Large breeding colonies of Argentine ants have been found at Osaka Airport in western Japan.再生解説 - 訳
- アルゼンチンアリの大型の繁殖コロニー(巣)が見つかっています、西日本の大阪空港で。
- 解説
- breeding colonyは、文字どおり訳すと「繁殖コロニー」です。breedは「繁殖させる」「繁殖する」で、ペットや家畜などを繁殖させて飼育・販売する人ならbreeder「ブリーダー」と呼ばれます。colonyは「植民地」ですが、生物学の用語としては、同じ生物が共生する「集団、コロニー」です。より具体的に、アリなどの社会性昆虫の場合は「巣」を意味します。「大型の繁殖コロニー(巣)が見つかった」とはつまり、大量繁殖していることを示しています。
antは「アリ」で、Argentine antは「アルゼンチンアリ」という種類のアリです。Argentineは形容詞で、国の「アルゼンチン」ならArgentinaとなります。
Osaka Airportの正式名称は、Osaka International Airportです。かつては国際空港でしたが、現在は国内線のハブ空港として運用されています。この空港は「伊丹空港」の通称でも知られています。
閉じる The insects native to South America are designated as an invasive alien species here in Japan. 再生解説 - 訳
- 南米原産のこの昆虫は、特定外来生物と指定されています、ここ日本では。
- 解説
- nativeは「生まれつきの、土着の」という形容詞です。生物に関する話題なので、ここでのnative to ...は「~原産である」で、the insects「この昆虫(アルゼンチンアリ)」を修飾しています。
South Americaは「南米」で、North America「北米」と対を成します。
be designated as ...は「~と指定された」です。
invasive alien speciesには「特定外来生物」(IAS)という定訳があります。invasiveは「侵略的な」、alienは「外来の、性質の異なる」、speciesは「(生物としての)種」です。
閉じる One expert has warned they could interfere with vital airport equipment.再生解説 - 訳
- ある専門家は警告しています、それらが極めて重要な空港の設備に支障を来す可能性があると。
- 解説
- has warned (that) ...は「~ということを警告している」ですが、本文ではthatが省略されています。
ここでのcouldは「~する可能性がある」という意味です。
interfere with ...は「~に支障を来す、~を妨害する」です。
vitalには「極めて重要な、不可欠の」という意味があります。
equipmentは「設備、備品、機材」で、集合的に数えられない名詞として扱います。「(企業の)設備投資」なら、equipment investmentやinvestment in equipmentのように言えます。
閉じるOfficials of the airport operator and Itami City say they found numerous colonies last week when they inspected over 10 hectares of the facility's grounds.再生解説 - 訳
- その空港運営会社と伊丹市の職員は述べています、彼らは先週、多数の巣(コロニー)を発見したと、10ヘクタールを超える施設の敷地を調査したときに。
- 解説
- ここでのofficialは「職員」です。
operatorは「経営者、運営者」で、ここでは「運営会社」です。
Itami Cityは、この空港がある兵庫県「伊丹市」です。なお、伊丹空港の敷地は大阪府の豊中市と池田市にもまたがっています。
numerousは「多数の」ですが、たいていは「数えきれないくらいの」というニュアンスを伴います。Numerous stars were visible in the sky that night.「その夜は空に数えきれないくらいの星が見えた」のように使います。
inspectは「調査する」です。
hectareは面積の単位「ヘクタール」で、1ヘクタールは1万平方メートルです。
本文ではgroundsと複数形になっていますが、数えられる名詞としてのgroundは「(特定の用途のための)用地、敷地」という意味です。一方、数えられない名詞としてのgroundは「地面、土地」として使われます。
閉じる They say each colony could comprise tens of thousands of ants. The insects are believed to have been breeding for several years.再生解説 - 訳
- 彼らによれば、それぞれの巣(コロニー)は構成されている可能性があります、数万匹のアリで。この昆虫は考えられています、数年にわたって繁殖してきたと。
- 解説
- compriseは「~で構成される、~から成る」という意味で、すぐ後ろに目的語をとります。例えば、「サッカーチームは11人の選手から成ります」なら、A soccer team comprises 11 players.のように表せます。
tens of thousandsは、1,000が数十あるわけですから、「数万」に相当します。
(be) believed to ...は「~と考えられる、~と思われる」です。
閉じるThe expert says reproduction of non-native ants in large numbers should be taken seriously, especially at places like airports, where safety is the top priority.再生解説 - 訳
- その専門家は述べています、外来種のアリの大量繁殖は、深刻に受け止められるべきだと、特に空港のような安全が最優先事項である場所では。
- 解説
- reproductionは「繁殖」で、breedingを言い換えたものといえます。
non-nativeは「土着でない、原産でない」ことから「外来(種)の」を意味し、前に出てきたalienと同義です。
in large numbersは「大量に」です。
take ... seriouslyは「~を深刻、真剣に受け止める、~を重要視する」です。ここでは、be taken seriouslyと受身形になっています。
top priorityは「最優先事項」です。priorityは「優先事項、優先順位」で、その中でも最も上位に来るものがtop priorityです。
閉じる(Goka Kouichi / National Institute for Environmental Studies)
“These ants have a tendency to get inside electronic equipment and cabling. When that happens, they can cause problems with air traffic control equipment.”再生解説 - 訳
- 「これらのアリには傾向があります、電子機器や配線に入り込む。それが発生すると、アリは問題を引き起こすことがあります、航空交通管制機器に。」
- 解説
- 国立環境研究所生態リスク評価・対策研究室の五箇公一室長の言葉を英訳したものです。
tendencyは「傾向」で、have a tendency to ...は「~する傾向がある、~しがちである」です。
get inside ...は「~に入り込む、~の中に入る」です。ここではelectronic equipment「電子機器」やcabling「配線」に入り込む傾向があると述べています。
air traffic controlは「航空(交通)管制」で、航空機の安全な運行を図るために地上から航空交通の指示や情報を航空機に与える業務です。
閉じるThe airport operator plans to conduct a full-scale inspection and exterminate the pests.再生解説 - 訳
- その空港運営会社は計画しています、全面的な調査を実施して、この害虫を駆除することを。
- 解説
- conductは「実施する、行う」です。空港の運営会社は、full-scale inspection「全面的な調査」を実施する予定です。
exterminateは「絶滅させる、根絶やしにする」という強い言葉ですが、ここでは昆虫を「駆除する」ことをこのように表しています。
the pests「この有害生物」は、大阪空港で繁殖しているアルゼンチンアリを指しています。pestには他にも「やっかい者、嫌なやつ」という意味があります。
閉じる
西日本にある大阪空港で、アルゼンチンアリの大型の巣が複数確認されました。南米原産のアルゼンチンアリは、日本では特定外来生物に指定されていて、専門家は「空港の重要な設備に支障を来す可能性がある」と警告しています。
空港の運営会社と伊丹市によりますと、先週、空港の10ヘクタール余りの敷地で調査を行ったところ、数万を超える個体がいるとされる巣が多数確認され、すでに数年にわたって繁殖していると見られるということです。
国立環境研究所生態リスク評価・対策研究室の五箇公一室長は、外来種のアリの大量繁殖は、空港のような安全性が最優先される場所では特に深刻に受け止めなければならないと指摘したうえで、「アリには電子機器やケーブルに入り込むという習性があるため、そういった事態が起こると、航空管制機器に問題を引き起こすおそれがある」と話しています。
空港の運営会社では今後、全面的な調査と駆除を行う予定です。