LINEオープンチャット上で話題になっていた「セミなりきりチャット」が8月26日午前0時ごろに削除された。セミたちは、互いに「お疲れさまでした」と夏の労苦を労いあった。
そもそも、LINEオープンチャットとは?
LINEオープンチャットはLINEの新機能で、匿名で不特定多数とメッセージのやりとりができる。
同サービスは19日から一般向けにサービスを開始。参加者同士が好きな話題について会話ができ、インターネット掲示板のような盛り上がりを見せるトークルームも生まれた。
一方で、トークルームの会話を邪魔する「荒らし」や、わいせつ画像、出会い目的や買売春をにおわせるような不適切な投稿も相次ぎ問題視された。
おすすめのオープンチャットとして、トップ画面で紹介される「ピックアップ」枠にも同様の投稿が目立った。
LINE側は、違反行為への措置など対応に追われている。現在、新規のトークルームを作ること自体は可能だが、他者がつくったトークルームを検索するなどの機能は制限されている。
話題となった「セミなりきりチャット」とは

オープンチャット上には個性あふれるトークルームもある。その中でも注目されたのが「セミなりきりチャット」だった。
ルールは簡単。基本的には「セミの鳴き声」しか話してはいけない。参加者はみな蝉の鳴き声を投稿するが、「ミーンミンミン」「…ジジジ…ジジジ」「ツクツクボーシ」など、多種多様な鳴き声のセミたちが集まった。
参加者たちの名前も「進研ゼミ中学講座」「セ・ミゼラブル」「セミングウェイ」「アブラゼミナール」など、セミをもじったアカウント名が多かった。
トークルーム上でのやりとりも活発だった。一晩寝てから翌朝にLINEを確認すると「999+」になっていたこともあった。

時には「クワガタ」や「ゴキブリ」を名乗る「荒らし」が登場したが、「管理人セミ」が「ミーン(キック)」を放って強制退出させることも。ほっこりとしたチャットの空気感も話題となった。
23日には朝日新聞が「出会い系投稿だらけ… LINEオープンチャット即制限」という記事の中で、盛り上がっているトークルームの一例としてセミなりきりチャットを紹介。これも話題に拍車をかけた。
そして迎えた寿命…
セミたちは、インターネットという森の中で思い思いの時を過ごしていた。
ところが、そんな平和な「セミなりきりチャット」にも終わりの時がやってきた。オープンチャットのサービス開始から一週間、どうやらセミたちの寿命が尽きようとしていたようだ。
バタバタと人生のセミファイナル迎えたセミたち。互いに「お疲れさまでした」と夏の労苦を労いあった。
そして、8月26日午前0時1分。「セミなりきりチャット」は削除された。
こうしてセミたちは、天寿をまっとうした。まさに、ひと夏の夢のような盛り上がりだった。

なお、セミの寿命について、広島大学の税所康正准教授によると「鳥やカマキリなどに襲われなければ3週間程度は生き、1カ月以上も珍しくない」(朝日新聞、8月26日)と、現在は考えられているという。
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