日本ハム 「江越の15球」が打撃向上のきっかけになるか 新庄監督は「もう合格でしょ」
「日本ハム3-2楽天」(7日、エスコンフィールド)
流れを変える三振だったかもしれない。五回、無死三塁。打席には9番・江越。楽天先発・荘司に簡単にカウント0-2と追い込まれてから脅威の粘りを見せた。ファウル9球、ボール3球。フルカウントから最後は空振り三振に倒れたが、実に15球も投げさせた。その直後、次打者・矢沢が犠飛を放ち、反撃の狼煙が上がった。
試合前に新庄監督から打撃指導を受ける江越の姿があった。アドバイスは(1)両肩を前に出す(2)右脇を開ける-の2点。試合前、報道陣に向けて「スポーツは全部、内、内の力を使いなさいと。だからメジャーリーガーとか良い打者って、こう肩を前に出す打者が多い」、「右脇が締まってるとちょっとバットのヘッドが下がってくる」とそれぞれ説明した。
その上で、江越には「取りあえずやってみて。(試合に)使うから。焦るな」と伝えた。「結果出せなかったら外されるとか、そういうことを考えたら全部、打ちたい打ちたい病になるからね」と明かす。
江越は新庄監督の教えを打席で忠実に再現する構えで臨む。その結果は三振に終わったが、15球も粘って投げさせたことにつながった。試合後の新庄監督は「15球?もう合格でしょ」と笑顔を見せた。七回の打席は中飛に終わったが「最後(七回の打席)はもうバット長く持ってかち上げろって。で、あのセンターフライ。悪くなかったので、ああいうのがきっかけで徐々に調子が上がってきてくれたらね」と期待を込めた。
守備は超一流。骨折を押して出場を続ける鉄人は打撃が課題。“江越の15球”が、何かのきっかけになるかも知れない。