メンバーが原爆のキノコ雲がプリントされたTシャツを着ていたことから、音楽番組『ミュージックステーション』の出演がキャンセルとなった韓国の人気アーティスト「防弾少年団」(BTS)に対し、米国を拠点とするユダヤ系人権団体「サイモン・ウィーゼンタール・センター(SWC)」が嫌悪感を表明した。
過去にメンバーがナチス親衛隊(SS)のロゴが入った帽子を被っていたり、コンサートでナチスを連想するようなパフォーマンスを行なっていたことが、その理由だという。
SWCは2年前、アイドルグループ「欅坂46」がハロウィンライブで着た衣装がナチス・ドイツの制服と酷似していた問題でも、嫌悪感を表明。
プロデューサーである秋元康氏および所属レコード会社であるソニーミュージックに謝罪を求めていた。これらを受け、ソニーミュージックは公式ホームページに謝罪文を掲載している。
問題視された写真とパフォーマンスとは
米国時間11月11日に公式ホームページ上に掲載されたBTSに関する声明では、SWCのアブラハム・クーパー副館長が、「長崎の原爆被害者をあざけるTシャツを着ていたことは、過去をあざけるこのグループの最新の事例にすぎない」と指摘。
BTSにナチス親衛隊のロゴが入った帽子を被って写真撮影をしたメンバーがいたことや、コンサートでナチスの鉤十字に似た旗を振っていたことなどを問題視した。
SSが第二次世界大戦のホロコーストで、ユダヤ人の大量虐殺に関わっていたことに触れながら、「国連での講演に招かれたこのグループは、日本の人々とナチズムの犠牲者たちに謝罪する義務を負っていることは、言うまでもない」とした。
そのうえで、「それだけでは不十分だ」として、こう結んだ。
「このグループの経歴を作り上げ宣伝している者は、あまりにも簡単に過去の記憶を誹謗している。その結果、韓国や世界の若い世代が、偏見と不寛容を生み出すことが”クール”であると感じてしまう可能性があり、さらに歴史の教訓を消失させる手助けにもなってしまう。メンバーだけではなく、このグループの経営陣も、公然と謝罪すべきだ」
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冒頭の写真を差し替えました。
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