犯行を中断したかどうか…「中止犯」の成立争う

裁判では、犯罪の実行行為に着手したものの自らの意思で中止したとする「中止犯」が成立するかが争点のひとつでした。成立した場合には、刑が軽くなるか、免除されます。

佐藤被告は、犯行当時、被害者の女性が血を流すのを見て犯行を止めたと主張しています。しかし、救急車を呼ぶことはなく、止血を施すこともありませんでした。

裁判員「仮に自分の子がひっくり返って頭から血を流していたらどうしますか」
佐藤被告「救急車を呼びます。出血場所の手当てをして、止血もします。圧迫して止血します」
裁判長「勤務先の介護施設で入居者のけがに対する初期治療の心得はありましたか」
佐藤被告「ありました」