『恐竜戦隊ジュウレンジャー』第2話
放送日:1992年2月28日
脚本:杉村升 監督:東條昭平
▼物語▼
1億7千万年の封印を解かれた魔女バンドーラが、地球の侵略を開始した。
これを迎え撃つべく、眠りから覚めた恐竜戦隊ジュウレンジャー。
だが、バンドーラの凄まじい魔力の前に、戦士たちは苦戦するばかりだった。
「宇宙人の仕業か?新型兵器か?」というテーマで、ATV討論番組が放送されている。
「あれは絶対宇宙人の仕業だよ!宇宙人の!」
「くだらん!八代内さんは何かと言うと、すぐ宇宙人言う。あれは新型兵器だよ!一度に大勢の人間に、幻覚を見せて攻撃したんだ!このオタンコナスー!」
「お〜っと!田村さん、いきなりの暴言!まさにカウンターパンチであります!」
「お前もうるさいな!このトンチキアナ!」
スタジオは大荒れになり、テレビ画面に空飛ぶ自転車に乗ったバンドーラが映る。
「ハハハハハハ…!この地球を、ただの石コロの星にしてやる!」
その頃、地下神殿の復活の泉で、ダンは雑誌を読んで大笑いしていた。
そこへボーイが短剣を投げ、威嚇して来る。
「何すんだよ、ボーイ!?」
「のんびり本なんか読んでる場合かよ!見ろよ!」
ボーイがそう言うと、壁にドーラタイタンがビルを破壊する映像が映し出される。
「何とかあいつをやっつける方法を考えなくっちゃ、ダメじゃないか!」
「そんなカリカリすんなよ。」
「もう!奪われたシャトルの中には、子どもたちがいるのよ!
地球の平和を守り、魔女バンドーラを倒す事が、私たちの義務じゃない!」
その様子を立ち聞きしながら、バーザは頷いた。
大昔の様々な出来事が記録されている本:ダイノ伝記を開きながら、祭壇でゴウシに語り掛けるゲキ。
「全ての起こりは、今から1億7千万年前に遡る。
地球は恐竜の時代であったが、実は人間も存在していた。恐竜が進化した古代人類だ。
古代人類は五つの部族に分かれ、それぞれ恐竜を守護獣として崇めていた。文明も栄え、平和に暮らしていた。
ところが、魔女バンドーラが現れ、人類を滅ぼし、地球を無の世界にしようと企んだのだ。
…あの戦いで俺は、王である父も、母も失った。そして、10歳になる妹も…。
だが、救い主が現れた。それぞれの部族の守護獣たちだ。
ついに魔女バンドーラは捕らえられ、守護獣たちの手により、惑星ネメシスに追放された。」
「そこで私たちの祖先は、バンドーラが甦るのを恐れ、5人の戦士を選び、長い眠りに就かせた。それが私たちって訳よね。」
そう言って、メイがボーイとダンと共に現れる。
「ゲキ、リーダーはあなたなのよ。頑張りましょう!」
「やる。必ずバンドーラを倒して、地球の平和を守ってみせる!」
一方、バンドーラパレスは居所を月に移していた。
「おぉ、何て美しいんだろう。荒れ果てた大地。この月こそ、私の住む場所に相応しい。
それに比べてあの地球は、何て汚いんだろう!フン!」
縮小化したスペースシャトルに何か細工をしていたトットパットとブックバック。
「準備はできたかい?」とバンドーラが様子を見に来るが、まだのようだ。
バンドーラの顔が映り込み、スペースシャトルの中にいる悟と由美子はビックリする。
「今度こそジュウレンジャーを叩きのめし、あの地球を我が物にするんだから!」
バンドーラはプリプリカンの様子も見に行った。
「プリプリカン、新しいモンスターはまだかい?」
「また邪魔に来た…。…芸術がそんなに早く出来てたまりますか。プリプリ…。」
「何だって?さぁ、良いからちょっとお見せ。…良い出来じゃないか!さぁ、早くおし。」
「分かりましたよ。分かりました。いつもこうなんだから…。プリプリ…。」
プリプリカンは作っていた粘土人形をネンドーラという釜に入れた。
すると、大きなホースの口からドーラスケルトンが誕生して現れた。
「皆の者!いよいよ作戦に取り掛かるわよ!」
「キヒヒヒヒヒヒ!発射準備完了!」
「やめて!私たちをどうするつもり!?」
「早く地球に帰して!」
「え〜え〜、帰してやるともさ!お前たちは5人の戦士を誘き出す餌になって、地球で死ぬのだ!ヤハハハ!やれ!」
「はい!秒読み開始、5秒前!4…、3…、2…、1…、発射!」
トットパットが装置のスイッチを入れると、スペースシャトルは地球に向かって飛んで行った。
バンドーラは望遠鏡:ドーラスコープを覗き込み、地球の様子を確認する。
スペースシャトルは東京中を飛び回り、騒ぎになっていた。
「大変です!ネメシスで行方不明になった我が国のスペースシャトルが地球に戻って来ました!それも不思議な事に、小さくなって!
あっ!コックピットに人影が見えます!少年飛行士の吉村悟君と西田由美子ちゃんではないでしょうか!?」
地下神殿でニュースを聞き、悟と由美子の映像を見たゲキたち5人は、急いで出動した。
ロードザウラー1・サイドザウラー2・サイドザウラー3に乗って道路を走るゲキたち5人。
それをドーラスコープで確認したバンドーラは、ドーラスケルトンを地球に送り込んだ。
ドーラスケルトンはロードザウラー1に乗ったゲキにしがみ付き、妨害する。
すると、ゲキは謎の遊園地に飛ばされてしまった。
メリーゴーラウンドに乗っていたドーラスケルトン。
姿を消し、剣を持って背後からゲキに襲い掛かった。
やがて、ボーイとメイが現れて武器を使い、同時にドーラスケルトンを攻撃する。
しかし、ドーラスケルトンは剣を使い、2人の武器を壊してしまった。
さらに、駆け付けて来たゴウシとダンも武器を使い、同時にドーラスケルトンを攻撃した。
バラバラに崩れるドーラスケルトンだが、すぐ元通りに再生してしまう。
そして、ドーラスケルトンは眼球を飛ばして反撃し、ゴウシとダンの武器も壊してしまった。
ドーラスケルトンを踏み台にし、4人と合流するゲキ。
単身でドーラスケルトンに立ち向かって行くが、ドーラスケルトンはゲキをジェットコースターのレールの上に移動させた。
やがて、ドーラスケルトンはゲキをレールから落とし、剣を振り下ろしてゲキの武器も壊してしまった。
ゲキたち5人はダイノバックラーを使い、変身して名乗りを上げた。
「ティラノレンジャー!ゲキ!」
「マンモスレンジャー!ゴウシ!」
「トリケラレンジャー!ダン!」
「タイガーレンジャー!ボーイ!」
「プテラレンジャー!メイ!」
「恐竜戦隊!」
「ジュウレンジャー!!」
ドーラスケルトンは自らの首を放り投げ、ジュウレンジャーを異空間にワープさせた。
すると、そこには悟と由美子が乗っているスペースシャトルがあった。
しかし、そこへドーラスケルトンが襲い掛かって来て、4体の骸骨を送り出した。
ジュウレンジャーはレンジャースティックをレンジャーソードへと変形させ、戦いを繰り広げる。
その時、大きなカボチャの中からブックバックとトットパットがこっそりと現れた。
ブックバックは鞄の中から爆弾を取り出してスペースシャトルの前にセットし、トットパットは鞄の中からマッチを取り出して火を付け、爆弾に点火させた。
それに気付いたプテラレンジャーはティラノレンジャーに声を掛け、ティラノレンジャーはスペースシャトルに駆け寄ろうとする。
しかし、ドーラスケルトンが剣を突いて地割れを起こし、ジュウレンジャーを妨害した。
ティラノレンジャーはドーラスケルトンに飛び掛かり、ドーラスケルトンの動きを押さえた。
その隙に、マンモスレンジャーたち4人はレンジャースティックを変形させたレンジャーガンでドーラスケルトンを撃破した。
透かさず元通りに再生しようとするドーラスケルトン。
しかし、トリケラレンジャーが飛び掛かって、ドーラスケルトンの首とマントを奪い取った。
トリケラレンジャーはそれをタイガーレンジャーにパスし、タイガーレンジャーはそれを受け取ってレンジャーソードで骸骨4体を倒して行った。
そして、首とマントを異空間の底にシュートすると、ドーラスケルトンは爆発して消滅した。
スペースシャトルの中で意識を取り戻した悟と由美子。
すると、目の前に大きな爆弾があり、助けを求めた。
ティラノレンジャーはスペースシャトルを確保し、悟と由美子を救い出した。
しかし、突然現れたドーラタイタンの手がティラノレンジャーに掴み掛かる。
ティラノレンジャーはトリケラレンジャーにスペースシャトルを投げ渡し、ドーラタイタンにさらわれてしまった。
やがて、爆弾が爆発し、マンモスレンジャーたち4人は異空間の外へ飛ばされてしまう。
「ゲキ!レンジャーガンを使え!」
マンモスレンジャーの助言を聞き、レンジャーガンをドーラタイタンの目に撃ち込むティラノレンジャー。
すると、ドーラタイタンは手を放し、ティラノレンジャーは地面に落ちて解放された。
ドーラタイタンは剣を抜き、ジュウレンジャーに振り下ろした。
そのまま歩いて来るドーラタイタンに対し、ジュウレンジャーは洞窟の中に逃げ込んだ。
「どうすんだよ!? あんなでっけぇの勝てっこねぇよ!」
トリケラレンジャーがそう言うと、洞窟の天井を崩してドーラタイタンの手が現れた。
「ダン!シャトルの子どもたちを守るんだ!」
ティラノレンジャーはそう言って、タイガーレンジャー・マンモスレンジャー・プテラレンジャーと共にドーラタイタンの手を押さえ付けた。
その時、地割れが起き、ドーラタイタンは警戒して剣を構えた。
すると、マグマの中から守護獣ティラノザウルスが復活して現れた。
「ゲキ、あれは!?」
「あれは…、守護獣ティラノザウルス!」
すると、バーザの声を聞こえて来た。
「ゲキ!ティラノザウルスはお前の守護獣だ!合神して、ドーラタイタンを倒せ!」
「分かった!」
ティラノザウルスの頭上に飛び上がり、コクピットに乗り込むティラノレンジャー。
「ティラノレンジャー!守護獣ティラノザウルス!合神!」
ドーラタイタンはティラノザウルスに近付いて行き、両者は取っ組み合った。
剣を抜いてティラノザウルスに攻撃するドーラタイタン。
しかし、ティラノザウルスは尻尾を振り回して反撃し、ドーラタイタンと互角の戦いを続ける。
戦いの様子を見ていたマンモスレンジャーは、ある作戦を思い付いた。
トリケラレンジャーにスペースシャトルをしっかりと持たせ、悟と由美子に「発射スイッチを入れろ!」と言うマンモスレンジャー。
悟と由美子はビックリし、プテラレンジャーは「それじゃダメよ!」とマンモスレンジャーに言った。
「私たちはジュウレンジャーよ。あなたたちを助けに来たの。発射スイッチを入れて、表に出て来るのよ。」
プテラレンジャーの話を聞いて納得した悟と由美子は、発射スイッチを入れてスペースシャトルから飛び降りた。
すると、悟と由美子は元の大きさに戻るのだった。
「ダン!シャトルをタイタンの顔面に狙いを付けろ!」
「なるほど!シャトルミサイルか!おもしれぇ!ボーイ!」
「よし!分かった!」
トリケラレンジャーとタイガーレンジャーはスペースシャトルを押さえ、マンモスレンジャーはティラノレンジャーにドーラタイタンの顔をこちらに向けるように指示を出す。
ティラノレンジャーは了解し、ティラノザウルスはドーラタイタンの体を取り押さえた。
スペースシャトルが発射し、見事ドーラタイタンの顔面に当たって玉砕した。
ティラノザウルスは飛び上がってドーラタイタンを蹴り飛ばし、ティラノソニックでドーラタイタンにとどめを刺した。
ティラノレンジャーはティラノザウルスの上に乗り、勝利を喜んだ。
ドーラスコープで敗北を知ったバンドーラは、地球儀を蹴り飛ばして頭痛がして来るのだった。
ティラノザウルスが見守る中、合流するゲキたち5人。
手を合わせて頷き、ティラノザウルスを見上げるのだった。
▼解説▼
冒頭は前話のダイジェストが挿入されており、ナレーションの言葉をそのまま載せています。
「私は子どもが大嫌いなのよ!」というバンドーラの台詞も挿入されていました。
宇宙生物学者の八代内(OPでは「知識人」と表記)を演じた茂木和範さんは、第25話で医師を演じる事になります。(前作『ジェットマン』第18話でも医師を演じていました。)
軍事評論家の田村(OPでは「知識人」と表記)を演じた森富士夫さんは、第35話で亀田(ちさとの父親)を演じる事になります。
前話に続いてリポーター(OPでは「アナウンサー」と表記)を演じた阿部渡さんは、冒頭でATV討論番組の司会者も演じていました。(ニュースの中継では、ATVという旗が付いた車に乗っていましたが、途中でトラックに遮られて追跡できなくなっていました。)
今回のサブタイトルは、バンドーラが「この地球を、ただの石コロの星にしてやる!」と言った所で挿入され、下目に表示されていました。
「復活」というサブタイトルは、8年後の『仮面ライダークウガ』第1話でも使われる事になります。
本話は『ジュウレンジャー』の世界観を紹介する設定編でもあります。
第1話から大胆な設定が見られる本作ですが、1億7千万年前に恐竜から進化した古代人類が存在していたという大胆な設定は、本作が現実とは異なったファンタジーである事を強調しています。
ゲキがダイノ伝記を開いて語るシーンでは、1億7千万年前のイメージ映像も挿入されていますが、この時に初めて五守護獣(巨大なメカ獣)が劇中でその姿を見せる事になります。
恐竜(ティラノザウルス・マンモス・トリケラトプス・サーベルタイガー・プテラノドン)の映像も挿入されていましたが、五守護獣がメカの見た目をしている事に何の突っ込みがない所も、本作がファンタジーである所以です。(ちなみに、五守護獣の像は恐竜の見た目をしています。)
ダイノ伝記の内容が語られるシーンでは、バンドーラ・トットパット・ブックバック・プリプリカン・グリフォーザー・ゴーレム兵が現れるイメージ映像も挿入されています。
1億7千万年前の戦いのイメージには、多くの戦士と恐竜が互いに戦い合っているダイノ伝記の絵が映し出され、音声のみが挿入されていました。(この絵の真相は「ジュウレンジャーたんじょう物語」で判明する事になります。)
バンドーラ一味が惑星ネメシスで封印されるイメージ映像も挿入され、「覚えているが良い、人間ども!私は必ず戻って来る!」というバンドーラの台詞も挿入されていました。
ゲキは24歳という設定ですが、14歳下の妹がいるという設定は、同じ杉村作品である『機動刑事ジバン』の田村直人を彷彿させます。(ゲキの現在の年齢は劇中で語られていませんが。)
1992年7月号のテレビマガジンに掲載された「ジュウレンジャーたんじょう物語」と『スーパー戦隊画報第2巻』によると、ゲキの妹の名前はユウというようですが、劇中では聞かれませんでした。
メイは「そこで私たちの祖先は、バンドーラが甦るのを恐れ、5人の戦士を選び、長い眠りに就かせた。それが私たちって訳よね」と言っていましたが、「ジュウレンジャーたんじょう物語」を踏まえると、「私たちの祖先」というのは視聴者目線で言った事が窺えます。
どのような基準で5人の戦士が選ばれたのかは、劇中で全く語られていませんが、このようなサラッとした流され方も『ジュウレンジャー』ならではだと言えます。
ちなみに、メインライターの杉村氏が手掛けた「ジュウレンジャーたんじょう物語」によると、5人は武術大会で勝ち残ったメンバーだという事が判明します。(その後、さらわれたユウを捜して様々な場所を冒険し、友情が育まれていったようです。)
ドーラモンスターはプリプリカンが制作した粘土の人形をネンドーラに入れる事で誕生しますが、このシーンが当時好きだった記憶がぼんやりと残っています。
子どもたちに人気が出た事で、ネンドーラは玩具としても発売されていました。(ネンドーラという名称は劇中で登場しませんが。)
ちなみに、プリプリカンの工房にあった粘土人形の中には、グリフォンやタイガーのような作品も見られました。
バンドーラはドーラスコープを覗いて地球(主に東京)の様子を確認しています。(音声も聴き取れるようです。)
本話からバンドーラパレスは月に居を構える事になりますが、これはバンドーラが石コロの星が好きだからというだけでなく、子どもたちが月を見て「バンドーラが見ているかもしれない」と想像を膨らませる事もできる、秀逸な設定だと思います。
ちなみに、当時スーパー戦隊シリーズ第1作とされていた『バトルフィーバー』も、エゴススコープというモニターで地上の様子を見ている事が語られていました。
地下神殿の復活の泉は、本話が初登場になります。(「復活の泉」という名称は劇中で登場しませんが。)
復活の泉には、前話でゲキたち5人がそれぞれ眠っていた部屋と同じ扉も見られますが、別の部屋のようです。
地上の様子が分かる設備もあるようで、悟と由美子の様子をキャッチしていました。(前話のドーラタイタンの様子も映されており、ビデオにもできる事が窺えます。)
由美子は前話に続いて「私たちをどうするつもり!?」と言っていました。
同じ杉村脚本の『ジバン』第3話・劇場版などでも同じ台詞が使われていましたが、杉村脚本でよく使われる台詞の1つだと言えます。
第1話・第2話は東京でエキストラを大勢使って撮影しているので、スケールが大きいです。(OP映像で見られる場所も多く使われていました。)
ゲキたち5人が出動した後も、スペースシャトルが東京中を飛び回るシーンが臨場感たっぷりで描かれていました。
今回のアイキャッチは、スペースシャトルが飛んで女子高生のパンチラ(というよりパンモロ)が見られた所で挿入されています。(同年放送の『特捜エクシードラフト』第1話も、パンモロが見られた所でアイキャッチが挿入されていました。)
今回はAパート終わりのアイキャッチの音楽がカットされていました。
レッド戦士が専用バイクで他のメンバーはサイドカー付きバイクという構成は、『ゴレンジャー』から15作振りです。
それぞれロードザウラー1・サイドザウラー2・サイドザウラー3という名称ですが、劇中では第23話で「サイドザウラー2」と一度呼称されただけです。
総称して「ザウラーマシン」や「マシンザウラー」としている資料もありますが、本ブログでは敢えて総称しない事にします。
ちなみに、ゲキたち5人はスーパー戦隊シリーズでヘルメットを被らない唯一のヒーローでもあります。(1年を通して衣装が変わらないのもそうですが、世界観を重視した演出だと思います。)
ドーラスケルトンは魔法のような演出で地球へ瞬間移動していましたが、バンドーラ一味は基本的に、瞬間移動で地球と月を行き来する事になります。
第18話・第19話では、ドラゴンレンジャーもその場で姿を消す技を使っていますが、これは悪役に付随する能力だと言えます。
ドーラスケルトンがロードザウラー1に乗ったゲキにしがみ付いて妨害した場所は、同じ杉村脚本の『特警ウインスペクター』第1話・第31話でも使われていました。
ドーラスケルトンがゲキを連れ去った遊園地には、スーパー戦隊シリーズお馴染みの後楽園ゆうえんちが使われていました。(EDの撮影協力にもクレジットされていました。)
誰も乗ってないアトラクションが動いていたり、少し靄が掛かっていたりして、不思議な雰囲気を醸し出していました。(ゴウシたち4人がどうやってそこまで辿り着いたのかは不明ですが、空間の繋がりが柔軟な本作ならではの流され方です。)
ゲキがジェットコースターのレールの上から飛び降りるシーンは、ゲキ役の望月祐多さんが特に印象に残っているシーンとして語っており、これを演じた事で「大抵の事は大丈夫だ」という自信が付いたようです。(『講談社シリーズMOOK スーパー戦隊Official Mook 20世紀 1992 恐竜戦隊ジュウレンジャー』のインタビューより。)
ちなみに、2015年にYouTubeで同じ日に再配信が開始された『ジャンパーソン』も、第2話で後楽園ゆうえんちが使われていました。(同話ではティラノレンジャーの案内写真も映っていました。)
本話でゲキたち5人の初期武器(剣・斧・槍・短剣・弓)が壊されてしまいます。
それが次話への伏線にもなっており、装備を求めるというRPG的展開へと繋がっていきます。
今回の変身シーンも、左からダン・メイ・ゲキ・ボーイ・ゴウシというスタンダードな並びでした。
今回も変身する瞬間はゲキしか映されませんでしたが、四分割映像で他の4人がダイノバックラーの光を浴びる瞬間も見られました。(ワイヤーフレームでティラノレンジャーに変身する瞬間も見られました。)
トリケラレンジャー/ダンを演じた藤原秀樹さんは、DVDブックレットのインタビューで最初の変身の撮影はここだったと語っています。
今回の名乗りシーンも、左からトリケラレンジャー・プテラレンジャー・ティラノレンジャー・タイガーレンジャー・マンモスレンジャーというスタンダードな並びでした。
異空間にあった大きなカボチャは、『フラッシュマン』第26話の宇宙カボチャの流用のようです。
異空間には他にも、キノコの生えた切られた木や、スペースシャトルが引っ掛かっている梅の木や、果物・食虫植物のような物が絡んだ木が見られました。
導火線の付いた爆弾が登場していましたが、時限爆弾という意味では、今回も杉村脚本お得意のタイムリミットが使われています。
異空間に登場した骸骨4体は、前作『ジェットマン』第19話でも似たような状況で使われていました。
目は空洞になっていますが、同じ杉村脚本の『特救指令ソルブレイン』第4話で使われていた物の流用だと思います。
ちなみに、本作と同年放送の『エクシードラフト』第17話では、死神2体として流用される事になります。
ドーラスケルトンがロードザウラー1に乗ったゲキにしがみ付くシーンでは、『ターボレンジャー』の劇伴が流用されていました。
ジュウレンジャーがドーラスケルトン&骸骨4体と戦い始めるシーンでは、前話のバーザとバンドーラの対峙シーンで使われた『ファイブマン』の劇伴が流用されていました。(2回目。)
ティラノレンジャーがドーラタイタンにさらわれるシーンでは、『ファイブマン』の劇伴が流用されていました。
ティラノレンジャーがティラノザウルスに乗り込むシーンでは、『ファイブマン』で一度も使用されていない同作の劇伴が流用されていたようです。
ドーラタイタンは異空間の壁を破っていました。
ドーラタイタンがティラノレンジャーをさらった場所には、大英興業の採石場が使われていました。
ドーラタイタンに掴まれたティラノレンジャーがレンジャーガンを撃って脱出するシーンは、『チェンジマン』第15話で巨大ロガンに掴まれたチェンジドラゴンがチェンジソードの銃型を撃って脱出するシーンを彷彿させます。
ゲキたち5人は通信機を持っていませんが、バーザの声は遠くからでも聞こえるようです。
前話でもゲキがバーザの声を聞いていましたが、本話ではティラノレンジャーを始め、マンモスレンジャーたち4人もバーザの響く声を聞いていました。
ティラノザウルスが復活するシーンでは、「守護獣ティラノザウルス」という名称テロップも表示されていました。
コクピットには、左手と右手でそれぞれ戦士と守護獣を一体化させるという仕組みがあり、これは第3話と第6話でも見られます。
レッド戦士の巨大メカが巨大な敵にとどめを刺すというのは、スーパー戦隊シリーズで本話が初めてになります。
巨大戦では、一部オープン撮影も使われていました。(ロケ地は大英興業の採石場でした。)
ドーラタイタンの顔面に撃ち込まれたスペースシャトルは、元の大きさに戻っていました。(大して効いていないようで、ティラノザウルスのキックで紛らわせていました。)
スペースシャトルは最終的に玉砕したようですが、ジュウレンジャーが責任を問われる事はないようです。
ちなみに、YouTubeで最初に同時配信されていた『救急戦隊ゴーゴーファイブ』第2話(奇しくも放送日が同じ)でも、スペースシャトルが登場していました。
ラストシーンでは「突如現れた守護獣ティラノザウルスと、5人の力が合わさり、魔女バンドーラの出鼻は挫かれた。だが、こんな事で魔女バンドーラは引き下がるはずがない。戦いは始まったばかりなのだ。頑張れ、恐竜戦隊ジュウレンジャー!」というナレーションが挿入されていました。
悟と由美子が最終的にどうなったかは描かれていませんが、無事に親元へ帰されたのでしょう。
次回予告のサブタイトルは、下目に表示されていました。
サブタイトルもそうなっていますが、ナレーターは絶望の大陸の事を「絶望の大地」と呼んでいました。
■ティラノレンジャー/ゲキ
ダイノ伝記を朗読していましたが、古代文字を読める事が窺えます。
「あの戦いで俺は、王である父も、母も失った」と言うシーンでは、ダイノ伝記を閉じて拳を握り締めていました。
10歳になる妹を失ったと言っていましたが、ゲキの妹の話は劇中で本話にしか登場しません。(「ジュウレンジャーたんじょう物語」で描かれる事になりますが。)
メイがボーイとダンと共に祭壇に現れた時に、「メイ」とだけ言って、その後にゴウシの名前を呼んでいました。
スペースシャトルの前に仕掛けられた爆弾を見て、「ダイナマイトだ!」と言っていました。
ドーラタイタンにさらわれた後は、「皆、逃げるんだ!」と言って、爆弾から逃げるように促していましたが、マンモスレンジャーたち4人は「ゲキー!」と叫んでいるだけでした。
仲間たちから「ゲキ!」という言葉を何度も投げ掛けられており、頼りにされている事が窺えます。(本話以降も多く見られます。)
■マンモスレンジャー/ゴウシ
ゲキが「それぞれ恐竜を守護獣として崇めていた」と言うシーンで、五大守護獣の像の前で両手を広げて崇めるポーズを取っていました。
「そして、10歳になる妹も…」とゲキが言った後、「ゲキ…」とゲキの事を案じていました。
バンドーラ一味が封印された時の話を聞いた後、「バンドーラ…!」と言って顔を上げていました。
ゲキに「ゴウシ」とだけ言われ、「うん」と頷いていました。
ゲキが「よし!皆、行くぞ!」と言った時に、1人だけ遅れて「おう!」と言っていました。
ドーラスケルトンに「おのれー!」と言っていたのが「おどれー!」にしか聞こえませんでした。
ドーラタイタンにさらわれたティラノレンジャーに的確な指示を出していましたが、スペースシャトルを撃ち込むなど大胆な作戦も思い付くようでした。
悟と由美子も一緒に撃ち込もうとしていた訳ではないと思いますが、子どもに対してはまだ不器用なようで、怖がられていました。
「発射スイッチを入れろ!入れるんだ!」「ゲキ!こっちに向けろ!向けるんだ!」と台詞を強調する癖があるようでした。
ドーラタイタンを倒した後は、ティラノザウルスに向かって「大丈夫かー!? ゲキ!」と声を掛けていました。
■トリケラレンジャー/ダン
雑誌を読んで大笑いしており、現代文化に馴染んでいる事を窺わせます。
一方で、年下であるボーイやメイに注意されるなど、精神年齢は彼らより低い事を窺わせます。
武器を壊されてゲキが合流した後、「あぁ!折れた!」と言っていました。
戦闘シーンでは、再生しようとするドーラスケルトンの首とマントを奪い取り、タイガーレンジャーにパスをする良い仕事をしました。(地割れを起こす時に「そうはさせるか!」と言っていたドーラスケルトンに、「そうはさせるか!」と言って首とマントを奪い取っていました。)
ティラノレンジャーがドーラタイタンにさらわれそうになって投げ飛ばしたスペースシャトルを、しっかりと受け取る良い仕事もしました。
ドーラタイタンに対して「どうすんだよ!? あんなでっけぇの勝てっこねぇよ!」と弱音を吐いていましたが、ドーラタイタンを倒した後は「俺たちが5人揃えば、怖いもんなしだぜ!」と調子に乗っていました。
ラストシーンでティラノザウルスを見上げる時に、ボーイの右肩に左手を乗せていました。
■タイガーレンジャー/ボーイ
雑誌を読んで笑っているダンに短剣を投げ、威嚇していました。
「のんびり本なんか読んでる場合かよ!」とダンに注意していましたが、ゲキが読んでいたダイノ伝記は別のようです。
1人だけ名乗りポーズが第1話と少し違っていました。
戦闘シーンではレンジャーソードで骸骨4体を倒し、ドーラスケルトンの首とマントを異空間の底に投げ付けてとどめを刺すという活躍を見せていました。(「地獄に落ちろー!」と恐ろしい事も言っていました。)
発射スイッチが入ったスペースシャトルを目の当たりにして、「わー!ビックリー!」と驚いていました。
■プテラレンジャー/メイ
ダンの読んでいる雑誌を取り上げて注意し、真面目な所を見せていました。
サイドザウラー3のサイドカーに乗っている時に、3回も「ゲキ!」と呼んでいました。
骸骨との戦闘シーンでは、前方転回も披露していました。
異空間では、ティラノレンジャーが最初にスペースシャトルを見つけていましたが、爆弾は最初に見つけていました。
逸るマンモスレンジャーを抑え、悟と由美子に丁寧な指示を出す優しさを見せていました。
ただし、悟と由美子に「早く飛び降りるのよ!」と指示した後に、落ちる所を拾おうとする描写は見られませんでした。
■バーザ
地下神殿で聞き耳を立てながら、ダン・ボーイ・メイの様子を窺っていました。
遠く離れていてもジュウレンジャーの様子を見たり声を届けたりする事ができるようで、さくらマンション(?)の屋上からティラノレンジャーに呼び掛けていました。
■バンドーラ
本話から月に住む事になりますが、前話で「生き物が何もいない不毛の大地こそ、純粋で美しい」と言っており、説得力を与えています。
一方で、地球を嫌いながらも我が物にしようとしていたり、プリプリカンが作った人形を「可愛い」と言いながらも踏み潰していたりと、倒錯した愛情を見せています。
トットパットとブックバックのやり取りに呆れ、「良いから早くおし」と言っていました。
プリプリカンが作った粘土人形たちに魔法を掛けて踊らせ、「可愛い」と言って楽しんでいました。
ネンドーラが音を立てて起動した時に、耳を塞いで瞬きをしていました。(その後に「生まれるんだよ!私の可愛いドーラモンスターちゃん!」と言っていました。)
ドーラタイタンを倒された後、地球儀を蹴り飛ばして悔しさを露にし、頭痛に悩まされていました。
■プリプリカン
粘土でドーラモンスターを作り出す匠である事が本話で判明します。
工房に現れたバンドーラを疎ましく思っており、職人気質である事を窺わせます。
誕生したドーラスケルトンを見て、「ど~も違う…」と納得のいかない様子でした。
しかし、地球へ向かったドーラスケルトンに十字を切り、「ドーラスケルトンに幸あらん事を…」と祈っていました。
ドーラタイタンを倒された後は、何も言わずに両手を握り締めていました。
■トットパット
バンドーラに「準備はできたかい?」と言われ、「まだでございます、バンドーラ様。こいつがノロいもんで、はい」と言って、ブックバックの頭を叩いていました。
ドーラスケルトン誕生時の音に驚き、「何だ◯◯(聴き取れず)!?」と言っていました。
「早くしろ!早くしろと言うたこのノロマめ!ワシがやる!」と言って、鞄の中からマッチを取り出すのが遅いブックバックの頭を叩いていました。(一人称が「ワシ」なのは今回のみです。)
爆弾に点火させる時に、上手くできなくて首を傾げた瞬間に点火したのがリアリティーがありました。
爆弾が爆発する直前に「ヤバい!爆発する!」と言って、異空間から逃げていました。
ドーラタイタンを倒された後、バンドーラが蹴り飛ばした地球儀にブックバックと共に当たっていました。
■ブックバック
トットパットの指をトンカチで打ったようで、怒られていました。
バンドーラがプリプリカンとやり取りをしている時に、後ろの方でトンカチを使ってトットパットを叩こうとしていました。
ドーラスケルトン誕生時に振り子に頭をぶつけ、痛がっていました。
スペースシャトル発射時に両耳を塞いでおり、目も閉じそうになっていました。
爆弾に点火させた時に、熱がってビックリしていたのがリアリティーがありました。
爆弾が爆発する直前に「逃げろ!」と言って、異空間から逃げていました。
ドーラタイタンを倒された後、バンドーラが蹴り飛ばした地球儀にぶつかり、「頭痛がして来た」と言うバンドーラに対して「僕ちゃんも頭痛い!」と言っていました。
■グリフォーザー
バンドーラパレスの階段で眠っていましたが、ドーラスケルトン誕生時の音で滑り落ちていました。
働いていない時に敵基地で眠っているというのは、『チェンジマン』のギョダーイを彷彿させます。
前回働いた分、今回は休んでいるようでした。
■ゴーレム兵
1億7千万年前のイメージ映像で、下級兵と上級兵の姿が見られました。(右手が球状になっている下級兵と、右手が剣状になっている上級兵も見られました。)
ドーラスケルトンは本作で最初に倒されたゲスト怪人になります。(初登場シーンで名称テロップが表示されていました。)
バラバラになった体を再生したり、異空間へワープさせたり、子分の骸骨を4体召喚したりするなど、注目すべきポイントが多いドーラモンスターです。
剣を使ったり眼球を飛ばしたりして、ゲキたち5人の初期武器も壊していました。(持っている剣は異空間の中で緑色に光っていました。)
ほとんど喋らなかったり、高い笑い声を上げたりして不気味な雰囲気を醸し出していましたが、誕生時に首を外して「ドーラスケルトン!」と、地割れを起こす時に「そうはさせるか!」と言っていました。
声を演じた河合義雄さんは、ドーラゴブリン(第7話)、ドーララドゥーン(第13話)、ドーラガズラー(第27話)、ドーラキマイラ(第44話)の声も演じる事になります。(OPではクレジットされていませんが。)
ドーラタイタンは最初から巨大なドーラモンスターで、前話のラストから登場していました。(前話の初登場シーンで名称テロップが表示されていました。)
第1話登場の敵を倒すのが第2話登場の敵を倒した後という展開は、前作『ジェットマン』を踏襲しています。(巨大な敵と等身大の敵が逆転していますが。)
最初にドーラタイタンとしてデザインされたのは、野口竜氏が描いたドーラナイト(第15話)だそうですが、杉村升氏のイメージと違ったようで、河野成寛氏が杉村氏の要望をそのまま描き起こしてこのデザインになっています。(『東映スーパー戦隊シリーズ35作品記念公式図録 百化繚乱[上之巻] 戦隊怪人デザイン大鑑1975~1995』より。)
鳴き声はありますが、人語は喋らず、声の担当も不明です。
ちなみに、狙ったかどうかは分かりませんが、ドーラモンスターはギリシア神話の巨人で始まり、ギリシア神話の巨人で終わっています。




↑第1話から第10話まで収録されているDVDです。映像でじっくり観たい方は是非ご購入ください。
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- 2015/06/13(土) 13:26:05|
- 恐竜戦隊ジュウレンジャー
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