不倫相手の男性が証言台に…「素直な感情で好きだった」
佐藤被告の被告人質問が行われる前日。証言台には被害者の夫で、佐藤被告と不倫関係にあった男性が立ちました。男性は佐藤被告と同じ介護施設に勤務していて、佐藤被告の部下でした。
検察「なぜ不倫をしましたか」
男性「当時、夫婦関係がうまくいっていなくて精神的に参っていて、冷静な判断ができる状態じゃなかったんです」
2人は交際していた当時、勤務時間内にも施設の人目のつかない場所で2人きりになる時間を作っていたと言います。シフト管理の責任者である佐藤被告が、シフトが重なるように調整していました。
佐藤被告「私との関係が奥さんにばれたらどうするの」
男性「妻と別れるつもりもないし、別れたとしても誰とも結婚せず1人になる」
弁護側は男性に佐藤被告との関係性について聞くと、男性は「素直な恋愛感情で女性として好きだった」と強く証言します。
一方、警察の調書には男性が当時「私の性欲を満たしてくれたのが佐藤さんだった」と話していた記録が残っていましたが、男性は覚えていないと話しました。
佐藤被告は男性との間で2度に渡り妊娠しましたが、男性は当時、避妊具を付けることはしていなかったと話します。
弁護側「関係を断とうと思ったことはありましたか」
男性「別れましょうとはっきり言ったかは定かではないです」
裁判官「好きという気持ちはいつまでありましたか」
男性「事件当日、妻を刺した相手が佐藤被告と聞くまでは純粋に好きだなと思っていました」
弁護側「(子どもを)認知する予定は」
男性「なかったです」
不倫相手が妻を刺す…佐藤被告に対する思いは
事件を振り返り男性は「妻や佐藤被告の家族には申し訳ないという気持ちがあります。事件のきっかけとして不倫があるのかなと思うので申し訳ないです」と話す一方で、佐藤被告に対しては「怒りの気持ちがあります。しかるべき処罰をお願いします」と述べました。
男性の証人尋問の間、佐藤被告は静かに話を聞きながら、時折鼻をすすり、手に持っていたティッシュは涙で濡れて小さくなっていました。
被害者の女性の証言では、男性は女性と今も夫婦関係を続けていて、事件以降、男性は家事・育児に積極的になり、協力的になったと話していました。