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日本の色『色彩の和名』漢字表記 一覧 – かっこいい色の名前

日本の伝統色『色彩の和名』漢字表記 - かっこいい色の名前 一覧
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日本の色(伝統色・和色)の名前・読み方、一部 色の由来も紹介しています。 日本らしい美しい色の名前は、和風でカッコイイ名称がたくさんあります。

 

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色彩の和名漢字表記 一覧

『赤』系の色の和名一覧

 

色見本 色の名前 説明
赤丹
あかに
Color Code : #dd451f

赤色の顔料として用いられる赤土のような、黄みがかった赤色。
「丹」とは土の事を意味するので、“赤土”→“赤丹”となったと思われる。

茜色
あかねいろ
Color Code : #da1f20

茜染めの、少し黄みをおびた暗い赤。
英色名のcardinal red(カーディナルレッド)に当たる色。
ローマ枢機卿(カーディナル)の衣装に用いられていた事から命名された色名。

茜とは、アカネ科の多年生の蔓草の事。
“根”が“赤”い事から“赤根(あかね)”と言われたのが由来で染料として使用されていた茜は、おおむね4種類。 その中でも、日本でよく使われていたのは、“日本茜”と言われる種類。

曙色
あけぼのいろ
Color Code : #f57f2b

明け方、陽の光で僅かに色付いて来た、東の空のような、浅い黄みの赤。

別名:東雲色(しののめいろ)

江戸時代に命名された色名。曙染(あけぼのぞめ)”とは、裾の先を白く残し、その上を(紅、紫、藍などの色で)徐々に濃くぼかしながら染めていく、着物の模様染めの事。裾の白い部分には刺繍や友禅染めの模様を施した。

小豆色
あずきいろ
Color Code : #aa2001

小豆のように、黒みがかった暗い赤。

別名:溜色(ためいろ)…漆塗の溜塗が由来。

小豆が日本に渡来したのは奈良時代以前だが、色名として定着したのは江戸時代になってからの事。小豆はその赤い色から、病を退かせる力があるとされ、冬至に小豆粥を食べる風習があった。

洗柿
あらいがき
Color Code : #efb095

柿色が洗われて薄くなったような赤みの少ない色。布を何度も洗うと、色が薄くなる事から、薄色を『洗』とするようになった。

暗紅色
あんこうしょく
Color Code : #800940

黒みがちの濃い紅色。

別名:殷紅色(いんこうしょく)

『殷』には、深い、赤黒い色という意味がある。

杏色
あんずいろ
Color Code : #f59970

熟した実のような、薄いオレンジ色。
英名:apricot(アプリコット)
杏は中国原産の植物。杏仁(きょうにん)には咳止めの効果があり、薬として用いられた。

苺色
いちごいろ
Color Code : #df1f5f

鮮やかに色付いた苺のような、少し紫がかった赤色。

英名:strawberry(ストロベリー)
仏名:fraise(フレーズ)

聖母マリアが好んだ果実という言伝えから、苺はマリア様に捧げる果実とされている。
日本に苺が渡来したのは、江戸終~明治初くらい。

一斤染
いっこんぞめ
Color Code : #ffbfbf

一斤(600g)の紅花で、一疋(二反)の絹を染めた、ごく薄いピンク色。

別名:聴色(ゆるしいろ)

『禁色』に対して、許される色という意味で、聴し色と命名された。
平安時代、濃い紅色を染めるのに、高価な紅花を大量に必要としたため、身分の高い人にしか許されない『禁色(きんじき)』だった。一斤染めは、一般の人々にも着用を許される基準とされた色。

今様色
いまよういろ
Color Code : #dd706f

紅色を薄くしたような色。
一説には、紅梅の濃くした色とも云われている。
平安時代、“今風の色”“今流行の色”と言う意味で付けられた色名。

薄柿色
うすがきいろ
Color Code : #fed3af

『洗柿』より更に薄くした、僅かに赤みのある黄色。
この色より、僅かに濃い色で『洒落柿・晒色(しゃれがき)』と言う色名もある。

布などを、日光や水で晒す事から付いた色名だとと思われる。

臙脂
えんじ
Color Code : #ca111a

紫がかった濃い赤色。

英名:carmine(カーマイン)

古くは『燕支』と書かれ、『燕支山(えんしやま)』(中国の紅花の産地)から付けられた色名。
もともとは、紅花で染めたものとしていたが、時代の流れと共に、ラック等から取れた色の名前を言うようになった。

『臙脂』には“植物性”と“動物性”があり、“正臙脂”と“生臙脂”とに別けられている。

正臙脂…マダー(赤みの強い印度茜だと思う。)などの、植物性。

生臙脂…ラック,ケルメス,コチニールなどの、動物性。

鉛丹
えんたん
Color Code : #ef4400

酸化鉛の色で、鮮やかな橙色。
『丹色』と同一とされる。
鉛丹は、錆止め、腐敗防止効果があり、赤色を崇める風習もあって、昔から神社仏閣などの建築物に塗られていた。
今現在でも、ペンキの下地に塗られている。

黄丹
おうに
Color Code : #ea6f20

紅花と梔子で染めた、赤みがちの強い橙色。
『おうだん』とも読む。

別名:朱華(はねず)

古来から、皇太子専用の袍(ほう)の色とされ、着用は親王や皇族のみに限られた、黄櫨染(こうろぜん)に次ぐ『禁色』であった。

袍=宮廷で着用をされた朝服(表衣)。

現在でも、皇室儀式の時に、皇太子が着用する礼服の色となっている。

柿色
かきいろ
Color Code : #fa5f00

熟れた柿の実のような、赤みがかったオレンジ色。

別名:照柿色(てらがきいろ)
英名:persimmon(パーシモン)

色名としては平安時代からある色だが、その頃は『渋柿色』の事を『柿色』としていた。
柿の実の色を『柿色』と称したのは、近世になってから。

蒲色
かばいろ
Color Code : #d0700f

蒲の穂のような濃い黄赤色。

『樺色』とも書く。

蒲の穂(がまのほ)は、池や川など、淡水の浅瀬に生える多年草の植物で、その花粉は傷薬として用いられていた。

昔と現在では、色名に僅かズレがある。

昔……『蒲色』=蒲の穂の色。『樺色』=樺桜の樹皮の色。

近年…『蒲色』『樺色』=蒲の穂の色。『樺茶』『蒲茶』=樺桜の樹皮の色。

韓紅
からくれない
Color Code : #e01033

紅花で染めた濃い赤色。

『唐紅』とも書く。
『唐』や『韓』は、舶来したという意味があり、海の向こうから渡来してきた紅、と言うのが一般的な由来。

金赤
きんあか
Color Code : #ef5e00

金色がかった、赤よりの茶色。

銀朱
ぎんしゅ
Color Code : #fc3000

硫化水銀を使った、鮮やかな黄みの赤色。

硫黄と水銀を混ぜて人工的に作られた朱色を『銀朱』と言い、天然の朱色よりも鮮やかな色になる。
人工的に作る技法は古くから中国で行なわれていたようである。
現在では『銀朱』の色を主に『朱』と言う。

紅梅色
こうばいいろ
Color Code : #e56a8f

紅梅の花弁の色から付けられた、濃いピンク色。
中国名:春梅紅(チュンメイホン)

平安時代、中国から渡来してから用いられた色名。
平安時代の頃は紅花染めだったが、江戸時代には蘇芳で染められていた。
平安時代は早春の衣色として人気があった。

鮭色
さけいろ
Color Code : #fab8a0

鮭の身のような黄みをおびた鮮やかなピンク色。

英名:salmon pink(サーモンピンク)

18世紀には色名として使われていた。
日本では『乾鮭色(からさけいろ)』と言う、鮭を干して乾燥させた身を現す色名もある。
魚から由来する名は、日本は勿論の事、西洋でも少なく、珍しい色名。

桜色
さくらいろ
Color Code : #fad5da

紅染めの薄い紫みのピンク色。

中国名:桜花紅(インホアホン)

現在の桜は染井吉野と言う品種の桜が殆どであるが、この色名が使われるようになった平安時代の桜は山桜の事であった。
平安時代には重ね色目や襲ね色目として人気をはくした。

重(かさ)ね色目:
一枚の袷衣(あわせころも)の表裏に別の色を染め、微妙な色合を楽しむ。

襲(かさ)ね色目:
何枚も重ねて着用し、その重ねる布の配色を楽しむ。

桜は古来から日本人にとって親しみのある花であり、日本の国花ともなっている。

珊瑚色
さんごいろ
Color Code : #faab9d

珊瑚のような明るい黄みのピンク色。

英名:coral pink(コーラルピンク)

珊瑚には赤,白,桃色の三種類あるが、最も高価なものが桃色の珊瑚とされていた。
古来、珊瑚は魔除けとして身に付ける宝石であった。
江戸時代では櫛(くし)や簪(かんざし)の装飾にもなった。
ヨーロッパでは『coral pink』が色名として登場したのは19世紀の終わりであった。しかし『coral』と言う赤色(赤珊瑚の色。日本色名:珊瑚朱)は14世紀には登場している。
中国では、赤珊瑚を砕いた粉末は、絵具として用いていた。

赤銅色
しゃくどういろ
Color Code : #af4020

銅より更に茶みがかった色。

英名:copper red(カッパーレッド)

赤銅とは銅に金を3~4%、銀を1~2%加えた合金の事。日本特有の合金で、747年にはすでに用いられていた。
混ぜ合わせる比率により紫、または黒に見える事もあり、『紫金』『烏金』とも言われた。
“赤銅色の肌”と言うように日焼けしたたくましい身体の形容として使われている。

金=こがね 銀=しろがね 鉄=くろがね 銅=あかがね、と言われている。

朱色
しゅいろ
Color Code : #fc4200

明るい黄みの赤色。

英名:vermilion(バーミリオン)

朱は天然の硫化水銀の原鉱から採れる顔料の色であったが、のちに人工の硫化水銀の色を言うようになった。
日本でも縄文時代から使われていた。弥生~古墳時代には永遠の生命力、死者の再生を願って墳墓の内壁や遺骨に塗られていた。
朱は神を崇める太陽や炎であり、権威の象徴であった。また、魔除けなどの呪術的な意味合いもあって、仏教が伝来されると神社仏閣の神殿や鳥居などに塗られた。
また、印鑑の朱肉としても広く用いられている。

猩々緋
しょうじょうひ
Color Code : #ef2508

鮮やかで強い、黄みがかった赤色。

猩々とは一般的にオラウータン指すが、ここでは中国の伝説上の霊獣の事。人間に似た顔をした猿のような獣で、毛は赤くて長く、よく酒を好んだとされている。
日本でも能に登場する。
インドから持たれたこの色が、あまりにも鮮明な赤なので、古代中国人は猩々の血で染めたものだと信じられていたらしい。実際は、貝殻虫から取った染料である。
鮮明な赤色に惹かれ、日本では戦国時代の武将達が、猩々緋の陣羽織を好んで着用した。

真紅
しんく
Color Code : #cf1020

紅花染めの中でも特に濃く染めた紅色。
『深紅』とも書く
紅花は金に匹敵するほど高価なものであり、紅花のみで染めたこの色は『禁色』の中でも特に高貴な身分の者にしか着用を許されていなかった。

蘇芳
すおう
Color Code : #aa1122

やや紫みのあるくすんだ赤色。
蘇芳はビルマ,インド,マレー半島など、熱帯地方に生息するマメ科の樹木。

芯材部に赤色の色素が含まれており、その煎汁を染料とした。
蘇芳は媒染剤に明礬(みょうばん)の灰汁を使うと赤色、鉄を使うと紫に染まるので、紅花や紫の代用として用いられたため、蘇芳の染色は似紅(にせべに)、似紫と言われた。
日本には中国を通して奈良時代には伝わっていた。平安時代の頃までは非常に珍重されていたようだが、のちに一般的な染料となった。

安石榴色
ざくろいろ
Color Code : #C92E36

『石榴』『柘榴』とも書く

石竹色
せきちくいろ
Color Code : #eda4af

石竹の花のような淡い紅色。

別名:唐撫子色(からなでしこいろ)

石竹は中国原産の多年草で、日本では唐撫子とも言われる。
平安時代には日本に渡来していた。
撫子色よりも濃いピンク色であるが、同色とされる説もある。


そほ
Color Code : #cf5a10

くすんだ黄赤色。
『赭』は赤土の意味であり、赤土色のことである。

退紅
たいこう
Color Code : #bf8078

約108gの紅花で、一疋(二反)の絹を染めた、ごく薄い紅花染の色。
『洗染』『荒染』とも描く。

別名:粗染(あらぞめ)

染める時にキハダやウコンで下染めするため、濁ったような黄みを帯びた色になった。
主に、雑事に携わるような人々が着用する服の色であった。

代赭色
たいしゃいろ
Color Code : #bf5613

黄みがかった、赤褐色。
中国北部の山西庄代県の土から採取した赭土(しゃど)から作られる天然の酸化鉄顔料の色。
産地から命名された色名。

現在では人工的に製造されるようになり、他の酸化鉄顔料と区別が無くなてしまったが、今でも色名として産地の名前が残っている。
弁柄の一種にあたるが、その中でも特に黄み色の濃い色の事をいうようである。

橙色
だいだいいろ
Color Code : #ff6a00

橙の実のような鮮やかな黄赤色。

英名:orange(オレンジ)
中国名:橘橙(チューチョン)橙色(チョンスー)

橙はインドのヒマラヤ地方原産のミカン科の常緑小高樹。
その果実は熟しても落ちる事無く、翌年の夏には再び緑色化し、放置しておくと2~3年は枝に付いている。
その事から「代々栄える」として、子孫繁栄の願いを込め、正月の縁起の飾りになった。
橙の皮は胃薬として、漢方薬で用いられている。
また橙色は、英名orange(オレンジ)の和名として用いられていた。


たん
Color Code : #ef5000

朱色よりやや茶色がかった色。

別名:丹色(にいろ)

『丹』は『赤土』という意味があり、赤色の事を指す色であった。
特に区別する事無く、赤色顔料は(酸化鉄、酸化鉛、硫化水銀)どれも『丹』と呼んでいた。
また、『丹』には、『真心』という意味も含まれており、言語にもよく用いられている。

躑躅色
つつじいろ
Color Code : #f01f7a

赤躑躅の花びらのような紫みがかった明るい赤色。

英名:azalea(アザレ)
仏字:azale’e(アザレ)

平安時代から使われていたようで、襲ね色目にも用いられた。
韓国では代表的な色の一つであり、様々な物に使用さられる人気色である。
また、躑躅の小枝は茶染の染料に使われていた。

朱鷺色
ときいろ
Color Code : #fabfca

朱鷺の風切羽のような淡いピンク色。
『鴇』『時』とも書く。
江戸時代によく用いられた色名。

朱鷺は、江戸時代までは、ごく身近で見られる一般的な鳥であったが、明治頃から乱獲や汚染で 激減し、今では特別天然記念物とされ、国際保護鳥ともなっている。
日本の朱鷺は、「キン」という最後の一羽を残して絶滅してしまっている。

撫子色
なでしこいろ
Color Code : #fabfc0

撫子の花のような、淡い紫がかったピンク色。
撫子は、秋の七草の一つであるが、夏の襲ね色目とされていた。
撫子は日本を代表する花でもあり、「大和撫子」など、日本女性を表す言葉にも用いられた。

人参色
にんじんいろ
Color Code : #f05a12

人参のような、赤みの強い明るい橙色。

英名:carrot orange(キャロットオレンジ)

人参は西アジア原産のセリ科植物で、日本には16世紀に中国から渡来した。
西洋では、17世紀頃には色名として使われており、その頃は『carrot red(キャロットレッド)』とされていた。
また、『carrot red』は、赤毛の人を形容する言葉でもあった。

灰桜
はいざくら
Color Code : #eacfca

灰色がかった桜色。
濁りがないので、灰色がかっていても軽い色彩である。
その他、灰色がかったピンク色として『灰梅(はいうめ)』と言う色名もある。
こちらは、灰桜よりもやや黄みをおびている。

肌色
はだいろ
Color Code : #f5dac0

肌のような黄みをおびたピンク色。

別名:宍色(ししいろ) ,肉色(にくいろ)
英名:flesh(フレッシュ)

元々は、猪やカモシカなど、動物の肉の色の事を指す色名だった。
日本人の肌の色を形容しているが、実際は全然違う色である。むしろ理想の肌の色とした方が良いだろう。

薔薇色
ばらいろ
Color Code : #f50054

濁りのない、わずかに紫みをおびた明るい赤色。

英名:rose red(ローズレッド)

西洋では14世紀にはすでに色名として用いられていた。
西洋では昔から珍重され愛された花で、色名もroseを冠する名が一番種類が多いと言われている。
例》beige rose(ベージュローゼ),roze dragee(ローズドラジェ),umber rose(アンバーローズ),french rose(フレンチローズ),rose pompadour(ローズポンパドール),Rose tendre(ローズタンドル),rose brown(ローズブラウン)等々…

日本に薔薇色が知られたのは近年になってからである。

緋色
ひいろ
Color Code : #ef4900

茜染めの、黄みをおびた鮮やかな赤色。

『火色』とも書く。
別名:思ひの色(おもいのいろ),真緋(あけ)『緋』とも書く。

茜色の所でも述べたが、茜にはおおむね4種類あり、緋色を指す茜染めは、日本や中国で使われていた2種類である。

日本,中国生息茜…プリイドプルプリンが含まれ、黄みがかる。

インド生息茜2種…アリザリン(紅色色素)が多く含まれ、鮮やかな赤色になる。

深緋
ふかひ
Color Code : #ba2029

やや紫みをおびた濃い茜色。
『こきあけ』『こきひ』とも読む。

奈良時代までは、茜染めで緋色よりさらに濃く染め上げた色を指していた。
平安時代になると、茜と紫根の交染になり、暗い紫みをおびた赤色になった。
※配合=一疋(二反)に対し、茜四十斤、紫根三十斤。(一斤=約600g)
法典『延喜式』では紫に次ぐ高位の朝服色とされていた。
『延喜式』=今で言う、憲法や法律のようなもの。

紅赤
べにあか
Color Code : #f53300

純粋な赤に近い、赤らしい赤色。

紅花で染めた、赤を象徴する色。

紅色
べにいろ
Color Code : #ee1030

紅花染めの、僅かに紫みのある赤色。

別名:紅絹色(もみいろ) ,紅(くれない)

紅花は、西アジア原産のキク科カルタムス属の一年草。
最も古い染料の一つであり、エジプトのミイラを包む布にも、紅花染めの布を用いていた。
日本に渡来したのは5~6世紀頃。呉(くれ)から伝わった藍(あい)と言うことで、『呉藍(くれのあい)』と呼ばれていたが、時が経つにつれ『紅』と呼ばれるようになった。

染料の他に、口紅などの化粧料や絵具など、幅広く利用されていた。
紅一両は金一両と言われるほど大変高価な染料であったため、長い間一般の人々には『禁色』とされていた。
紅花をよく揉んで染める事から、紅色の事を紅絹色(もみいろ)という事もあった。

紅鬱金
べにうこん
Color Code : #eb7f0b

紅花と鬱金(うこん)とを合わせた、黄赤色。
色名通り、鬱金で黄色く染めてた後、紅花で赤く染めて、色合を出した。

弁柄色
べんがらいろ
Color Code : #af4510

茶色がかった赤色。
『弁殻色』『紅柄色』とも書く。

インドのベンガル地方から産出された赤褐色顔料(赤土)が日本に伝えられ、『ベンガラ色』となったのが名の由来だが、今では赤土顔料を代表する色の一つとして知られている。
江戸時代には、町屋の柱や格子戸、瓦など、建物の着色に広く用いられていた。

牡丹色
ぼたんいろ
Color Code : #da107f

鮮やかな赤紫色。
中国名:牡丹色(ムータンホン)
牡丹は中国原産のボタン科ボタン属の花。中国の国花になっている。

『冨貴の花』『花の王』『百花の王』などと称され、多くの人々に愛された。
日本には奈良時代に渡来し、春の襲の色目の一つとして用いられていた。
色名として用いられたのは、科学染料が出来た近年(明治以降)になってからのようである。

真朱
まそお
Color Code : #f56035

緋色より更に黄みを帯びた赤色。
『しんしゅ』とも読む。

別名:辰砂(シンシャ)
中国名:辰沙(チェンシャ)

朱の中でも特に天然の硫化水銀の原鉱の事を言う。
中国の湖南省辰州産の朱(硫化水銀鉱物)が有名だった事から『辰砂』とも言われている。

蜜柑色
みかんいろ
Color Code : #f59524

橙色よりもやや黄みの強い黄赤色。
蜜柑色は特に温州蜜柑の果皮の色の事を言う。
温州蜜柑は16世紀に鹿児島で誕生し、明治頃に一般的に普及した。
蜜柑色は近年になって付けられた、まだ新しい色名である。

桃色
ももいろ
Color Code : #ff8f80

桃の花のような

別名:桃染(ももぞめ),桃花褐(つきそめ)
英名:peach blossom(ピーチブラッサム)
中国名:桃紅(タオホン)

桃は中国原産のバラ科サクラ属の小高木。
色名は古く、万葉集の中にも『桃染』『桃花褐』の名で詠われている。
ピンクと同一色に思われがちだが、語源が異なる別色である。
古代中国では、桃は長寿の象徴であり、桃の木は魔除けのお守りとしていた。
日本でも『桃の節句』で雛人形と共に桃の花を飾る習しがあるが、これは江戸時代初めに行われた事である。元は『上巳の節句』と言い、3月初巳の日に、紙や藁で作った人形(ひとがた)に自分の厄や災いを移して海や川へ流すお祓いの行事であった。

煉瓦色
れんがいろ
Color Code : #b55540

煉瓦のような赤褐色。
英名:brick red(ブリックレッド)

煉瓦は、酸化鉄の混じった粘土を900℃近い高温で焼き上げたものである。主に建築資材として利用されている。
西欧での煉瓦の歴史は大変古く、日干し煉瓦は紀元前8000年頃、焼成レンガは紀元前3000年頃にまで遡る。

brick red(ブリックレッド)は、17世紀頃に使われ始めた色名。それ以前はbrick red(ブリックレッド)と同じ意のラテン語、iatericius(ラテリシゥス)と呼ばれていた。

日本では明治以降に煉瓦建造物が建てられたが、地震が多く、湿気の高い日本の風土に適さなかった。今では装飾として使われている。

《NEXT:『青』系の色の和名一覧》

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