官房長官に特定失踪者家族会が要請
官房長官に特定失踪者家族会から要請。メールニュースで流しましたが以下の内容です。
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令和元年12月14日
内閣官房長官兼拉致問題担当大臣
菅 義 偉 様
特定失踪者家族会会長
今 井 英 輝
拝啓
平素拉致被害者救出のための真摯なるお取り組みに心より敬意を表します。この度は政府行事のご多忙な中私どもと面会の時間を作っていただき誠にありがとうございました。つきましては昨年同様いくつかお願い及び質問事項を提出させていただきます。直接ご返事をお聞きするお時間はないと思いますので後日対策本部事務局からでも個別の問題に対する回答を賜りたくお願い申し上げます。
1、昨年11月12日の要請以来1年余が経過しましたが、その間1人の拉致認定もなされていない理由はなぜでしょうか。当時の回答では「拉致被害者の認定については、北朝鮮側に反論する材料を与えることがないよう、慎重に対応している」とありましたが、具体的に北朝鮮はどのように反論してきたのでしょうか。
2、政府は「認定の有無にかかわらず」と繰り返しますが、現実に総理が会うのは認定拉致被害者ばかりであり、何度も要請している特定失踪者家族との面会は一度も実現していません。これは何故ですか。
3、昨年の要請の折政府の広報物で「1970年代から1980年代」と拉致を限定するべきでないと提案し、「いただいたご提案も含め、(中略)不断に検討してまいります」との回答を戴きましたが改善はされているでしょうか。
4、昨年の要請の「自衛隊への任務付与について」への回答で「(自衛隊による)拉致被害者の救出のために何ができるかについて、不断の検討を継続して参ります」とありましたが、1年経ってその結果はどのようなものだったでしょうか。
5、「しおかぜ」については現在中波放送は頓挫した状態ですが、実現に向けて政府のご協力もお願い致します。また、政府の「ふるさとの風」も本来拉致被害者に向けての放送であり、緊急時の対応も含め日本国内から送信すべきものと考えます。ぜひその実現をお願いする次第です。
6、昨年の要請で北朝鮮漂着木造船について横浜での展示を求めたところ、不可能であるとの回答をいただきました。しかしこの広い首都圏で展示できないはずはなく、最近でも相次いで漂着していることを考えると国民への注意喚起と北朝鮮に対する関心を高めるためにも木造船の展示は必要であると思います。ぜひ早急な実施をお願いする次第です。
7、昨年の要請への回答の中で「全ての拉致被害者の方々の生存を前提に(中略)情報収集を行っております」とあったが、前提はそうであっても時期的に考えたとき拉致される途中ないし北朝鮮で死亡した人がいることは否定できません。死亡が確認された場合に政府としてはどのように対応するのか明らかにしていただきたくお願いします。
8、山本美保さんについて、政府は拉致の可能性の排除できない失踪者に入れていながら、山梨県警の発表では山形県遊佐町に漂着した身元不明遺体が山本美保さんであるとしています。ということは山本美保さんが拉致される途中で殺害された可能性があると考えているのでしょうか。
9、過日日本国内で死亡していたと発表された山形県出身の特定失踪者齋藤武さんについて、死亡から発表まで1年半近くかかった理由はなんでしょうか。また、同様の失踪者は他にもいるものと思われますが、現時点で特定失踪者のうち既に発見されながら発表されていない人は何人いるのでしょうか。
10、生島孝子さんと思われる女性を目撃した呉吉男氏から政府は聞き取りを行いましたか。行ったとすれば呉氏の証言に対する評価はどのようなものだったのでしょうか。
11、藤田進さん(川口)の北朝鮮から出た2枚の写真について政府としてそれが本人の写真であると判断しているのでしょうか。
12、今井裕さんの生徒手帳から見つかった地図について、警察ではこれが拉致に関わる情報との認識を持ったと考えてよろしいでしょうか。
13、在日朝鮮人でも祖国訪問などで北朝鮮に渡って戻れなくなった、事実上の拉致被害者が相当数いると言われます。この数は明らかではないものの、再入国許可を受けて出国した在日朝鮮人の数と、その後再入国した人の数の差である程度は推測できるものと思われます。この数を明らかにしていただくことはできないでしょうか。
以下は個々の家族から託された要請内容です。
●水島慎一さん(昭和43年2月失踪)の弟水島嘉道
小泉元総理の訪朝で日本に帰国することが出来た5名の方は、特定失踪者問題調査会代表荒木和博さんの話によれば少なくとも最低限の生活は保障されていたとの事です。しかし日本全国に900名近くいるとも言われる我々特定失踪者は生死もわからず何の情報もありません。
安倍総理は「自分の任期中に北朝鮮問題を解決する」と言っておられましたが、一向に進展がありません。この間に横田めぐみさんのお父さん、横田滋さんは体調不良のため入院されています。他の国内で拉致されたとみられる方の家族もどんどん高齢化が進み病気に苦しんでいる方、また亡くなっていく方も多くいます。もう時間がありません。滋さんが生きている間になんとかめぐみさんと再会させてあげて欲しいと思います。
今、「桜を見る会」で時間を費やすよりは今すぐ北朝鮮に渡って日本人の帰国を交渉すべきではないでしょうか?日本から助けに来てくれる事をひたすら待っている日本人・日本で帰国を待ちわびている家族のためにも一刻も早く北朝鮮へ渡って交渉を始めてください。
また総理は「憲法改正をする」と言っておられます。しかし今、北朝鮮からのミサイルや核兵器爆弾を撃たれても抗議する事しかできません。これでは自分の国を守れません。自分の国は自分で守ると言う考えは私も共感出来ます。反撃力を持つべきだと思います。
拉致問題の早期解決に関しては以前からめぐみさんの母、早紀江さん『家族は年老いて病も抱え、疲れ果てている。安倍首相には被害者との再会までに残された時間が限られているという現実を十分、理解していただいていると思う。全ての被害者の救出へ全力を尽くしていただけると願っている』と語っておられます。その為には、本当に早く政府に動いてもらって拉致問題を解決して欲しいと思っています。
安倍総理には北朝鮮で日本から助けに来てくれる事をひたすら待っている日本人そして日本で帰国を待ちわびている拉致被害者の家族の為に北朝鮮へ渡って交渉を始めてください。一刻も早い拉致問題の解決を願って止みません。宜しくお願い致します。
●生島孝子さん(昭和47年11月失踪)の姉生島馨子
拉致問題について政府関係者が言及するとき、「家族が高齢化しているので解決を急がなくては…」という。しかし拉致の可能性を排除できない…」と言われる人たちの中には戦前生まれの者もいる。現在のように具体的に政府が取り組んでいない状況では生死さえ分からないまま、北朝鮮の土になってしまうのである。
認定者との扱いの差を小さくして欲しい。国民の生命と安全を守る義務があるという国は認定にこだわらず責任を持って調査を行うべきである。以上要望します。
●荒谷敏生さん(昭和48年5月失踪)の妹矢島文恵
常日頃拉致問題解決に御尽力下され、感謝致しております。拉致の可能性を排除できない事案に係る人々…とされている者の家族としてお願いが有ります。
国内で誰某が見つかり拉致ではなかった…という報道は時々ありますが、誰某は本当に拉致だったというような情報は聞こえてきません、本当に全くないのですか?些細なことでも隠さず公表をお願い致します。
国交がないために救い出す術がないという言い訳めいた言葉を耳にしますが、国交のない北朝鮮の工作員に易々と入り込まれ国民を拉致されるのは何故?納得できる説明を安倍首相にお目にかかった上でお聞きしたいと切に願います。
認定被害者と同じようにお考えくださっている拉致の可能性を排除できない事案に係る者達の家族に首相がお会いくださる事で、家族も望みを繋ぎ、救出活動に勤しむ気力を奮い立たせることが出来て、国民も国家が真剣に解決しようとしているのだと感じて関心を持ってくれると思います、北によるこれ以降の拉致を防ぎ、私達の様な苦しみを味わう人がなくなる様にどうかお願い致します。
家族も年老いて、しかも生死も所在も不明…これでは気力を保てず、絶望に押しつぶされそうなのです…どうかお見捨てなさる事のない様にお願い致します。
最後にもう一つ、拉致は問題では無く、北朝鮮による国家犯罪です。拉致事件という名称に改め、1970年から…という表記も見直してください。どうかよろしくお願い致します。
●非公開・小倉忠雄さん(昭和54年4月失踪)の妹板野佳子
今までの経緯はとにかくとして現在「拉致問題」の置かれている正確な状況を知りたいと思っています。出来る手は尽くしていただいいるのであろうことは察していますが、私の場合事件発生から40年一歩も前進しておりません。私自身、徐々にマイナス思考となり閉塞感、無力感、不信感の塊となっています。
国民大集会も毎回出席しておりますが、正直誰に向けて発信しているのか最近解らなくなりました。総理大臣から町議まで本音の方、建前の方、立派な演説が続きますが何か納得できないところがあります。例えば、会の模様がテレビでライブ中継でもで出来れば意味もあるかのかと感じています。
残酷で不条理で想像を絶する運命に翻弄されている兄(被害者全員)を救いたいのです。時間がないので座して待っていられません。私達は今何をし、どう行動すればいいのでしょうか。ぜひ教えて下さい。指示を出して下さい。どうか助けて下さい。御願い致します。
●小久保稔史さん(昭和55年1月失踪)の従兄 石川孝一
失踪者を抱える家族は肉親が何故いなくなったのか、何処かで生きているのか自問自責の「迷宮」に取り込まれるとともに「家出人のいる家庭」「棄てられた家族」と言う自縛に苛まされ続けています。
失踪者が姿を見せるか亡骸となって帰ってこない限り「迷宮」から逃れる事はできません。今や政府やメディア、この問題に関心を持つ多くの人々をも特定失踪者家族とは別の北朝鮮という「迷宮」に取り込まれてしまったかのようです。
官邸とメディアに合作による「拉致=北朝鮮による国家犯罪(戦争行為)」という図式が少なくとも特定失踪者にとっては問題の解決や進展の妨げになっているように思えてならない。北朝鮮による国家犯罪(戦争行為)だから応戦できない、国交なく対話もできない日本政府は国際社会に訴えるしか術はない。
警察も「拉致の可能性を排除できない行方不明者」などと部外者の立場に逃げ込んでいる。そしてメディアも世論もならず者国家からミサイルが飛んで来て新たに八百人以上の被害者が出るよりは拉致被害者に同情しながら見捨てざるを得ないと理性を働かせる。
特定失踪者の家族は予兆や動機らしきものもない失踪とあって、藁にも縋る思いで警察の捜査に頼り、家出人として扱われるとも知らず、言われた手順通りに「家出人捜索願」を書いたはずです。政府や警察の言う「拉致の可能性を排除できない行方不明者」が自らの意思ではない失踪「強制失踪」「特異行方不明者」であったと当時の判断を誤りを正したのなら、失踪者は重大な犯罪の被害者であり警察が事件として捜査し被害者の救出や事実を解明するのは当然の責務です。
北朝鮮の問題を訴えたところで埒はあかない、これまでの不作為にも目をつむるから「拉致されたものとして警察が捜査する行方不明者」と言い直し、「警察が作成した行方不明者リストの中には北朝鮮による国家的犯罪の被害者が多数含まれる可能性を排除できない」が、これら国内で起きた個々の未解決事件を検証し、再捜査に取り組む、当事者としての姿勢を示すのは被害者や国民に対する義務である。
せめて政府や警察が国民の生命と財産を守る義務を果たせなかった立場を認識し、失踪者の当時の捜査情報など、国内での真相だけでも明らかにすべきではないだろうか。「迷宮」は北朝鮮より日本のほうが深く大きい。
●山本美保さん(昭和59年6月失踪)の妹森本美砂
日頃より、拉致問題の解決のため国際社会への働きかけをしていだき、感謝申し上げます。
北朝鮮が国連決議に違反した行動をとる度に、新たな決議や声明を出して批判し、世界が一致団結して向き合って参りましたが、これまで何度期待と失望を繰り返してきたことでしょうか。北朝鮮は国際社会を敵に回し、核を背景に強気な姿勢を崩さず、ミサイル、核兵器開発の道をひた走っています。
これまでも、長きに渡る拉致被害者の救出活動を通して、被害者の帰国への道筋をつけてくださるよう度重なる要望をして参りました。
戦争のない時代をと祈りながら平成が終わり、令和の時代を迎えましたが、家族をはじめ、支援者の方々も年齢を重ね、手応えのない活動に空しさを覚える日々を過ごしています。
いつになったら、拉致問題は解決するのでしょう。
いつになったら、私達の家族を取り戻せるのでしょう。
いつになったら、拉致という犯罪は裁かれるのでしょう。
いつになったら、私達は家族に会えるのでしょう。
いつになったら、当たり前の日常を通り戻せるのでしょう。
いつになったら、日本は国民を守れるのでしょう。
いつになったら、日本は自分の力で立ち上がれるのでしょう。
いつになったら、私達は自分の国を信じられるのでしょう。
いつまで待てばいいのでしょうか。お答えください。
●木本佳紀さん(昭和60年10月失踪)の母木本和子
いつもお世話頂き、ありがとうございます。
私自身、体調が悪く、体力もなくなりこのままダメからと思うようになりました。息子佳紀は日本の生活(22年)より北朝鮮の生活(35年)の方が長くなりました。もしかして、日本からの移住者として、北朝鮮人になったのかと案じています。生活が安定していて、本人が少しでも幸せを感じるなら、彼の考えに任せるしかありません。強要しません。
拉致被害者か移住者か、彼の立場は分かりませんが、日本の家族に会う事(移住者と呼ばれても良い。)母の願いです。金正恩さんはプライドも高く、大変でしょうが、日本にいる親、家族の気持ちを感じて頂きたいです。私の要望は子供に会える事、子供の考えを聞く事です。
●秋田美輪さん(昭和60年12月失踪)の姉吉見美保
日頃の拉致の問題への理解とご協力に感謝しております。
しかしながら拉致被害者の帰国への希望を持ち続けてすでに50年以上経つ方もおられます。私達の希望は膨らんではしぼみを繰り返すばかりで実現する事はかなわないのでしょうか?相手がミサイルを打って来ようが、北朝鮮による拉致被害者奪還の交渉を進めて下さい。実行力を持った行動をお願いします。
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