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2022年4月19日(火)の放送内容

最も遠い129億光年離れた星を発見

ASTRONOMERS SPOT MOST DISTANT STAR EVER OBSERVED

2022年4月4日のニュース

「らじる★らじる」で放送を聞く

International researchers say they've found the most distant star ever observed, a whopping 12.9 billion light-years from Earth.再生解説
国際(チームの)研究者たちは述べています、これまでに観測された中で最も遠い星を見つけた、(それは)なんと地球から129億光年であると。
解説
ここでのeverは「これまでで」という意味です。形容詞の最上級とeverをハイフンでつないで、「史上~」という1つの形容詞を作ることもできます。例えばbest-everなら「史上最高の」、strongest-everなら「史上最強の」です。
形容詞whoppingは「途方もない、非常に大きい」で、ブワッという破裂音を表す言葉でもあります。ちなみに、名詞のwhopperなら「とてつもなく大きいもの」で、どちらも口語的な表現です。
light-yearは「光年」で、主に天文学で用いられる長さ・距離を表す単位です。1光年は光が1年間に進む距離で、キロに換算するとおよそ9兆4,600億キロです。
12.9 billion light-yearsは複数形ですが、単数の名詞に付ける冠詞のaが付いています。これは形容詞(本文ではwhopping)に続く数詞(本文では12.9 billion)+複数名詞(本文ではlight-years)にはa/anを付けるからです。
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The team includes astronomers from Japan's Chiba University. It used the Hubble Space Telescope to spot the celestial object.再生解説
研究チームは含みます、日本の千葉大学の天文学者たちを。チームはハッブル宇宙望遠鏡を使って、その天体を発見しました。
解説
astronomerは「天文学者」です。astro-には「星、天体」の意味があり、astrology「占星術」やastronaut「宇宙飛行士」という単語にも見られます。
ここでのspotは「見つける」という動詞で、通常は発見が困難な対象を見つけたり、人や物を不意に見つけたりする場合に使います。
celestialは「天の、天空の」で、celestial objectは「天体」です。反対は、terrestrial「地上の、陸上の」と言います。
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The star, nicknamed “Earendel,” is estimated to be at least 50 times the mass of the sun.再生解説
その星は「エアレンデル」の愛称が付けられていて、質量が少なくとも太陽の50倍あると推定されます。
解説
(be) estimated to ...は「~と推定される」です。例えば、The damage is estimated to be around 2 million yen.「その損害はおよそ200万円と推定される」のように使います。
「~のX倍」は、timesを使って表せます。本文の50 times the mass of the sunは「太陽の質量の50倍」ですし、他にもthree times the age of ...なら「~の3倍の年齢」です。なお、「2倍」という場合はtwo timesでも表せますが、twiceを使って、twice the size of ...「~の2倍の大きさ」のように言うこともできます。
earendelは古英語でmorning star「明けの明星」、rising light「昇りくる光」を意味する言葉です。ちなみにイギリスの作家J.R.R.トールキンが書いた小説の登場人物で、The Lord of the Rings『指輪物語』でも言及されるエアレンディルの名前は、古英語で書かれた詩に出てくるearendelからとったものです。
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The researchers say it's about 4 billion light-years farther than the previous record for an observed distant star.再生解説
研究者たちは述べています、それはおよそ40億光年もさらに遠いと、観測された遠い星の以前の記録よりも。
解説
fartherは、far「遠い」の比較級で「さらに遠い」です。
light-yearsを比喩的に使った慣用表現(be) light-years ahead of ...は「~よりはるかに進んでいる、~のはるか先を行く」という意味です。
record for ...は「~の記録」で、(the) record for an observed distant starは「観測された星の最遠記録」ということです。他にも例えば、野球のthe record for the most hitsなら「最多安打記録」です。
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They were able to detect the star due to a phenomenon called gravitational lensing, which made the star appear brighter.再生解説
彼らがその星を見つけることができたのは、重力レンズと呼ばれる現象のためで、その現象がその星を(実際より)明るく見せました。
解説
ここでのdetectは「見つける」で、前のセンテンスに出てきたspotと同じ意味で使われています。
due to ...は「~のため」で、理由や原因を表します。
gravitationalは「重力の」で、gravity「重力」の形容詞です。
gravitational lensing「重力レンズ」とは、巨大な重力により光の経路がゆがめられ、遠方の天体からの光が増幅されるなど、重力がまるでレンズのような役割を果たすphenomenon「現象」のことです。
makeに動詞の原形を続けて「~させる」を表せます。make the star appear brighterは「その星をより明るく見えさせる」です。
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Light from the star traveled 12.9 billion years before reaching Earth, meaning it existed about 900 million years after the Big Bang gave birth to the universe.再生解説
その星からの光は129億年旅して地球に到達しました、つまりその星は、およそ9億年後に存在したことになります、ビッグバンが宇宙を誕生させてから。
解説
100 millionは「1億」、1billionは「10億」です。
the Big Bang「ビッグバン」は、138億年前、宇宙の始めに起こったといわれる大爆発のことです。
give birth to ...は「~を生む、~を生み出す、~を誕生させる」という表現です。
今回ハッブル望遠鏡を使って発見された星の光が、地球に到達するまで129億年かけて旅してきたものであるとするなら、その光を発した星は宇宙が誕生して9億年後にはすでに存在していたことになります。
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Astronomers say the discovery opens a new window into the dawn of the cosmos.再生解説
天文学者らは述べています、この発見が宇宙の始まりを知るための新たな窓を開くと。
解説
ここでは、window「窓」が比喩的に使われています。a window into ...(またはa window on ...)は「~を見る手立て、~について知る方法」という表現です。
dawnは「夜明け」ですが、そこから「幕開け、(物事の)始まり」としても使われます。
研究グループに参加した千葉大学の大栗真宗教授は「新しい宇宙望遠鏡でこの星の元素や温度を調べ、初期の宇宙でどのように星がつくられるのか明らかにしたい」と話していました。
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国際研究グループは、これまで観測された中で最も遠い、地球から129億光年離れた星を発見したと公表しました。
日本の千葉大学の天文学者を含む研究チームは、ハッブル宇宙望遠鏡を使って、この星を発見しました。
この星は「エアレンデル」という愛称で呼ばれ、質量は少なくとも太陽の50倍はあると推定されています。研究者によれば、これまで最も遠くで観測された星よりもさらにおよそ40億光年離れているということです。
研究グループは、(重力がレンズのような役割を果たす)重力レンズと呼ばれる現象によって明るさが増幅されたことで、星の観測ができたとしています。この星から発せられた光は129億年後に地球に到達したもので、ビッグバンによって宇宙が誕生しておよそ9億年後にはすでに存在していたことを意味します。
天文学者は、この発見が宇宙の始まりについて知る新たな手がかりになると話しています。
講師 米山明日香の写真
Listening Point
★主語を聞き分ける方法

The star, nicknamed “Earendel,” is estimated to be at least 50 times the mass of the sun.

ここではis estimatedという動詞の前で“Earendel,↗”と少しイントネーションが上がっている点に注目してみましょう。

ニュース英語では、聞き手に分かりやすく情報を伝えるため、動詞の前で区切りを入れたり、今回取り上げているセンテンスのように動詞の前にある単語のイントネーションを軽く上げて読んだりすることがあります。こうすることによって、主語を際立たせる効果があります。

例: Sasaki Roki, who is just 20 years old↗, threw the 16th perfect game in NPB history.
  「弱冠20歳の佐々木朗希選手は、NPB(日本野球機構)の歴史で16人目となる完全試合を達成しました」

自分で音読する際にも、動詞の前で区切ったり、動詞の前の単語のイントネーションを上げたりすると、主語が明確になり、意味が伝わりやすくなります。
Today's Takeaway

現代英語を学ぶうえで役に立つ豆知識を取り上げます!

★大きな数字を攻略する方法

今回のニュースには、大きな数字が出てきて戸惑った方も多いのではないでしょうか。

Light from the star traveled 12.9 billion years before reaching Earth, meaning it existed about 900 million years after the Big Bang gave birth to the universe.
下線部の数字を素早く理解できるようにするのが、今回の課題です。

どう攻略するかというと、まずmillionとbillionの意味を覚えます。
millionは100万で、billionは10億です。加えて、100 millionで1億と覚えておくと便利です。さらに、billionは10億なので、1億は0.1 billionとなります。

       1,000,000=100万=million
   100,000,000=1億=100 million、0.1 billion
1,000,000,000=10億=billion

したがって、12.9 billionと言われたら、0.1 billionの129倍なので129億となり、900 millionと言われたら、100 millionで1億なので9億になります。

※番組やホームページで題材にする英語ニュースは、放送から一定期間が経過したニュースです。そのため、現在は状況や事実関係が異なっている場合があります。

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