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2022年5月26日(木)の放送内容

沖縄県 基地問題の早期解決求める

OKINAWA CALLS FOR RESOLUTION OF U.S. MILITARY BASE ISSUES

2022年5月8日のニュース

「らじる★らじる」で放送を聞く

The southern prefecture of Okinawa has urged the governments of Japan and the U.S. to resolve issues related to U.S. military bases in the prefecture.再生解説
(日本の)南部の県である沖縄が、日米両政府に要請しました、県内にある米軍基地に関する問題を解決することを。
解説
沖縄が本土に復帰して、5月で50年となりました。これに合わせて、沖縄県が、日米両政府に基地問題の早期解決などを求める「建議書」をまとめたというニュースです。
the southern prefecture of Okinawaは「南部の県である沖縄」です。沖縄が地理的にどこにあるのか知らない外国の人のため、southern prefecture「南部の県」という説明を入れています。
urgeは「(強く)要望する、要請する」です。
ここでのresolveは「解決する」、issueは「問題」という意味です。
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This comes ahead of the 50th anniversary of its return from U.S. control to Japan on May 15. The request was among proposals released by Okinawa on Saturday.再生解説
これは50周年の前に行われました、それ(沖縄)のアメリカの支配下から日本への復帰の、5月15日の。この要請は、いくつかの提案のうちの1つでした、沖縄(県)によって土曜日に公表された。
解説
this comes ...のthisは、前のセンテンスに出てきた「米軍基地に関する問題を解決することを要請した」ことです。これがcomes「起きている」、つまり「行われた」という意味になります。
ahead of ...は「~の前に」です。
its return from U.S. control to Japan「それ(沖縄)が戻ること、アメリカのコントロール(下にある状態)から日本へ」は、つまり「沖縄のアメリカ支配下から日本への復帰」ということです。沖縄戦のあと27年にわたってアメリカ統治下に置かれた沖縄は、50年前の昭和47年5月15日、本土に復帰しました。
動詞releaseには「解放する、自由にする」という意味もありますが、ここでは「(情報を)公表する」という意味で使われています。名詞としても使い、記者に発表する際の文書であるpress release「プレスリリース」という言葉にも見られます。
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The document says the central government and prefecture shared the goal of making Okinawa “islands of peace” at the time of their return.再生解説
その文書は述べています、中央政府(日本政府)と県は沖縄を「平和の島々」にするという目標を共有していたと、(本土)復帰の時に。
解説
the document「その文書」は、沖縄が公表した建議書を指しています。
the central governmentは、直訳すると「中央政府」となりますが、ここでは日本政府を表しています。
ここでのshareは「共有する」という意味の動詞です。物だけではなく、本文のように目標や考え方などを共有するときにも使えます。最近では、SNSで情報を共有するときにも、shareを使います。また、sharing economy「シェアリング・エコノミー」というように、個人が所有している物や場所、能力などを必要な人に提供したり共有したりする新しい経済の動きやサービスを指すときにも使われる言葉です。ライドシェア(相乗り)や民泊などが、それにあたります。
the goal of ...ingは「~する目標」で、目標となることがofの後ろに続きます。本文では、making Okinawa “islands of peace”「沖縄を『平和の島々』にする」です。
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But 50 years later, that goal has not been achieved. It calls for more public awareness about the importance of Okinawa's return.再生解説
しかし50年の後、その目標は達成されていません。それ(文書)はもっと国民が意識することを呼びかけています、沖縄の復帰の重要性について。
解説
has not been achievedは「(いまだ)達成されていない」です。
call for ...は「~を(求めて)呼びかける、要求する」という表現です。
awarenessは「aware(意識して)いること、問題意識(を持つこと)、認識」です。public awarenessは「人々の認識」という意味ですが、ここでは日本の人々、国民全体の認識を示しています。
建議書では、本土復帰の意義と重要性について国民全体の認識の共有を図り、日米地位協定の抜本的な見直しやアメリカ軍普天間基地の名護市辺野古への移設の断念など、基地問題の早期の解決を図ることなどを求めています。
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The proposals urge Tokyo and Washington to fundamentally review the Status of Forces Agreement. 再生解説
それらの提案は日本政府とアメリカ政府に要請しています、抜本的に(日米)地位協定を見直すことを。
解説
the proposals「それらの提案」は、沖縄県が公表した建議書を指しています。
Tokyo and Washingtonは「日本政府とアメリカ政府、日米両政府」です。「日本政府」はthe Japanese government、「アメリカ政府」はthe U.S. governmentですが、ニュースでは、その国の政府を首都名で表すことがよくあります。
fundamentallyは「抜本的に」です。
status of forces agreement「地位協定」とは、ある国のforces「軍隊」が他国に駐留するときの法的な地位を定める条約です。ここでのthe Status of Forces Agreementは、the Japan-U.S. Status of Forces Agreement「日米地位協定」のことです。主に在日米軍の活動と在日米軍施設・区域に関わる取り決めを定めた協定で、SOFAと略されることもあります。
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They call for a plan to relocate the U.S. Marine Corps Futenma Air Station within the prefecture to be scrapped.再生解説
それら(の提案)は呼びかけています、アメリカ海兵隊普天間航空基地を県内に移設する計画が、断念されることを。
解説
they「それら」も、沖縄県が公表した建議書を指しています。
relocateは「移転する、移設する」という意味です。
U.S. Marine Corpsは「アメリカ海兵隊」です。the U.S. Marine Corps Futenma Air Stationは、沖縄県宜野湾市にあるアメリカ軍普天間基地のことです。
relocate the U.S. Marine Corps Futenma Air Station within the prefecture「アメリカ軍普天間基地の県内移設」は、具体的にはアメリカ軍普天間基地の辺野古への移設のことです。普天間基地をめぐっては、国が名護市辺野古沖で移設工事を進めていますが、沖縄県が反対していて溝は深まったままです。
ここでのscrapは「廃棄する、廃止する」という動詞で、このニュースでは「(計画を)断念する、撤回する」として使われています。
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Work is underway to move the base from an urban area to a coastal one that's less populated.再生解説
その基地を移す作業が進行中です、都市部から、より人口が少ない沿岸部へ。
解説
ここでのworkは「作業」という意味で、その内容は1つ目のto以下で述べられています。
(be) underwayは「~が進行中である」です。an investigation is underway「調査が進行中である」のように使えます。
an urban areaは「都市部」です。urbanは「都市の」で、その反対はrural「田舎の、地方の」で表せます。
an urban areaは、具体的には普天間基地のある地域を示しています。普天間基地は市街地の中心部に位置し、住宅や学校がすぐそばにあることから、世界で最も危険な基地とも言われています。一方、a coastal one that's less populated「より人口が少ない沿岸部」は、移設先の辺野古を説明しています。
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Okinawa Governor Tamaki Denny plans to personally deliver the document to Prime Minister Kishida Fumio and the U.S. ambassador in Tokyo.再生解説
玉城デニー沖縄県知事は、直接その文書を届ける予定です、岸田文雄総理大臣とアメリカ大使に、東京で。
解説
personallyは「個人的に、自ら、直接」などの意味です。deliverは「届ける」なので、personally deliver the documentは「その文書(建議書)を直接届ける」です。in person「直接、じかに」という言葉を使って、deliver in person「直接届ける」という言い方もできます。
ambassadorは「大使」です。「駐日アメリカ大使」なら、the U.S. ambassador to Japanと言います。
このニュースのあと、玉城知事は岸田総理大臣と会談して建議書を手渡し、普天間基地の辺野古への移設計画の断念などを求めたのに対し、岸田総理大臣は基地の負担軽減に努力する考えを示したということです。
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(日本の)南部にある沖縄県は、日米両政府に県内のアメリカ軍基地に関する問題を解決することを求めました。この要請は沖縄がアメリカの統治下から本土に復帰して5月15日で50年となるのを前に行われたもので、沖縄県が土曜日(5月7日)に公表した提案の1つでした。
沖縄県がまとめた文書(建議書)では、本土復帰時、政府と沖縄県は沖縄を「平和の島」とするという目標を共有していたが、その目標は50年たった今もいまだ達成されていないとしています。そのうえで、沖縄の本土復帰の重要性について、国民全体が認識することを呼びかけています。
また、(在日米軍基地の在り方を定めた)日米地位協定を抜本的に見直すことを日本とアメリカの両政府に求め、アメリカ軍普天間基地の県内移設計画の断念を建議するとしています。普天間基地をめぐっては、(人口が密集する)都市部から人口が少ない沿岸部(名護市辺野古)への移設が進められています。
沖縄県の玉城デニー知事は東京で、岸田文雄総理大臣とアメリカの(エマニュエル)駐日大使に直接、建議書を手渡す予定です。
講師 伊藤サムの写真
Back-Translation Training

今回学んだ英文を使って、日本語訳からもとの英語に訳す「反訳トレーニング」です。英語の発想に基づいた語順を身につけましょう。

(日本の)南部の県である沖縄が、日米両政府に要請しました、県内にある米軍基地に関する問題を解決することを。
The southern prefecture of Okinawa has urged the governments of Japan and the U.S. to resolve issues related to U.S. military bases in the prefecture.

1. (日本の)南部の県である沖縄が
   The southern prefecture of Okinawa

2. 日米両政府に要請しました
   has urged the governments of Japan and the U.S.

3. 県内にある米軍基地に関する問題を解決することを。
   to resolve issues related to U.S. military bases in the prefecture.

●Transformation Training
応用編: 反訳トレーニングで取り上げた英文の一部を別の表現に変えてみる「転換トレーニング」です。

(日本の)南部の県である沖縄が、日米両政府に要請しました、(日米)地位協定を抜本的に見直すことを。
The southern prefecture of Okinawa has urged the governments of Japan and the U.S. to fundamentally review the Status of Forces Agreement.
Today’s Takeaway

現代英語を学ぶうえで役に立つ豆知識を取り上げます!

★corpsの綴りと発音をしっかり覚えよう!

5月23日にこの番組で放送した「バイデン大統領 記者会主催の夕食会出席」というニュースにも出てきたcorps「軍団、団体」という単語は、発音を間違えると相手に対して失礼な意味になるため、注意が必要です。
5月23日のニュースでは、press corps「記者団」として使われていました。今回のニュースでは、U.S. Marine Corps「アメリカ海兵隊」として出てきます。

corpsはフランス語由来の単語で、pとsは発音しません(どちらもsilent letter「黙字」)。スペリング(綴り)どおりに発音すると、corpse「(人間の)死体」と聞こえるため、その相手に対して失礼になります。

実際にそんな例があるのでしょうか?
実は結構あります。以前、私が新聞記者として外交を担当していたころ、各国の大使などが集まったイベントで、日本の政府高官がcorpsをcorpseと発音してしまったのを何度も目撃しました。英語でスピーチをしていて、原稿にmembers of the diplomatic corps「外交団の皆さま」とあるところを、スペリングどおりにcorpseと読んでしまったようです。

そしてこれは、日本人の英語に限りません。アメリカのバラク・オバマ氏が大統領だったとき、海軍のイベントでのスピーチで、Navy corpsman「海軍の衛生兵」をNavy corpse manと言ってしまったことがありました。英語ではpやsを発音しない単語が比較的少ないためか、ネイティブスピーカーにとってもcorpsの発音は難しいものなのでしょう。

念のために復習しましょう。corPSの発音はcorで止めます。PSと大文字になっている部分は黙字です。pとsは発音しません。
外交官、政治家、そして安全保障の分野に進むことを目指している方、あるいは現職の方は、corpsのスペリングと発音を特にしっかりと覚えておくことをおすすめします。

なお、corpsは集合名詞で、「一体(body)となって行動する人々の集団」を指します。スペリングの末尾にsがあるので複数形に見えますが、「1つの集団」という意味なので基本的に単数扱いです。そして、単数でも複数でも同じスペリング(単複同形)で、複数の集団を指すときにはcorzと発音します。

※番組やホームページで題材にする英語ニュースは、放送から一定期間が経過したニュースです。そのため、現在は状況や事実関係が異なっている場合があります。

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