2023.05.21

バイデンが「親方日の丸」をマネし始めた…?自由の国アメリカが、ここにきて「昭和ニッポン」そっくりになっていた!

岩田 太郎 プロフィール

アメリカを目指す世界の半導体企業

これに呼応して民間企業も、4月14日現在で2040億ドル(約27兆4930億円)の半導体・クリーンテクノロジー関連の支出にコミットしたと、英フィナンシャル・タイムズは報じている。

具体的には、米インテル、台湾積体電路製造(TSMC)、韓国サムスン電子、米半導体受託生産大手のグローバルファウンドリーズ、米半導体製造スカイウオーター・テクノロジーなどが、この制度を利用した米国内での新工場の建設を計画あるいは推進し、ますます微細となる最新鋭の半導体を製造している。

TSMC創業者のモリス・チャン氏(左)と台湾の蔡英文総統 Photo/gettyimage
 

たとえば、サムスン電子はテキサス州で3nmプロセスという最新鋭半導体を手掛ける。TSMCは、アリゾナ州において当初、旧式の5nmプロセスで半導体を製造する予定を、顧客のアップルやAMD、NVIDIAからの要請で4nmプロセスに切り替えた。インテルのオハイオ州工場の計画は遅延しているが、2nm以下の次世代品を製造予定だ。

興味深いのは、これだけの補助金を受け取ってもなおTSMCが米国産の4nmおよび5nm製品について、まったく同じ台湾製の製品より20~30%高い価格で販売すると伝えられていることだ。

これは、最も高品質の製品を最も安価に製造できる地域で作るという、自由貿易や最適地生産・分業のドグマに反している。

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