HISAKOブログ

中学校生活が始まるにあたって(3)〜発達障害ななちゃん〜

nana03 - 中学校生活が始まるにあたって(3)〜発達障害ななちゃん〜

自閉症スペクトラム障害の中学1年生
ななちゃん。

シリーズラストです。

彼女は、
「自分の場所」「自分の物」「○○をする時間」
が見事に決まっています。

夕方5時になると
1分たりとも狂わすことなくお風呂に入り、
夜は8時ジャストに必ず布団に入るというこだわりようです。

自閉症スペクトラム障害にも
いろんなタイプがあって、

いつもポ〜っとしていて
人の言いなりになってしまうタイプの子もいれば、

ななのように警戒心が強く、
常に誰に対しても戦闘モード、
感覚過敏も併せ持つタイプもいて
表現型は本当にさまざまです。

彼女は、
自分の安全地帯を他人に犯されたくないという
気持ちが強い子です。

教室の、いつも座っている定位置は
そこから見える景色。その椅子に座った感触、
右側にあるもの、左側にあるもの、
すべてをきちんと把握しているため
とりわけ安心できる場所のようです。

「ここなら大丈夫」という安全地帯が必須だから
ときどき行われる席替えはめっちゃ苦手。

同じ教室の中でも景色が変わること、
隣近所に座るメンバーが変わることにも
不快と大きな疲労を感じます。

ななにとっては、
今まで見えていた世界こそが安全地帯。
その他の席から見える風景はよくわからない
不安に満ちた場所なんですよね。

ちゅーことは、
これから始まる中学校生活は
とてつもない不安が渦巻いていることでしょうね。

友達に物を貸す、という、
普通ならばなんてことのない行動も、

大切な自分の物が、ちゃんと手元に戻ってくるのか、
汚れたり傷つけられたりしないのか、
いつもと違う状態で戻ってきたらどうしよう・・・
など、常に過剰な不安がつきまとうのかもしれません。

彼女の周りにあるすべてのものは
「大切なもの」「どうでもいいもの」の判定が行われ
色、形、匂い、思い出、さまざまな要素が判定材料になって
他人に触られたくない強固なこだわりを
生み出しているんじゃないかと思います。

誰にでも、大切にしている物はありますが、
無意識に人の物に触ったり
親切心で落ちてるものを拾ってあげたりすること、
ありますよね。

彼女の口からよく飛び出す
「人の物に勝手にさわんな!」という言葉。

ななはそれを
『侵略』ととらえてしまいます。

自分の物を触られたくない・・・!

常に神経を尖がらせながら生きているのって
とても疲れるだろうな・・・。

例えば自宅では
食卓の自分の座る定位置(安全地帯)は決まっていて
きょうだいがちょっとはみ出て
ななの場所に座ったときなど
「じゃま!そこオマエの場所じゃない!」
ものすごい怒りモードに突入してしまいます。

怒りの対象はきょうだいだけじゃなく、
学校で友達や先生がななも物を触ろうとすると
強いストレスを感じます。

「これ触るよ~
これ片付けていいかな?」

きちんと断りを入れてからだったらOK。

例えばロッカーから
荷物が床に落ちていたとき。

友達は親切心で拾って
ロッカーに入れ直してくれたりします。

荷物が床にあることを本人が把握していて
わざと片付けずにそのままにしている場合だと
「余計なことすんな、ボケ!」
になってしまい、

友達は気を利かせて片付けてくれたんだよ?
と諭しても、「そーゆー問題じゃない!」
と怒りの答えが返ってきます。

ななにとって大切な安全地帯。
ですが、友達も先生もきょうだいたちも
もちろんその境界線が見えるはずもないので
あっさりと侵略してきます。

大切な安心できる場所や物が
誰かに荒らされている(ように彼女の目には映る)のを
観た瞬間、大きなストレスがかかり、怒りに直結して
しまうのだと思います。

先日、授業中にななが鉛筆を落としました。
隣の男の子はそれに気づいたけど
ななが「人の物に触るな!」という感覚を持っているのを
知っているので、あえて気遣いから拾わなかったんです。

すると、なな激怒!
・・・友達の足を蹴ってしまいました。

友達は状況把握できず、
なんで蹴られて暴言吐かれなくちゃならんのか?
パニックになっていたそうです。

あとでよくよく聞いてみると

イライラしててわざと物を落としたり
投げたりしたときは触らないでほしい。
(クールダウンしてから自分で拾う。ほっといてほしい)

でも、あのときの鉛筆はうっかり落とした。
気づいてるのに拾わないなんて、友達が悪い!

ということでした。

なるほど
ななの物に触っていいシチュエーションと
触ったらあかんシチュエーションがあるわけですね。

説明されたらわからんでもないけど、
・・・ムズイわ、なな~!( ̄◇ ̄;)

他人の感情を汲み取るのって本当に難しくて、
親のわたしでも、そんな微妙なニュアンス
わからへんわ!と、さじを投げたくなる反面、

ムズイから無理!で終わらせるのではなく
長時間一緒にいるクラスメイトだからこそ
いろんな特性を持つ友達も含め、
みんなが思いやりをもって、理解しあい、譲り合う
いい機会を、ななが与えているとも思います。

ななのようなムズイ子が身近にいるのって
ある意味ラッキー!
彼女に関わる全員の、
ソーシャルスキルトレーニングになると思います。
(前向きな思考だな!)

きょうだいもそうです。

自閉症スペクトラムの姉ちゃんが同じ家の中にいて、
しょっちゅう理不尽なことでキレて
当たり散らされる日常は、きっと彼らなりにストレスも
多いことでしょう。

でも、身近なななちゃんの感情を学ぶことは
彼らにとっても、きっととてもいい経験になってくれると思います。

まずはわたしが架け橋となって
ななが大切にしている物のこと、触っちゃいけないパターンのこと、
教えていこうと思っています。

そして、ななには
この感覚はみんなが持っているわけではないこと
物を大切にするあまり、
大切な人を傷つけてしまわないようにすること、

拾ってほしい、触らないでほしい、は
自分で他人に伝えられるようになればいいこと
ゆっくり何度も話している最中です。

中学校では、
情緒支援学級の中に
クールダウンのための『ななの安全地帯』
小さな個室を作ってもらうことをお願いしました。

カーテンで仕切る感じ?
それとも、がっつりドア?

ななの気持ちをここまで考慮してくださる学校、
最高ですやんか!

「イライラしてるときはドアを開けるのもイヤ!
だからカーテンでいい」

と、ななは言いました。

へぇ!
そうなんだー。

意外でした・・・。

完全にひとりになれる空間が必要なのかと
思い込んでたけど、違うのね!
カーテンだと周囲のザワザワが伝わるけど?
それでいいんだね〜

あーまだ
娘のことがわかってないよ・・・( ; ; )

「ここは絶対に人を入れたくない場所」は
1箇所に絞り、

その他は、少しずつ許容範囲を広げ
教室だったり、ロッカーだったり、
『自分の安全地帯』に
仲間を招き入れることができるよう

みんなと共有できる場所を増やせるように
工夫を重ねていくことを

〝楽しみながら〟←ここがポイント!!

続けていくぞー!

オー!!!♪───O(≧∇≦)O────♪

・・・と、
必死で自分に言い聞かせているわたしです。(笑)

 

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