オランダへ移住して3年が経ち、オランダ暮らしにもすっかり慣れた現在ですが、移住したばかりの頃はあることに驚いていました。
そのあることとは、「ゆったりと時間を過ごしている人が多い」ということです。
街中や公園のベンチ、原っぱ、森などのいたるところで、老若男女さまざまな人が「何をするでもなく」のんびり過ごしている姿を見かけては、
「なんてゆとりのある過ごし方なのだろう」と驚いたものです。
日本でも郊外の公園などではそういった姿を見かけることがあるとは思いますが、ここオランダではその数が圧倒的に多いのです。
子育てで精一杯の日々を過ごしていた私は、そんなオランダの人たちを見ては憧れたものです。
じつはこの「何もしない過ごし方」こそ、幸福度の高いオランダ流のリラックス法だったのです。
オランダ流のリラックス方法「ニクセン」
みなさんはデンマークの「ヒュッゲ(Hygge)」という言葉をご存じでしょうか。
「ヒュッゲ」とは、「居心地の良い場所」「幸せな時間」などを意味する言葉で、デンマークの人々が大切にしている心地よい時間の過ごし方を表す言葉です。
「ヒュッゲ」は、丁寧な暮らしを楽しむ方々の間で最近日本でも耳にするようになってきました。
そんなヒュッゲと似た意味をもつ言葉がオランダにもあります。
それが「ニクセン(Niksen)」です。
心地良い時間を過ごすためのリラックス方法である「ニクセン」は、「あえて何もしないで時間を過ごすこと」を意味します。
野原でただ横になり、日光浴をしたり。海を眺めながらただただのんびりしたり。
オランダの人々が何をするでもなくのんびりと過ごしているのは「ニクセン」をしていたのだと、この言葉を知って腑に落ちました。