レッドとヒカリが特訓を開始した頃。
ここシンオウ地方。
チャンピオンロードの先にそびえるシンオウリーグ。
五人の人間が、そこのとある会議室の円卓を囲っていた。
シンオウに数多くいるポケモントレーナー、その頂きに君臨する四天王、リョウ、キクノ、オーバ、ゴヨウ。
そしてその四天王をも上回るチャンピオンの座につくシロナ。
その五人が集う会議室には重苦しい空気が張り詰めていた。
ここに集まったのはヒカリ以来の挑戦者が現れ、まさに今日その者がこのシンオウリーグに挑戦してくるので、段取りなどの最終確認するためである。
しかし、会議室の中は沈黙に包まれており、肝心の議題には全く触れられていなかった。
そして、それぞれの者の様子はバラバラであった。
気まずげにオーバとシロナの方をちらちらと盗み見るリョウ。
瞳を閉じ、じっと何かを考えているようなキクノ。
呆れたように溜息をつくゴヨウ。
なぜか、全身ボロボロで満身創痍で机に突っ伏してぴくりとも動かないオーバ。自慢の赤色に染め上げたアフロもボサボサである。
そして、椅子の背もたれにもたれかかり、生気が抜けたようなシロナ。チャンピオンとしての威厳は微塵も感じることができず、負のオーラをまき散らしている。とても最強のトレーナーであるレッドと歴史に残る激闘を繰り広げた人物には見えなかった。
「……それで、何があったのですか?」
この沈黙を破ったのはキクノであった。その声色は優しさが含まれ、しかし芯が通っていた。この異様な状況下でも口を挟めるのは、生きてきた年数の違いからだろうか。
しかし、その質問を投げかけられているシロナとオーバは全く反応しない……、否、できなかった。
見かねたゴヨウが今日一の大きなため息をつき、眼鏡をくいと指先で持ち上げながら代わりに答える。
「それがですね、キクノさん……」
ゴヨウは、こうなった経緯をポツポツと語り出す。
先日のレッドとの戦いで敗北したシロナはレッドに恋をした。
最初、本人は否定していたがその様子を見れば一目瞭然だった。
「ねえねえ、レッド君、チャンピオンになったんですって! チャンピオン繋がりでどうにか会えないかしら?」
「見て見て! ほら、テレビにレッド君が出ているわ!」
「……今、レッド君は何をしているのかしら? もっとレッド君のことを知りたいわ!」
などと、暇があれば頬を紅く染めてうっとりした様子でレッドのことをきゃぴきゃぴと話すその姿は、初恋をした乙女そのものであった。
恋愛は人を変える。まさにその最たる例であった。
どうも話を聞く限り、自分を超える強さを持ったレッドこそが運命の人だと信じ切っているようであった。
そんな頭の中が花の楽園状態のシロナに付き合わされていたリョウ、オーバ、ゴヨウは、ほとほとうんざりして最終的には誰がシロナの相手をするか毎日じゃんけんで決めていたほどだ。
しかし、日を重ねるごとに花が萎れていくようにシロナの元気が無くなっていった。最初は、ほっとした三人だったがあまりに元気が無くなっていくシロナのことが流石に心配になり、訳を聞くことにした。
するとどうもレッドとメールのやり取りをしているようだが、どう見てもレッドからの返信がそっけなく、嫌われているのではと心配しているようであった。シロナから携帯端末を借り、レッドとのメールのやりとりの内容を見た三人は絶句した。
紛れもなく脈無しだったからだ。
「うわ……完全に嫌われてる。何したんですかシロナさん?」というオーバのとどめの一言にシロナは顔面を青ざめさせ、膝から崩れ落ちた。そのまますすり泣くシロナの姿はあまりに痛々しく見るのもつらい三人であった。何より自分たちの上に立つ人がそんな風になってほしくないと言う一心であった。
しかし、長年待ちわびた運命の相手が全く自分のことを想っていないばかりか嫌っているとなればそうなるのも無理のないことだった。
だが三人は不思議だった。シロナは確かに残念な部分もあるが、それを補って余りあるほど魅力的な女性であることを理解しているからだ。人に好かれる性格であり、誰よりもポケモンを愛し、容姿についても抜群に良い。むしろそんな完璧だからこそ、残念な部分があるのがむしろ愛くるしくすらある。
メールの内容を見てもシロナの送る内容に違和感はない。むしろ、優しく面倒見の良いお姉さんという感じである。
一体レッドはシロナのどこに不満があるのか。
三人ともシロナのことは人として好きであり、力になってあげたいという気持ちが共通してあった。特にシロナが理想的な男性を求めていることは痛いほど知っていた。
だからこそ、ここでオーバが勢いよく立ち上がった。
「任せてくださいよ! シロナさん! 俺がレッドの気を引くメールを送ってあげますよ! シロナさんはちょっと守りに入りすぎてるんですよ。やっぱり攻めていかないと!」
そう言ってシロナの携帯端末を取り上げ、メールの文面を打っていくオーバ。嫌な予感がしたリョウとゴヨウはオーバを止めようとする。シロナも同様の思いを感じ取ったのか、携帯端末を奪い返そうとするが、オーバはすでにメールを打ち終わり送信してしまっていた。
「どうですか、俺の考えたメールは! シロナさんの魅力を感じさせつつ好意があることを伝えるこのテクニック! 最後に敢えて完璧でないことをアピールしているところもポイントが高いでしょう? これでレッドもいちころってもんだ!」
自信満々の様子でそう言うオーバは画面を三人に見せつけた。
『レッド君。突然ですが、レッド君は彼女はいますか? ちなみに私は彼氏がいませんので、いつでも大歓迎ですよ? こう見えても私は結構尽くすんですよ! スタイルも自信ありますよ! あ、でも片づけは苦手ですのでレッド君が上手だと助かります笑』
これを見てリョウとゴヨウは額に手を当てて天を仰いだ。
「攻めすぎですよ……。いきなり不自然ですよ、必死感が凄いですし……。しかもセクハラぽいですし。というかなんでシロナさんの許可なく送っちゃうんですか」
「片づけの下りも完全に余計ですね……。シロナさん気にしてるのに……」
その通りだと言わんばかりにシロナはキレた。
訳が分からないまま一方的にシロナにボコボコにされたオーバはそのまま再起不能になった。
一方のシロナはオーバをボコした後、改めて現実を受け止めて、どうすればいいのかと涙目のままオロオロした挙句、混乱も解けぬままフォローのメールを送ってしまった。
その内容は、オーバが送ったものと大差ないものだった。要はフォロー失敗だった。そのメール内容は、誰が見てもシロナがレッドに好意を持っていることが丸分かりなものだった。必死感も隠し切れていなかった。結果的にはオーバに後押しされる形で奥手なシロナがレッドに望まぬ形で好意を伝えることになってしまった。
ここでレッドから好意的な内容のメールの返信でもあれば良かったのだろうが、そうはならなかった。これまでレッドからの返信内容は、そっけないの一言だったが、意外と返信は早かった。それが急に返信が途絶えたのだ。
それが示すこと……。それは……。
シロナがレッドに振られたという事。
この事実は、シロナの乙女心を砕くに十分だった。
そしてこれが昨日の出来事。
「……というわけです」
ゴヨウが困ったと言わんばかりにそう締めくくる。
オーバもシロナも、四天王とチャンピオンという責務を忘れずこの場に来れたことは流石の一言であるが、とてもじゃないがベストパフォーマンスを発揮できるとは思えなかった。
口を挟むことなく静かにゴヨウの説明を聞いていたキクノは、ゆっくりと瞳を開けると、立ち上がりシロナの元に歩いていく。その様子をリョウとゴヨウは固唾をのんで見守る。
「シロナちゃん。……恋愛を実らせる秘訣はね、諦めないことですよ?」
シロナの傍まで歩み寄ったキクノは、シロナの肩に優しく手を置きながら、そう語りかける。
ぴくりとシロナは僅かに反応を見せる。
「大丈夫。今までだってどんな困難も乗り越えたからこそ、今チャンピオンの座についているんだ。今度だって乗り越えるれるさ……」
シロナの瞳に光が戻り「キクノさん……」とキクノの方に視線を向けるシロナ。その瞳はまだ不安に揺れている。
「シロナちゃんが魅力的な女の子であることは私がよく知っていますとも。そんなシロナちゃんが本気になれば落とせない男はいないよ?」
室内に響く、力強いそのキクノの言葉は不思議と説得力があった。
「で、でも私……」
「ほらっ! しゃきっとしなさい! 私が言うんです、少しは信用してもらっていいですよ。伊達に長いこと生きていませんよ」
キクノの言葉にシロナの表情にチャンピオンとしての威厳が戻っていく。
その時だった。シロナの携帯端末がメールの着信を知らせる軽快な電子音が響いた。シロナが携帯端末を取り出し、通知画面を確認する。
「……レ、レッド君からだわ」
シロナのその言葉に室内に緊張が走る。
特にシロナの表情は不安と恐怖の色に染めあがる。携帯端末を手にしたまま固まる。
「……私の勘ですけど、レッド君はシロナちゃんを嫌ってなんかいないと思いますよ。……ほら、怖がらずにメールを」
キクノに後押しされたシロナは緊張した面持ちでメールを確認する。その様子をリョウとゴヨウもハラハラした様子で見守る。
メールを読み進めるシロナは最初、信じられないものを見るような表情を浮かべた後、徐々に笑顔が浮かんでいく。メールを読み終えた頃には、完全な笑顔となり、乙女の姿を取り戻していた。
「レ、レッド君がすぐに会いたいですって! レッド君、メールが苦手だったみたいで今までそっけない返信をしてたんですって! そ、それに、レッド君、彼女がいないんですって!! か、かなり好意的に想ってくれているみたい……。キクノさんの言う通りだったわ、本当にありがとうございました!」
シロナは頬を朱色に染め、興奮した様子でそう言う。
それを聞いたリョウとゴヨウは、まじで?とでも言いたげにお互いに顔を見合わせている。そんなシロナをキクノは嬉しそうに見つめる。
しばらく乙女モードだったシロナは一度、コホンと咳ばらいを挟み、きっと表情を引き締めると、立ち上がる。
「皆! 今日の挑戦者は必ず返り討ちにしましょう! シンオウリーグが一筋縄でないことを思い知らせてあげましょう! ……そしてその後は」
ゴヨウとリョウは納得がいってなかったが、シロナが元気になったのならまあいいかと思うことにした。
その後、にこにこと笑顔を浮かべた、しかしどこか凄みを感じさせるキクノは、リョウに「オーバ君がこのままだと不戦敗になるので、『げんきのかけら』を使ってあげなさい」という指示を出し、リョウが恐怖に震える思いをしたのは秘密の話。
この日、ヒカリのライバルでもある、才能ある少年がシンオウリーグに挑んできたが、絶好調のシロナに瞬殺されたという。
そのすぐ後、シロナはシンオウから姿を消した。
広い海の中にぽつんと浮かぶとある孤島。
その島に近づく、三体のポケモンがいた。
美しく華々しいそれらは伝説の三鳥である『ファイアー』、『フリーザー』、『サンダー』。
三体は、いち早くこの世に現れた危険因子であるミュウツーの存在に気付いていた。
ポケモン達を無理矢理操り、人々を襲うミュウツー。
それは看過できるものではなかった。
そして、同時にその正体があるポケモンに関わる存在であることも理解する。
だからこそ三体はここに来た。
三体は静かに島の中心地に降り立つと、目の前にいる存在を前に頭を垂れた。
三体は伝説と呼ばれる存在。
その三体が首を垂れる理由。
それは目の前にいる存在が自分達よりも上位種の存在だからだ。
三体の目の前には、寝息を立てながら実に穏やかな様子ですやすやと眠るポケモンがいた。
小さく全身が淡いピンク色で包まれたそれは、全てのポケモンの先祖と呼ばれる伝説のポケモンである『ミュウ』であった。
ヤマブキシティ近くの上空を、かなりの速さで移動する百を超えるポケモンとその背に跨るトレーナー達がいた。
そのポケモン達はいずれもかなり鍛えられていることが分かり、トレーナー達もエリートと呼ばれる実力者に始まり、ジムリーダーや四天王という猛者で構成されていた。
そしてその先頭で指揮をとるのはこの男。
「もうすぐヤマブキシティだ! 気を引き締めろ!」
カイリューの背に乗った元チャンピオンのワタルが後ろを振り返りながら、風切り音に負けない大声でそう叫ぶ。
チャンピオンを退いて尚、その声には頂点に立つ者特有の覇気が込められており、ワタルを追うトレーナーやポケモン達に緊張感が走る。
「……よし、ナツメ! それに他のトレーナー達も手筈通りに頼む!」
声を掛けられた先には、ワタルの手持ちであるプテラの背に乗った、腰まで伸びた艶のある黒髪を靡かせる女性――ナツメがいた。ツリ目であり冷たい性格であることを印象付けるもののその見た目の美しさから隠れファンも多い。
「……分かっているわ」
氷のような冷たい声色でそう答えたナツメは、モンスターボールからフーディンを繰り出す。他のトレーナーの飛行タイプのポケモンの背にフーディンが跨る。
そして、ナツメだけではない。他のエスパー使いのトレーナー達も同様に自分の持つ最高のエスパータイプのポケモンを出していく。
ナツメは、遥か上空であるにも関わらずプテラの背の上で立ち上がる。凄まじい速さで移動しているにも関わらずナツメの体勢は驚くほど安定している。
ナツメは少し息を吸った後、その瞳に力を込める。
ナツメが他の地方に出張している間に自分がいる町が襲われてしまったのだ。その責任もあるのかもしれない。
「フーディン! この場にいるポケモンとトレーナー達を守りなさい!」
ナツメの指示にフーディンが力を込め、周囲にいるポケモンやトレーナー達をエスパーの力によって防御の結界を展開していく。ナツメに続き、他のトレーナーも同様の対応を動きを取っていく。
これは、これから向かうヤマブキシティを襲っている謎のポケモンがエスパーの力でポケモンや人間を操る為、その予防策だ。折角、助太刀にいっても操られていたのでは逆効果になってしまう。
「よし……、見えたぞっ! ヤマブキシティだ!」
ワタルが言った通り、視線を遥か先に向けると街並みが見え出した。
しかし、すぐに状況がおかしいことに気付く。
朝陽が優しく大地を照らす穏やかな光景とは対照的に、町のあちこちから煙が上がり、すでに町の半分ほどが崩壊しているのだ。
「な、なんだあれ!?」
「ひ、酷い……」
「もしかして、あれ全部野生のポケモンか!?」
「何百体……いや何千体いるんだよ!?」
近づくにつれてその実態がより鮮明に見えてくる。
町を埋め尽くす無数のうごめく何かは、目を凝らすと大量のポケモンであることが分かる。そして、情報通りそれらは一体一体が強く、その瞳は虚ろとしている。
ヤマブキシティに住むトレーナー達も懸命に自分のポケモンを繰り出し、応戦しているが、完全に焼け石に水。
ハナダの洞窟という完全な弱肉強食世界で鍛え上げられてきた野生のポケモン達は強く、一対一でもほとんど勝負にならない。その上、数で圧倒してくるのだ、最早勝負にすらなっておらず、一方的な蹂躙だった。
この様子を見て、ナツメも苦虫を嚙み潰したような表情を浮かべる。
「状況は一刻を争う……か」
ワタルは目の前の惨状を前にしても慌てることなく、状況を素早く理解し、どのような手に出るべきかしばし逡巡し、決断する。
「よしっ! 牽制の意味も含めて大火力で攻撃をしかけるぞ! できるだけ町には当てず、決して人に当てないよう注意しろ! いいなっ! 他も続け! イブキもいいな! 攻撃を合わせるぞ!」
ワタルに名指しされた、ワタルと従妹であり同じドラゴン使いでもあるイブキは「分かった! 誰が相手か知らないけど、全力で攻撃してあげる」と、ポニーテールでまとめた水色の髪を揺らしながら応える。
イブキが乗っているポケモンもまたワタルと同様にカイリューである。
ワタルのカイリューは、『りゅうせいぐん』、イブキのカイリューは『はかいこうせん』を放つべく力を込める。
他のトレーナー達も、ワタルの指示通りに自らのポケモン達に『だいもんじ』、『かみなり』、『ふぶき』といった火力のある技をポケモン達に命令していく。
「放て!!!」
ワタルの辺りに響き渡る指示によって、攻撃が発射される。
鍛え抜かれたポケモン達の無数の大火力の技が地に降りていく。
色とりどりのそれらは、美しく幻想的ですらあり、やがてヤマブキシティを襲っていた野生のポケモン達に降り注いだ。技が命中していく度に、轟音が鳴り響いていく。周囲一帯の大地が揺れる。
まるでこの世の終わりを見ているようである。
一斉攻撃の効果はてきめんであり、野生のポケモン達の進行は止まる。
おかげで逃げ遅れていた人達も今の隙に逃げ出すことができて、感謝の意も込めた歓声を上げている。
攻撃がうまくいったことでトレーナー達からも安堵の息が聞こえる。今のところ、誰も操られる様子もない。ナツメ達の力がうまく作用しているのだろう。
「よしっ! 作戦通りここからは二班に分かれるぞ! 一班はこのまま二撃目急げっ! もう一班は住民の救助を優先するんだ!」
ワタルは周囲にそう指示を出し、周りのトレーナーは迅速に行動に移す。しかし、ワタル自身はポケモンに攻撃指示はせずに、目を凝らしてヤマブキシティを襲っているポケモン達を観察していく。イブキもワタルが何をしているかを瞬時に理解し、イブキ自身も何かを探し始める。
……どこだ。
ワタルは今回の件の黒幕を探していた。
寄せ集められた情報によると黒幕は、なんとポケモンだという。強力なエスパータイプであり、他のポケモンや、あまつさえ人間さえも操ることができるという。そして何よりも問題なのが、このポケモンがどうも人間に対し強い憎しみを持っているということだ。
何が理由かは分からない。
最初、ロケット団の存在がちらついた。ロケット団は巨大な悪の組織でその力は絶大であり、かつてのポケモンリーグも対処しきれず困っていた。しかし、そのロケット団は数年前に謎の存在によって跡形もなく壊滅させられている。
なにはともあれ、人々が危険にさらされているこの現状を早急に解決させる必要がある。
しかし、操られている野生のポケモンの数があまりにも多く、また野生のポケモン達からも反撃が飛んできたりとあちこちで戦闘が始まった今、黒幕を見つけることは困難を極めた。
不意を突いたことで今はこちらが優勢だが、このまま時間をかけていては数の差でこちらが疲弊し敗北することは目に見えている。
こちらのトレーナーの数は精々五十人ほどであり、ポケモンの数も数百体程度だ。大して向こうはこちらの十倍以上の勢力である。まともに戦っていては勝ち目は無い。黒幕に集中し倒す必要がある。短期決戦である。
そして。
……見つけた!
探し始めること僅か数十秒。研ぎ澄まされた感覚でもって黒幕の居場所を見つけるワタル。
ここから少し離れた地点にポケモン達がより密集しているその中心に黒幕はいる。ここからでは、その正体ははっきりと見えないが明らかに異彩を放つ何者かがいた。
一話分を書いたつもりが文字数が多くなったので分割で投稿します。第十三話もすぐに(明日くらい?)投稿します。
最後に、感想、評価、誤字報告頂いた方に感謝を。