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2022年5月10日(火)の放送内容

中国“ゼロコロナ”政策 専門家の論文で波紋

CHINA'S TOP RESPIRATORY EXPERT SUGGESTS EASING 'ZERO-COVID' POLICY

2022年4月22日のニュース

「らじる★らじる」で放送を聞く

An editorial written by China's top respiratory expert, who once headed Beijing's coronavirus response team, is drawing mixed reactions over the so-called dynamic zero-COVID policy.再生解説
中国の最高の呼吸器の専門家、以前中国政府のコロナウイルス対策チームを率いた、によって書かれた論説が、さまざまな反応を引き起こしています、いわゆる動的(ダイナミック)ゼロコロナ政策をめぐって。
解説
editorialは「社説、論説(記事)」で、ここでは学術誌に掲載された文章を指しています。
respiratoryは「呼吸器系の」で、expertは「専門家」なので、respiratory expertは「呼吸器研究の専門家」です。ここでは、top respiratory expertをwho once headed Beijing's coronavirus response teamが修飾しています。
ここでのonceは「以前、一時期、かつて」という意味で、「一度、一回」という意味ではありません。この場合は、発音するときに強勢を置きません。
ここでのheadは「率いる、先頭に立つ、代表を務める」という動詞です。この専門家が、中国政府の新型コロナウイルス対応の専門家チームのトップを務めたことを、この単語で表しています。
ここでのresponseは「対策、対応」ですが、「返答、反応、反響」として使うこともあります。coronavirus responseは「コロナ対策」で、他にもdisaster responseなら「災害対応」です。
draw a reactionは「反応を招く、引き起こす、引き出す」で、mixed reactionは「(賛否が入り混じった)さまざまな反応」です。
ここでのdynamicは「動態の、動的な」という意味で、状態や構成を状況に応じて変えることや、状況に合わせて柔軟に選択できることを表しています。dynamicは「活発な、生き生きした、活力に満ちた」という意味で使うこともあります。
dynamic zero-COVID policyは中国が提唱している「動態(ダイナミック)ゼロコロナ政策」のことで、感染者をゼロにするというよりは、感染者を能動的かつ迅速に発見し、速やかに隔離して、感染の広がりを防ぐことを目的としています。
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Zhong Nanshan co-authored the article that appeared in a science magazine earlier this month.再生解説
鍾南山氏は、共同で執筆しました、今月のこれより前、科学雑誌に掲載されたその記事を。
解説
ここでのco-authorは、「共同で執筆する」という動詞です。名詞としては「共同執筆者」となります。
articleは「論文、記事」です。「(条約、法律などの)条項」として使われることもあります。
appear in ...は「(記事などが)~に出る、掲載される」です。
science magazineは「科学雑誌」です。具体的には、中国科学院が後援しオックスフォード大学出版局が発行するNational Science Reviewという英文総合科学誌を指しています。
earlier this monthは「今月の今より早い時期」という意味です。early this monthなら「今月初旬」です。
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It argues that China needs to reopen to normalize socio-economic development and adapt to global trends.再生解説
それ(その記事)は主張します、中国は再び開放する必要があると、社会経済的発展を正常化し、世界的な傾向に適応するために。
解説
argueは「論じる、主張する」です。
reopenは「再び開く」ですが、ここでは社会・経済活動を「再開する」ことを意味しています。
normalizeは「正常化する、通常の状態に戻す」です。
socio-economicは、socio-「社会の」とeconomic「経済の、経済学的な」を組み合わせた言葉で、「社会経済的な」です。
adapt to ...は「~に適応する、順応する」です。
ここでのtrendは「傾向、動向」という意味です。「流行、はやり」として使われることもあります。
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It also says pursuing a zero-COVID approach is not sustainable in the long run.再生解説
それ(その記事)は更に述べています、ゼロコロナという取り組み方を続行することは、長期的には持続可能ではないと。
解説
pursueは「続行する、追求する、遂行する」です。
名詞approachは「手法、取り組み方、アプローチ」です。
sustainableは「持続可能な」です。最近は日本語でも「サステイナブル」として使われます。ちなみに、環境問題に関連した話題でよく耳にするようになったSDGsは、Sustainable Development Goals「持続可能な開発目標」の略称です。
in the long runは「長い目で見れば、長期的には」という表現です。
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Many people took to social media to express views for and against the article.再生解説
多くの人々はSNSに投稿して、その記事に対する賛否両論の意見を表明しました。
解説
ここでのtake to ...は「(手段として)取る、~に頼る」で、took to social mediaは人々がSNSを使って意見を表したことを示しています。take to ...には他にも「~に向かう、繰り出す」という意味があり、take to the streetsと言えば「(抗議活動などのために)街頭に繰り出す」です。
social mediaは「ソーシャルメディア、SNS」で、インターネット上で情報を発信したり参加したりできるメディアのことです。日本語ではSNS(Social Networking Serviceの略)という用語がよく使われますが、英語圏ではこの意味ではSNSとはあまり言わず、social mediaが使われます。
viewは「意見、見方」です。
for and againstは「賛成と反対の」という表現です。
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Media affiliated with the Communist Party said Zhong had stressed the need to stick to the strategy for now in a lecture two days after the article's publication.再生解説
共産党の傘下の報道機関は述べました、鍾氏は強調していたと、今のところはその戦略(ダイナミックゼロコロナ政策)を貫く必要性を、その記事が出版された2日後の講演で。
解説
mediaは「報道機関」、affiliated with ...は「~の系列の、~の傘下の、~に属する」です。
the Communist Partyは、ここでは「(中国)共産党」を指しています。
ここでのstressは動詞で「強調する」という意味です。
stick to ...は「~に固執する、~にこだわる、貫く」です。
for nowは「今のところは」です。
lectureは「講演、講義」です。後ろに、that he gaveまたはthat was givenが省略されていると考えると分かりやすくなります。
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Observers say such reports suggest that China's leadership is trying to contain public opposition to its zero-COVID policy.再生解説
観測筋は述べます、そのような報道は示唆していると、中国の指導部が抑え込もうとしていることを、そのゼロコロナ政策に対する一般市民の反対の声を。
解説
ここでのobserverは「観測筋、事態を観察している専門家」です。自然な日本語としては、observerという主語を明確にせず「~と見られています」のように訳すこともあります。
ここでのsuggestは「示唆する」という意味です。「提案する」として使われることもあります。
leadershipには「指導力」という意味もありますが、ここでは「指導者、指導部」として使われています。
containは「抑え込む、阻止する、食い止める」です。
形容詞publicは「一般市民の、世論の」です。oppositionは「反対、抵抗」で、public oppositionは「一般市民の反対(の声)」です。
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かつて中国政府の新型コロナウイルス対策チームのトップを務めた中国の権威ある呼吸器疾患の専門家が発表した、いわゆる動的(ダイナミック)ゼロコロナ政策についての論文が、さまざまな反応を呼んでいます。
鍾南山氏は今月(4月)、共同で執筆した論文を科学雑誌に発表しました。鍾氏は論文で、社会経済を正常化させ、世界的な傾向に適応するため、中国は再び自らを開放する必要があるとしたうえで、ゼロコロナ政策を継続することは、長期的には持続可能ではないと指摘しました。
これについて、多くの人々がSNSに賛否両論の意見を書き込みました。
共産党系の報道機関は、論文が発表された2日後の講演で、鍾氏が現時点ではゼロコロナ政策を貫くべきだと述べたと伝えました。専門家は、こうした報道は、中国の指導部がゼロコロナ政策に対する国民の反対の声を抑え込もうとしていることを示唆していると見ています。
講師 米山明日香の写真
Listening Point
★強いforと弱いfor

Many people took to social media to express views for and against the article. (強形)
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Media affiliated with the Communist Party said Zhong had stressed the need to stick to the strategy for now in a lecture two days after the article's publication. (弱形)

この2つのセンテンスを比べたとき、前者のforは「フォー」とかなりはっきり言っているのに、後者は「ファ」くらいにしか聞こえてきません。両方とも前置詞ですので、動詞や名詞、形容詞などの内容語ではなく、機能語です。

機能語は基本的に弱く発音されます。これを弱形と呼びます。しかし、前者は「賛成の」という意味でagainstと対比して使っているので、はっきりと発音して、意味を強調しているのです。このような使われ方を強形と呼びます。
機能語なのに強形で発音される場合には、「強調したい目的」があると捉えましょう。
Today’s Takeaway

現代英語を学ぶうえで役に立つ豆知識を取り上げます!

★drawの豊かな意味を知る

An editorial written by China's top respiratory expert, who once headed Beijing's coronavirus response team, is drawing mixed reactions over the so-called dynamic zero-COVID policy.

drawはよく、draw a line「線を引く」やdraw a picture「絵を描く」のように使われますが、この単語にはいろいろな意味があります。

ニュースでは... is drawing mixed reactions「さまざまな反応を引き起こしています」として、「(反応を)招く、引き起こす、引き出す」という意味で使っています。同じような使われ方に、draw criticism「非難を招く」、draw tears「涙を誘う」などがあります。

興味深い例として、Common interests draw people together.「共通の関心事が人を結びつける」という使い方もあります。

drawの基本的な意味は「手元に何かを引き寄せる、外に引き出す」です。そうしたニュアンスを思い浮かべながらdrawを使うようにすると、単語のイメージが浮かびやすくなります。

※番組やホームページで題材にする英語ニュースは、放送から一定期間が経過したニュースです。そのため、現在は状況や事実関係が異なっている場合があります。

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