有機フッ素化合物、長野市の水道水源で目標値超え 国内での対応は鈍く
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人体への有害性が指摘されている有機フッ素化合物が、長野市の水道水源から検出され、一部の井戸で取水を停止する事態になっている。これまで国内では主に、沖縄県や東京都の米軍基地周辺で高濃度で検出されて問題になってきたが、長野県も無縁ではないことを突き付けられた。近年、国際的に規制の動きが活発化し、国内では3年前に水道水の水質管理目標値などが定められたばかりの物質。専門家からは国の対応の遅れを指摘する声も上がっている。(島岡太郎)
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■「不安あおる」長野市は調査慎重 有害性指摘、海外では規制の動き
問題の水源地は、市を南北に分ける犀川沿いの川合新田地区にある。松代、芹田、古牧、大豆島地区などの約3万3700世帯、7万4800人に水道水を供給。だが6カ所ある井戸のうち2カ所の取水は止まったままだ。
事の発端は2020年9月。国が同年4月に水道水について、有機フッ素化合物の水質管理目標値を…
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