Leaders in Finland and Sweden have chosen to keep their countries non-aligned since World War II. But what they've seen in Ukraine has prompted them to reconsider.再生解説 - 訳
- フィンランドとスウェーデンの首脳はこれまで選択してきました、彼らの国を非同盟に保つことを、第2次世界大戦以来。しかし彼らがウクライナで見てきたことが、彼らに再考を促しました。
- 解説
- keep A Bは「AをBの状態にしておく、保つ」です。
non-alignedは「非同盟の、中立の」です。フィンランドとスウェーデンが軍事同盟であるNATOには加盟せず、軍事的に中立の立場を続けてきたことを、このように表しています。なお、alignは「(人などを何かと)提携させる、提携する」という意味の動詞で、名詞形のalignmentには「(国や団体などの)同盟、連合」といった意味があります。
what they've seen in Ukraine「彼ら(フィンランドとスウェーデンの首脳)がウクライナで見たこと」とは、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻を指しています。
reconsiderは、consider「よく考える、熟考する、検討する」に「再び、さらに、~し直す」を意味する接頭辞re-が付いた単語で、「(決まったことなどを変える目的で)再考する、再検討する」という意味です。ここでは、第2次世界大戦以来、軍事的な中立を保ってきた両国の政策を再検討することを示しています。
閉じるThe leaders met in Stockholm to discuss their countries' relationship with NATO. Finland and Sweden are partners with the alliance, but not part of it.再生解説 - 訳
- 両国の首脳はストックホルムで会談しました、彼らの国のNATO=北大西洋条約機構との関係を協議するために。フィンランドとスウェーデンはこの同盟のパートナー国です、しかし同盟には加盟していません。
- 解説
- NATO(North Atlantic Treaty Organization)「北大西洋条約機構」は、東西冷戦時代に旧ソビエトに対抗してアメリカなどがつくった西側諸国を中心とする軍事同盟です。
ここでのpartnersは、NATOと協力関係にある「パートナー国」のことです。NATOには加盟国の他にさまざまな枠組みの下で協力関係を持つパートナー国があり、日本もその一員です。
ここでのthe alliance「その同盟」はNATOを指していて、but not part of itは「その(軍事同盟の)一部ではない」です。つまり、フィンランドとスウェーデンが軍事同盟そのものには加盟していないことを表しています。
閉じる(Sanna Marin / Finnish Prime Minister)
“The change in the security landscape makes it necessary to analyze how we best secure peace for Finland and in our region in the future.”再生解説 - 訳
- 「安全保障情勢の変化は、我々が平和を確保する最善の方法を検討することを必要としています、フィンランドと我々の地域での今後における。」
- 解説
- フィンランドのサンナ・マリン首相の言葉です。
landscapeは、「景色、風景、見晴らし」などの意味から、「(物事の)情勢、状況」を示す言葉としても使われ、ここではロシアのウクライナ侵攻で変化したヨーロッパのsecurity「安全保障の」情勢を表しています。political landscape「政治情勢、政局」という表現もあります。
necessaryは「必要とする」ですが、本文のようにmakeという使役動詞とともに使われる場合、「~せざるをえない、避けられない」と訳すと、より自然な日本語になります。
analyzeは「(状況などを)分析する、検討する」という意味で、検討する内容はhow we best secure peace ...「どうやって最も良く平和を確保するか」以下で述べられています。
閉じるFinns and Russians share a border. Marin says members of parliament will debate and decide “within weeks” whether to apply for NATO membership.再生解説 - 訳
- フィンランドとロシアは国境を接しています。マリン首相は述べます、国会議員が議論し、「数週間以内に」決定するであろうと、NATO加盟を申請するかどうかについて。
- 解説
- Finnは「フィンランド人」です。
within weeksは「数週間のうちに」です。同様に時間の目安を表す表現としては、within hours「数時間以内に」、within days「数日以内に」、within months「数か月以内に」などがあります。
whether to ...は「~するかどうか」です。I have to decide whether to accept the offer by the end of the week.「週末までにその申し出を受けるか決めなければならない」のように使います。
apply for ...は「~を申請する、申し込む」です。membershipは「member(会員)であること、会員」ですので、apply for NATO membershipはNATOへの加盟申請を示しています。
閉じる(Magdalena Andersson / Swedish Prime Minister)
“We have to really think through what is best for Sweden and our security and our peace in this new situation.”再生解説 - 訳
- 「我々は本当によく考えなければなりません、スウェーデンと我々の安全保障そして我々の平和のために何が最善なのか、この新たな状況の中で。」
- 解説
- スウェーデンのマグダレナ・アンデション首相の言葉です。
think throughは「(問題などを)よく考える、慎重に検討する」です。think overも同義です。
situationは「情勢、状況、事態」などの意味で、in this new situationはロシアのウクライナ侵攻を受けて変化したスウェーデンの安全保障を取り巻く「新たな状況」を示しています。
フィンランドのマリン首相も、「ロシアによる軍事侵攻を受けて、ヨーロッパの枠組みは大きく変わった」と述べています。
閉じるMany Swedes aren't convinced. But Andersson and Marin agree there's no other way to have such security guarantees “than under NATO's deterrence.”再生解説 - 訳
- 多くのスウェーデン国民は納得しかねています。しかしアンデション首相とマリン首相は同じ意見です、そのような安全上の保障を得るには他に方法がないことを、「NATOの抑止力の下以外」には。
- 解説
- convinceは「(人を)納得させる、確信させる」などの意味の動詞で、be convinced (that) ...は「~であると確信する」となります。ちなみに、convincingと-ingを付けると「(人や議論などが)説得力のある、(人を)納得させるような」という形容詞になり、例えばa convincing explanation「納得のいく説明」のように使えます。
there's no other way to A than Bは「AするのにB以外の方法はない」です。There's no other way to save the country than to join the alliance.「この国を救うには同盟に加わる以外に方法はない」のように使われます。
NATO's deterrence「NATOの抑止力」は、NATOが加盟国への攻撃に対し共同で対処する集団防衛のシステムを持っており、この同盟による共同対処がdeterrence「抑止力」となるということです。
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フィンランドとスウェーデンの指導者たちは、第2次世界大戦以来、それぞれの国を中立の立場に置くことを選んできました。しかし、ウクライナで起きたことは、その姿勢を再検討するきっかけとなりました。
両国の首脳はストックホルムで会談し、自分たちの国とNATO=北大西洋条約機構との関係について協議しました。フィンランドとスウェーデンはNATOのパートナー国ですが、加盟はしていません。
フィンランドのサンナ・マリン首相は、「安全保障をめぐる状況の変化によって、フィンランドとその地域の平和を将来にわたって確保するために、何が最善の方法かを検討する必要が生じました」と述べました。
フィンランドとロシアは国境を接しています。マリン首相は、NATOに加盟を申請するかどうか議会で議論し、「数週間以内に」結論を出すだろうと語りました。
一方、スウェーデンのマグダレナ・アンデション首相は、「この新しい状況において、スウェーデンにとって、そして私たちの安全と平和にとって、何が最善なのかを慎重に検討しなければなりません」と述べました。
スウェーデンでは多くの人々が(NATO加盟の是非を)決めかねています。しかし、アンデション首相とマリン首相は、そのような安全保障を確保するには「NATOの抑止力の下」に入る以外に方法はないという点で意見が一致しています。