We start with the invasion of Ukraine. President Volodymyr Zelenskyy has asked Japanese lawmakers to support his nation as it resists Russian aggression.再生解説 - 訳
- ウクライナ侵攻のニュースから始めます。ボロディミル・ゼレンスキー大統領が日本の国会議員たちに要請しました、彼の国(ウクライナ)を支援するようにと、それ(ウクライナ)がロシアによる侵略に抵抗する中。
- 解説
- start with ...は「~から始める」です。ここでは、この時間に扱う最初の話題がウクライナ侵攻に関するニュースであることを伝えています。
his nation「彼(ゼレンスキー大統領)の国」は、つまりウクライナを指しています。
lawmakerはlaw(法律)をmaker(作る人)で、「立法者」です。日本では国会が国の法律を作る唯一の立法機関なので「国会議員」を指しています。ウクライナのゼレンスキー大統領は3月23日、日本の国会議員に向けオンライン形式の演説を行いました。
ここでのasは「~する中(で)、~という状況で」という意味です。
aggressionは「(挑発によるものではない、正当な理由のない)攻撃」で、ここでは「(他国への)侵略」を意味しています。「軍事侵攻」を指す一般的な言葉に1文目に出てくるinvasionがありますが、特にその行為が不当なものだったり、いわれのない「侵略行為」であると相手を非難したりするときにはaggressionが使われます。
閉じるHe's called on Japan to introduce a trade embargo on all Russian goods.再生解説 - 訳
- 彼は日本に要請しました、貿易の禁止を導入するように、全てのロシア物品において。
- 解説
- call on A to …は「Aに対し~するように要請する、求める」という表現です。
trade embargoは特定の国や地域との「貿易の禁止、禁輸」で、全面的な貿易の禁止にも、arms embargo「武器の禁輸」といった特定の分野の通商の禁止にも使います。
ゼレンスキー大統領は演説の中で、ウクライナの惨状を訴えたうえで、「侵略の“津波”を止めるためにロシアとの貿易を禁止し、ロシア市場から企業を撤退させなければならない」と述べ、ロシアに対する制裁の継続を呼びかけました。
閉じる(Volodymyr Zelenskyy / Ukrainian President)
“You were the first in Asia who really began to put pressure on Russia to restore peace, who supported sanctions against Russia. I urge you to keep doing this.”再生解説 - 訳
- 「皆さんがアジアで初めてでした、平和を取り戻すためロシアに本気で圧力をかけ始めたのは、ロシアへの制裁を支持したのは。私は皆さんにぜひお願いしたい、これを継続してくれるように。」
- 解説
- ゼレンスキー大統領の演説の一節を英訳したものです。大統領は「日本がアジアで初めてロシアに圧力をかけてくれた」と日本の対応を評価したうえで、制裁を継続するよう呼びかけました。
ここでのrestoreは「取り戻す、元の状態に戻す」という意味です。「(美術品などを)修復する」や「(人を健康な状態に)戻す」として使われることもあります。
urgeは「強く勧める、要請する、迫る、催促する」といったニュアンスの言葉で、urge A to ...は「Aに~するよう(強く)促す」です。
閉じるHe also called for urgent support to end the deadly fighting.再生解説 - 訳
- 彼はまた緊急の支援を訴えました、この命に関わる戦いを終わらせるために。
- 解説
- call for ...は「~を要請する、要求する」です。
ここでのdeadlyは「命に関わる、致命的な、非常に危険な」といった意味です。ある状態を強調して「全く、とても、ひどく」といった意味で使われることもあります。
閉じるZelenskyy mentioned an issue his country shares with Japan: keeping its crippled nuclear plant stable.再生解説 - 訳
- ゼレンスキー大統領はある問題に言及しました、彼の国が日本と共有する問題、つまり(それぞれの)損傷した原子力発電所を安定した状態に保つことです。
- 解説
- mention ...は「~に言及する、~について話す、~を話題にする」です。
ここでのissueは「問題(点)、論点、争点」などの意味です。
his country shares with Japanの部分は、この前にthatが省略されていて、an issue「ある問題」が「彼の国が日本と共有する」ものであると説明しています。
shareは「共有する、共同で使う、分け合う、分担する」です。
コロン(:)は「つまり、すなわち」という意味を表す記号なので、: keeping its crippled以下のフレーズは、その前のan issue his country shares with Japanが何であるかを説明しています。原発事故を経験している日本を意識してウクライナの原発が攻撃を受けたことに触れ、keeping its crippled nuclear plant stable「損傷した原子力発電所を安定した状態に保つこと」が共通の問題だと述べたとみられます。
nuclear plantは、nuclear power plant「原子力発電所、原発」のことで、its crippled nuclear plantは、ここでは1986年に原発事故を起こしたウクライナにあるチョルノービリ(ロシア語でチェルノブイリ)原子力発電所と、日本の福島第一原発を示しています。
なお、この演説が行われた時点では、チョルノービリ原子力発電所は戦闘の末、ロシア軍に占拠されていましたが、3月31日になって部隊の大半が撤退しました。
閉じる(Volodymyr Zelenskyy / Ukrainian President)
“Russian forces have attacked and taken control of the Chernobyl nuclear power plant. They damaged the plant's safety systems and created a hazardous situation for the entire world.”再生解説 - 訳
- 「ロシア軍は攻撃しました、そしてチェルノブイリ(チョルノービリ)原子力発電所の支配権を握りました。彼らはその原発の安全システムに損傷を与え、危険な状況を引き起こしました、全世界にとって。」
- 解説
- ゼレンスキー大統領の演説の一節を英訳したものです。
ここでのattack「攻撃する」とtake control「支配権を握る」はどちらも、続くthe Chernobyl nuclear power plant「チェルノブイリ(チョルノービリ)原子力発電所」にかかっています。
ウクライナの地名などについて、日本では一部にロシア語に由来するものを用いてきましたが、このニュースのあと、原則としてウクライナ語に沿った呼称に改めることが決まりました。Chernobyl「チェルノブイリ」もロシア語の表記で、今後はChornobyl「チョルノービリ」が使われることになります。
ここでのcreateは「(事態や騒動などを)引き起こす」という意味で使われています。
hazardousは「危険な、有害な」です。
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最初はウクライナ侵攻のニュースです。ボロディミル・ゼレンスキー大統領が日本の国会議員に対し、ロシアの侵略に抵抗するウクライナを支援するよう要請し、日本がロシアとの全ての貿易を禁止するよう求めました。
演説の中でゼレンスキー大統領は、「日本はアジアで初めて、平和を取り戻すため、本気でロシアに圧力をかけ、ロシアに対する制裁を支持してくれました。どうかこれを続けてくださるようお願いします」と述べました。
そのうえで、多数の人々が犠牲になっているこの戦闘を終わらせるための緊急支援を求めました。
ゼレンスキー大統領はさらに、損傷した原子力発電所を安定した状態に保つという、ウクライナと日本に共通の問題に触れ、「ロシア軍はチョルノービリ(ロシア語でチェルノブイリ)原子力発電所を攻撃し、占拠しました。ロシア軍は原発の安全システムに損傷を与え、全世界を危険な状況に陥れたのです」と訴えました。