9月7日(水)のこと。
土佐市による複合文化施設についての公聴会に足を運びました。
公聴会と言いながら周知も積極的に行なわれていなかったため、出席者は30人強。

土佐市の複合文化施設とは…老朽化した現在の公民館・社会福祉協議会・図書館・文化会館を一つの施設として建て替えるものです。

手元に配られた資料はコチラ。
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私は少し時間に遅れたのですが「資料が足りなくて今、追加で印刷しています」との事でした。
私より少し前に到着された数名の方も、お手元にないようでした。 

会場も狭く、わずか30人ほどの資料も十分な数を用意していないとなると、本当に市民の意見を求めているのだろうかと言う疑問が少し湧きました。

届けられた資料の中身は
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公聴会①
 
公聴会②
 
公聴会③

公聴会④

設計図のみ。
費用面についての資料は一切ありません。

最初に市から口頭で老朽化についての説明や複合施設を建てる目的・意図などの説明がありました。 
・町の活性化
・各施設間の交流
・コミュニティの活性化
・観光振興・文化振興・産業振興
また、色んな形で有効スペースを共有して幅広い交流から新たな発展に繋がる、など。

耳障りの良い建前を盛り込めるだけ盛り込んだという感じ。
これだけ大きな箱モノを建てるにあたっての本質的な課題に対する具体的な目的や意義が全く見えません。
それは次の市長の説明によく表れています。

市長が〈例〉として仰っていたのが、あまり図書館に行ったことのない産業関連の人が商工会に寄った帰り図書館を利用することで図書館の利用拡大に繋がるのだそうです。

… … …? 


ここで「商工会」というキーワードが出ました。
実はこの複合文化施設には商工会も入る予定となっていることが設計図から見てとれます。
しかし、商工会は独自の資産を持ち運営している一団体です。
他の施設とは存在意義性格も全く違います。
なので、ここに違和感を感じる方は多数おられ、私もその一人です。

どういういきさつでこの文化施設に商工会が入ることになったのかについては「商工会も老朽化しており、また建設予定地と近いことから、市から声をかけた」とのことでした。

出席者からは「商工会は商工会で独自の運営をすべきではないか」との認識や、商工会を解体する際の費用は何処が持ち、現在商工会が建っている土地は誰のものになるのか」更には「水面下でのこうした動きは商工会との癒着を疑われても仕方ないであろう」との意見も。

そして「そもそも議会承認も経ていないのに事態がここまで進んでいるとはどういうことなのか」という、本来このような構想を進める際の当然行われるべき手順が踏まれていないことへの疑問も投げかけられました。

その中で私がすごく驚いたのは、お一人から出された「公聴会で出た様々な疑問や意見に対して、市はパブリックコメントに基づき、文書やHPなどどんな形でも良いので回答を寄せていただきたい」との要望に対し「それは考えていない」と返答されたことでした。

また、「こんなことができるようにして欲しい」「こんな設備が欲しい」「こんなものは使えない」と言った細やかな要望もたくさんありましたが「検討します」という回答が繰り返されていました。
出席した方のほとんどが、聴けば聴くほど市の姿勢、施設そのものに何らかの不満や不信を持っていると感じました。

私もいくつか意見を述べさせていただきました。
「公聴会で出された疑問や意見に対して市はきちんと回答をするべきだと思います。
また、たくさんの市民の意見を参考にしたとおっしゃいますがその市民はいったい誰なのでしょうか。
今回集まったわずかな人数でも出された設計案に対してこれだけの要望があります。
おそらく本当にたくさんの方から意見を求めれば、これまで利用してなかった方からもこうして欲しい、などいっぱいあるはずです。
複合文化施設は土佐市民にとって必要な施設だし、とても大切な役割を担うと思います。
だからこそ多くの、また長きにわたって市民から愛され利用される施設にならなければならないと思います。
その為には基本構想(H26年度)の段階から時間をかけ市民からの要望を丁寧に聞き取り、それらを丁寧に精査し、その上で結果を市民に知らせることが大切だと思います。
そういう丁寧な手順が大切なのだと思います。
そして、そこに一番手間と時間をかけることこそ行政本来の仕事ではないでしょうか。」
(一語一句間違いなくそう言ったわけではありませんが概ねそのようなことを申し上げました。)


いずれもやはり明確な回答はいただくことができませんでした。

〈たくさんの市民の意見を参考にしたとおっしゃいますが、その市民はいったい誰なのでしょうか〉については…検討委員会を6回、部会を7回、議員協議会を2回開催した。
ということでしたが、それを市民の要望や意見なのだと置き換えることにも疑問を感じました。

障害がおありの方のためのトイレやエレベーターを設置する。
それで十分かどうかは障害のある方によくよく聞いてみなければわかりません。
本当に市民のためにと思うのであればそのように思い至るものです。
そういう丁寧さがおろそかになっているのはなぜでしょう。
そんな細かくいちいちやってられないというのであれば、冒頭話していた目的や意義とやっていることがちぐはぐな感じがします。

本気で市民の声を聞き、利用される使いやすい施設を描くのであれば、設計前に広報等でアナウンスし各地区での公聴会を開くこともできるのではと思います。

元に戻りますが、建ててはみたもののたいして活用されないというのは本当に税金の無駄遣いです。
大事なのは具体性です。
年間計画もなく設計すること自体が、おかしな話なのです。
この施設でどういったことをし、どんな市民の暮らしを描くのかがはっきりしなければ本来設計などできるはずがないのです。
皆さんも家を建てるときには、未来像を描きながらあれやこれやと意見を出し合うでしょう。
それが具体的であればあるほど、使い勝手の良い住みよい家になるでしょう。
住みやすい家には愛着が沸くでしょう。

施設も同じです。


まずは市民が自分事としてどういう施設にしたいかをみんなで描くことが大事なのです。
私も含めてですが、市民は税金を使う事業に関してもっと関心を持ち、自らがそのような場や機会を積極的に持とうとし、市はそのような場や機会を積極的に用意することが生きた税金の使い方に繋がるのだと言えます。
自分たちで描く作業を怠ると、誰のためのものかわからない本末転倒のようなこういった事態になるのだということもわかりました。
また、これらの建設費用、維持管理費用、人件費などなど市民が永久的に負担し続けることも忘れてはなりません。
今回はそういったことが全く明らかにされませんでした。

また観光振興については、既にそれを目的にドラゴン広場が整備され新居地区観光交流施設「南風」が建設されました。そういう名目だったはずです。

いずれも当初の整備費用・建設費用・設備投資などだけではなく、毎年それぞれの指定管理者に相当の委託金が投入されます。
まずはそこでやるべきことをしっかりとやっていかなければならないでしょうし、複合文化施設でやるべきこととは性質が違う気がします。

こうした事実を市民のほとんどの人が知らずにコトが運んでゆくことに、何とも言えない気持ち悪さを感じました。
土佐市では、これまでこんなやり方で物事がすすんできたのだという事実にも同様です。

ちょっと、問題だなと思うのです。