NHKゴガク

NHKゴガク 語学講座アプリ

人気のラジオ番組ストリーミング
8言語に対応!

詳しくはこちら  >

2022年4月28日(木)の放送内容

大谷選手 開幕戦

‘SHO-TIME’ MAKES MORE HISTORY ON 2022 MLB OPENING DAY

2022年4月8日のニュース

「らじる★らじる」で放送を聞く

Japanese baseball superstar Ohtani Shohei has kicked off his fifth season in the United States. 再生解説
日本人であり野球界のスーパースターである大谷翔平選手が始めました、アメリカでの5年目のシーズンを。
解説
アメリカの大リーグで、従来の常識を破ってピッチャーとしてもバッターとしても活躍する大谷選手。野球用語がたくさん出てくるニュースです。
kick offは、サッカーで「(ボールを蹴って)試合を開始する、キックオフする」ですが、一般的にイベントや行事、会議などを「始める」という意味でも使われます。例えば、He kicked off his campaign for the 2022 election.なら「彼は2022年の選挙に向けた選挙活動を開始した」です。ちなみに1語でkickoffとすれば、名詞や形容詞として「始め、開始(の)」という意味で使うことができます。kickoff meetingと言えば「(会議やプロジェクトなどの)初会合」です。
閉じる
It was the first time in major league history a starting pitcher also led off an opening game at the plate. 再生解説
それは大リーグの歴史で初めてのことでした、先発ピッチャーが、1番バッターとしても開幕戦で打席に立ったのは。
解説
it was the first time (that) ...は「~(が起きたこと)は初めてのことだ」です。in major league history を挿入して、「大リーグの歴史上で」初めてであることを説明しています。例えば、It was the first time in Japan's postwar history that a major bank went bankrupt.「大手銀行が倒産したのは、戦後の日本の歴史では初めてのことでした」などのように使います。
ここでのmajor leagueは、Major League Baseball「大リーグ、MLB」を指しています。
starting pitcherは「先発ピッチャー」で、starterとも言います。その他、「リリーフピッチャー」ならrelief pitcherやreliever、「(最後に登板して試合を締めくくる)クローザー、抑え投手」ならcloserなど、さまざまな役目の投手が存在します。
led off an opening game at the plateは、文字どおりには「(シーズンを)開始する試合を先頭に立って始めました、打席において」ですが、ここでは「開幕戦で1番バッターとして打席に立った」という意味です。
lead offには「(何かを先頭に立って)始める、開始する」という意味があり、野球用語としては「先頭打者を務める、1番バッターとして出場する」として使われます。leadoff hitter「1番打者、先頭打者」という言い方もあります。
ここでのplateは、野球の「プレート、ホームベース」のことです。step up to the plateと言えば、「打席に入る」という表現で、そこから「本気を出す、積極的な行動に出る」などという場合に使います。
去年のオールスターゲームでは、大谷選手がアメリカンリーグの1番・指名打者で出場し、先発ピッチャーとしても起用されました。今年からレギュラーシーズンでこのルールが採用されることになり、大谷選手にとっては打席数の増加が見込まれるため、アメリカのメディアはShohei Ohtani rule「大谷ルール」の導入などと伝えています。
閉じる
Ohtani and the Los Angeles Angels faced the Houston Astros, last year's American League champs.再生解説
大谷選手とロサンゼルス・エンジェルスは、ヒューストン・アストロズと対戦しました、去年のアメリカンリーグ優勝チームの。
解説
ここでのfaceは「(相手チームと)対戦する」という意味の動詞です。face off「対決する」という言い方もあり、face-offとハイフンでつなぐと「対決」という意味の名詞になります。ちなみに、アイスホッケーでは「試合を開始する」「試合開始、フェイスオフ」として使われます。
champはchampionの略で、「優勝者、優勝チーム」です。ここではチームを構成する選手たちを指しているので、champではなくchampsと複数形になっています。
閉じる

Fans are hoping Ohtani will repeat his historic season last year. He started on the mound with a strikeout in a scoreless first inning. 再生解説
ファンは期待しています、大谷選手が去年の歴史的なシーズンを再現することを。彼はまずマウンドに上がり、三振ひとつを奪い初回を無得点に抑えました。
解説
ここでのrepeatは「繰り返して行う」という意味です。his historic season last yearは大谷選手が昨シーズン、投手・打者の二刀流として大活躍し、MVPに輝いたことを表しているので、その活躍を「再現する、再び行う」というニュアンスです。
historicはhistoryの形容詞形で、「(出来事などが)歴史的に有名な、重要な、(場所、建物などが)歴史的に由緒ある」、あるいは「(行動などが)歴史に残るような」などの意味です。
strikeoutは、野球用語で「三振」です。
inningは「(野球の)回、イニング」です。
閉じる
And at the plate, he hit the first pitch, but grounded out.再生解説
そして打席に立つと、彼は初球を打ちました、しかし内野ゴロでアウトとなりました。
解説
ここでのpitchは、投手の投げる「投球」という意味です。ピッチャーが「(打者に向かって)投げる」という動詞として使うこともできます。
ground out は「内野ゴロでアウトになる」です。groundout「内野ゴロによるアウト」という名詞としても使います。なお、日本語で言う「ゴロ」なら、grounderやground ballと言います。
このニュースには他にも、野球で打者が「アウトになる」という言い回しがいくつか出てきますので注目して読んでみましょう。
閉じる

Ohtani allowed one run in the third inning, but he struck out all three batters in the fourth.再生解説
大谷選手は3回に1点を許しました、しかし4回には、3人のバッター全員を三振に打ち取りました。
解説
ここでのallowは「許す、与える」といった意味で、相手チームにrun「得点」を与えたことを示しています。野球用語としてのrunは、走者がベースを1周するということから、「得点」という意味になります。「2点」ならtwo runsで表せます。
前のセンテンスでは名詞として出てきたstrikeoutですが、ここでのstrike outは動詞で「三振させる、三振に打ち取る」です。
in the fourthは、その前のthird inningを受けて、fourth (inning)のinningが省略されている形です。
閉じる
He had a total of nine strikeouts before leaving the game as pitcher in the middle of the fifth inning.再生解説
彼は合計9つの三振を奪いました、ピッチャーとして降板するまでに、5回の途中で。
解説
a total of ...は「合計で~」です。
leave the game「試合から去る」とは、つまり「(投手が)マウンドを降りる」ことを意味します。as pitcher「ピッチャーとして」と限定を入れているのは、新ルールの適用で、大谷選手がマウンドを降りたあとも指名打者(DH、designated hitter)として出場を続けたためです。
in the middle of ...は「~の最中に、~の途中で」です。この試合、大谷選手は5回2アウトまで取ったところでマウンドを降りています。
閉じる

In the eighth inning, Ohtani hit a towering fly ball, but his night ended without a hit. 再生解説
8回には、大谷選手は大きなフライを打ち上げました、しかし彼の夜はヒットなしで終わりました。
解説
toweringはtower(塔)の動詞「高くそびえ立つ」に-ingを付けた形容詞で、「高くそびえる」の他、「傑出した、抜きん出た」などの意味もあります。ここでは大谷選手が打ったフライが高く上がった様子を表しています。
his nightは、この試合が行われた夜を指しています。
withoutは「(何かを)欠いたままで、しないままで」です。例えば、The operation ended without achieving its goal.なら「目標を達成せずに作戦は終了した」です。
閉じる
The Astros beat the Angels 3-1, and Ohtani took his first loss of the year. 再生解説
アストロズがエンジェルスを3対1で破りました、そして大谷選手は今年初めての負けを喫しました。
解説
ここでのbeatは「(相手や敵などを)負かす、破る」という意味です。beat-beat-beaten(またはbeat)と活用します。本文のbeatは過去形です。
3-1はアストロズの得点が3点、エンジェルスの得点が1点で、アストロズの勝ちだったことを示しています。
閉じる
野球界の日本人スーパースター大谷翔平選手が、アメリカ(の大リーグ)で5年目のスタートを迎えました。開幕戦で先発ピッチャーが1番・指名打者として打席に立ったのは大リーグの歴史で初めてのことでした。
大谷選手が所属するロサンゼルス・エンジェルスは、去年のアメリカンリーグの優勝チームであるヒューストン・アストロズと対戦しました。大谷選手は、歴史的なシーズンとなった去年の再現をファンが期待する中、まずマウンドに立ち、初回を三振1つの無失点に抑えました。その後、打席では初球を叩き、内野ゴロでした。
大谷選手は、3回に1点を失いましたが、4回は3者三振に抑え、ピッチャーとしてマウンドを降りる5回途中までに合計で三振を9つ奪いました。
8回、大谷選手は大きなフライを打ちあげましたが、この日はノーヒットで終わりました。試合はアストロズが3対1でエンジェルスを破り、大谷選手は今シーズン初めての負け投手となりました。
講師 伊藤サムの写真
Back-Translation Training

今回学んだ英文を使って、日本語訳からもとの英語に訳す「反訳トレーニング」です。英語の発想に基づいた語順を身につけましょう。

彼は合計9つの三振を奪いました、ピッチャーとして降板するまでに、5回の途中で。
He had a total of nine strikeouts before leaving the game as pitcher in the middle of the fifth inning.

1. 彼は合計9つの三振を奪いました
   He had a total of nine strikeouts

2. ピッチャーとして降板するまでに
   before leaving the game as pitcher

3. 5回の途中で
   in the middle of the fifth inning.

●Transformation Training
応用編: 反訳トレーニングで取り上げた英文の一部を別の表現に変えてみる「転換トレーニング」です。

beforeをand thenで言い換えてみましょう。

彼は合計9つの三振を奪いました、そしてそれからピッチャーとして降板しました、5回の途中で。
He had a total of nine strikeouts, and then he left the game as pitcher in the middle of the fifth inning.
Today's Takeaway

現代英語を学ぶうえで役に立つ豆知識を取り上げます!

★beforeを「あとで」と、意味を逆転させて理解する

前置詞beforeは「~の前に」という意味ですが、意味を逆にして「そのあと(で)~」のように捉えると、英文をいちいちひっくり返さなくても英語の語順のまま理解しやすくなります。

例を見てみましょう。
反訳トレーニングで扱ったニュースに出てきた英文
He had a total of nine strikeouts before leaving the game as pitcher in the middle of the fifth inning.
を直訳すると、「彼は合計9つの三振を奪いました、5回の途中でピッチャーとして降板する前に」ですが、「彼は合計9つの三振を奪いました、そのあと、5回の途中でピッチャーとして降板しました」とすることもできます。
こうすると、英語の語順のままなのに、日本語としても自然に聞こえるのではないでしょうか。

転換トレーニングでは、beforeをand thenで言い換えてみましたが、文の内容が同じであることに気づいたでしょうか?
つまり、この場合のbeforeはand then「そしてそれから、そのあとで」という意味なのです。ですから、beforeを「そのあと(で)」のように訳すと自然に聞こえます。

2つの出来事がA→Bの順に起きた場合、英語ではA before B「AがBの前に起きた」と言うことがありますが、日本語としては「AのあとでBが起きた」と言うのが自然であるためです。どちらも発生した順に言っているので、意味は同じです。英語のbeforeと日本語の「あとで」は意味が逆のはずですが、このケースでは同じになります。

将来、翻訳家や通訳者を目指す方も、「逆転させて訳す」テクニックを覚えておくと役に立つと思います。

beforeを「あとで」のように理解できる他の例文:
They'll test the change at about 100 stores from April 18 before expanding it to shops nationwide in the summer.
「彼らはその変化を試す予定です、およそ100店舗で4月18日から、そのあとでそれを拡大します、全国の店舗へこの夏に」(4月8日の放送内容より)

※番組やホームページで題材にする英語ニュースは、放送から一定期間が経過したニュースです。そのため、現在は状況や事実関係が異なっている場合があります。

一覧にもどる

NHKゴガク

このページのトップへ

語学をもっと学びたい !(クリックするとNHKサイトを離れます)
音声ダウンロード販売
語学DVD・キャラクターグッズ
月刊語学CD
ゴガクル
NHK語学テキスト