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episode7「虹の彼方に」
発売:2014年6月6日 脚本:むとうやすゆき 監督:古橋一浩 絵コンテ:古橋一浩/村瀬修功/玄馬宣彦 演出:佐藤照雄/初見浩一 総作画監督:高橋久美子/玄馬宣彦
 北米シャイアン基地 グスタフ・カール
パイロット 「ふあぁ……」
 同・『カフカスの森』 コマンドルーム
管制員A 「測的支援艦チトセ、射線上より後退。地球周回艦隊、当該空域から退避」
管制員B 「"システム"、ルナツーの陰より移動」
管制員A 「姿勢制御開始、自転再開。ジャイロ安定確立」
管制員B 「照準誘導管制、ガイドレーザーとの接続確保」
管制員A 「"システム"、射撃ポジションにて定位作業中。発電衛星各基、追随して定位。作業艦艇も定位配置――」
 同・基地司令室
エイブルス 「ミズ・マーサ、ローナン議長。ご無沙汰しております」
マーサ 「ネェル・アーガマの位置は?」
エイブルス 「インダストリアル7付近の宙域で、ネオ・ジオン艦隊と交戦中。ゼネラル・レビルより発した特務機も戦線に到達しております」
マーサ 「所詮は水と油。連邦とネオ・ジオンの寄り合い所帯は決裂したようね」
「ローナン議長。お聞きの通りです。『ラプラスの箱』は、インダストリアル7……メガラニカにあるとみて間違いありません。どちらかがそこにたどり着いた時には……」
エイブルス 「射線上はクリアです。いつでもご指示を」
アルベルト 「…………」
マーサ 「これで『ラプラスの箱』は失われ、新たな『箱』が誕生する……。ひとつのコロニーを犠牲にして秘密を守ったという忌むべき事実。財団と政府の共犯関係を継続させる、新しい『箱』が……」



 ラー・カイラム ブリッジ
ブライト 「グリプス2だと?」
カイ(通信) 「コードネームは"システム"。地球軌道艦隊の再編に合わせて修復されたらしい。コントロールセンターは北米のシャイアンに置かれているというのが、もっぱらの噂だ。そこに連邦とビスト財団の代表者が、揃って向かったとなれば――」
ブライト 「何もかも焼き払うつもりか」
カイ(通信) 「だろうな。財団はもう『箱』の維持にこだわっていない。第三者の手に渡るくらいなら、いっそ……」
ブライト 「戦闘中のネェル・アーガマに危機を伝える手立てはない。インダストリアル7に避難勧告を出して、間に合うタイミングでもないな……」
カイ(通信) 「苦労するねぇ、ブライト艦長」
ブライト 「全艦、大気圏突入用意! 本艦はこれより、地球に降下する!」


 メインタイトル『機動戦士ガンダムUC』


 バンシィ・ノルン
《フルアーマー・ユニコーンガンダム(U-MODE)》
 VS
《バンシィ・ノルン(U-MODE)》
リディ 「くッ! サイコフレームを増やしているのに、なんでNT-Dが発動しない!?」
バナージ(通信) 「早くその黒いユニコーンから……バンシィから降りてください! それは危険なマシーンです!」
リディ 「黙れ!」
 ネェル・アーガマ ブリッジ
サーセル 「先行する作戦機、敵モビルスーツ部隊と接触。交戦に入ります!」
レイアム 「ユニコーンの状況は!?」
サーセル 「後方150キロ、依然交戦中!」
コンロイ(通信) 「エコーズ隊、EC-01(エコーワン)、メガ・バズーカ・ランチャーに主砲用動力を接続、設置完了」
ウタルデ 「了解。対空戦闘準備よし!」
オットー 「撃ち方はじめ!」
《ジェガン》
 VS
《ギラ・ズール》《ヤクト・ドーガ》
《リゼル隊長機》
 VS
《バウ》
サーセル 「ロメオ011大破! 敵機、防衛ラインを突破。急速に近づく!」
オットー 「うぬう、捕捉されたか! 対空迎撃!」
《ネェル・アーガマ》
 VS
《バウ》
オットー 「特攻する気か!?」
《バウ》 大破


 サブタイトル episode7「虹の彼方に」


 ユニコーン/バンシィ
《フルアーマー・ユニコーンガンダム(U-MODE)》
 VS
《バンシィ・ノルン(U-MODE)》
バナージ 「こんなことしてる場合じゃないんだ! フロンタルが!」
リディ 「お前さえいなければ!」
バナージ 「ユニコーンとバンシィが引っ張りあってる!? これ以上抑えきれない!」
リディ 「手加減してるっていうのか……? お前は、どれだけおれをみじめにさせたら……気が済むんだ!」
バナージ(感応) 「リディさん! ダメだ!」
【《バンシィ・ノルン》 NT-D発動】
【《フルアーマー・ユニコーンガンダム》 NT-D発動】
 ネェル・アーガマ ブリッジ
バナージ(感応) 「状況をよく見て! ここでおれたちが戦う理由なんてないんだ!」
リディ(感応) 「連邦軍の士官として、マーセナス家の人間として――」
ミコット 「あの少尉さんなの……?」
タクヤ 「なんでガンダム同士が戦ってんだよ!?」
リディ(感応) 「貴様たちが『ラプラスの箱』に近づくのを、阻止する義務がおれにはある!」
バナージ(感応) 「嘘でしょリディ少尉! あなたはオードリーのために――」
リディ(感応) 「黙れ! お前みたいな子供がニュータイプだとおだてられて、事態を引っ掻き回して、許せないんだよ!」
ミヒロ 「リディ少尉、どうして……」
ミネバ 「…………」
サーセル 「新たな敵影感知! 中隊規模です。薔薇のモビルスーツも確認!」
オットー 「ぐぬぅ……アンジェロ大尉か!」
《ネェル・アーガマ部隊》
 VS
《ギガン(宇宙仕様)》《ズサ》《ガザD》《ガ・ゾウム》
 ローゼン・ズール
アンジェロ 「棄民の王となる大佐こそ、『箱』の持ち手に相応しい。それを理解しない愚民どもめ……!」
「お前らは染みだ。残らず消してやる!」
.
《リゼル部隊》《スタークジェガン》
 VS
《ガザD》
《ギラ・ズール(親衛隊機)》《ジェガン》
 VS
《ガザD》《ギラ・ズール》
《ジェガン(エコーズ仕様)》
 VS
《リゲルグ》

 ネェル・アーガマ ブリッジ/クシャトリヤ・リペアード
ウタルデ 「FCSの回線が切れた! 火器管制室に回ります!」
サーセル 「あッ……」
マリーダ(通信) 「ブリッジ。マリーダ・クルス、クシャトリヤ、出ます」
ミヒロ 「……! 艦長!」
オットー 「…………」
レイアム 「やめさせろ、ミヒロ少尉! 彼女はまだ戦える状態じゃない……そうですね?」
オットー 「…………」
ジンネマン 「行かせてやってください」
オットー 「……!」
ミネバ 「ジンネマン……」
ジンネマン 「クシャトリヤは後方に配置して、黒いガンダムの足を止めさせます。そうすりゃ、ユニコーンを正面の敵に回せる」
オットー 「しかし、マリーダ中尉は……」
ジンネマン 「このままじゃ、どの道やられる。フルアーマーとやらの火力を前面に展開して、一点突破」
ジンネマン(通信) 「その間にこちらは、敵モビルスーツの軌道データから、母艦の位置を解析。敵戦力をユニコーンが引き付けている間にメガ粒子砲をぶち込み、レウルーラの随伴艦を沈めます」
マリーダ 「ぐッ……ぅ……」
ジンネマン(通信) 「マリーダ、聞いての通りだ。やれるな?」
マリーダ 「……はい」
ジンネマン(通信) 「無理はするな。お前もクシャトリヤも、万全の身じゃないんだ」
マリーダ 「わかっています」
「……ありがとう」
ジンネマン(通信) 「ん?」
マリーダ 「クシャトリヤ、出る!」
ジンネマン 「…………」
オットー 「キャプテン。砲術長の席へ」
レイアム 「艦長!」
オットー 「戦闘アドバイザーは必要だ。……よろしいな?」
ジンネマン 「……はっ!」


 ユニコーン/バンシィ/クシャトリヤ
《フルアーマー・ユニコーンガンダム(D-MODE)》
 VS
《バンシィ・ノルン(D-MODE)》
リディ 「ニュータイプ……『ラプラスの箱』の呪いを具現する人の亜種……誰かが人柱になって! 沈めなきゃな!」
「呪いを残したマーセナス家と、呪いを隠してきたビスト家――」
リディ(通信) 「それぞれを継ぐおれたちが消えれば、百年越しの因縁も消滅する!」
バナージ 「本気なのか……!?」
リディ 「こんなはずじゃなかったさ! あれは呪いじゃなくて祈りだったんだ。ニュータイプなんてものが生まれてこなければ!」
バナージ 「落ち着いてリディさん! あなたはマシーンに呑まれてる!」
リディ 「それがどうした! 宇宙に適応した新人類を倒そうっていうんだ、マシーンに魂を売るくらい――」
バナージ(通信) 「違う、それは違うよリディさん! あなただってニュータイプだ!」
バナージ 「このサイコフレームの光は、あなたの中から発している!」
リディ 「何……!?」
バナージ(通信) 「あなたにも聞こえるはずだ! みんな、あなたを心配している。オードリーも、ミヒロ少尉たちも……」
リディ 「……! は……喋るな!」
バナージ 「……!?」
リディ 「何だ!?」
バナージ 「マリーダさん!」
マリーダ(通信) 「こいつの相手は私がする。お前はネェル・アーガマの進路を開け!」
バナージ 「でも、あなたは!」
《クシャトリヤ・リペアード》
 VS
《バンシィ・ノルン(D-MODE)》
マリーダ 「邪魔だ、早く行け!」
バナージ 「……!」
リディ 「邪魔するな……!」
マリーダ 「ぐぅッ! あッ……」
リディ 「どけえ!」

 ネェル・アーガマ ブリッジ/ジェガン/ユニコーン
《ネェル・アーガマ》
 VS
《シュツルム・ガルス》
サーセル 「第4カタパルトに敵モビルスーツ! 取り付かれました!」
オットー 「排除しろ!」
《ジェガン》《ギラ・ズール》
 VS
《シュツルム・ガルス》
《ネェル・アーガマ》《ジェガン(エコーズ仕様)》
 VS
《シュツルム・ガルス》《ズサ》
コンロイ 「……バナージ!」
ミヒロ(通信) 「ユニコーンガンダム、補給を受けてください」
バナージ 「まだいけます!」
《ジェガン》
 VS
《ザクⅢ》
 ローゼン・ズール
ネオ・ジオン兵
(通信)
「やれるぞ! 押し込め!」
アンジェロ 「どこだ……?」
「あれか!」

 ユニコーン/ローゼン・ズール
《ユニコーンガンダム(D-MODE)》
 VS
《ガザD》《ズサ》《ザクⅢ》《ガ・ゾウム》《ローゼン・ズール》
バナージ 「味方ごと撃つのか……!?」
アンジェロ 「忠義面して世界をめちゃくちゃにした戦争屋ども! みんな汚らわしい染みだ!」
《ユニコーンガンダム(D-MODE)》
 VS
《ローゼン・ズール》
バナージ 「なんだ……? ぐあぁッ!」
「ぐッ……サイコミュが遮断されていく……!?」
【《ユニコーンガンダム》 NT-D解除】
アンジェロ(通信) 「初めて会った時から気に食わなかった……」
アンジェロ 「死んじゃえよ、お前!」

 ネェル・アーガマ ブリッジ/第二通信室
ミネバ 「……!」
オットー 「何が起こってるんだ……そちらで観測しているか!?」
アーロン 「あのファンネルみたいなものが、一種の妨害電波を出しているのかも知れません。サイコミュを制御する精神感応波も、波の一種ですから――」
アーロン(通信) 「より強い波をぶつけてやれば、打ち消すことも可能なはずです」
オットー 「ユニコーンなら、振り切れるはずだ」
アーロン(通信) 「ですが、サイコミュ同士が引き合っているなら、ユニコーンの機動性能で――」
ミネバ 「少尉……リディ少尉」

 バンシィ/クシャトリヤ/ユニコーン
ミネバ(感応) 「リディ少尉……!」
「今やらなければならないことは何か、あなたの心は分かっているはず……」
リディ 「……!? ぐッ……」
《クシャトリヤ・リペアード》
 VS
《バンシィ・ノルン(D-MODE)》
マリーダ 「ぐあッ……! くっ!」
リディ 「ぐあぁ……くふッ……」
ミネバ(感応) 「バナージを助けて!」
リディ 「……はッ!」
「幻だ、こんなの! サイコミュが人の雑念を拾ってるんだ!」
ミネバ(感応)
マリーダ(感応)
『マシーンは増幅しているだけ。そのバンシィも可能性の獣。人の心に反応するシステムを持っている……』
リディ 「人の心? 心が伝わる……? ……アルベルト!」
ミコット(感応) 「リディ少尉!」
タクヤ(感応) 「やめてくれ、少尉さん!」
ミヒロ(感応) 「本当のあなたに戻って、リディ少尉! それ以上、自分を傷つけないで!」
リディ 「はぁ……はぁ……ぐッ……! はっ……?」
「…………」
(それ以上自分を……)
リディ 「ぐあッ!?」
(本当の貴方に戻って……)
(それ以上自分を……)
(それ以上自分を……)
(本当の貴方に戻って……)
(それ以上自分を……)
リディ 「みんなで……みんなで、おれを否定するのか……!」
ミネバ 「リディ!」
リディ 「ミネバ……おまえはおれを……独りにしないでって、言ったのに……」
バナージ 「はっ!? 駄目だ!」
《クシャトリヤ・リペアード》 撃破
 ユニコーン/ローゼン・ズール
バナージ 「ぐうおおぉぉッ! ああぁァァァ!!」
【《ユニコーンガンダム》 NT-D発動】
アンジェロ 「数値を超えた……感応波だと……!?」
 バンシィ
マリーダ(魂) 「その生真面目な心が、他人も自分も傷つける」
リディ 「はッ……あぁ……」
マリーダ(魂) 「落ち着いて周りを見渡せばいい。世界は広い。こんなにたくさんの人が響き合っている」
リディ 「ま、待って……!」
「おれは……おれは、何を……したんだ……!?」
 ジェガン(エコーズ仕様)
コンロイ 「"何かが、この宙域を"……?」
 ネェル・アーガマ 銃座
フラスト 「……マリーダ? "狙っている"……?」
 同・クレーン操作室
ミヒロ 「聞こえた!?」
タクヤ 「ああ……"気を付けろ"って」

 ネェル・アーガマ ブリッジ
レイアム 「何だ!?」
ミヒロ 「この声……?」
オットー 「あれは爆発の光とは違うぞ! 何だ!?」
ミネバ 「…………」
ジンネマン 「お前ってやつは……最後の最後に、そんなことを言いにきたのかよ……」
マリーダ(魂) 「あなたは私の光。もう一度、私を生んでくれた光でした」
ジンネマン 「あぁ……」
マリーダ(魂) 「ありがとう。お父さん」
ジンネマン 「あ……ぁ……」
ミネバ 「…………」
マリーダ(魂) 「姫様……マリーダ・クルス、ここまでです」
ミネバ 「マリーダ、ごめんなさい……私はあなたに、何ひとつ……」
マリーダ(魂) 「…………」
「姫様は、バナージをしっかり繋ぎ止めてください。でないと、彼は……」
ミネバ 「あ……」

 ユニコーン/ローゼン・ズール
【《ユニコーンガンダム》 覚醒】
アンジェロ 「ただのシールドが、あんな!?」
「ぐッ……くッ……貴様ごときが!」
《ユニコーンガンダム(覚醒)》
 VS
《ローゼン・ズール》
アンジェロ 「……はッ!?」
「うッ……あァっ! あぁ……!」
「なぜ貴様なのだ……望んでもいない貴様が、なぜ必要とされる……! 見るな……見せるな!」
「あっ……あぁ……大佐! あぁッ……」
「ああ……大佐……」
バナージ 「……はっ」
【《ユニコーンガンダム》 NT-D解除】

 『カフカスの森』 基地司令室
管制員 「発光現象、収まっていきます」
エイブルス 「原因を調べろ! 目標の位置、変わりないな!?」
ローナン 「…………」
アルベルト 「あぁッ……ぐふっ……マリーダ……」

 ネェル・アーガマ ブリッジ
ミヒロ 「ウィリアム001(ワン)、002(ツー)、配置につきました」
サーセル 「レーザー回線、接続。解析映像来ます」
ウタルデ 「エンドラ級2、ムサカ級1を捕捉。照準誤差プラスマイナス0.5の範囲内でいけます」
ミヒロ 「味方機後退、射線クリア!」
オットー 「ハイパー・メガ粒子砲……」
「撃て――ッ!!」
《ネェル・アーガマ》
 VS
《エンドラ級戦艦》《ムサカ級戦艦》
サーセル 「エンドラ級1、ムサカ級1、撃沈! 残存するエンドラ級、中破!」
オットー 「反撃はないな!?」
ミヒロ 「エンドラ級、直掩と共に後退する模様!」
オットー 「……ふぅ」
ジンネマン 「…………」
ミネバ 「…………」
オットー 「幻じゃない。確かに聞こえた……」
ミネバ 「…………」


 ユニコーン/バンシィ
リディ 「ぐぁッ……ぐッ……!」
ジンネマン(感応) (お前に何もしてやれなかった……)
アルベルト(感応) (そばに居てくれるだけでよかった……)
ジンネマン(感応) (お前こそ俺の光だったのに……)
アルベルト(感応) (それだけで、ぼくは……)
ジンネマン(感応) (マリーダ……)
リディ 「ぐッ……はぁッ……ユニコーン……」
「これが、ニュータイプの感応……うッ……」
「バナージ……おれを、撃て……撃ってくれ……」
【《バンシィ》 NT-D解除】
リディ 「うぅッ……ぐッ……ぐはァッ……!」
バナージ 「うッ……うぅ……あ、あぁッ……!」



 『カフカスの森』 基地司令室
管制員 「観測評価。ネェル・アーガマ、ネオ・ジオンの戦線を突破」
マーサ 「いよいよね」
ローナン 「…………」
マーサ 「…………」
「発射の手はずを――」
ローナン 「まだ早い」
「『箱』それ自体に意味は無い。彼らがそれをどう扱うか、見極めてからでも遅くはない」
マーサ 「…………」
(警報)
 北米シャイアン基地 グスタフ・カール/ジェスタ
ブライトの声 「ロンド・ベルの作戦指揮権に基づき、シャイアン基地施設内の捜索を行う」
グスタフ・カール
パイロット
「ぐッ……はぁ……はぁ……!」
《ジェスタ》
 VS
《Zプラス》
グスタフ・カール
パイロット
「はぁ……はぁ……ふおぉッ!?」
《ジェスタ》
 VS
《グスタフ・カール》
ナイジェル(通信) 「やり過ぎるなよ」
ダリル 「隊長こそ!」
《ジェスタ・キャノン》
 VS
《Zプラス》
ワッツ 「これぐらいしか、出番ないっすからね!」
ナイジェル 「フッ」


 ユニコーン/ジェガン
コンロイ 「何があっても落ち着いて対処するんだ」
コンロイ(通信) 「バナージ。俺たちがケツを支えてるってことを忘れるな」
バナージ 「はい」
「……君まで来ることはなかったのに」
ミネバ 「私にも見届ける権利が……いえ、義務があります」
バナージ 「多すぎる人が死んだ。『ラプラスの箱』が、その犠牲に見合うものでなかったら……」
ミネバ 「それが何であっても、これから何が起きたとしても……約束して。必ず私のところに帰ってくるって」
バナージ 「…………」
ミネバ 「…………」
バナージ 「……あっ」
ミネバ 「"私のたったひとつの望み"……」
バナージ 「……コンロイさん。あの屋敷に……ビスト邸に向かいます」
 ネェル・アーガマ ブリッジ
サーセル 「居住区内に動体反応を確認。メガラニカに変化ありません。コマンド・モジュールは無人の模様」
ミヒロ 「港湾センターからも応答なし。通信が遮断されているようです」
オットー 「メガラニカの主、ビスト財団宗主の差し金か……我々も入ってみるか」
レイアム 「艦長っ」
オットー 「ネェル・アーガマはもう限界だ。入港後にゲートを閉鎖すれば、メガラニカを退避豪にできる」
ジンネマン 「待ってください」
レイアム 「あっ」
ジンネマン 「修理状況を見てきた。ジオンの艦なら、もう一戦やれる復旧具合です」
レイアム 「ジンネマン大尉……」
ジンネマン 「まだ、レウルーラがいます。フル・フロンタルがどう出てくるか分かりません。それに、ゼネラル・レビルの出足が遅いのも気になる。何があっても対処できるように、艦は外で待機しておいた方が――」
オットー 「何かが我々を狙っている」
「……マリーダ中尉は、そう言っていたな」
ジンネマン 「……待ちましょう、ユニコーンを。今度は俺たち大人が、あいつを守ってやる番です」
オットー 「…………」
(警報)
オットー 「はっ」
サーセル 「メガラニカの回転が!」
オットー 「何っ!?」
 メガラニカ ビスト邸敷地内
コンロイ(通信) 「応答しろ、バナージ! メガラニカの回転が止まりかけている。そちらの状況は!?」
ミネバ 「コンロイさん!」
バナージ 「急ごう!」


 ビスト邸 大広間
ミネバ 「ここに……」
サイアムの声 「待っていた」
ミネバ 「!?」
サイアムの声 「たったひとつのことを、伝えるために……」
 メガラニカ 氷室
サイアム 「我が一族の末裔と、ジオンの姫御子……『ラプラスの箱』を託すのに、これ以上の適任者もおるまいな」


 『カフカスの森』 コマンドルーム
管制員A 「ネェル・アーガマ、目標に部隊を派遣。現状を維持、待機の模様」
管制員B 「目標メガラニカの回転居住区に変化を確認! 状況、解析に回します」
ブライト 「ん……?」
管制員A 「ネオ・ジオン艦隊、暗礁宙域に潜伏。残存勢力の再編成中と推定。動向に変化認められません」
ブライト 「…………」
 ネオ・ジオング
フロンタル 「封印が解けるか」



 メガラニカ 氷室へ続く通路
ミネバ 「…………」
バナージ 「…………」
サイアムの声 「海から発した生命が、陸に上がるまでに億万年……幾度かの興亡を経て、人の形を得るまでにさらに億万年の時間が必要とされた。進化とはそのようなものだ。個体に与えられた寿命で、体感できるものではない。が、ニュータイプとは認識力の拡大。個体の意識に変革が促されるという」
「……西暦最後の夜。宇宙世紀が始まるその瞬間に、それは紡ぎ出された」
バナージ 「宇宙世紀憲章の……石碑?」
ミネバ 「……あっ。あの石碑、ほら、あそこ」
「私たちが知っているのと違う。条文がひとつ多い」
バナージ 「えっ?」
 同・氷室
ミネバ 「…………」
バナージ 「あっ……」
ミネバ 「"将来、宇宙に適応した新人類の発生が認められた場合、その者たちを優先的に政府運営に参画させる" ……新人類!?」
バナージ 「ニュータイプ……」
サイアム 「それが……『ラプラスの箱』」
ミネバ 「……!」
バナージ 「…………」
サイアム 「我々を、百年の長きに渡り縛り付けてきた、呪いの正体だ」
「そして、祈りでもある」
 ネェル・アーガマ ブリッジ/バンシィ
オットー(通信) 「リディ少尉、聞こえているか? オットーだ」
「帰ってこい。君はまだ、ネェル・アーガマのクルーだ」
ミヒロ(通信) 「リディ少尉、ミヒロです。聞こえていたら応答して!」
リディ 「ミヒロ少尉……」
ミヒロ 「はっ」
リディ(通信) 「オットー艦長……」
「どうにもならなかった……いや、違うな……道はほかに幾つもあった。それなのに……」
リディ 「艦長。連邦は、なぜジオンをああも恐れて否定してきたんでしょうね。コロニー落としをやった悪魔の集団……それは結果であって、始まりじゃない。問題はニュータイプなんですよ」
「"将来、宇宙に適応した新人類の発生が認められた場合――」
リディ(通信) 「その者たちを優先的に政府運営に参画させることにする" ……百年前に紡がれた祈りは、ジオン・ダイクンがニュータイプ論を唱えた瞬間から、呪いに変わってしまった……」
オットー 「それが――」
リディ(通信) 「増えすぎた人口を宇宙に棄てたことへの贖罪のように、『未来』という名の一節を、初代首相リカルド・マーセナスは書き加えた」
ミヒロ 「……!」
リディ 「だが彼は、連邦の支配体制の人柱にされた。宇宙世紀憲章も書き換えられ、それですべてが終わったはずだった。暗殺を実行したテロリストの一人、サイアム・ビストが本物の石碑を手に入れさえしなければ……それで……」
 メガラニカ 氷室
ガエル 「この方が、サイアム・ビスト。ビスト財団の創始者にして、バナージ様、あなたの曽祖父にあたるお方です――」
バナージ 「見ていたんですか」
「これまでのことを、全部見ていてあなたは――」
ミネバ 「バナージ」
バナージ 「…………」
ミネバ 「サイアム・ビスト。あなたはこれを使って、長きに渡って連邦政府から便宜を引き出してきた。それを、なぜ今になって?」
サイアム 「4年後の、宇宙世紀百年をもってジオン共和国の自治権は返還される。ジオンの名はその思想ごと、忘却の淵に沈められるだろう。いずれは、ニュータイプという言葉も忘れられ、『箱』の呪いも無へと還る。祈りも……」
ミネバ 「…………」
サイアム 「絶望することなく、閉塞することなく、もう一度可能性という名の神と向き合うための祈り。今という時を逃せば――」
ミネバ 「でもそれでは、また戦争が起きます。各国代表のサインがなされているなら、この石碑は法として機能します。ジオン残党のような、反政府勢力がこれを手にすれば、連邦を倒すまたとない武器となる。そうなれば、一年戦争の再現……善意の、真実の代償としてはあまりにも……」
サイアム 「だから――」
ミネバ 「……!」
サイアム 「あなた方ニュータイプに事を託したい」
バナージ 「…………」
ガエル 「ラプラス・プログラムは、真のニュータイプを見分けるためのシステムです。強化人間のそれと違って、真のニュータイプの感応波は数値を超える。それが誰であれ、真のニュータイプを『箱』へと導く鍵。それが、ユニコーンガンダムです」
「すべてはカーディアス・ビストが計画したことでありました。あなたを乗せようなどとは、あの方は夢にも思っていなかった。ですが、きっと……」
バナージ 「……………」


 ネェル・アーガマ ブリッジ/バンシィ
オットー 「たったそれだけのこと……」
リディ(通信) 「彼は利口な男でした。石碑の存在を盾に、政府を脅しはしても、無茶な要求はしない。当時、新進の企業だった"アナハイム・エレクトロニクス"の発展に貢献し、ビスト財団を作り上げて――」
オットー 「連邦との共生関係が始まった……。オリジナルの石碑『ラプラスの箱』を隠し奉ることで維持されるシステム……もはや中身が何であろうと関係ない、世界の秩序を象徴する『箱』か……」
リディ 「はじめはせいぜい、時の政権を脅かすスキャンダルでしかなかった。でもジオン公国の勃興がすべてを変えた」
「ニュータイプが実在するかどうかは問題じゃない。連邦がその条文を葬ったという事実そのものが、ジオンを信奉する者にとっては最大の武器となる。黙っているしかなかった。この世を地獄に変えないために……」
「でも、結果的に地獄は来た。一年戦争……その犠牲の大きさと、戦争によって実証されたニュータイプの存在が、『箱』の呪いを、さらに重くした。だから親父たちは、秘密を守ってこなければならなかった。もう一度、全面戦争が起こる恐怖より、歪んだ体制の中で人々が飼い慣らされてゆく道を選んだ。でも、そうして守った秩序とは何だ?」
「おれは彼女の――マリーダ・クルスの声を確かに聞いた。それまで名前も知らなかった、彼女の声を……」
リディ(通信) 「分かり合えるんだ。そういう可能性も人にはあるんだ。守ると言いながら、おれは守る相手を信じていなかった。みんなを失望させて……何もかも失くしてしまった……」
ミヒロ 「…………」
オットー 「…………」
リディ(通信) 「うッ……うぅ……グスッ……」
(警報)
ミヒロ 「あっ」
オットー 「ん!?」
リディ 「直撃……? 艦砲じゃない、モビルスーツか!?」
ジンネマン(通信) 「対空警戒! フル・フロンタルかも知れん。よく探せ!」
リディ 「フル・フロンタル……」


 メガラニカ 氷室
サイアム 「心配はいらん。その時のために、このメガラニカは強固に造られている」
「黒き獅子も加勢に参ったようだ」
バナージ 「…………」
ミネバ 「その時、とは?」
サイアム 「『箱』の守り人として、一個の肉体としては、長すぎる時を渡りながら、私にはたったひとつの望みがあった。もし本当にニュータイプが存在するなら、彼らにこそ『箱』を託したい。彼らなら、よりよく『箱』を使い、あるべき未来を取り戻してくれるだろうと」
「人の精神……心に触れられる技術が完成しつつあるなら、確かめてみたいと思った。だが、それは私の望みだ。"たったひとつの望み"は人の数だけある。このまま『箱』を開けずともよいし、壊してくれてもかまわない。それでも気が済まないというなら、この老いぼれを殴り殺すもよかろう」
バナージ 「…………」
サイアム 「お前は何を望む? その心に何を願う?」
バナージ 「……ニュータイプが新たな人の形であるなら、それを見分ける力は、いまの人間には無いと思います。だから、おれや彼女が、あなたが求める資質を持っているかどうかなんて分からないし、何が最善なのかも分かりません。でも……それでも、その先にあるものを、ひとりの人間として……人を……人の持つ可能性を、おれは信じたい」
サイアム 「準備は出来ている」
「あらゆる通信・放送システムを介して、全地球圏への放送ができる。財団の力をもってしても容易いことではなかったが……猶予は無いぞ。連邦は総力を挙げて阻止しようとする。一刻も早く――」
バナージ 「っ!」
ミネバ 「あっ!?」
フロンタル 「やめた方がいい」
バナージ 「…………」
ミネバ 「…………」
フロンタル 「むしろ可能性を閉ざす行為だ。『箱』の秘密は秘密のまま、連邦と取引する材料に使えばいい」
ミネバ 「フロンタル……」
フロンタル 「それでこそ、スペースノイドに真の繁栄がもたらされる」
 メガラニカ周囲/バンシィ
リディ 「あっ……?」
《ジェガン(エコーズ仕様)》部隊
 VS
《ネオ・ジオング》
《ジェガン(エコーズ仕様)》
 VS
《ジェガン(エコーズ仕様)》
リディ 「新手のサイコ・マシーン……? フル・フロンタルか!」
 メガラニカ 氷室
フロンタル 「…………」
ミネバ 「退がりなさい、フル・フロンタル。お前は、シャアに似せて造り上げられ、その役割を果たそうとしているだけの男。お前の言うサイド共栄圏の実現も、与えられたプログラムに過ぎないのではないのか? もとより人の未来を信じていない男に――」
フロンタル 「始まりはそうであったかも知れない。だが、いまの私は空ではない。ここへ踏み入り、この目で『箱』の正体を確かめたいと願ったのは私ではない。実は私にも分からないのです。作り物の器に注がれたこの思いが、いったい誰のものなのか……」
「ビスト家宗主、サイアム・ビスト。ネオ・ジオン総帥として、スペースノイドを代表する者として、『ラプラスの箱』をお預かりしたい」
ミネバ 「…………」
フロンタル 「これは、代理人同士の交渉ではありません。鍵の受け渡しの時のような邪魔は無用に願いたい」
サイアム 「お前の言うことも間違ってはいない。人が目の前の現実を生きるために、『箱』は開かれるべきではないのかも知れん」
フロンタル 「ならば――」
サイアム 「なればこそだ。『箱』の解放の是非は、それを取引の材料としか考えられん人間の手に委ねられるべきではない。お前や私のような人間には……」
「シャアの亡霊よ。じきに宇宙世紀は百年の区切りを迎える。もう我々の時代ではない。子供たちに託すべき時が来たとは考えられんか」
フロンタル 「……彼らこそ、真のニュータイプであると?」
サイアム 「それは重要ではない。『箱』へと至る道のりを経て、彼らは決断をした。私はそれを受け容れたく思う」
フロンタル 「了解した。これ以上の戦争行為は、本意ではない。が……受け容れられないなら、宇宙世紀憲章は実力を行使して貰い受ける」
サイアム 「むッ……!」
「まこと、亡霊か……」
ガエル(通信) 「サイアム様、ご無事で!?」
サイアム 「うむ」
ガエル(通信) 「正体不明のサイコ・マシーンに侵入されました」
サイアム 「通信モジュールを死守しろ。あれが破壊されれば、全地球圏への放送ができなくなる」
ガエル(通信) 「はっ、必ず。サイアム様は?」
サイアム 「私のことはいい。相手はフル・フロンタルだ。油断するな」
バナージ 「…………」
ミネバ 「バナージ!?」
バナージ 「戻ってくるよ、必ず!」
ミネバ 「…………」


 メガラニカ周囲/バンシィ
《バンシィ・ノルン(U-MODE)》
 VS
《ネオ・ジオング》
《ジェガン(エコーズ仕様)》部隊
 VS
《ネオ・ジオング》
《ジェガン(エコーズ仕様)》
 VS
《ジェガン(エコーズ仕様)》
コンロイ 「むっ!?」
エコーズ隊員
(通信)
「隊長! 撃ってください!」
コンロイ 「くッ……」
エコーズ隊員
(通信)
「隊長――!!」
コンロイ 「うっ……はッ!?」
《バンシィ・ノルン(U-MODE)》
 VS
《ジェガン(エコーズ仕様)》
リディ(通信) 「退がれ! こいつは危険だ!」
リディ 「殺気が感じられない……プログラムか? はッ!?」
《バンシィ・ノルン(U-MODE)》
 VS
《ネオ・ジオング》
フロンタル 「先を急ぐ」
リディ 「ぐううおおぉぉッッ」


 ビスト邸敷地内/シルヴァ・バレト
バナージ 「うっ、うわぁ!?」
「げふっ」
ガエル 「バナージ様、お怪我は!?」
バナージ(通信) 「平気です!」
ガエル 「早く、ユニコーンへ!」
フロンタルの声 「『箱』を継ぐ者……ここから先は通さんと言っておこうか」
ガエル 「押し通る!」
《シルヴァ・バレト》
 VS
《ネオ・ジオング》
バナージ(通信) 「ダメだ! 後退して!」
ガエル 「あなたのお父上には、夢があった。『箱』が開かれた世界で、新たな世界を築くという夢が!」
「ぐあッ! ぐッ……」
「ここまで来たのは、あなた自身の意志だ。呪縛などではない。ぐうッ!」
ガエル(通信) 「迷わず進みなさい」
バナージ 「あッ……」
ガエル(通信) 「あなたは、お父上の……」
バナージ 「ユニコ――――ン!」
.
【《ユニコーンガンダム》 NT-D覚醒】
ガエル 「ご……ご当主……」
《ユニコーンガンダム(覚醒)》
 VS
《ネオ・ジオング》

 バンシィ・ノルン
リディ 「フロンタル!?」

 ネェル・アーガマ ブリッジ
ミヒロ 「ガンダムです! バナージ君の声が!」
オットー 「フロンタルめ、たった一機で……」
レイアム 「敵の動きは!?」
サーセル 「ありません! 増援の出る気配もなし!」
オットー 「しかし、あの機体は普通じゃないぞ。モビルスーツ隊、応援に出られんのか!?」
ミヒロ 「リディ少尉……バンシィが参戦する模様!」


 ユニコーン/バンシィ/ネオ・ジオング
《バンシィ・ノルン(U-MODE)》
 VS
《ネオ・ジオング》
バナージ 「リディさん!?」
【《バンシィ・ノルン NT-D発動》】
リディ 「やるぞ、バナージ。この光は、おれたちだけが生み出しているものじゃない」
バナージ 「分かってます。みんながこの中に……!」
フロンタル 「人の中から発した光……この温かさを持ったものが……むなしいな……」


 メガラニカ 氷室
サイアム 「果たしてこれが、どのような未来をもたらすのか……何も変わらないかも知れん」
「言葉は言葉でしかない。法でさえ、人の都合でどのようにも解釈される。無論、『箱』が解放されれば当面は騒ぎになるだろう。条文の執行を求める運動が起こるかも知れない。しかし、そもそもニュータイプとは実在するのか? 議論や検証がいくら繰り返されたところで、結局は結論を見ぬまま忘れ去られる」
ミネバ 「それでも……それでもバナージは、為すべきと思ったことを為します。百年前、この石碑に心からの善意を刻み込んだ人々と同じように。その善意を今に伝えるべく『箱』を守り続けてきたあなたと同じように」
サイアム 「あれは、いい連れ合いを持った……」
ミネバ 「えっ」
サイアム 「ミネバ殿下、あなたの口から真実を伝えていただきたい。我らのたったひとつの望みを、この宇宙世紀を生きる人々へ、あなた自身の言葉で……」


 ユニコーン/バンシィ/ネオ・ジオング
《ユニコーンガンダム(覚醒)》
《バンシィ・ノルン(D-MODE)》
 VS
《ネオ・ジオング》
フロンタル 「二機のガンダムが揃って立てつくか。人の総意の器である、この私に!」
バナージ(通信) 「器だなんて、たとえ造り物であっても、人はそんなものになれませんよ!」
リディ(通信) 「その仮面の下にあるものを吐き出せ! フル・フロンタル!」
フロンタル 「ならば、受けて立つまで。ガンダム!」
《ネオ・ジオング》
サイコシャード発動
リディ 「あッ……なッ!?」
「フロンタル……いったい何を!?」
バナージ 「リディさん! うわッ!?」
「それでも!」
 ネェル・アーガマ ブリッジ
タクヤ 「バナージ!」
ミコット 「バナージ! ……少尉さん!」
ミヒロ 「リディ少尉……」

 ユニコーン
《ユニコーンガンダム(覚醒)》
 VS
《ネオ・ジオング》
バナージ 「ぐッ! おぉぉッッ!」
《バンシィ・ノルン(D-MODE)》
 VS
《ネオ・ジオング》
リディ(通信) 「あがッ……があぁぁぁッッ!!」
バナージ 「う……うおおぉぉッ!!」


 ユニコーン/ネオ・ジオング
フロンタル 「……奇跡もまた、繰り返す」
フロンタル(感応) 「そして何も変わらない。見ろ、バナージ君」
バナージ 「あ……あぁッ……!」
《νガンダム》
 VS
《アクシズ》
《ガンダム》
 VS
《エルメス》
《ガンダム》
《コア・ブースター》
 VS
《ビグ・ザム》
フロンタル(感応) 「これが事の始まりだ」
「やはり君にも見えるようだな……では、この宇宙の刻の果てまで、共に行こうか、バナージ君」


 虚空
フロンタル 「光無く、時間すら流れを止めた完全なる虚無……これがこの世の果て、刻の終わりに訪れる世界だ。人がどれだけ足掻こうと、結末は変わらない」
バナージ 「はぁ……はぁ……はぁ……はぁ……」
フロンタル 「君にも分かるはずだ。希望も可能性も、この虚無の入口で人が見る一刻の夢。なぐさめにもならない幻だ。それが人を間違わせ、無用な争いを生みもする。この真理を知るものがニュータイプ――」
バナージ 「それでも……」
フロンタル 「ただ存在し消えてゆくだけの命に、過分な期待を持たせるべきではない」
バナージ 「それでも!」
.
フロンタル 「熱……暖かな光……こんなものがいくら積み重なっても、何も……そう、何も……! ……ん!?」
ララァ(魂) 「この熱が、宇宙を暖めるのでしょう?」
フロンタル 「あっ?」
シャア(魂) 「潮時か……」
ララァ(魂) 「大佐が大佐だったときの想いは、充分に伝わったでしょうから……」
フロンタル 「あぁ……」
バナージ 「この光は……」


 ユニコーン/バンシィ
《ネオ・ジオング》 崩壊
《シナンジュ》 崩壊
フロンタルの声 「君に、託す。為すべきと思ったことを……」
リディ(通信) 「バナージ!」
バナージ 「あ……」
バナージ(通信) 「リディさん! メガラニカが狙われています! この宙域も危ない! 急いで連絡を!」
リディ 「おい、バナージ!?」
.
アムロ(魂) 「もういいのか?」
シャア(魂) 「あとは彼らに任せよう」
ララァ(魂) 「ウフフフフ……」



 『カフカスの森』 基地司令室
ブライト 「待ってください! 本当にネェル・アーガマごと撃つつもりなんですか!?」
マーサ 「コロニーの被害は最小限に留めます」
ブライト 「しかし!」
マーサ 「すべては連邦の権益のため。大を生かすために、小の犠牲を容認しなければならない時もある。あなたも、軍人ならそれぐらいのこと分かるでしょう?」
ブライト 「……くッ」
アルベルト 「違う……」
ブライト 「……!?」
アルベルト 「守られるのは財団の権益だ……」
マーサ 「……?」
アルベルト 「大を生かすために小を……父様がよく口にしていた言葉だ。僕はそれにはついていけなかった。だからあなたの側についたのに……どうしてこうなるんです!?」
マーサ 「……フンッ。 ……!?」
アルベルト 「男の論理を否定し続けてきたあなたが! なぜ!」
黒服 「……!」
アルベルト 「くッ、放せ! マーサ叔母さん! あなたもあの声を聞いたはずだ! あれは! あぁッ!」
マーサ 「あなたは疲れてるのよ、アルベルト」
管制員(放送) 「"システム"側、射撃管制本部より報告。実用臨界出力まで、95%に到達」
ブライト 「ローナン議長」
管制員(放送) 「キャビティ内、定常波、順調に形成中」
ブライト 「どうしても実行なさるなら、今この瞬間から、私は連邦の敵になりますよ」
ローナン 「フンッ、はったりはよせ。君にも家族はいるだろう。お子さんを巻き添えにしてもいいのかね?」
ブライト 「私は、その子供らに対して、恥じぬ父親でありたいと願うだけです」
ローナン 「……ふん」
管制員(放送) 「筐体、自転によるジャイロ安定にて射撃姿勢維持」
管制員(放送) 「姿勢制御の微調整、角速度スタビライザーに完全移行」
アルベルト 「くッ、あッ……ぐッ……!」
ローナン 「…………実行だ」
管制員(放送) 「こちら"システム"、射撃命令、承認暗号を確認」
ブライト 「……!」
管制員(放送) 「発電衛星全基、送電供給に異常なし」
ローナン 「…………」
管制員(放送) 「自動追尾継続中、照準最終調整」
アルベルト 「はぁッ、くッ……リディ少尉がいるんだァ!」
ブライト 「っ!?」
ローナン 「…………!?」
ブライト 「バンシィのパイロットは、リディ少尉だ! 彼の意向に私が許可を!」
マーサ 「…………」
ローナン 「あ……あァ……」
「なぜ……おまえが……」


 ネェル・アーガマ ブリッジ/ユニコーン/バンシィ
サーセル(通信) 「最大望遠です。ルナツー近傍に現出した影を観測。巨大です! コロニーサイズの物体と測定」
レイアム 「コロニー、レーザー……」
オットー 「グリプス2が修復されていたなんて話、聞いてないぞ」
バナージ(通信) 「ネェル・アーガマは早くこの宙域から離脱してください! メガラニカ前面に、サイコ・フィールドを張ります!」
一同 「――っ!?」
タクヤ 「バナージ!?」
ミヒロ 「バナージ君……」
サーセル(通信) 「無茶苦茶です、そんなの! サイコ・フィールドの特性は未解明で……!」
バナージ 「オードリーも聞こえているな? 今すぐその人を連れて、インダストリアル7へ避難するんだ」
ミネバ(通信) 「バナージ……」
リディ 「あいつ……」
 メガラニカ 氷室
ミネバ 「私たちはここに残ります」
バナージ(通信) 「オードリー!?」
サイアム 「…………」
ミネバ 「自信があるのでしょう? やってみせなさい。そして必ず帰ってきて。約束を違えることは許しません」
バナージ(通信) 「あっ……」
 ネェル・アーガマ ブリッジ/ユニコーン/バンシィ
ジンネマン 「そうだ、必ず帰ってこい」
ミコット 「死なないでバナージ! もう人が死ぬのはたくさん!」
ハロ 「バナージ、シヌナ バナージ、シヌナ」
タクヤ 「バナージ、一緒に学校に戻ろうぜ! 連邦軍に雇ってもらうにしたって、ハイスクールぐらい出とかないとさ」
バナージ 「みんな……」
リディ(通信) 「おれにもやらせてくれ」
バナージ 「リディさん!」
リディ(通信) 「このバンシィだってサイコ・マシーンだ。役には立つ」
リディ 「『ラプラスの箱』のことは、お前の家だけの問題じゃない。宇宙世紀を始めたご先祖は、増えすぎた人間を、ただ宇宙へ棄てたわけじゃなかった」
リディ(通信) 「遠い未来にかすかな希望を抱いて、できる限りの祈りと一緒に送り出したんだ。そいつを呪いにしちまうか、可能性にできるか、それは……」
リディ 「知っておいて損はない。おれたちは、祝福されて生まれてきたんだってことを」
バナージ 「最初からそう言ってくれれば、分かりやすかったのに……」
リディ 「父親ってのは、いつも一言足りないのさ」
「その分は、子供が自分で埋め合わせなくちゃならない」
バナージ 「災難、ですね」
リディ 「……ああ」


 『カフカスの森』 基地司令室
ブライト 「止められんのか!?」
ローナン 「無理だ! もう臨界を迎えている。いま中断すればどんな事故が起こるか……グリプス2にも、千人からの人間が詰めているんだぞ!」
ブライト 「くッ!」
「通信だ、レーザー通信! 早くネェル・アーガマに連絡しろ!」
管制員(放送) 「誘導放出による増幅を継続」
管制員(放送) 「位相干渉波面、量子光学的許容範囲内に制限」
管制員(放送) 「四次元的コヒーレンスまで調整」
管制員(放送) 「筐体、共鳴振動波による動揺を確認」
管制員(放送) 「30, 29, 28. 27……」
管制員(放送) 「冷媒の循環流量を調整。質量配分で対応しろ」
マーサ 「…………」
ローナン 「…………」
管制員(放送) 「26, 25, 24, 23, 22, 21……」
管制員(放送) 「角速度スタビライザー作動。応力強度の数値に注意せよ」
エイブルス 「…………(首を横に振る)」
ローナン 「…………!」
管制員(放送) 「20, 19, 18, 17, 16……」
管制員(放送) 「間もなく実用臨界出力、9200万ギガワット毎秒」
管制員(放送) 「15, 14, 13, 12, 11……」
ローナン 「…………」
管制員(放送) 「10, 9, 8, 7, 6, 5……」
ローナン 「あ……」
管制員(放送) 「4…………」
ローナン 「リ……」
コロニーレーザー《グリプス2》 発射
 レウルーラ
ヒル 「……!?」
《レウルーラ》 消滅

 宇宙
《バンシィ(D-MODE)》 サイコ・フィールド発生
《ユニコーンガンダム(覚醒)》 サイコ・フィールド発生
《シールドファンネル》 サイコ・フィールド発生
リディ 「ぐッ……うぅッ……!」
「ううぅッ……!」
「…………」
【《バンシィ》 覚醒】
 メガラニカ 氷室
ミネバ 「はッ……バナージ!」

 ユニコーン
【《ユニコーンガンダム》 超覚醒】
バナージ 「……あっ」
マリーダ(魂) 「いまのお前たちには見えないものが、私には見える。ここでは時間さえ輝いて見える。どんな絶望の中にも、希望は生まれる」
「お前は光だ。哀しみすら糧として、道を照らせ。姫様と二人で……」
「人はいま、戸口に立っている。そこをくぐれる時が、来るのかも知れない。この虹の彼方に、道は続いている」


 『カフカスの森』 基地司令室/基地司令室
管制員(放送) 「直撃しました」
管制員(放送) 「目標より、強力な電磁放射発生」
管制員(放送) 「ガス化したデブリにより、光学観測に障害あり」
管制員(放送) 「射撃評価、解析に時間を要します」
管制員(放送) 「月面フォン・ブラウンからも、観測状況は同じく、現在解析中との報告です」
マーサ 「…………」
ローナン 「…………」
ミネバ(放送) 「ピー……ザザ……ザザ……地球と……宇宙……」
ブライト 「ん……?」
ミネバ(放送) 「この世界に住まう、すべての人たちへ……ザザ……」
「私は、ミネバ・ラオ・ザビです。このような形で、皆さんに語りかける無礼をどうぞお許し下さい」
マーサ 「これは何? どこから発信してるの!?」
管制員 「発信源測定。あっ……メガラニカ、目標健在!」
一同 (ざわざわ……)
管制員 「目標、なおも進行中!」
ミネバ(放送) 「私はかつて、ジオン公国を先導したザビ家の血を継ぐものです」
管制員 「目標に、外観上の損傷は一切認められません」
ローナン 「…………!?」
管制員(放送) 「確かに直撃したはずだ」
管制員(放送) 「解析はどうなってる!?」
ミネバ(放送) 「しかし、これから私がお話しすることは、私の出自とはなんら関係がありません」
 バンシィ
ミネバ(放送) 「今日、私は、連邦政府の根幹に関わるある秘密を知りました」
リディ 「あっ……あぁ……!」
ミネバ(放送) 「この世界に住むひとりの人間として、私はその秘密を皆さんにお伝えしようと思います」


 ネェル・アーガマ ブリッジ
ミネバ(放送) 「宇宙世紀の開闢と共に発布された、宇宙世紀憲章。連邦政府の礎であり、政策決定の要石たる石碑のことは、皆さんもご存知でありましょう」
「96年前、首相官邸ラプラスの中で造られたそれは、直後に起こった爆破テロによって失われたと信じられてきました。しかし、それは失われてはいなかったのです。レプリカの石碑がダカールの議事堂に飾られる一方で、オリジナルの石碑は永い間隠されてきました。ご覧いただきたい。いま私の後ろに映し出されているのが、ラプラスで造られた本物の宇宙世紀憲章なのです」
「お分かりのことと思います。本物の宇宙世紀憲章には、私たちが知らない一章が付け加えられていました。"将来、宇宙に適応した新人類の発生が認められた場合、その者たちを優先的に政府運営に参画させることとする" ……『未来』と題されたチャプターには、そのような条文が記されていたのです。無論、これはニュータイプを指して言ったことではありません。宇宙に進出した人類は、その認識力を拡大させ、誤解なく他者と分かり合えるようになる……」
コンロイ(通信) 「こいつの操艦に腕利きが1ダースほど欲しい」
オットー 「聞いての通りだ。キャプテン、お願いできるか?」
ジンネマン 「ふむ…………」
オットー 「終わったら、一杯やりましょう」
ジンネマン 「承知した」
レイアム 「ご武運を」
ミヒロ 「リディ少尉、すぐにネェル・アーガマに合流して下さい」
 バンシィ
ミヒロ(通信) 「連邦の艦隊が動き出しています。メガラニカを接収して、放送を中断させるのが目的かと思われます」
リディ 「……くッ」


 世界各地
ミネバ(放送) 「ジオン・ダイクンがニュータイプ論を提唱するのは、この憲章が作られてから40年以上も経ってのことです。『ラプラス事件』とともに葬られたこの一節は、遠い未来に手向けられた祈りでしかなかったはずなのです。でも、その偶然の一致が、この憲章を呪いに変えてしまいました。この一節が、ジオンのニュータイプ論と結び付けられ、スペースノイドの独立運動を刺激したらどうなるか」
ダイナ―の主人 「…………」
ミネバ(放送) 「最初は、ラプラス事件の真相を語るものでしかなかった石碑は、その時から、連邦政府を覆しかねない恐怖の的になったのです。連邦はその存在を恐れ、石碑を手にしたビスト財団と共謀のもと、これを『ラプラスの箱』と呼んで封印してきました」
ギルボア一家 「…………」
ミネバ(放送) 「それは、悪しき行為であったかも知れませんが、平和を維持するためにはやむない決断でもありました」
カイ 「…………」
ミネバ(放送) 「しかし、それが制度として受け継がれていった結果、『箱』が持つ本来の意味は失われ、ニュータイプ的なものを忌避する心性だけが根付いていったのです」
トライスター 「…………」
ミネバ(放送) 「一年戦争という悪夢を経て、その心性は連邦政府の硬直性そのものになりました」
 『カフカスの森』 基地司令室
管制員 「メガラニカが移動を開始!」
管制員 「あれは……コロニービルダーなんかじゃない!」
ミネバ(放送) 「あと数年のうちに、ジオンの名を持つ国家は消滅し、ニュータイプ神話も歴史の闇に埋もれてゆくでしょう。それは、よいのです。この事実の公表をもって連邦を糾弾し、ジオン再興に結び付ける意思は毛頭ありません。もしそのようなことを考えるものが現れれば、ミネバ・ザビの名において粛清する、と宣言しておきます」
「そのようなことではないのです。『ラプラスの箱』とは、人の善意を収めた箱でした。百年前、私たちスペースノイドは、善意とともに宇宙に送り出されたのです。良心を慰めるための欺瞞でも、結果に責任を持てない祈りであったとしても、そうせざるを得なかった人たちの心に想いを馳せてみてください」
「少ない選択肢の中から最善と思われるものを選び取り、後世に一縷の願いを託す。事の大小の違いはあれ、私たちも日々彼らと同じ葛藤を繰り返しています。『箱』を遺したのも、封印したのも、解放したのも、みんな人が為したこと。すべて私たちひとりひとりの罪であり、打算であり、破滅にも希望にも転じる可能性なのです」
アルベルト 「あいつだ、ユニコーンが中継しているんだ……サイコ・フィールドを共鳴させて……」
マーサ 「すぐにゼネラル・レビルを差し向けて! なんとでもなるわ! こんなこと、世界でどれだけの人間がこの放送の意味を理解できると思って!? 活動家が騒いだって、たかが知れてるわ。デタラメだったと政府が発表しさえすれば――」
ブライト 「当然、軍は然るべき対処をします。ですが、それは民間人であるあなたには関係のない話だ」
マーサ 「…………」
アルベルト 「もうよしましょう、叔母さん。『箱』の魔力は失われたのです」
マーサ 「アルベルト……」
アルベルト 「終わったのです。また始めましょう」
マーサ 「…………」
ブライト 「マーサ・ビスト・カーバイン。今回の事件について、色々お聞きしたいことがあります。ご同行を」
マーサ 「…………」
秘書 「…………」
マーサ 「……ふゥ」
アルベルト 「……あっ」
マーサ 「…………」
ローナン 「……彼らの選択だ。受け容れるしかあるまい」
ブライト 「…………」
ローナン 「父親としてはな」


 宇宙
ミネバ(放送) 「よりよく在りたい、理不尽を避けたいとする人の想いが、この世界を少しずつでも前進させてきました。そうして発達した文明を地球が支えきれなくなったとき、私たちの父祖は増えすぎた人間を宇宙に送り出した。棄民の謗りを免れぬ行いではありましたが、その根本は人と地球を生かしたいとする善意なのです」
「将来、宇宙に適応した新人類の発生が認められた場合、その者たちを優先的に政府運営に参画させることとする。西暦最後の夜、宇宙世紀憲章の末尾に付け加えられたこの一節も、また限りない善意によって紡がれたものだと言えましょう」
.
アンジェロ 「は……」
「はぁ……大佐! あっ……」


 ネェル・アーガマ ブリッジ
ミネバ(放送) 「すべては善意から始まりました。これを善意に帰結させられるか否かは、私たちの心持ちひとつです。私たちが変われば、世界も変わります。ニュータイプにならずとも、私たちはひとりひとりが感じる心を持ち、環境に応じて変化できる力を持ち合わせているのです。人間の業を否定して、ニュータイプの地平に救いを求めてもなにも始まりません。不便でも、もどかしくても、血の中から紡ぎだされた善意を繋げてゆくしかない。必要なものは、すべてこの体の中に備わっているはずなのですから」
タクヤ 「…………」
ミコット 「…………」
ミネバ(放送) 「かつて、リカルド・マーセナスは言いました。他人の書いた筋書きに惑わされることなく、内なる神の目でこれから始まる未来を見据えよ、と。あれから百年近い時を経て、私たちは再びスタート地点に立っています。私の言葉は、私のものでしかありません」


 バンシィ
オットー(通信) 「ゼネラル・レビルを発進したモビルスーツ隊がこちらに向かっている。すごい数だ!」
ジンネマン(通信) 「安全圏までこのデカブツを移動させる。ついてこれるな、ネェル・アーガマ」
オットー(通信) 「なんとかする! 気にせず進め! この放送が終わるまでは――」
フラスト(通信) 「殿下の身は必ずお守りする!」
リディ 「おれたちも行こう、バナージ。お前の役目は終わった。『ラプラスの箱』は開かれたんだ。艦に戻ってゆっくり休め……。お前はまだ、生まれたばかりなんだから」
「バナージ……あッ!?」
「これが、完成されたニュータイプ……!? そそっかしいんだよ、お前は! 誰もそんな結果は求めちゃいない。可能性があれば、それでいいんだ!」
「おれもお前も、まだこの世界でやることが沢山あるはずだろう! 必ず、連れ戻してやる! バンシィ!」
【《バンシィ》 NT-D覚醒】
リディ 「そんなんでミネバが抱けるのかよ! オードリーを盗っちまうぞ、バナージ!」

.
ミネバ(放送) 「この放送をお聞きの皆さん、どうかご自分の目で真実を見極めてください。そして、百年前の人たちがそうしたように、善意をもって次の百年に想いを馳せていただきたいのです。私たちの中に眠る、可能性という名の神を信じて……」
 ユニコーン
バナージ 「オードリー……」

.
【《ユニコーン》 NT-D解除】
【《バンシィ》 NT-D解除】


 エンドロール 主題歌:StarRingChild







 

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