トップページ > くらし・環境 > 人権 > LGBTQ(性的マイノリティ) > 埼玉県性の多様性を尊重した社会づくり条例について > 埼玉県性の多様性を尊重した社会づくり条例施行に伴う県の考え方Q&A
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Q1-2.性の多様性が尊重された社会づくりをどのように目指していくのですか?
Q2-1.この条例では、第4条で「性的指向又は性自認を理由とする不当な差別的取扱いをしてはならない」とありますが、何が「不当」、「差別的」に当たりますか?
Q2-2.LGBTQに対する差別について、定義やどのような場合に適用されるかが明確になっていないのではないでしょうか?
Q2-3.性自認は、どんな場合でも優先されるのでしょうか。例えば、性自認が女性で、戸籍上の男性が女性専用エリアに立ち入った場合はどうなりますか?
Q4-1. 県は性の多様性を尊重する具体的な施策としてどのようなことを実施していくのですか?
Q4-2.「パートナーシップ・ファミリーシップ」について、どのようなことを実施するのですか?
Q4-3. 県は権利や身分を規定する制度についてどのように見直していくのですか?
「埼玉県多様性を尊重する共生社会づくりに関する調査」(令和2年度)では、無作為抽出した県民の3.3%がLGBTQ(性的マイノリティ)の方でした。そのうち、自死の可能性を考えたことがある方が6割強いたことや不快な冗談・からかわれるなどのハラスメント、いじめを受けている状況が明らかになりました。
そこで、この条例では、自分が好きになる相手、性的な関心の対象となる性についての指向(性的指向)や、自分の性についての認識(性自認)が、地域、学校、職場などで尊重され、差別や偏見を受けることなく、安心して生活できる性の多様性が尊重された社会を目指しています。
(1)性の多様性に関する理解の増進、(2)LGBTQの方本人や周囲の方から性の多様性に関する様々な悩みを受ける相談体制の整備、(3)LGBTQの方が暮らしやすい環境づくりの3つの取組により、目指していきます。
「不当な差別的取扱い」とは、正当な理由なく、性的指向又は性自認を理由として、不利益な取扱いをすることです。
具体的には、性的指向・性自認を理由として、採用時の内定を取り消すこと、従業員を解雇することや、人権の観点から何人も行ってはならない相手の人格を否定する差別的な言動、誹謗中傷、SNS等での差別的な書き込みをすることなどを想定しており、それらを未然に防いでいくことが求められます。
差別に関する考え方と、どのような場合に適用されるかについての具体例はQ2-1でお示ししたとおりです。
なお、人権三法(障害者差別解消法、ヘイトスピーチ解消法、部落差別解消推進法)のうち、障害者差別解消法と部落差別解消推進法においては、差別について定義しておらず、部落差別解消推進法においては、立法者の意図として、差別について意味するところは社会通念上明確と説明されています。また、人権三法はいずれも、差別の具体的な事例を明示しておらず、この条例においても同様に、具体的事例を示す必要があるとは考えておりません。
自らの性自認は尊重されるべきものですが、この条例によって、どんな場合でも性自認が戸籍上の性別に優先されるということにはなりません。
例えば、公衆浴場について、厚生労働省の公衆浴場における衛生等管理要領により、浴室は男女に区分した構造が規定されておりますが、これは公衆浴場法が規定する風紀の確保に必要な措置として定められているものです。また、入浴についてはおおむね7歳以上の男女を混浴させないこととしています。これにより、制限年齢の戸籍上の男性は女湯で入浴することはできません。
「埼玉県性の多様性を尊重した社会づくり条例」が、法律による規制を上回ることはないため、性の多様性の尊重を理由に、違法性が阻却されることはありません。
性の多様性の尊重についての理解を深め、不当な差別的取扱いをはじめ、性的指向・性自認の表明を強制または禁止をしないことや正当な理由がなく、性的指向・性自認に関して本人の意に反して本人が秘密にしていることを明らかにしないことが求められます。
県が実施する研修や啓発イベントへの参加協力や、事業者においては、公正採用や、ハラスメント防止対策、従業員向け相談窓口の設置、同性パートナー等に配慮した顧客サービスの提供などが考えられます。
今後、本条例に基づき策定する基本計画により、市町村、関係団体等と相互に連携を図りながら施策を進めていきます。
具体的には、以下のとおり取り組んでまいります。
(1)性の多様性に向けた理解の増進
性的指向・性自認を理由とする不当な差別的取扱いの禁止について、県民・事業者に対する理解増進に向けた啓発・研修の実施
(2)相談体制の整備
(3)性の多様性を尊重した社会づくりのための取組
この条例では、「パートナーシップ・ファミリーシップ」について、「互いを人生のパートナー又は家族として尊重し、継続的に協力し合う関係」と定義しています。この関係を、県と市町村との共通認識として考え、理解増進や啓発を進めるために必要な施策を講じてまいります。ただし、市町村において、さらなる制度等を作ることについては、それぞれの市町村の判断となります。
国において家族及び家族制度について明確な考え方が示されていない中で、この条例の定義を根拠に、生計を共にするLGBTQの方等の権利や身分について規定することは難しいと考えます。
日本政府は、性の多様性の尊重について、国連人権高等弁務官事務所(Office of the High Commissioner for Human Rights: OHCHR)への報告の中で、「性の多様性が尊重され、すべての人が人権を大切にし、互いを尊重し、活動的な生活を送ることができる社会の実現」と明記しています。
そこで、県では、生計を共にするLGBTQの方等の権利や身分に関する必要な措置について、日本政府の考え方にのっとり、各々の制度や手続ごとに必要な対応を行ってまいります。
この考え方は、例えば、育児・介護休業法で、同法律が定める措置の対象について事実上婚姻関係と同様の事情にある者等を含めた範囲をこの法律限りにおいて定義し、それに基づき措置がなされているのと同様です。
今後の取組例として、県職員向けの扶養手当や結婚休暇、忌引休暇、家族看護休暇、介護休暇など、「配偶者」に事実上婚姻関係と同様の事情にあるものを含めている制度には、同性パートナーも同様に含めるよう、条例・規則等の改正に向け準備を行ってまいります。
また、令和5年1月から、同性パートナーである方も県営住宅に入居できるよう、入居基準の見直しを行いました。詳しくは下記ページをご覧ください。
県営住宅における性の多様性を尊重した入居基準の見直しについて(別ウィンドウで開きます)
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