その他鑑定事例②-2 男津波冤罪事件

2008年東京ビッグサイトでエスカレーターが逆走し、多数の負傷者が出た事例事例

【男津波の疑義】

 コミケに集う集団は一見すると異形の集団であるが、一旦列が形成されると存外おとなしい。
 おとなしいと言うより、列を乱したり割り込んだりすると容赦ない罵声と肘鉄という制裁が下されるからだ。

コミケの様子


 また、男津波という現象はあくまでも開門から列に並ぶまでの過渡期的に生じる事象であるため、慢性的に生じているものではない。

【鑑定着手】

 我々は、この男津波の特性に着目し事故当時のエスカレーター乗員数を割り出す鑑定に着手した。

【インターレース解除】

 鑑定資料としては当時のテレビ報道を用いた。
 ただし、当時のテレビはアナログ放送で画素数が粗いもので正確なカウントはできない。  
 まず着手したことはインターレース解除にて画像を鮮明化することから始めた。

エスカレーター事故の写真


【別角度画像】

 同様の手法で別角度からの映像を明晰化処理してカウントすると、エスカレーター搭乗人数は119~125人であると判明した。

エスカレーター搭乗人員


【メーカー推定値】
 メーカーの推定値では156人(9.36t)の異常な状況であったと広報されていたが画像処理してカウントすると充分許容範囲内であったことが判明した。
 
 この話には後日談があるので次回に書く。


男津波冤罪事件 その①

男津波冤罪事件 その③


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