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2022年4月21日(木)の放送内容

成人年齢 18歳に引き下げ

JAPAN LOWERS LEGAL AGE OF ADULTHOOD TO 18

2022年4月1日のニュース

「らじる★らじる」で放送を聞く

Japan is welcoming 18- and 19-year-olds into adulthood, lowering the legal age of majority for the first time in more than a century. But don't raise your glass just yet.再生解説
日本は、18歳と19歳の人たちを大人として迎え入れつつあります、法的な成人年齢を引き下げて、100年以上の中で初めて。でもまだ(お酒で)乾杯してはいけません。
解説
民法の改正により、4月1日から成人年齢が18歳に引き下げられました。成人年齢は明治9年(1876年)に20歳と定められて以来、約140年ぶりの改正となりました。
welcomeは、動詞で「歓迎する、迎え入れる、喜んで受け入れる」です。成人年齢が引き下げられたその日の報道なので、Japan is welcoming「日本社会は(今まさに)迎え入れつつある」と臨場感を強調した言い方になっています。
X years oldは「X歳」ですが、X-year-oldとハイフンでつなぐと形容詞で「X歳の」、あるいは名詞で「X歳の人」になります。ここでは、X-year-oldsとハイフンでつないだ複数形で、「X歳の人たち」です。
adulthoodは「大人であること、成人期」です。反対に、childhoodなら「子ども時代、幼少期」です。
ここでのlowerは「引き下げる」という動詞です。反対に「引き上げる」というときはupperとは言わず、raiseやliftで表せます。
majorityには「大多数」などの意味もありますが、ここではage of majorityという法律用語で、法的に大人となる年齢、つまり「成人年齢」です。法律用語は一般の方には分かりにくいため、legal「法律上の、法的なものである」という説明が加えられています。
raise a/one's glassは「グラスを掲げる、乾杯する」という表現です。乾杯するときの声がけとして、後ろに人の名前や乾杯する目的を続けて、please raise a/one's glass to ...「~にグラスを掲げてください、~に乾杯しましょう」のように使います。本文のBut don't raise your glass just yet.は「でも今すぐにはグラスを掲げてはいけません(まだお酒で乾杯してはいけません)」で、raise your glassを「お酒を飲む」の比喩表現として使い、「お酒を飲むのはまだ早い」と述べています。ニュースの冒頭なので、続く内容に視聴者の興味を引きつけるような言い回しをしています。ここでのyourは18歳と19歳の人たちに向けて言っています。just yetは、否定文の後に用いて、「今すぐには~ない」です。
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The teens will still have to wait until they're 20 to drink, smoke, or gamble.再生解説
その10代の人たちは、依然として20歳になるまで待たなければなりません、飲酒や喫煙、ギャンブルをするためには。
解説
the teens「その10代の人たち」は、ここでは18- and 19-year-olds「18歳と19歳の人たち」の言い換えです。
will have to ...は「~しなければならないことになる」で、未来の義務を表します。
drinkは、動詞で「飲む」ですが、ここでは「飲酒する」という意味です。この意味の違いは文脈から判断します。
ここでのsmokeは、動詞で「喫煙する」です。「煙を出す、いぶす」という意味もあります。名詞としては「煙」です。
gambleは、動詞で「賭博をする」ですが、ここでは「公営ギャンブル(競馬、競輪、競艇、オートレース)をする」として用いられています。
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But the revised Civil Code will let them make many adult decisions without their parents. That includes getting a credit card or taking out a loan.再生解説
しかし改正された民法は、彼ら(18歳と19歳の人たち)が多くの大人としての決定をすることを認めます、親(の同意)なしで。それは含みます、クレジットカードを入手することやローンを組むことを。
解説
reviseは「改正する、改訂する、見直す」で、revisedは「改正された」です。the revised Civil Codeは「改正民法」です。
let A ...は「Aに~させる、Aが~することを容認する、許可する」です。本文でAにあたるのはthemで、前のセンテンスのthe teensを受けています。
make a decisionは「決定を下す、決断する」で、make adult decisionsは「成人として意思決定をする」です。「大人としてふさわしい(責任が伴う)決定をする」という意味で用いられることもあります。
take out a loanは「ローンを組む、ローンの契約を行う」という表現です。
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The change has some people worried that fraudsters will use this opportunity to prey on young victims.再生解説
その変更は一部の人々を心配にさせています、詐欺師たちがこの機会を使って若い被害者たちを食い物にするだろうと。
解説
have A worriedは、Aをworried(心配させられた状態)にする、つまり「(人に)気をもませている、心配させている」です。本文でAにあたるのはsome peopleです。
fraudsterは「詐欺師」です。fraudやswindlerとも言います。
opportunityは「機会」です。chanceとも言います。use this opportunityは「これを機会に」とすると自然な訳になります。
prey on ...は「食い物にする、餌食にする」です。
victimは、ここでは詐欺の「被害者」を指しています。
18歳と19歳は、これまで親などの同意が必要だったスマートフォンやローン、それにクレジットカードなどのさまざまな契約が自分だけでできるようになりました。政府は、消費者被害のターゲットにならないよう注意を呼びかけています。
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(University Student)
“I realized yesterday that I was coming of age today. But I don't feel like I've become an adult at all.”再生解説
「私は昨日気付きました、今日成人することを。でも私が大人になったようには感じません、まったく。」
解説
新たに成人となった18歳の大学生のコメントを英訳したものです。
realizeは「気付く、悟る」です。「実現する」という意味もあります。
come of ageは「成年に達する」です。「十分に成長する、(芸術や技術、スポーツなどの分野が)成熟する」として使われることもあります。ちなみに、coming-of-age ceremonyなら「成人式」、coming-of-age story/taleなら「成長物語、一人前になっていく物語」です。
feel like ...は「~のような気がする、~のように感じる」です。
at allは、否定文に続いて「少しも~ない」を表します。
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Japan is grappling with an aging society, declining birth rate, and shortage of workers.再生解説
日本は取り組んでいます、高齢化社会、低下している出生率、そして労働者の不足に。
解説
grapple with ...は「(問題を解決するために)取り組む、~と格闘する」です。似た意味の表現に、struggle with ...があります。
動詞ageは「老いる、年をとる」で、形容詞的にagingとして使うと「年老いた、高齢化の進む」を意味します。aging societyは、ここでは「高齢化(しつつある)社会」を広く指しています。
declineは「低下する、減少する」、birth rateは「出生率」です。declining birth rateは「低下している出生率、出生率の低下」です。
shortageは「不足」です。
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The government hopes that lowering the legal age of adulthood will encourage teens to take a more active role in society.再生解説
政府は期待しています、法的に大人となる年齢を引き下げることは、10代の若者を促すだろう、社会でより積極的な役割を担うように。
解説
age of adulthoodは「大人となる年齢」です。最初のセンテンスに出てきたage of majorityが、法的な「成人年齢、成年」であるのに対して、age of adulthoodは法的な意味とはかぎりません。adulthoodは一般的な「大人」という意味で、体格や知能が発達した人というニュアンスがあります。
encourage A to ...は「Aが~するようにしむける、奨励する、勧める」です。
ここでのteensは、文脈から「若い人たち」と意訳できます。teenはteenagerと同じ意味です。teenagerは語尾にteenが付く年齢の人で、厳密にはthirteenからnineteen(13歳から19歳)までの人を指します。
take a roleは「役割を担う、役割を果たす」です。
成人年齢引き下げの背景には、少子高齢化が進み、働く人が減ってきているという現状があり、若者にこれまでより早く社会参加してもらって社会に活力を与えたいというねらいもあります。
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日本では、この100年余りで初めて法的な成人年齢が引き下げられ、18歳と19歳も大人に仲間入りしました。しかし、10代はまだ(お酒で)乾杯はできません。
成人年齢が引き下げられても、飲酒や喫煙、公営ギャンブルは、これまでどおり20歳未満は禁止とする一方、改正された民法では、親などの同意なしにクレジットカードやローンの契約を行うなど、18歳から大人として多くの決定をすることが可能になります。
こうした変更に、若者たちが詐欺の被害に遭うことを心配する人もいます。
新たに成人となった18歳の大学生は、「今日成人になると昨日気付いたのですが、大人になった実感はまったくありません」と話していました。
日本は高齢化社会と出生率の低下、それに労働力不足への対処を迫られていて、政府は、成人年齢の引き下げにより、10代の若者たちが社会でより積極的な役割を担うようになることを期待しています。
講師 伊藤サムの写真
Back-Translation Training

今回学んだ英文を使って、日本語訳からもとの英語に訳す「反訳トレーニング」です。英語の発想に基づいた語順を身につけましょう。

法的に大人となる年齢を引き下げることは、10代の若者を促すだろう、社会でより積極的な役割を担うように。
Lowering the legal age of adulthood will encourage teens to take a more active role in society.

  1. 法的に大人となる年齢を引き下げることは
    Lowering the legal age of adulthood
  2. 10代の若者を促すだろう
    will encourage teens
  3. 社会でより積極的な役割を担うように
    to take a more active role in society.


●Transformation Training
応用編: 反訳トレーニングで取り上げた英文の一部を別の表現に変えてみる「転換トレーニング」です。

lower「引き下げる」をraise「引き上げる」に、will「だろう」をmay「かもしれない」に、teen「若者」をolder adult「高齢者」に変えています。

法的に大人になる年齢を引き上げることは、高齢者を促すかもしれない、社会でより積極的な役割を担うように。
Raising the legal age of adulthood may encourage older adults to take a more active role in society.

※練習用の例文で、事実とは異なります
Today's Takeaway

現代英語を学ぶうえで役に立つ豆知識を取り上げます!

★「10代の若者」がteenagerとはかぎらない

英単語には、日本語でぴったり対応する訳語がないものがたくさんあります。その1つが、今回登場するteen、あるいはその元となっている単語teenagerです。
teenやteenagerは、そのまま「ティーン、ティーンエージャー」として日本語でも使われますが、よく「10代の人」や「10代の若者」と訳されます。ただし、これらは便宜的な訳語であり、厳密に言えば不正確です。teenagerは全て「10代の若者」ですが、「10代の若者」全てがteenagerではないからです。

teenやteenagerは語尾にteenが付く年齢の人で、正確な意味としてはthirteen、fourteen、fifteen、sixteen、seventeen、eighteen、nineteen(13歳から19歳までの人)のみを指します。
10代であっても、年齢がten、eleven、twelve(10歳から12歳までの人)は、teen/teenagerではありません! この年齢層は、preteenやtweenなどと呼ばれます。

現代のようなteenagerの概念は、1920年代にアメリカで生まれたとされます。high school「高等学校」に進学する若者が増え、この年齢層の人たちが独自の文化を作り出すようになったため、childとadultの間にteenagerという区分が出現したようです。

teen/teenagerは英語における数字の数え方がもとになった名詞なので、日本語にはぴったり対応する名詞がありません。ちなみに、-teenは「ten多い」という意味で、たとえばseventeenはsevenよりもten多い、つまり「17」です。

teen/teenagerについては、「年齢にteenが付く人」という言葉の意味を常に意識しながら使うのがいいと思いますが、場合によっては、年齢を指すというよりも、あいまいに「思春期の少年少女」といった意味で使われることもあります。

※番組やホームページで題材にする英語ニュースは、放送から一定期間が経過したニュースです。そのため、現在は状況や事実関係が異なっている場合があります。

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