先日、食材宅配サービスの大地を守る会のお試しセットを注文してみました。
大地を守る会は、有名な宅配食材サービスのオイシックスの会社が別ブランドでやっているサービスで、オイシックスより少し値段帯が高いものです。
お試しセット購入後にかかってきた営業電話によると、「高い分品質に自信がある」そうなので、近所のスーパーのお豆腐と比べて味や原材料はどのような違いがあるのか、食べ比べをしてみました。
大地を守る会のお豆腐の値段は?
オイシックスの会社は、オイシックスとらでっしゅぼーや、大地を守る会という3つのブランドを運営しているのですが、大地を守る会は明らかに高いです。
オイシックスでもちょっと高いなと思っていたのでビビりました。
こだわりの「神泉豆腐」
大地を守る会では何種類かお豆腐が売られていますが、お試しセットで届くのは「神泉豆腐」というものです。

「水と大豆にこだわり職人技で作った豆腐」というのがアピールポイントで、このような特徴があるそうです。
秩父山系の湧水「神泉の名水」、国産契約栽培の大豆、にがりだけで作ったソフトな木綿豆腐です。温かい豆乳ににがりを加える「温豆乳一発寄せ」を採用。豆乳の熱変化を最小限に抑えられるため、大豆のうまみを逃がしません。一口食べれば、大豆のこくと風味が広がります。
300gで387円というお高いお豆腐になっています。
スーパーの豆腐の6倍以上
お豆腐には安いというイメージがありますが、大地を守る会のお豆腐は全然安くないですね。
お豆腐100グラムあたりのお値段と原材料を、スーパーの高めのお豆腐と安めのお豆腐、自然派志向の強い生協(生活クラブ)と比較してみます。
メーカー | 100グラムあたりの値段 | 原材料 |
大地を守る会 | 129円 | ①大豆 ②粗製海水塩化マグネシウム[にがり] |
スーパー(高め) | 33円 | ①大豆(国産)(遺伝子組換えでない) ②凝固剤 ③消泡剤(グリセリン脂肪酸エステル) |
スーパー(トップバリュベストプライス) | 21円 | ①大豆 ②凝固剤[塩化マグネシウム(にがり)] ③消泡剤(グリセリン脂肪酸エステル、炭酸カルシウム、レシチン:大豆由来、炭酸マグネシウム、シリコーン樹脂) |
生活クラブ | 75円 | ①大豆(国産)(遺伝子組換えの混入を防ぐため分別) ②凝固剤(粗製海水塩化マグネシウム<にがり>) |
高めのお豆腐は、近所のスーパーの店頭で選んだ大豆が国産のもの、安めのお豆腐は、激安で有名なイオンのプライベートブランド「トップバリュ」の中でも特に安い「トップバリュベストプライス」のものです。
トップバリュベストプライスのお豆腐と比較すると、大地を守る会の「神泉豆腐」は6倍以上ですね。生活クラブのお豆腐と比べても1.5倍以上はします。
お豆腐は、大豆とにがりの2つの原材料があれば作れます。そのため、この2つ以外の原料が入っている場合は余計な添加物を入れているということになります。
高い理由は「神泉」だから?
この後の見出しで詳しく紹介しますが、お豆腐は「国産大豆」「天然にがり」「消泡剤不使用」「充填豆腐ではない」の4点を満たすとお値段が高くなる傾向にあります。
ただし、この4点を同時に満たした生活クラブのお豆腐が100グラム75円なので、大地を守る会の神泉豆腐が高いのは、これ以外の理由になります。
神泉豆腐の場合、商品名称にもなっている、秩父山系の湧水「神泉の名水」を使用していることがお高い原因ではないかと思われます。
大地を守る会のアピール文によると、このような理由で水にこだわっており、製造拠点をわざわざ「神泉の名水」が利用できる埼玉県児玉郡神川町に移転したそうです。
実は約90%が水分の豆腐は、「おいしさは水で決まる」とも言われます。本品は、美しい自然に囲まれた秩父山系の湧水「神泉の名水」を使用。大豆を洗ったり、煮たり、豆腐のパック詰めなどあらゆる製造工程に使うことで、甘みがありながらも、すっきりとした豆腐ができ上がります。
お豆腐の値段は何で決まる?
大地を守る会・神泉豆腐にはほかにもさまざまなこだわりがあるようですが、一般的にお豆腐の値段は、4点が満たされるほど高くなる傾向があります。
・国産大豆・遺伝子組み換えなしか(有機栽培だとなおよし)
・天然にがりか
・消泡剤不使用か
・充填豆腐か
国産大豆・遺伝子組み換えなしか
一番気にされるのが、国産大豆かどうかです。また、国産・外国産ともに、有機栽培だと高くなります。
国産大豆かどうかは、農薬もありますが、大豆に関しては特に遺伝子組み換え食品の観点で気にされています。大豆は遺伝子組み換えが盛んなアメリカの生産量が多いので、特に遺伝子組み換えが気にされているのです。輸入大豆の場合でも、「遺伝子組み換えなし」と併記されていることもあります。
大地を守る会と生活クラブは国産大豆、スーパー系2商品は産地表示なしなのでおそらく外国産です。
天然にがりか
天然にがりかも差別化ポイントになります。
豆腐をつくるには、凝固剤として「にがり」を使用します。これは伝統的には海水から作り、ミネラルが含まれるのですが、安いお豆腐ではミネラルの含まれない、工業的に作ったにがりが使われています。
スーパー(トップバリュベストプライス)では、凝固剤として「塩化マグネシウム」と記載されていますが、大地を守る会と生活クラブでは「粗製海水塩化マグネシウム」となっていますよね。この粗製海水塩化マグネシウムが天然にがりに分類されます。
スーパー(高め)は単に凝固剤としか書いていないので不明ですが、天然にがりを使っている場合はアピールするはずなのでおそらく塩化マグネシウムの方です。
消泡剤不使用・充填豆腐
消泡剤とは、お豆腐を作る際に出る泡を消すものです。余計なものは使わないという観点から、入れない豆腐の方が好まれます。
消泡剤は、原材料としての表示義務はもともとありません。「消泡剤不使用」と明記していないものは、使用している可能性が残りますので、使っていない場合はパッケージに書いてあることが多いです。
スーパー系2商品では消泡剤を使っていますね。
泡があまり出ないように調整する必要があるので、消泡剤を使っていないと少し追加のコストがかかってしまうようです。
また、充填豆腐とは、パックの中に材料と凝固剤を一緒に入れて固めるものです。パックの中に隙間がないことが特徴で、固めた後に水でさらしていないのでアクが残るといわれています。こちらは使っている原料には影響しないので、安全性の問題ではなくて味の問題になりますね。
食べ比べた結果
さて、それでは食べ比べた結果を紹介します。対戦相手は、相模屋食料株式会社の「国産大豆木綿」です。

泡感はある
左が大地を守る会の神泉豆腐、右がスーパーの豆腐です。神泉豆腐の方は消泡剤を使っていないので、泡感が出てしまっていますよね。

ただ、泡感があるからといって特に舌触りが悪いわけではないです。ではなぜ消泡剤を使っているのか?という点を疑問に感じますよね。
この神泉豆腐レベルの泡感に抑えるために工夫が必要になるので、その手間を避けるために消泡剤を使っているのではないかと思いました。
何も知らないおじさん(夫)にも先入観なく食べてもらい、どちらが高いか当ててもらうことにしていたので、泡感でバレてしまうとまずいと思い、神泉豆腐の方を縦にして、さらにお醤油をかけてみました(笑)

見た目が洗練されていない方が自然派食品というパターンが多いので、こんなにはっきり泡感が出ているとバレやすくなってしまいます。
味は確かに濃い
食べ比べた結果、神泉豆腐の方が味が濃かったです。はっきりわかる違いだったので、おじさんもどちらが高いお豆腐かクイズに正解しました。
しかし、、、特にお豆腐にこだわりがない立場からすると、正直なところ「味が濃いからなんなの?」と思ってしまいました。
今回、大地を守る会が、お試しセットの到着日にわざわざ「本日お届け予定の豆腐のはなし」というメールを送ってきたので、そんなにおいしいのか?と思い食べ比べをしてみました。

食べ比べた結果、神泉豆腐の味が濃いのはわかるのですが、100グラム33円のスーパーのお豆腐でも味的には不満はなかったです。
味的にはスーパーのお豆腐でもいいですし、国産大豆がいい+余計な添加物を避けたい+ミネラルもとりたいという目的なら、もっと安い生活クラブ(生協)のお豆腐で十分だなと感じました。
豆腐ファン向けの商品かも
大地を守る会の公式サイトに掲載されている感想を見てみると、もともと豆腐にこだわりのある方がいい口コミをしているようです。
これを超える豆腐にまだ出会っていません。大豆の味がしっかり感じてご馳走豆腐です。
味が濃いのは、豆腐にこだわりのないい一般人でもわかります。
オススメで初めて召し上がって、こんな美味しいお豆腐に感動です。何も付けずにシンプルにそのまま。ありがとう�御座い
�。ファンになりました
�。
お豆腐ファンにはいいお豆腐なのかもしれません。