セックスって、どんな風に始めるんだったっけ・・・
しようと言われてうんと答えたものの、身動き出来ずにいた
そんな俺を見透かすようにチャンミンはもう一度抱きしめた、それから熱っぽく俺の目を見てから
キスをした
その瞬間身体の芯を電撃が貫いたような衝撃
ああ
これだ
チャンミンの唇だ
思わずしがみつくようにチャンミンの背中に手を回し、自ら舌を差し出して求めていた
年甲斐もなくとか恥ずかしいとかそんなのはもう吹っ飛んでいた
互いの口腔をぬめる舌で舐め回す
何度も何度も角度を変えて
俺だけじゃない、お前も俺を欲しているんだって感じる、解る
後頭部を掴まれ逃げられないようにされて息ができない
酸欠になるんじゃないかってくらい必死なキス
「っん・・・ふ、ぅ・・・ンぁ」
「・・・はぁ、ユノ・・・っんむ、ぅ」
「ちゃ、み・・・ん、ふ・・・ッ」
口の端から唾液が流れていくのを感じてますます興奮する
やばい、これ
「ま、て・・・」
「やだね、待てない・・・つーか待ち過ぎた・・・」
「っは、ああ・・・ンっ」
一度チャンミンの胸を押し返したが、すぐに首元に喰らいつかれた
「ま、待てって・・・おま、こんなとこで・・・いい歳して」
「なに?50過ぎたらセックスしたいと思ったらいけないわけ?」
「・・・ちゃ」
「俺はずっとこうしたかったよ、ずっとユノを抱きたかった」
「・・・っ」
本当は嬉しかった
もう枯れたのかなとか思ってたけど、思おうとしてたけど
本当は俺も
求められたかった
求めてた
「・・・もう、若い時とは違うけど・・・いいか?」
「は?何が」
「その・・・体も、少しアレだし」
「何言ってんだか・・・いつまでもあんたのカラダはご馳走でしかないね」
「お前・・・そーいうこと言うヤツだったっけ」
「大事なことは言葉にしないとダメなんでしょ」
「それは・・・」
「もしも不安に思ってんだったらどんだけでも言うよ
俺は今でもユノとこうして抱き合いたいし、いちゃいちゃしたい
顔や体が変化してってもさ、それを笑って楽しめるくらい一緒にいたでしょ、ずっと」
「・・・・・・」
・・・キュンとした
そんで、すげえ安心した
好きだって思った
凄いな、チャンミン
可愛いと思ってた弟のような恋人は
30年経って、俺の伴侶になったんだって思った
「・・・風呂、行こうか」
今俺にできる最大限の勇気を振り絞って言ったら
チャンミンは右目を眇めて笑った
俺の、大好きな顔だ
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