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2022年5月27日(金)の放送内容

ウォーホル作品 250億円で落札

WARHOL'S MARILYN MONROE PORTRAIT SELLS FOR $195 MIL.

2022年5月10日のニュース

「らじる★らじる」で放送を聞く

U.S. pop artist Andy Warhol made icons out of anything – cans of soup, even bananas. But he also depicted one of Hollywood's most famous women.再生解説
アメリカのポップアーティストのアンディ・ウォーホルは、どんなものも象徴的な存在に変えました、スープの缶もバナナでさえも。しかし彼はまた、ハリウッドで最も有名な女性の1人も描きました。
解説
pop artistは、pop art「ポップアート、大衆芸術」の作家です。pop artは、popular culture「大衆文化」を題材に描いた作品・芸術表現で、アメリカでは1960年代に全盛期を迎えました。アンディ・ウォーホル(1928-1987)はこの時代を代表するアメリカの画家で、1962年に発表したアメリカ人なら誰でも知っているスープの缶を描いた作品「キャンベルスープ缶」で一躍世間の注目を集めました。
make A out of Bは「BからAを作り出す、BをAにする」です。
iconは「人々があがめたり憧れたりする対象」や「(誰もが知っているような)有名人、象徴となる人や物」などに使います。「像、肖像」という意味もあります。また、パソコンやスマートフォンの画面でプログラムの内容などを表した小さな図形もicon「アイコン」です。
made icons out of anythingは「どんなものも象徴的な存在にした」で、ウォーホルの手にかかればスープ缶もバナナも何でも芸術作品になってしまった、ポップアートを代表するような作品にしてみせたといった意味です。
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His portrait of Marilyn Monroe has just gone under the hammer, setting a record for an artwork from the 20th century.再生解説
彼によるマリリン・モンローの肖像画が、つい先ほどオークションにかけられ、20世紀の芸術作品として最高額を記録しました。
解説
go under the hammerは「オークション(競売)にかけられる」という熟語です。落札が決まった瞬間に競売人(auctioneer)がハンマーを叩くことから来ています。ちなみに、hammer priceなら「落札価格」です。また、go under the hammerと似た表現にgo under the knifeがありますが、これは「ナイフ(メス)の下に入る」ということから、「手術を受ける」という意味で使われます。
set a record for ...は「~の(最高)記録を打ち立てる、達成する」です。
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“Shot Sage Blue Marilyn” fetched 195 million dollars at an auction in New York. The 1964 silk-screen image is one of a series depicting the Hollywood star.再生解説
「ショット・セージブルー・マリリン」は1億9500万ドルで落札されました、ニューヨークでのオークションで。その1964年のシルクスクリーンの肖像画は、そのハリウッドスターを描いた一連の作品の1つです。
解説
「取って来る」という意味でも使われるfetchですが、ここでは「(ある値段で)売れる」という意味で、sell for ...で言い換えることもできます。本文のように、fetchの後ろに金額を続けて使います。fetch a record priceとすれば「最高記録の高値で売れる」です。
the Hollywood star「そのハリウッドスター」は、前のセンテンスに出てきたマリリン・モンローを指しています。Hollywoodは、アメリカのカリフォルニア州ロサンゼルスにある地区の名称ですが、「アメリカ映画界」という意味でも使います。
silk screen「シルクスクリーン」は、ウォーホルが得意とした版画の技法です。本文ではimageを修飾して形容詞的に使われているので、silk-screenとハイフンが入っています。ウォーホルは日常的な素材を芸術の域に高める一方、マリリン・モンローやエルビス・プレスリーといった映画スターの肖像画を、シルクスクリーンを用いて作品に仕上げました。
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The price surpassed the previous record, for Pablo Picasso's “Women of Algiers.”再生解説
その価格はこれまでの記録を上回りました、パブロ・ピカソの「アルジェの女たち」の。
解説
the price「その価格」は、「ショット・セージブルー・マリリン」の落札額195 million dollars「1億9500万ドル」を指しています。日本円でおよそ250億円です。
surpassは「上回る、超える」です。
20世紀を代表するスペインの画家パブロ・ピカソの作品「アルジェの女たち(バージョンO)」は2015年にオークションにかけられ、およそ1億7900万ドルで落札されました。
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The buyer of the Monroe portrait was not disclosed. The Swiss foundation that put it up for auction plans to use the proceeds to improve children's healthcare and education.再生解説
モンローの肖像画の買い手は、明かされませんでした。それをオークションにかけたスイスの財団は、売り上げを使うことを計画しています、子どもの医療や教育を向上させるために。
解説
discloseは「(秘密にされてきた情報を)明かす、明らかにする」です。
put ... up for auctionは「~をオークションにかける」という表現です。なお、put ... up for saleなら「~を売りに出す」です。auctionは動詞として使うこともでき、auction off ...と言えば「オークションで売る」です。
何かをしたり売ったりすることで得られたお金を、proceedsと言います。「収益」を意味することもあれば、費用などを差し引いた「利益」を意味することもあります。ここでは、オークションの「売り上げ」です。
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アメリカのポップアーティスト、アンディ・ウォーホルは、スープの缶からバナナにいたるまで、あらゆる題材から象徴的な作品を生み出しましたが、それに加えて、ハリウッドで最も有名な女性の1人も描きました。ウォーホルが制作したマリリン・モンローの肖像画がオークションにかけられ、20世紀の美術品としては史上最高の落札額を記録しました。
「ショット・セージブルー・マリリン」は、ニューヨークで開催されたオークションにかけられ、1億9500万ドル(およそ250億円)で落札されました。この肖像画は、ウォーホルがシルクスクリーンという技法を用いて1964年に制作したもので、ハリウッドスターのマリリン・モンローを描いた一連の作品の1つです。落札額は、これまでの最高だったパブロ・ピカソの「アルジェの女たち」の記録を上回りました。
落札者は明かされていませんが、作品をオークションに出品したスイスの財団は、売り上げは子どもの医療や教育水準の向上に役立てる予定だとしています。
講師 伊藤サムの写真
Back-Translation Training

今回学んだ英文を使って、日本語訳からもとの英語に訳す「反訳トレーニング」です。英語の発想に基づいた語順を身につけましょう。

「ショット・セージブルー・マリリン」は、1億9500万ドルで落札されました、ニューヨークでのオークションで。
“Shot Sage Blue Marilyn” fetched 195 million dollars at an auction in New York.

1. 「ショット・セージブルー・マリリン」は
   “Shot Sage Blue Marilyn”

2. 1億9500万ドルで落札されました
   fetched 195 million dollars

3. ニューヨークでのオークションで。
   at an auction in New York.

●Transformation Training
応用編: 反訳トレーニングで取り上げた英文の一部を別の表現に変えてみる「転換トレーニング」です。

反訳トレーニングで扱った文から、作品名と落札価格の部分が変わっています。

パブロ・ピカソの「アルジェの女たち」は、およそ1億7900万ドルで落札されました、ニューヨークでのオークションで。
Pablo Picasso's “Women of Algiers” fetched about 179 million dollars at an auction in New York.
Today’s Takeaway

現代英語を学ぶうえで役に立つ豆知識を取り上げます!

★謎のタイトル「ショット・セージブルー・マリリン」の由来について

ポップアートの巨匠アンディ・ウォーホルが俳優のマリリン・モンローを題材に制作した作品“Shot Sage Blue Marilyn”が、20世紀の美術品としては史上最高額で落札されました。日本円でおよそ250億円!
それにしても気になるのが、この謎のようなタイトルです。どんな意味なのでしょうか?

今回落札されたのは、モンローの顔を題材にした一連の作品の1つです。
“Shot Sage Blue Marilyn”は、そのまま訳すと「撃たれたセージブルー(色)のマリリン」となります。でもモンローが銃で撃たれたという話は聞いたことがありません。ますます謎のタイトルではないでしょうか?

あるとき、ウォーホルのスタジオを訪れた女性(パフォーマンス・アーティストのドロシー・ポドバー)が、ウォーホルに「その作品をshootしてもいいですか?」と聞いたそうです。カメラでshoot「撮影する」のだと思ってウォーホルが許可したところ、彼女はいきなりピストルを取り出して、重ねて置かれていた作品をshoot「撃って」しまったそうです。

この、銃でshot「撃たれた」一連の作品はShot Marilyns「撃たれたマリリンたち」と呼ばれるようになりました。一連の作品のうち背景がsage blueと呼ばれる色のものが、Shot Sage Blue Marilyn「撃たれたセージブルー背景のマリリン」と呼ばれています。

シルクスクリーンを用いた作品は一般的に大量生産されるのですが、この事件により作品に一点ものとしての希少価値がつき、より高価なものとなったのです。

※番組やホームページで題材にする英語ニュースは、放送から一定期間が経過したニュースです。そのため、現在は状況や事実関係が異なっている場合があります。

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