2023-05-04

養子に出した子供から手紙が届いた

その昔、増田アメリカ留学しており、若気の至り妊娠してしまった。ルームメイト堕胎相談したら産んで養子に出す方法もあると説得される。増田は、堕胎トラウマになって再び妊娠することが怖くなったり、あるいは再び妊娠して産んだ子供を育てていくことに一生罪悪感を覚えるんではと恐怖を感じて、産んで養子に出すことにした。すでに成人していたので親にも秘密ですべて終えた。

5歳の娘さんと大きな黒い犬のいる白人家庭とマッチングすることになり、あらゆる問題サポートしてもらった。なんと学費生活費まで援助してもらえた。まあ今考えると子供人質に取られてるようなもんだから、とにかく少しでも不安要素を取り除いて健康子供を産んでほしいって一心だったんだろうね。

産んで、一度も抱かないまま書類サインだけした。「それ」が生きているというのが怖かった。書類の中には子供自身の出生について知る権利についてのやつがあって、増田合意していた。知りたいと思う事もあるだろうし、そこについての責任製造者としてとらねばならないと思ったからだ。

あれから15年ほどたって、増田日本に帰って就職し、結婚離婚経験し、英語出産ことなどすっかり忘れてしまっていた。そしていた頃に、詳しい経緯は省くが養子に出した家庭から連絡があった。子供あなた手紙を書きたいと言っている。そういうわけで手紙が来た。

本当に気が重かった。あの妊娠の憂鬱不安な日々を思い出して眠れず、毎日吐きそうだった。しか製造者としての責任から逃げることもできない。手紙はごくありきたりなものだった。生んでくれて感謝している、自分幸せ暮らしている、水泳をしていて大学ではこういうことをやりたい、将来は何になりたい、いつか日本に行きたいなど。

最後に、クリスマスアメリカで一緒に過ごしませんかと書かれていた。クリスマスというのはアメリカ正月のようなものだが、アメリカでは離婚した元夫婦ですらこの日だけは子供と一緒に家族水入らずで過ごしたりする。その日に来れないか、というのだ。

勘弁してくれと思った。しか未成年青年提案却下するのは、いい大人として心がいたんだ。親としての愛情は相変わらずゼロのままだ。病気だとかなんとか嘘を付くこともできたが、結局、承諾した。

あの白人夫婦は何を考えているのだろう。子供のやることだからと表向きは肯定しているが、内心迷惑だと思っているだろうか。あるいは、私は子供の情操教育必要役者であろうか。まあ、交通費は向こうさんが持ってくれて招待という形なので、年末年始は苦い思い出の残るアメリカで過ごそうと思っている

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