今、説明したように、政府の行動は、まったくもって正しいのだが、正しいが故に、こうした事態が続いた場合、日本経済の将来はかなり厳しいと言わざるを得ない。
一般的に市場よりも劣るとされる政府による介入の方がまだマシということであれば、日本の自由市場は政府よりもさらにレベルが低いということになってしまう。このまま政府による介入を続けた場合、一時的に状況は改善するものの、民間が自律的に改革を進める力をますます失ってしまうだろう。
筆者は政府の介入について一定の評価をしているが、政府は民間に対する介入を強化すると同時に、企業が自律的に活動を継続できるよう、諸改革を進めていく必要があると考える。このままでは、自由市場によって高い成長が続く世界の平均水準に対して、日本経済は半永久的に追いつかないことになってしまう。