「人生であと5回くらい解雇されてもいいかな」
しかし約20ヵ月後、一筋の光が差し込んだ。会社側から、金銭解決の提案があったのだ。何度か交渉を重ねた後、解雇は撤回された。700万円の解決金と引き換えに円満退社する条件で、私は和解に応じた。
人生二回目の解雇通知書は、中途入社した従業員約500人の運送業の会社から渡された。当時29歳、在職期間は約3年。解雇理由は勤務態度不良だった。
前の会社よりはマシだったが、ここもブラック企業だった。社用携帯を支給され、平日休日を問わず対応を強いられる。仕事だから、社会人だからと言い聞かせて対応してきたが、この時間は無給だ。「もう限界です」と対応拒否の意志を示したところ、社内評価は急落。驚くほどスピーディーに解雇を言い渡された。
またクビかよ、と思った。ため息交じりで会社を訴え、今度は約24ヵ月間、法廷で争った。訴訟の経験があるからか、前回とは異なり視界は良好だった。心身状態も悪くない。小学生の夏休み以上に充実した時間を過ごした。
「人生であと5回くらい解雇されてもいいかな」と思いながら戦った。案の定、途中で会社側から金銭解決の提案があった。何度か交渉を重ねた後、解雇は撤回。4000万円の解決金と引き換えに円満退社する条件で、和解に応じた。
なぜ、私は毎回高額な和解金を獲得することができたのだろうか。後編『解雇されかけたら裁判を起こす!2社から計4700万円を勝ち取った“モンスター社員”の「ヤバすぎる戦術」』では、企業を守る側の視点に立ち、解雇という判断のリスクについて簡単に紹介していく。