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横浜F・マリノスに待望の新拠点、映画館のような部屋も

昨季のJ1王者、横浜F・マリノスが1月から使用している新拠点「F・マリノススポーツパーク」(神奈川県横須賀市久里浜)の内部がこのほど報道陣に公開された。J1優勝5度を誇るクラブの伝統を意識したデザインが随所にあり、最新鋭の設備で選手を支援する。映画館のようなミーティングルームは音響も素晴らしかった。

トレーニングジムの壁にはJ1制覇の年と星印が5つあり、その横にもう一つ「more」として白抜きの星印がある。次は6つめを取りにいくぞ、という決意表明に違いない。反対側の壁にはクラブのエンブレムがあり、床の付近にもエンブレムがある。選手は常にクラブの伝統を意識しながら筋力トレーニングに励んでいるのだろう。

トレーニングジムに隣接して低酸素ルームもある。使うのは主に故障から復帰途上の選手たちだ。強度の高いトレーニングが難しい状況でも、酸素の濃度を調整できるこの部屋でランニングや自転車こぎをすることで、心肺機能を高めることができる。復帰をスムーズにする手助けになっているという。

選手が着替えをするロッカールームの天井にもクラブのエンブレムがあり、チームの一体感を高める。個人用のスペースには小物入れなどに選手の要望を取り入れて工夫をこらしたという。右膝の負傷により長期離脱中の小池龍太選手のスペースには同僚の寄せ書きが飾られていた。自身も右膝手術から復帰途上の宮市亮選手は自らを「膝の会 会長の宮市です」と称するユーモアを交えてメッセージを寄せていた。

流水プールと温浴施設も新拠点の売りだ。長さ3.6メートル、幅1.8メートルの流水プールはリハビリ中の選手が歩行をしたり、泳いだりするのが主目的だが、試合翌日のクールダウンに利用する選手もいるという。温浴施設には4つのアイスバスがあり、個別に温度を設定することができる。サウナも併設されている。

選手がくつろぐ場所であるラウンジには卓球台がある。以前のクラブハウスにあったもので、親会社の日産自動車の施設に保管していたという。クラブは横浜市みなとみらい地区に「マリノスタウン」と呼ばれた拠点を持っていたのだが、横浜市との定期借地契約が切れた2016年に閉鎖された。練習場を転々とする時期を経て今年1月、横須賀市久里浜に待望のこの新拠点を得た。

クラブハウスには映画館のような音響のいいミーティングルームもある。全部で72席あり、動画を駆使しながら、戦術などを確認する場となっているのだろう。施設運営本部スポーツパーク長の袴田聖則さんは「このミーティングルームは一般の方の講演会などに貸し出したいと考えています。チームの予定とすり合わせながら、手探りのスタートとなりますが、試行錯誤しつつ進めていきたい」と話している。

この施設は横須賀市が久里浜1丁目公園内を整備して建設した。市が19年度に明らかにした見込みによると総事業費は64億円で、クラブが支払う利用料は年間1億7000万円という。今年1月から部分使用を開始した施設は、このほど2面目の天然芝ピッチと一般向けフットサルコートもほぼ完成した。クラブハウス内には一般向けのレストランもあり、フットサルコートとともに6月に営業開始の予定だ。

(田中克二)

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