敗戦直後に日本の知識人が指摘したこと
太平洋戦争でアメリカに敗れた日本で、敗戦から1年を経た1946年9月にまとめられた『日本経済再建の基本問題』という冊子がある。当時、日本のトップクラスの経済学者や官僚、財界人が議論を尽くして、編み上げたものだ。
そこでは、「今次大戦後においては各国の経済が全体として世界経済に包摂される傾向を示してゐる」「自律的ブロックに非ずして恐らくは世界的組織の下に立つ地域主義となる」との認識が示され、「人類社会が経済によって盲目的に支配される時代から、人類が意識的に経済現象を支配せんとする時代に移行しつつある」と予測されている。