伝説のカルチャー誌、ついに復活!
2010年2月発売の50号をもって休刊したカルチャー誌『CONTINUE』(太田出版)が1月23日、約8年ぶりに復刊した。
2001年に創刊された『CONTINUE』は初期はゲーム、その後はアニメ、特撮、マンガなど幅広いオタク系の話題を取り上げ、独自の視点と切り口で人気を博し、ブレイクする前のPerfumeが連載していたことでも知られる伝説の雑誌だ。
昨年末にプレ創刊号の意味合いをもつ『CONTINUE SPECIAL』、さらに新創刊させることが公式アカウントで発表されると、かつてのファンから歓喜の声が上がった。
雑誌業界において休刊=廃刊となっている中、なぜ2018年に新創刊することになったのか。8年ぶりとなる新創刊号が、あえて「51号」とした深い理由とは。創刊から編集長を務める林和弘さんをBuzzFeed Newsは取材した。
――新創刊おめでとうございます。僕も0号からの読者なので、復活すごく嬉しいです。そもそも8年前、なぜ休刊してしまったんですか?
「人事異動が理由です。社長から『ウェブをやってほしい。50号でちょうど区切りだから、一旦辞めよう』と言われ、2010年2月売りの50号で休刊しました。その後、ウェブサイト『ぽこぽこ』をやった後、どういうわけかウェブの後に営業部にいって書店営業もしていました。最後の方は営業部長になってました(笑)」
――まさか営業部長に! 50号ごろは売り上げなどが下がっていたりはしたんでしょうか?
「売り上げ的にはペイできてましたし、『saku saku』など雑誌から生まれた単行本は凄く売れていました。プロジェクトとして『CONTINUE』を止める理由はなかったです。初代『龍が如く』をクソゲーと書いたことで、セガの名越(稔洋)プロデューサーがマジギレして休刊したという噂がネットに流れたんですけど、明確に違います(笑)」
――デマでしたか(笑)。休刊から8年の歳月をへて、なぜ今『CONTINUE』を復刊されたんですか。
「『CONTINUE』時代に『ハチミツとクローバー』の別冊で仕事をした方が実写映画『三月のライオン』のプロデューサーをしていて、『CONTINUE』の別冊としてまた特集本をやってくれないかと言われたんです。それで昨年『クイックジャパン』の冠を借りて、『CONTINUE』のスタッフを集めて作った『別冊クイック・ジャパン 3月のライオンと羽海野チカの世界』がおかげさまで売れたんです。そこでこの方法論はまだいけるなあと思いました」
「そんな時、会社からもまた雑誌をやらないかと言われ、雑誌をやるなら『CONTINUE』しかないでしょとなった。ただ、実際にやれるのか全然自信がなかったときに、前に編集部にいたプチ林が会社に復帰してくれることになって。その瞬間に『あ、これはやれるな』と思い、社長に『営業部長を辞めて、編集一本に戻してくれ』といって、編集部に戻りました」
――昨年末の『CONTINUE SPECIAL』、そして新創刊の発売が発表されるとTwitterなどでは多くの喜びの声がありました。
「反響は嬉しかったですよね。あんなに反響があるとは思わなかった。びっくりしたのは全巻持ってますと写真をTwitterにあげる人が多くて。僕だって一、二巻は持ってないです(笑)。漫画家の田中圭一さんは飲むたびにやるべきだとおっしゃっていただいていたので、復刊を喜んでくれました」
――復活した『CONTINUE』では、休刊前と同じ連載であったり、ライターの顔ぶれも同じであったりと地続きなことが、ファンにとっては嬉しいところです。
「ライターも引き続きですし、あきまんさんも四コマ漫画『桜田ふぁみりあ♪』をやっていただいてます。吉田豪さん、掟ポルシェさんにも続けてもらっています。豪さんには、また同じ連載をやってくださいとすごく丁寧なメールでお願いしたら一発『やりますよ』とだけ返って来ました(笑)。すごく嬉しかったですね。あとは以前の連載陣に加えて、休刊中に僕が仕事をした柴那典さん、カレー沢薫さんなども新たに加わっています」
――巻頭特集も地上波のアニメではなく、Netflixで配信中の「DEVILMAN crybaby」なのも、『CONTINUE』らしいです。
「もともと特集で何をしようと考えているとき、Netflixでデビルマンを、しかも原作の最後までアニメでやると聞いて、これはやろうと思いました。巻頭にするかは悩んでいたところもあったんですけど、信頼するライター2人に見てもらったら、ぜひやるべきと絶賛だったので、巻頭にしました。プロデューサーさんも『CONTINUE』の読者で驚きました」
――話題沸騰中の『ポプテピピック』も特集しています。
「キングレコードの方に『CONTINUE』を復刊しますとメールを送ったら、3分後に電話がかかって来て『ポプテピピックを特集してください!』ってものすごい勢いで言われたんですよ(笑)。改めてお話を聞いたら、ちょっと、とんでもない内容で。それで『わかりました、そこまでブッ飛んだ作品なら喜んで』ということで特集したんですが、まさか、ここまで話題になるとは(笑)」
――雑誌の復刊では、心機一転と再び1号から始める場合が多いのですが、なぜ『CONTINUE』は休刊前のつづきである『51号』から新創刊を始めたのですか?
「僕らは明確に51号にすべきと思っていました。実は51号にするのは大変だったんです。創刊号だから買うという人を考えると、01号だったりと新しく始めた方がいい。会社からは『そこまでこだわることか』と言われたんですけど、『51号じゃなきゃダメだ』と言って押し切りました」
――なぜ、そこまで強くこだわったんですか?
「いまでも0〜50号までを大切に持っている人がいる中、全然違う雑誌ですよと01号で再開したら裏切りだと思ったんです。同じ雑誌として出すのが大事だし、そこは外しちゃいけない。51号であれば、僕がどういう気持ちで『CONTINUE』をまた作るのか、読者には伝わると思った。だから会社には『前の読者を信じて僕は51号にする。だから会社はその僕を信じてくれ』と言いました」
――そのこだわり、読者としてすごく嬉しいです。8年ぶりの続き、楽しみにしています。本日はありがとうございました!
※近日中に完全版のインタビューを掲載する予定です。
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