「一審判決に不合理な点はない」赤ちゃん殺害コインロッカー遺棄事件 被告側の控訴棄却 母親に対する懲役5年の一審判決を支持
2022年5月、自らが出産した男の赤ちゃんを殺害し遺体をコインロッカーに放置した罪に問われた23歳の女の控訴審判決で、札幌高等裁判所は一審の懲役5年の実刑判決を支持し控訴を棄却しました。
札幌高裁 成川 洋司 裁判長:「どうすべきか、どう生きるか、考えてください」
判決を聞いた後、肩を震わせ、涙を流した住所不定・無職の小関彩乃被告。
2022年5月、札幌・中央区内のホテルで出産した男の赤ちゃんを湯をはった浴槽に沈めて殺害し遺体をクーラーボックスに入れてJR千歳駅のコインロッカーに放置したとして、殺人と死体遺棄の罪に問われていました。
赤ちゃんの遺体が発見されたコインロッカー
2月の一審で札幌地方裁判所は「交際していた男性との関係を維持したいという身勝手な動機で、未来ある赤ちゃんの生命を奪った」と指摘。
その一方で、「小関被告の知的能力の影響と、意思に反した妊娠で周囲に相談しづらかったことは理解できる」として懲役8年の求刑に対し、懲役5年の実刑判決を言い渡しました。
判決に対し被告側は「グレーゾーンのADHDといった知的能力が考慮されておらず、量刑が重すぎる」として保護観察の付いた執行猶予の判決を求めて控訴。検察側は控訴棄却を求めていました。
そして、5月23日迎えた二審の判決…
札幌高裁 成川 洋司 裁判長:「主文…本件控訴を棄却する」
札幌高裁の成川洋司裁判長は、「一審は小関被告の知的能力の影響を否定しているわけではない。交際していた男性との関係が絶たれることを恐れた動機は身勝手としつつ、孤立出産の混乱などを考慮した一審判決に不合理な点はない」として一審判決を支持し、小関被告の控訴を退けました。
小関被告の弁護人はこの判決について「コメントは差し控えたい」としています。
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