「誰も私を助けてくれない」空港で2か月間も暮らす男性がいる

    彼は救いを求めて訴えかけている。

    シリア人のハサン・アルコンタルさん(36歳)は、シリアの首都ダマスカスから約100km南にある小さな町の出身だ。

    アルコンタルさんは2018年3月から現在まで、マレーシアのクアラルンプール国際空港に住んでいる。彼はBuzzFeed Newsに対して、「今日で何日目になるか、もう数えるのをやめた。無意味に感じたから」と語った。

    なぜ彼は空港で足止めを食っているのか。その理由を世間に知らせるため、自身の体験をつぶやき、動画を投稿している。

    「世間の多くの人と同様に、私にとって良い日もあれば悪い日もある。今日が私の人生最良の日のうちに入らないことは確かだ」

    「目覚めた時、2種類の問題に直面する」とアルコンタルさん。彼が寝ている場所がこちら。

    食事は、マレーシアの航空会社エアアジアが毎日提供している。彼は現在、エアアジアのターミナルにいる。

    アルコンタルさんが歩いて移動できるのはここまで。搭乗券がないので、チェックポイントの中には入れないし、空港の外にも出られない。

    アルコンタルさんの見ている世界がこれだ。彼は毎朝ここに座っている。「だんだんと希望を失ってきた。助けてくれる人は誰もいない」と話す。

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    なぜこのような事態になったのか。アルコンタルさんはこう説明を始めた。「人生の中で、そんなことが問題になるとは思わないような小さなことが、突然大きな問題になってしまうんだ」。

    ことの起こりは2011年、シリアで内戦が勃発した時のことだ。

    アルコンタルさんは当時、アラブ首長国連邦(UAE)のアブダビにいて、保険のマーケティングマネージャーとして働いていた。パスポートの有効期限が切れてしまったが、シリアで軍役についた経験がなかったので、新しいパスポートを手に入れることができず、彼は一夜にして、事実上の不法移民となってしまった。シリアには徴兵制度がある。

    「合法的なビザが得られないので、その後は太陽光発電所でパートで働いた。おかげでその分野の専門家になれたよ」

    しかし、2017年、パスポートを更新しようとした時に、アルコンタルさんはUAE当局に身柄を拘束されてしまった。関係者はアルコンタルさんに「UAEを出国して、シリアか、マレーシアになら行ける」と言った。マレーシアは、到着して入国する際にビザが必要ではない数少ない国のひとつだ。

    ここから先が複雑だ。アルコンタルさんは、貯金をほぼ全部使って、エクアドル行きのフライトを予約しようとした。エクアドルはシリア難民を受け入れており、滞在への道もある。

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    アルコンタルさんは、シリアの何もかもが恋しいと言う。「生きている人も、死んだ人も、すべてが恋しい」。

    アルコンタルさんは仕事でUAEに行った2008年12月から、ずっと家族に会っていない。「家族は安全だ。彼らにも彼らの解決すべき問題があるが、私のことを心配しているだろう」と話す。

    「2011年からは、新しいタイプの人種差別に直面するようになった。宗教や肌の色はもはや関係なくて、シリア人かシリア人でないかの問題だ。貧富関係なく、シリア人全体の問題になっている」

    この記事は英語から翻訳されました。
    翻訳:藤原聡美/ガリレオ、編集:BuzzFeed Japan

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