ジャブジャブ投入される補助金
まず、半導体の産業政策を見てみよう。
ジーナ・レモンド米商務長官は、「あらゆる高性能の軍事機器、あらゆるドローン(無人機)、あらゆる人工衛星は半導体に依存している」とのべて、産業政策の必要性を強調した。2022年7月に成立した半導体投資法(CHIPS法)で527億ドル(約7兆1024億円)を投入し、補助金による国内の半導体産業の育成や、世界トップ企業を誘致するインセンティブを設けた。
日本政府の半導体産業に対する補助金の実に10倍以上の規模であり、文字通りジャブジャブの投入である。
内訳は、半導体工場誘致に390億ドル(約5兆2560億円)、研究開発と人材育成に132億ドル(約1兆7790億円)、セキュリティとサプライチェーン強化に5億ドル(約674億円)だ。
ライバルの共和党からも支持を得て、これほど巨額の産業政策を成立させることができたのは、米国の中国に対する危機感の表れである。