「ファイナンシャルプランナー3級の難易度と合格率はどのくらいなの?」
「ファイナンシャルプランナー3級は簡単って聞くけど本当なの?」
今回はこのような疑問にお答えしていきます。
インターネットでファイナンシャルプランナー3級について検索すると「簡単!」と目にすることも少なくありません。
しかし、いざ勉強をはじめてみると「意外と難しい」と感じている方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、ファイナンシャルプランナー3級(3級FP技能士検定)の難易度について、「合格率」「勉強時間」などの視点から解説します。
結論から言うと、ファイナンシャルプランナー3級は比較的難易度が低い資格です。
そして、勉強時間は30時間〜100時間必要で、この数字は他の資格と比べても少なめと言えます。
それではさっそくファイナンシャルプランナー3級の難易度についてみていきましょう。
目次
ファイナンシャルプランナー3級試験の難易度は?
一般的に、ファイナンシャルプランナー3級試験の難易度は「低い」と言われます。
理由としては以下の3つが挙げられます。
- 合格率が約40~80%程度と高い。
- 必要とされる勉強時間が「30時間〜100時間」と他の資格と比べて短い
- 問題形式がマークシート式
後でも詳しく説明しますが、ファイナンシャルプランナー3級の合格率は、日本FP協会だと、学科実技ともに75%以上と非常に高水準となっています。
合格率の高さをみると、他の国家資格と比べても合格しやすい試験だと言えるでしょう。
また、ファイナンシャルプランナー3級は、ファイナンシャルプランニングの知識がない人でも短期間の勉強時間で合格できます。
なぜなら、3級の試験内容は基礎知識であり、過去問に似た問題も多く出題されるためです。
目安となる勉強時間は30~100時間と言われています。
関連する業務を行っている方であれば、より少ない時間で合格することもできるでしょう。
そして、試験の出題形式がマークシートである点もファイナンシャルプランナー3級が簡単と言われる理由の1つ。
ファイナンシャルプランナー3級の試験は、「学科試験」と「実技試験」の2つから構成されています。
学科試験の出題数は全部で60問。
そのうちの30問は「正誤問題(いわゆるマルバツ問題)」で、残りの30問は3つの選択肢から1つの正解を選ぶ「3択問題」です。
実技試験は、日本FP協会と金融財政事情研究会(以下、きんざい)で次のようにそれぞれ異なる問題が出題されます。
- 日本FP協会:資産設計提案業務
- きんざい:個人資産相談業務 or 保険顧客資産相談業務
実技試験といっても面接官の前で何かしなくてはいけないのではなく、学科試験同様、マークシート形式の選択問題になります。
このように、2択、あるいは3択から正解を選べばよいので、比較的合格しやすい試験と言えるのです。
また、ファイナンシャルプランナー3級試験は絶対評価の試験。
受験者の上位何%のみが合格するといった相対評価ではないため、勉強をしっかりすれば、必ず合格できる試験となっています。
これらの理由から、他の国家資格と比べ、ファイナンシャルプランナー3級は比較的簡単に取得できると言われています。
ファイナンシャルプランナー3級試験の合格率とその推移
さらに詳しく合格率についてみていきましょう。
ファイナンシャルプランナー3級は、「日本FP協会」と「きんざい」の2つが指定試験機関となります。
それぞれの公式HPによると、2023年Ⅰ月実施分にて、FP協会の学科合格率が85.25%、実技合格率が88.34%、きんざいの学科合格率が56.00%、実技合格率が50.95%でした。
それぞれの合格率を以下にまとめています。
FP協会 | 学科合格率 | 実技合格率 |
---|---|---|
2023年1月 | 85.25% | 88.34% |
2022年9月 | 80.78% | 84.44% |
2022年5月 | 83.37% | 90.33% |
2022年1月 | 87.01% | 90.75% |
2021年9月 | 84.69% | 80.50% |
2021年5月 | 83.25% | 76.65% |
2021年1月 | 87.92% | 86.53% |
2020年9月 | 89.64% | 88.04% |
2020年1月 | 85.34% | 79.45% |
きんざい | 学科合格率 | 実技合格率 |
---|---|---|
2023年1月 | 56.00% | 50.95% |
2022年9月 | 43.41% | 49.46% |
2022年5月 | 49.03% | 52.22% |
2022年1月 | 62.52% | 45.98% |
2021年9月 | 53.31% | 46.29% |
2021年5月 | 47.81% | 53.16% |
2021年1月 | 63.75% | 57.29% |
2020年9月 | 69.28% | 47.08% |
2020年1月 | 65.43% | 49.17% |
※きんざいの実技合格率は実技2種類の平均
※2020年5月は中止
日本FP協会のファイナンシャルプランナー3級合格率は、学科70%〜80%、実技80%〜90%前後。
きんざいのファイナンシャルプランナー3級合格率は、学科40%〜70%、実技40%〜50%前後となっています。
ファイナンシャルプランナー3級になるには、学科と実技両方に合格しなければならないため、実際の合格率は上記よりもやや低くなると考えられます。
実質的な3級の合格率は40%~80%といったところでしょうか。
他の国家資格と比べて、合格率が高い試験だと言えるでしょう。
学科試験は日本FP協会、きんざい、共に同じ問題が出題されるため、本来合格率に差が出るはずはありません。
にも関わらず、合格率が20%ほど異なるのは、受験者層の違いだと言われています。
団体(会社)受験者の多くはきんざいで受け傾向にあります。
会社指令で受験したものの、さしてモチベーションの高くない層が多く存在するため、きんざいの合格率が下がっているものと見られます。
ファイナンシャルプランナー3級の勉強時間からみる難易度
資格の難易度をはかるには、勉強時間を見るもの有効です。
では、ファイナンシャルプランナー3級の勉強時間は他の資格と比べてどうなのでしょうか。
人気が高く、比較的取得しやすい資格だと言われる「簿記3級」や「宅建」と比較してみましょう。
FP3級 | 30~100時間 |
簿記3級 | 60~120時間 |
宅建 | 300~400時間 |
簿記3級の勉強時間は60〜120時間と、やや多いですが、ファイナンシャルプランナー3級とさしてかわりません。
ただし、合格率は簿記3級のほうが低くなります。
全体の難易度を考えるとファイナンシャルプランナー3級の方が簡単だと言えるでしょう。
つづいて宅建と比べてみます。
宅建の勉強時間は300〜400時間と、ファイナンシャルプランナー3級と比べ、圧倒的に難易度は高くなります。
事実、アガルートで宅建に合格された方によれば、1日の勉強時間は2時間、合格までにかかった期間は約半年(6ヶ月間)という方が大半でした。
では、仮に、毎日2時間の勉強で、ファイナンシャルプランナー3級に合格するために100時間必要だとしましょう。
100時間を2時間で割ると、50。
つまり、ファイナンシャルプランナー3級の場合、1日2時間勉強すれば、長く見積もっても約50日で合格できると考えられます。
このように、勉強期間の長さからみると、宅建士とファイナンシャルプランナー3級では大きな差がみえてきます。
ファイナンシャルプランナー3級の合格点
ファイナンシャルプランナー3級に合格するためには、満点を取る必要はありません。
では、どのくらい得点すれば合格できるのでしょうか。
上述した通り、ファイナンシャルプランナー試験は「日本FP協会」と「きんざい」の2つの団体が主催しています。
それぞれの合格点をみていきましょう。
【日本FP協会の合格点】
試験種類 | 出題形式 | 合格基準 |
---|---|---|
学科 | マークシート(60問) | 36点/60点 |
実技 | マークシート(20問) | 60点/100点 |
【きんざいの合格点】
試験種類 | 出題形式 | 合格基準 |
---|---|---|
学科 | マークシート(60問) | 36点/60点 |
実技 | マークシート(15問) | 30点/50点 |
日本FP協会ときんざいでは、実技の問題数が異なりますが、どちらを受験しても「6割以上」得点すると合格できます。
学科は基本的な問題が出題され、実技は応用力を試す問題が出題されます。
そうといっても、3級は個人の方が教養として身につける知識レベル。
6割以上を得点できるようにしっかりと対策すれば、合格がみえてきます。
なお、試験は年3回(1月・5月・9月)実施され、午前中に学科、午後に実技が行われます。
※関連コラム:ファイナンシャルプランナー3級資格試験とは~内容・日程・費用・受検資格~
まとめ
ファイナンシャルプランナー3級は、国家試験の中では比較的合格しやすい試験です。
とは言え、試験範囲は決して狭くありません。
短期間での合格を目指すのであれば、効率的に学習を進めなければなりません。
通信講座を利用すると、合格に必要な知識だけが詰まった教材で、効率よく勉強できるメリットがあります。
短期での一発合格を目指すなら、通信講座の利用を検討してみてはいかがでしょうか。