三つの「創業」
-山尾代表は、現在(2015年)を、「第三の創業期」と位置付けていらっしゃいます。これまでの三つの「創業」とは、どのようなものだったのでしょうか。
最初の創業は、アクシスコンサルティングを設立した2002年。私も取締役を務めていたJASDAQ上場のIT企業、そのグループ会社としてアクシスはスタートしました。
基本方針は、人材紹介業を軸にしながら、他の様々なサービスを組み合わせていくということ。人材を資源として捉えるなら、紹介だけでなく、派遣、アウトソーシング、そのほか様々な可能性があります。人間の能力を最適化、再配置、再還元していくビジネスを創出していきたい。この想いは第一の創業期から一貫しています。
独立とリーマンショック
第二の創業は2008年。MBO(マネジメント・バイ・アウト)して、アクシスを独立させたタイミングです。当時は新しい人材ビジネスのあり方を模索して、私たち経営サイドがより強い自立性を持った運営を考え始めていたときでした。
ちょうど親会社のほうでも、情報系に特化したいという意向を持っており、両者合意のもと、独立の道を選びました。
-この時期はリーマンショックと重なります。独立直後の逆風は、かなり大変ではなかったのでしょうか。
人材紹介事業のトレンドは見えていましたし、独立した場合のシミュレーションは事前に何度も繰り返していましたから、大きな驚きはありませんでした。1990年代前半、バブルが弾けた後の数年は本当に厳しかった。求人がなかったですから。
リーマンショックのときは、一瞬落ち込んだ業績もすぐに立ち直り、以降アクシスの人材紹介部門は順調に売上を伸ばし続けています。ただ、厳しいときに会社を支えてくれた社員には感謝しています。危機を一緒に乗り切って一体感が生まれましたね。
第二の創業期におけるもうひとつ大きなトピックは2010年。グループ内に「JCMS」を立ち上げたことです。これはアジア、今は特に中国を中心とした人材ビジネスを手掛ける会社です。
元々は2006年にアクシスと当時の親会社が共同事業として手がけたビジネスでした。こちらを着実に発展させていったのです。
ゴーイングコンサーンへ
-そして「第三の創業期」が、2013年から始まります。
新卒社員は以前から在籍していましたが、経営判断として、新卒採用をより戦略的におこないはじめたのがこのタイミングです。
ゴーイングコンサーン、持続的で永続的な会社を創り上げていくためには、完成されたプロフェッショナルの採用だけでは限界があると考えたのです。継続性のためには新卒社員の存在は欠かせなかった。
アクシスのビジョンや理念を後継していくためには、仕組化が必要です。プロフェッショナルだけでは、自由ではあるが仕組つくりが後ろに回ってしまう。一方、新卒社員をしっかり採用、育成する場を用意できる企業は、社内環境が必然的に整備され、組織化されていきます。
実際、この時期に入社した新卒社員4名は逞しく成長し、現在も活躍しています。
これからのアクシス
-「第三の創業」も三期目を迎えます。山尾代表は、これからのアクシスをどのように考えていらっしゃいますか。
現業の強みを活かし、第二第三の事業の柱を構築していきます。中国をはじめとするアジアマーケットへの、より深いビジネス環境を整えていくステップだと考えています。
現在の柱である国内の人材紹介事業では、コンサルティング業界に強いというブランド力をすでに確立しています。それを最大限に活かし、他の業界への展開を見据えていきます。
具体的には、よりハイエンド側の人間と若手優秀層へも手を広げたい。今まで培ったノウハウを生かし様々な領域へ展開していきます。そして、人材紹介業以外のヒューマンリソースビジネスにも積極的に踏み出します。
アクシスが求める「人」
-さらなるチャレンジが求められる環境において、アクシスはどのような人材を求めているのでしょう。
中途入社に関しては、キャリアコンサルタント経験があるかどうかは気にしません。アクシスには、組織をあげて人を育成する仕組みがある。たとえ未経験者であっても、数年後には社内だけでなく業界の中でもキャリアコンサルタントとして確固たるポジションが築けるようになります。その確信があるので、自信を持って未経験者を採用しています。
経営としては常に企業を中長期的な視点で考えていますので、入社される方に対しては、経験の有無よりもアクシスの戦略・理念を理解し、共感していただけることに重きを置いています。アクシスの理念はクレドカードとしてまとめ、社員は常に理念を意識しながら仕事を進めています。(企業理念へ)
様々なスタイルの人材紹介業者がありますが、真に求職者の視点に立った会社はほとんどありません。アクシスは、求職者に対して愚直に真摯に向き合うことをキャリアコンサルタントに求めます。そのためにも、理念に共感できるかどうかは採用の大きなポイントなのです。
グループとしては、人材紹介業だけでなく国内、海外も含め他事業も視野に入れています。キャリアコンサルタントとしての入社であっても、別領域にもコミットできる人が望ましいですね。
人柄という点では、「Iの視点とWeの視点」という考え方を非常に大切にしています。Iの視点は自己成長。自律的で、自己成長に貪欲な方がいい。会社はそれをきちんとバックアップしていきます。Weの視点はチームワーク。独りではなく、グループとして会社を大きくするパートナーとなってほしい。
ベンチャースピリットを持つ者へ
-新卒社員については。
こちらも同様です。理念への共感。Iの視点とWeの視点。人材紹介ビジネスを志向するのは素晴らしいことですが、それだけだとサイズ感があいません。これからは様々な事業部の採用を予定しています。キャリアコンサルタントに限定せずいろいろな事業に関わりたい人、世界に目を向けたグローバルな視点を持っている人に来てほしいと思います。
両者に共通するのは、ベンチャースピリットを持った方に来てほしいということ。我々はベンチャー企業です。ベンチャーは大企業がやらないような領域に挑戦し、お客様の市場を創出することにこだわりを持っています。大手企業に追従するつもりはありません。
もちろん既存事業においても最適化、改善をしていかなければなりません。日々進化していく。そのためには挑戦をしなければならないのです。
リスクを恐れずに可能性を信じ、仲間を信じ、高い成長意欲をもちながら会社を発展させてほしい。人材、企業、マーケットが求めているものに向き合い、創造、創出できるメンバーを、アクシスは必要としています。