渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

消音器

2023年05月26日 | open


映画『暗殺者』(1995)から。
主人公ロス(シルベスタ・スタ
ローン)

暗殺者を狙う暗殺者ミゲル
(アントニオ・バンデラス)


スターム・ルガー.22口径
(ガストイガン)


銃身の先に装着する筒状の物
は「減音器=サプレッサー」
という。
「消音器=サイレンサー 」と
いうのは銃の場合は厳密には
間違い。
本当に無音に近くなる銃器は
ごく限られている。
.22口径だろうと、紙風船を
手で割った位の音はする。
紙袋を膨らませて手で割るパン!
のあの音だ。
映画のようなシュボッ!という
音やプシュッ!などという音な
どしない。
サプレッサーを着けていても
かなりの音がする。
無音に近いのは映像作品での
演出だ。バキューンの銃声と
同じく。

ただ、本当の無音銃はロシアに
ある。恐怖の火器として。
しかし、一般的なサプレッサー
はバイクのサイレンサーと同じ
で音を小さくするだけだ。
それでもバイクで分かるだろう
が、消音器を着けていてもかな
りの音がバイクからは響く。
うるせー!てな程の音が。
それが直管だともう爆音。
エンジンは爆発しているのだか
ら、文字通りの爆音が轟く。
銃も同じだ。
発射薬が燃焼して爆発と同じ
ような破裂音を発する。
実銃の音は機種と銃身の長さ
にもよるが、パン、バン、ドン
という音がする。
爆竹の音が銃声に近い。
散弾銃などはドーンという音に
近い。
イヤープロテクターを装着して
いないと、まず鼓膜に障害を
及ぼす。
それほど銃声というものは大音
量なのだ。
そして、漫画などではリボルバー
にサプレッサーを着けて発砲し
て「プシュッ」とか描かれる。
絶対に無い。存在しない。
それは、発射ガスは銃口だけで
なく、シリンダーと銃身基部の
フォーシングコーンの隙間から
大量に漏れるからだ。
ゴルゴ13のようなのは、漫画
の中のマンガなのである。
バイクが空飛んで空港で待機中
のジャンボジェットを飛び越え
る「あいつとララバイ」みたい
にマンガすぎるマンガなのだ。

サプレッサーは、オートピス
トルで、しかもブローバック
するとガスが漏れるので、音速
以下の減装弾を使い、スライド
は手で押さえて射撃する。
排莢は手動で行なう。
それでもパーンという音はする。
プシュッ!やシュボッ!はあり
得ない。
まして、それまでパンパンバン
バン撃っていた銃にサプレッサー
を装着して撃って「シュボッ」
というのはあり得ない。マンガ。

銃の発射音については、これ
は機種ごとに音が異なる。
アーマライトのAR-15系とAK
ではまるで音質が異なるし、
また、銃口のカッコンセンペン
ターの構造によっても異なる。
いくら音抜けの良い山中で発
砲しようとも、ホーワのM1
カービンなどは耳障りなバ行
が混じる音質になる。パーン
でもバーンでもなく、ガラス
のバットで空のドラム缶を思
い切りスイング叩きしたよう
な音。ゴガッチャーン!のよ
うな。

サプレッサーの装着は、日本
では国家機関以外は不認可。
アメリカでも禁止だ。
いくら音は下がるとはいえ、
減音により銃声が聴こえにくく
なるからだろう。
しかし、軍隊や警察ではサプ
レッサーは使用している。
これは日米いずれも。

実銃コルトSAAの音と反動







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