことしてるよ」

¥・∀・¥「大半はミルナの態度が原因だろう。それはミルナも分かっている」

(*;∀;)「でも……」

¥・∀・¥「……さっきも言ったけれど、私が危険に晒されることは、ミルナにとっても命の危機なんだ。
      己が直接傷付けられるより恐れているんだよ」

¥・∀・¥「私が無事に生きている限りはミルナの無事も保障されるが、
      私に何かあれば、ミルナが無事だろうと何だろうと関係ないからね。
      この理屈は分かるかい?」

(*;∀;)「……うん」

¥・∀・¥「だからミルナは、私に優しくしてくれるつーのことを、敵とは思っていない。
      ただ警戒してはいるから、上手く接することが出来ないだけなんだ」

(*;∀;)「……警戒されてるんだ……」

¥・∀・¥「つーに役目を取られ、私に見放されるのではないかと恐れているだけであって、
      つー自身のことは信用しているよ。
      でなければ、こうして私と君を2人きりにはしない。さあ泣き止んで、レディ」

(*ぅ∀;)

¥・∀・¥「きっと今、ミルナは、立派なケーキを買ってきてくれる。
      嫌いな相手に美味しいケーキなんか買ってこない」

(*ぅ∀;)「ほんとに?」

¥・∀・¥「私は彼のことなら何でも分かるんだ。
      誰より信頼している右腕だからね」

(*ぅ∀;)「つーは?」

¥・∀・¥「つーのことも信じているよ。……一度改めて、みんなで話さないとね」







¥・∀・¥「……遅いねえ」

(*゚∀゚)「……」

( ゚д゚ )「お待たせしました」ガチャッ

¥・∀・¥「おかえ……わあ」

(#゚д゚ )「まったく、碌な店じゃありませんでしたよ!
     一番大きなケーキでコレだ!」ドンッ

¥・∀・¥「3人が一日3食ケーキにしても食べきれないくらいじゃないか」

(*゚∀゚)「あひゃー……」

¥・∀・¥「宿の皆さんにも配ろう……ミルナ、これをわざわざ注文したのかい?」

(#゚д゚ )「誕生日ケーキならそうするでしょう」

¥・∀・¥「美味しそうだ。ご覧、チョコレートプレートにつーの名前があるよ」

(*゚∀゚) キラキラ

¥・∀・¥「誕生日おめでとう、つー」

(*゚∀゚)「ナイフ……」

¥・∀・¥「ん?」

(*゚∀゚)「ナイフ欲しい……」

(;゚д゚ )「ま、まだ言ってるのかお前」

(*゚∀゚)「ケーキ切り分けるナイフ……」

( ゚д゚ )「……俺の使ってる果物ナイフでいいか?」

(*゚∀゚)「うん!」

¥・∀・¥「あっはっは。めでたいめでたい」

( ゚д゚ )「何ですかマニー様その生温い目は」

¥・∀・¥「てへぺろ」



1:落ち着きのない大人達







(゚、゚トソン「お怪我はありませんか、お嬢様」

ミセ;゚ー゚)リ「だ、大丈夫だけどさあ……」

(゚、゚トソン「ああ、お召し物に土埃が……
     すぐに新しい服を買わないと」

ミセ;゚ー゚)リ「いらないいらないいらない! こんなん手で払えばいいから!」

(゚、゚トソン「……まったく、お嬢様に危害を加えるなど、許されることではありませんよ。
     分かっているのですか? 犬よ」

▼・ェ・▼ キューン…

ミセ;゚ー゚)リ「危害って、じゃれてただけじゃん!
      もー、トソンは過保護すぎ!」

▼・ェ・▼ ワフン…

(゚、゚トソン「……何です、犬のくせにその尊大な目付きは……」

( ゚∋゚)「ミセリと同意見らしい。
     トソンは過保護すぎやしないかと」

(゚、゚#トソン「お嬢様を馴れ馴れしく呼ばないでください、カタブツっ! ……ん?」

ミセ;゚ー゚)リ「……カタブツじゃなくてデカブツじゃない? そこは……」

(゚、゚トソン「それです。お嬢様は博識でいらっしゃる」

ミセ;゚ー゚)リ「いやいや、こんなんでそこまで褒められたら逆に嫌味だよ。
      あと私、お嬢様よりミセリって呼ばれる方が好きだからね。
      トソンにも名前で呼んでほしいな」

(゚、゚トソン「そんな無礼なこと出来ません。お嬢様」

ミセ;゚ー゚)リ「……もーっ! 『お友達になれる護衛が欲しい』ってお願いしたのにーっ!」



2:お友達になってくれる人



ミセ;゚ー゚)リ「友達って、対等なもんじゃないの?
      そりゃ場合によっては多少の上下関係もあるだろうけどさ、
      トソンの態度は友達っていうより完全に召使じゃん!」

(゚、゚トソン「このように教育されましたので……」

▼・ェ・▼ ハフン

( ゚∋゚)「それこそ『カタブツ』はトソンの方じゃないかと」

(゚、゚#トソン「何ですってデカブツ」

( ゚∋゚)「いや、ビーグルがそう言った」

ミセ;゚ー゚)リ「言ったの!?」

( ゚∋゚)「ように見えた」

ミセ;゚ー゚)リ「思い込み!?」

(゚、゚#トソン「犬め!」

ミセ;゚ー゚)リ「信じた!」

▼・ェ・▼ アウンウン

ミセ;゚ー゚)リ「も~落ち着いてトソン。
      こんなカフェのど真ん中で、わんこにまで喧嘩売るなよー。一緒にいる私が恥ずかしいよ」

(゚、゚#トソン「しかしお嬢様」

ミセ;゚ー゚)リ「……あーもー! クックルさんとビーグルは私の友達、私と対等! これならどうだ!」

(゚、゚;トソン「う……! お、お嬢様の友人となれば、無礼な態度は取れませんね……。
      く、クックル様とビーグル様、とお呼びするべきなのでしょうか……?」

ミセ*゚ー゚)リ「アホの子で良かった」

( ゚∋゚)「友達、なのか?」

ミセ*゚ー゚)リ「そういうことにしといて、でないとトソンが面倒臭いから」

(゚、゚;トソン「く、クックル……様……! くうう、屈辱……! こんなおバカを様付けなど……!」

▼・ェ・▼ ハフゥン…

ミセ;゚ー゚)リ(あ……今『トソンもクックルも変わらないだろ』とか言った気がする……)

ミセ;゚ー゚)リ「ていうか! だから! そもそも!
      お嬢様じゃなくて、ミセリって呼んでって話!
      それならクックルさんをわざわざ様付けすることもないよ?」

(゚、゚トソン「お嬢様はお嬢様です……」

ミセ*;ー;)リ「めんどくせえー! もうやだあ」

( ゚∋゚)「雇ってから、まだ数日しか経ってないんだろう?
     お互いをよく知らないから打ち解けられないんじゃないだろうか……」

(゚、゚トソン「おバカのくせに鋭いことを……
     たしかに私、お嬢様のことをもっと知りとうございます」

ミセ*゚ー゚)リ「私のこと……? えーっと……辛い食べ物が好き」

ウェイ ゚ -゚)トレス つY「苺パフェのお客様ー」

ミセ*゚ー゚)リ「はーい!」

(゚、゚トソン「何やってるんですか店員、マスタードをかけなさいマスタードを!」

ミセ;゚ー゚)リ「ぎえええ最悪のタイミングでカミングアウトしてしまった! やめろ馬鹿!!」

▼・ェ・▼ フッ

( ゚∋゚)「ビーグルが楽しそうだ」

ミセ;゚ー゚)リ「そいつァ何よりだ! トソンやーめーてー!!」

(゚、゚トソン「お嬢様、すぐそこにマスタードが置いてありました。ご自由にお使いくださいと」

ミセ;゚ー゚)リ「使わない自由もあるんだよ!!」


< ニュルニュルニュル  ギャアアアア







ミセ*゚ー゚)リ「意外と食えたな……」

( ゚∋゚)「そうか……」

▼・ェ・▼ ヒィ…

(゚、゚トソン「あの量のマスタードを完食するとは思いませんでした。すごいです、お嬢様」

ミセ*゚ー゚)リ「え? 盛りつけた本人すら見切りをつけてたの?
      トソンは頭が悪いのかと思ってたけど単純に頭がおかしいの?」

( ゚∋゚)「交流は深まったか?」

ミセ*゚ー゚)リ「溝が深まったわ」

(゚、゚トソン「もっとお嬢様の話をお聞かせください」

ミセ*゚ー゚)リ「もう迂闊なこと言えねえ」

▼・ェ・▼ アフンフ

ミセ;゚ー゚)リ「ったくー……こんな調子じゃ友達になんかなれないよー……」

( ゚∋゚)「友達になれる護衛を、という注文に先生が選んだ結果なら、大丈夫だろ」

ミセ;゚ー゚)リ「不安しかないよ」

( ゚∋゚)「そういえば何のために護衛を雇ったんだ?
     この町にいるなら『中央』へ行く気はなさそうだが」

ミセ*゚ー゚)リ「ただのお使いだよー。
      元々、偉ーい貴族様のもとで下働きしてたの。
      で、ご子息様が病気で外出できなくなってね……」

ミセ*゚ー゚)リ「そのご子息様のために、各地の写真を撮影してきてあげるんだ。
      ちょっとした旅になるから、護衛を雇った方がいいかなって流れで今に至るわけ。
      お金は貴族様が出してくれるしね」

▼・ェ・▼ フムゥ

( ゚∋゚)「みんな忙しそうだなあ。ちょっと旅行しに来ただけの俺達とは違う」

ミセ*゚ー゚)リ「あはは、私達もほとんど旅行みたいなもんだけどね」

(゚、゚トソン「いつも屋内で勉強や特訓などしていたので、
     こうして遠出するのは初めてで緊張します」

ミセ*゚ー゚)リ「勉強したのにソレか……まあ私も似たような感じだよ。
      似た者同士だね、やっぱ仲良くできそうじゃない?
      ミセリって呼んで」

(゚、゚トソン「ミs……jょう様……」

ミセ*゚ー゚)リ「いま何がどうなってそうなったんだ……」

( ゚∋゚)「呼び方はしょうがないとして、気さくに話せないものか」

▼・ェ・▼ ワン!

ミセ*゚ー゚)リ「そうだよトソン、もっと軽ーく話してみてよ!」

(゚、゚トソン「努力します」

ミセ*゚ー゚)リ「それ、『頑張ってみるね!』くらいに出来ないかなあ? 言ってみ?」

(゚、゚トソン「……g……」

(゚、゚トソン「……っ、……っ」

::(゚、゚;トソン::「……~~っ!」ブルブル

:::( 、 ;トソン:::「っっっっっ」ブルブルブルブル

ミセ*゚ー゚)リ「声が出なくなってしまった」

▼・ェ・▼ ハァ…

( ゚∋゚)「息まで止まってるぞ」

(゚、゚;トソン「ぶはあっ! 無理です、申し訳ありませんお嬢様……」ゼーハー

ミセ;゚ー゚)リ「何だかなあ……トソンって昔からこうなの?」

( ゚∋゚)「さあ」

(゚、゚;トソン「昔からこうです……」

ミセ;゚ー゚)リ「難儀な」

▼・ェ・▼ ウーン

ミセ;゚ー゚)リ「これじゃあ友達になるのに何ヵ月かかるやら」

( ゚∋゚)「そういや護衛なのに何で友達になるんだ」

ミセ*゚ー゚)リ「カメラを持つ人が楽しい気持ちで撮った方が、いい写真になるって、貴族様が仰って。
      それなら護衛とも仲良くなる必要があるかなーって感じで?
      まあ少なくとも仲が悪くなるよりは、ね」

( ゚∋゚)「そういうもんか」

▼・ェ・▼ ハゥッ

( ゚∋゚)「……それなら、このままでもいいんじゃないか?
     2人とも充分、仲いいだろ」

▼・ェ・▼ アォウ

ミセ;゚ー゚)リ「……えー? そう?」

( ゚∋゚)「ぽんぽん会話できてるし」

ミセ;゚ー゚)リ「楽しみにしてたパフェにマスタードぶちこまれたよ?」

( ゚∋゚)「トソンなりのイタズラじゃないのか」

▼・ェ・▼ ワフッ?

ミセ;゚ー゚)リ「……えー? 違うよねえ、トソン」

(゚、゚トソン「……お嬢様には……伝わっていませんでしたか……」

ミセ;゚ー゚)リ「うッッッそだろ!! マジかお前!! 伝わるか!!」バンッ

▼・ェ・▼ フエェ

ミセ;゚ー゚)リ「あれイタズラじゃないよ! 嫌がらせって言うんだよ!!」

(゚、゚トソン「しかしお嬢様は美味しく頂いて……」

ミセ;゚ー゚)リ「結果はね! 結果的にはね! 馬鹿なの? 馬鹿だわ!」

(゚、゚トソン「申し訳ありません……」

ミセ;゚ー゚)リ「……んもー! ……これから学んでいこう、そういうの。
      とりあえず相手が嫌がることはやっちゃ駄目!」

(゚、゚トソン「『フリ』というやつかと……」

ミセ;゚ー゚)リ「うん……そこら辺の判断ってたしかに難しいけど……
      親しくなれば、けっこう空気で分かるようになるから。
      逆に言うと、親しくない状態で分かりにくい絡み方しないからね私」

(゚、゚トソン「そういうものなのですか?」

ミセ;゚ー゚)リ「あと私、イタズラでも嫌がらせでも、食べ物使うのはちょっと苦手だな」

(゚、゚トソン「善処します……」

ミセ;゚ー゚)リ「うん、お願いね。
      ……『お友達になれる護衛が欲しい』って言ったの、トソンなんだからね?」

(゚、゚トソン「はい……。
     ずっと、お友達というものを知らずに生きてきたもので……なかなか上手く行きませんね……。
     お嬢様にもご迷惑をおかけして」

ミセ;゚ー゚)リ「友達以前に、護衛をお嬢様って呼ぶのやめてほしいな。居心地悪い」

(゚、゚トソン「召使としては一番若かったため、目上にばかり囲まれて教育されてきたもので……
     身近な人にはこのように接しなければという感覚が染みついて」

ミセ;゚ー゚)リ「だとしても私とクックルさんへの対応は極端すぎない!?
      間をとれないかなあ、間を」

(゚、゚トソン「想像するだけで申し訳なくて舌を噛んでしまいそうです」

ミセ;゚ー゚)リ「無茶言ってごめん噛まないで。
      ──ったく、ニュッさんとさえ談笑したことのあるフレンドリーミセリちゃんの名が泣くわ」

(゚、゚トソン「フレンドリートソンちゃんになれるよう努力いたします……」

ミセ*゚ー゚)リ「フレンドリーとまでは行かなくても、もうちょっとさー……。
      まあいっか、とりあえず写真撮りに行こ! またねクックルさん、ビーグル!」

( ゚∋゚)「おう」

▼・ェ・▼ ワゥ!


< オジョウサマアブナイッ!  ソウイウノ、ワタシノシゴトダカラ!


( ゚∋゚)「……仲いいよな?」

▼・ェ・▼ ゥン



2:お友達ができた召使







川*` ゥ´)「ぶわあーははは!!
       たんまり儲けたなあ!!」

爪'ー`)y‐「おー」

£°ゞ°)「いえーい」

川*` ゥ´)「見たかよ、金を盗まれたと気付いたときのアイツらの顔! 傑作だ!」

爪'ー`)y‐「間抜け面だったなあ」

£°ゞ°)「実に愉快でしたね」

川*` ゥ´)「そんで襲いかかってきたところを、あんたら2人が返り討ちに──
       ……はー面白かった。フォックスにロミス、怪我ないか?」

爪'ー`)y‐「あんな雑魚に傷付けられるとでも?」

川*` ゥ´)「はは、やっぱ、あんたら強いなあ。雇って良かったよ。
       ま、護衛っつうか、手下? 子分? って感じだけどな」

爪'ー`)y‐「おいおい、俺たちゃ紛うことなき護衛だぜ? 履き違えてもらっちゃ困る」

£°ゞ°)「そうですとも、我らが組織はあくまで護衛を派遣するところなんですから。
      我々はピャー子様をお守りするためにいるわけで」

川#` ゥ´)「軽々しく名前を呼ぶなよな! 親分って呼べ!」

£°ゞ°)「これは失礼を」

爪'ー`)y‐「んで、親分よお。
      かっぱらった金はどうすんだ?」

川*` ゥ´)「そりゃあ悪党らしく、ぱーっと使うさ!
       何がいいかな? やっぱお酒? 賭け事?」

爪'ー`)y‐「貧乏人の前で燃やすゲームやらねえ?」

£°ゞ°)「擦りきれて壊れるまで遊べる少女奴隷とか買いましょうよ」

川;` ゥ´)「鬼かよお前ら!!!!!」



3:悪い奴ら



川;` ゥ´)「鬼かよお前ら!!!!!」

£°ゞ°)「2回言わなくても」

川;` ゥ´)「ロミスはもう置いとくとして、貧乏人の前で燃やすゲームって何だよ!
       ルールとか無いだろ!!」

爪'ー`)y‐「あるって。3人それぞれ違うターゲットを選んで、
      一番いいリアクションを引き出せた奴の勝ち」

川;` ゥ´)「最低でも3人の貧乏人が犠牲になんのかよ~~」

爪'ー`)y‐「面白いぞー。飛び込んで消化しようと頑張る奴とかいんの」

川;` ゥ´)「既にやったことあんのかよ! やだよそんな息苦しいゲーム!」

£°ゞ°)「じゃあ貧乏人を燃やすゲームにしましょう」

川;` ゥ´)「ただの事件じゃねえか!!」

川;` ゥ´)「何でそんなに残虐なんだお前らは!」

爪'ー`)y‐「何でって言われてもなあ」

£°ゞ°)「こういう性分ですし」

爪'ー`)y‐「そんなドン引きするなら、何で雇うときに『悪い奴』って条件出したかねえ」

川;´ ゥ`)「こんな陰湿なの望んでなかった」

£°ゞ°)「まあどうでもいいじゃないですか、奴隷買いに行きましょ」

川;` ゥ´)「買わねーよ!!
       お前の案はたしかに置いといたけど採用するために置いたわけじゃねーんだよ!!」

爪'ー`)y‐「おーおー、叫びよる叫びよる。娘っこは元気がいいねえ。
      もう40近いおっちゃんにはそのテンション無理だ」

川;` ゥ´)「40近ェおっさんが貧乏人に嫌がらせしようとすんなよな……」

£°ゞ°)「それでお金の行方は」

川*` ゥ´)「あ、そーだそーだ。どうしよ……
       何か、痛いのとか恐いのとか無しで、悪っぽい使い方ない?」

爪'ー`)y‐「めんどくせえなあ。今すぐ使わなくても、今後の蓄えとして持っときゃいいだろ」

川#` ゥ´)「お金はどんどん使って経済回してかなきゃ駄目だろうが!」プンスカ

爪'ー`)y‐「……おっちゃん、若い子の考え理解できねえや」

£°ゞ°)「おじさんじゃないけど僕もこの人はちょっとおかしいんじゃないかなとたまに思います」

川;` ゥ´)「な、何だよこの言い草……」

£°ゞ°)「まあともかく。親分、蓄えておいて損は無いですよ。
      いつ入り用になるか分からないし、僕らを雇い続けるための費用も必要ですし」

川*` ゥ´)「む、むう……たしかにそうかもな」

£°ゞ°)「親分はすぐ無駄遣いする上、無駄遣いの方向もおかしいですからね。
      この中の誰一人としてお酒飲まないのにお酒買うなんて無駄中の無駄ですよ」

爪'ー`)y‐「そのせいで、この間なんか宿に泊まる金すら無くて困ったしな」

川;` ゥ´)「うう、ごめん……やっぱそれなりに貯めとかないと駄目かあ」

爪'ー`)y‐「何なら、もっと持ってた方が安泰じゃねえか?」

川*` ゥ´)「それもそうだ。じゃあまた金持ってそうな悪党どもから奪おう!」

£°ゞ°)「とは言っても、探そうと思うと案外見付からないものですよ」

爪'ー`)y‐「そこら辺の一般人からカツアゲすりゃ良くね?」

川#` ゥ´)「良くねーよ!! んなもん後味悪いだろ!!」

爪'ー`)y‐「……ほんと何なんだこのガキ……」ヒソヒソ

£°ゞ°)「ぶれてるんですよね全体的に」ヒソヒソ

川;` ゥ´)「な、何だよう、なに話してんだよー……」

爪'ー`)y‐「……あー、もう、自分らで稼ぐしかねえぞ親分」

川*` ゥ´)「え、あ、そうだな! 働こうって選択肢あるんだなお前にも!
       あ、あのさ、この街の喫茶店さ、今どき珍しく制服あってさ……可愛いんだ……
       ちょっと短期で働いてみたいなって、思ったりして、」

爪'ー`)y‐「いや親分のルックスじゃ採用厳しくねえ? あの店、顔重視だろ」

£°ゞ°)「お給料も大したもんじゃありませんし」

川*´ ゥ`)「……そうだよな……」ションボリ

爪'ー`)y‐「親分って何歳だっけ?」

川*` ゥ´)「15……」

爪'ー`)y‐「15か! 結構いい具合だな! ならサ店よか大金稼ぐ方法あるぜ」

川*` ゥ´)「? 何?」

爪'ー`)y‐「SMショー」

川*` ゥ´)「死ねよお前」

川*` ゥ´)「死ねよお前」

£°ゞ°)「また2回言った」

川#` ゥ´)「冗談にしてもつまんねーんだよ!!
       つかルックス批判しといて何でSMショーだよ!! 私なんか需要ねーんだろ!?」

爪'ー`)y‐「いやいや。決して可愛くはないが、救いようのない不細工でもなく、
      栄養足りてなさそーな貧弱な体つき、無駄に強気でありながら打たれ弱い性格、
      その上15歳! 子供と大人の境目ならではの華奢な不安定さ!
      こういうタイプがいっちばん嗜虐欲をそそるんだよ。
      エロみは感じないだろうが、観客の純粋な加虐欲求を満たし、爽やかな後味を与えてくれる。
      まあ前座としては最上だろうな」

川;` ゥ´)「いきなり長文で不可解な解説すんじゃねーよ!! お前ら畜生の心理なんか知りたかねーんだよこっちは!!」

爪'ー`)y‐「いやでもほんと、親分みたいなのがステージ上で
      血にまみれながら涙と鼻水と汚物垂れ流して泣き叫ぶ姿は需要あるぞ」

川;` ゥ´)「血にまみれるの!? SMの域超えてねえ!?
       『闇の』みたいな枕詞がつくタイプの会合じゃねえの!?」

爪'ー`)y‐「SMも色々あんだよ。だーいじょぶだって親分、死なない程度に俺が加減してやるから」

川;` ゥ´)「命に関わるのかよ! そしてお前が相手なのかよ!」

£°ゞ°)「フォックスさんの解体技術が評価されれば、劇場で短期バイトするだけでがっぽがぽですよ」

川*` ゥ´)「おい解体っつったろ。SMショーじゃないじゃん解体ショーじゃん。私ゃマグロか」

爪'ー`)y‐「おいおい、マグロじゃ需要下がっちまうよ親分」HAHAHA

川*` ゥ´)「……?」

£°ゞ°)「下ネタ通じにくいんですよこの人」

爪'ー`)y‐「マジかよ親分やったな、解体前に色々遊んでもらえるネタが出来たぞ。無知は好ましい」

川*` ゥ´)「何か嫌な話をしてるのは分かった……」

£°ゞ°)「で、どうします? ショーやるんですか?」

川;` ゥ´)「やらねーよそんな悪魔の隠し芸大会!!」

爪'ー`)y‐「たとえが意味わかんねえよ」

川;´ ゥ`)「ロミスは何か案ないか? 痛いの無しで……」

£°ゞ°)「このお金を整形費用に当てれば、SMじゃないショーで一財産稼げるのでは?」

川;´ ゥ`)「お前らに訊いた私が馬鹿だったよ~~~~~」

爪'ー`)y‐「この時代に完璧な手術できる奴は少ねえだろ」

川;´ ゥ`)「医者の稀少性の問題じゃねえんだよ~~~~~」

£°ゞ°)「医者といえば、ここ数年で新しい病気が増えて、新薬も増えてるそうですよ。
      治験って言うんですか、親分が実験台になるのはどうです」

川;´ ゥ`)「う、うーん、時間かかりそうだし、ちょっと恐いし……」

£°ゞ°)「あるいは血を売るというのも」

川;´ ゥ`)「でも大した金額にはならなそうな……」

爪'ー`)y‐「おう、じゃあ内臓売るか?」

川#` ゥ´)「いい加減にしろボケ!!!!!
       何で私だけが文字通り身を削る方針で進めてんだ!! お前らは何かしないのかよ!」

爪'ー`)y‐「いやあ、俺らは普段から護衛として働いてるもん」

£°ゞ°)「そうですよ」

川#` ゥ´)「お前らのどこが護衛だ!
       護衛は毎朝主人の顔面踏んで起こしたりしねえの!」

川#` ゥ´)「ちっくしょ、もうやだ! お前らといる方が危険感じるわ!
       クビだクビ! この金持って組織に帰れ!!」

爪'ー`)y‐「あー? いいの?」

£°ゞ°)「またそんなこと言って。大丈夫なんですか?」

川*` ゥ´)「……な、何だよ意味深な……」

爪'ー`)y‐「親分、色んな悪党ども潰して回ってるから目ェつけられてるぞ?」

川;` ゥ´)「ぴゃっ!?」

£°ゞ°)「僕らがいなくなったら、その日の内に親分ゲームオーバーですよ」

川;` ゥ´)「う、嘘だ嘘だっ。それに直接手を下してるのはお前らだし、」

爪'ー`)y‐「ちゃんと毎回親分が首謀者であることはアピールしてるもの」

川;` ゥ´)「うわああああああああああ
       何してくれてんだよお!!」

£°ゞ°)「親分、大悪党になりたいんでしょう?
      なら本望じゃないですか」

川;` ゥ´)「そっ! ……れは……そりゃ……まあ……」ゴニョゴニョ

爪'ー`)y‐「善人だったせいで死んじまった親父さんのようにはなりたくないんだろ?
      でも今のままじゃあ善人でも悪人でもないまま無意味に死んじまうなあ」ケラケラ

川;` ゥ´)「う……」

£°ゞ°)「死んだ方がマシって目に遭う可能性の方が高いですよ」

川;` ゥ´)「ひえっ」

爪'ー`)y‐「違ェねえ。マジで解体ショーコースじゃねえの」ゲラゲラ

£°ゞ°)「まあでも親分が選んだ道ですから」

爪'ー`)y‐「だよな! じゃあな親分、1秒でも早く死ねるよう祈ってるぜ」

£°ゞ°)「この金額、お給料としては多いですよね。
      帰る前に女の1人2人買っていきますか」

爪'ー`)y‐「おっいいねえ、むちむちの美女買おうぜ」

川*; ゥ;)「わーん待ってえ! 1人にしないでー!」ピャーン

爪'ー`)y‐「あはははは鼻水」

川*; ゥ;)「やだやだ1人になるの恐いよお化粧覚えるしもっと肉付けるから守って」ガシッ

£°ゞ°)「はいはい、まだ契約は切れてないので親分が望むなら一緒にいますよ、仕方なく」

爪'ー`)y‐「ひっつくな汚れる」

川*; ゥ;) ピャーンピャーン

£°ゞ°)「はあ愉快愉快」

爪'ー`)y‐「こんなイジり甲斐あるのに今までよく無事だったよ親分」

£°ゞ°)「と、無駄話で時間を稼いでいる間に、さっそく仇討ちに来た輩があんなところに」

爪'ー`)y‐「よーし、もう一稼ぎすっかあ。
      離れんなよ親分、死ぬぞ」

川*; ゥ;)「ひっつくなっつったり離れんなっつったりどっちだよお」

£°ゞ°)「しかし、こうして悪党狩りをしている我々を悪人扱いとは心外です」

爪'ー`)y‐「そうだよなあ、寧ろヒーローじゃん」

川*; ゥ;)「ヒーローは道端でぶつかった子供に煙草近付けて脅したりしねえんだよクズ!!!!!
       何であのとき一番無関係だった私が一番謝罪する羽目になったのか未だに解せねえ!!」

爪'ー`)y‐「煙草近付けただけで、押しつけたわけじゃねえのにあの親怒りすぎだよな」

£°ゞ°)「先にぶつかってきたの向こうですのにね。
      まあそれはともかく、今は目の前のチンピラをどうにかしませんと」

川*; ゥ;)「ひぐうう……こいつらと一緒にいるのも離れるのも恐いよお……誰か助けてええ……」







(-@∀@)「あのー、先生」

( ´∀`)「ん? 何モナ?」

(-@∀@)「15歳の女の子に、フォックスとロミスなんか派遣して本当に大丈夫だったんですかね……?」

( ´∀`)「あれはあの3人でセットにしておいた方が、それぞれの抑止力になって
       飛び抜けた悪事に手を染めることはないと思うモナ」

(-@∀@)「はあ、そんなもんですかね」

( ´∀`)「そんなもんだモナ」

(-@∀@)「じゃあ逆にあの2人を雇っていってくれてありがたいのかもしれませんね」

( ´∀`)「そうモナねえ」

(-@∀@)「しかしこれは人身御供というやつでは」

( ´∀`)「はははなにをばかなことを」

(-@∀@)「こういう点では、やはり先生が一番お人が悪い」



3:悪くなりたい少女





extra:平和な人々   終
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