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2022年4月5日(火)の放送内容

建築家の坂茂さん ウクライナ避難民を支援

JAPANESE ARCHITECT USES HIS TALENTS TO HELP UKRAINIANS

2022年3月19日のニュース

「らじる★らじる」で放送を聞く

Renowned Japanese architect Ban Shigeru is working to improve the lives of displaced Ukrainians.再生解説
著名な日本人建築家の坂茂さんが活動しています、ウクライナの避難民の生活を改善するために。
解説
renownedは「著名な、有名な」という意味の形容詞です。A is renowned for Bと言えば「AはB(その人物の作品や功績など)で有名だ、よく知られている」です。
displacedは「(特に戦争や災害などで)家や居住地から追い立てられた、移動させられた」という意味の形容詞で、displaced Ukrainiansは、ロシアによる軍事侵攻から逃れたウクライナの避難民を表しています。なお、displaced workerと言えば「(会社の倒産やリストラなどで)仕事を失った人、失業者」として使われます。
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Many are stuck in crowded shelters, but he's found a way to give them some much-needed privacy with one of his signature materials: paper.再生解説
多くの人が混雑した避難所での生活を余儀なくされています、しかし彼(坂さん)は見つけました、とても必要とされるプライバシーを彼らに与える方法を、彼のトレードマークである素材のひとつの紙を使って。
解説
stuckは、ある場所や困った状況から「動けない、逃れられない」という意味です。
much-neededは「とても必要とされる、大いに必要とされる」という表現です。日本でも、多くの人々が緊急時や災害時などに共同での生活を余儀なくされる避難所では、privacy「プライバシー」の確保が重要な課題となっています。
名詞としてのsignatureは「署名」ですが、形容詞としては「特徴的な、代表的な、トレードマークの」という意味で、the prime minister's signature economic policy「首相のトレードマーク的な経済政策」のように使えます。
坂茂さんは2014年に「建築界のノーベル賞」とも呼ばれるプリツカー賞を受賞した世界的な建築家で、紙(紙管)を素材に使った建築で知られています。
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Ban recently traveled to Poland, which has received nearly 2 million Ukrainians. He worked with local architects and university students during a four-day stay to install about 400 partitions.再生解説
坂さんは最近、ポーランドを訪れましたが、この国は受け入れています、200万人近くのウクライナ人を。彼は現地の建築家や大学生たちと協力し、4日間の滞在の間に、およそ400セットの間仕切りを設置しました。
解説
nearly 2 million「200万人近く」はこのニュースが報道されたときの人数で、その後も急激に増加しています。UNHCR=国連難民高等弁務官事務所のまとめによりますと、ロシアによる軍事侵攻を受けてウクライナから国外に避難した人の数は3月28日の時点で390万人を超え、このうちポーランドでおよそ231万人となっています。
ここでのlocalは「その土地(地域)の、現地の」という意味なので、「ポーランドの」ということです。
partitionは「間仕切り」です。
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Cardboard tubes serve as pillars and beams. Private spaces are created with fabric walls.再生解説
ボール紙の管が柱や梁(はり)の役割を果たします。プライベート空間は、布の壁で作られています。
解説
cardboardは「ボール紙、厚紙」、cardboard tubeは「ボール紙でできた筒・管(紙管)」です。坂さんは、リサイクル可能な紙管を使った建築物を手がけています。
serve as ...は「~の役割を果たす、~として役立つ」という意味です。紙管が間仕切りのpillar「柱」とbeam「梁(はり)」として使われていることを表しています。
fabricは「布」です。
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The architect spoke to NHK about the experience.再生解説
この建築家はNHKに語りました、この体験について。
解説
the architect「この建築家」は坂さんを指しています。英文ニュースなどでは、同じ個人名を何度も繰り返すことを避け、その人の肩書や職業などにtheを付けて言い換えることで、その特定の個人であることを示します。
speak to A about Bは「BについてAに話す」で、ここではNHKのインタビューに応じたことを表しています。
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(Ban Shigeru/ Architect)
“An evacuee entered her personal space and immediately burst into tears. She has had a long and difficult journey. The evacuation has been so hard, she wasn't even able to cry.”再生解説
「1人の避難民が彼女の個人スペースに入り、途端に泣きだしました。彼女は長く困難な旅をしてきました。避難はとてもつらくて、彼女は泣くことさえできなかったのです。」
解説
坂さんの言葉を英訳したものです。
evacueeは「避難民、避難してきた人」です。元になっている動詞は、evacuate「避難する、避難させる」です。-eeは形容詞や名詞、動詞の語尾に付けて「~する人、~の状態にある人」を表し、例としてabsentee(absent+ee)「欠席者、不在者」などがあります。また、動詞の語尾に付けると「~される人」を表し、例としてemployee「雇用される人、従業員」やtrainee「訓練生」などがあります。
burst into ...は「突然~し始める、急に~の状態になる」という表現で、burst into tearsは「急に泣きだす」です。また、burst into laughterと言えば「急に笑いだす」となります。
The evacuation has been so hard, she wasn't even able to cry.の部分は、so ... that ...「とても~なので~である」という構文で、ここではsheの前にthatが省略されています。「避難がとてもつらかったため、彼女は泣くことさえもできなかった」という意味です。
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Ban is well known for helping people in disaster areas, both in Japan and overseas.再生解説
坂さんはよく知られています、被災地の人々の支援活動で、日本でも海外でも。
解説
A is well known for Bは「AはBでよく知られている、有名だ」という表現です。
disaster areaは「被災地、災害に襲われた地域」です。ここでdisaster areasと複数形になっているのは、坂さんがこれまで複数の被災地域で支援活動を行ってきたことを示しています。
坂さんはインタビューの中で、「ひとりひとりが、ウクライナのため自分にできる範囲で行動することが大切だと思う」とも話していました。
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著名な日本人建築家の坂茂さんが、ウクライナから避難した人たちの生活を改善するための活動を行っています。
避難民の多くが混雑した避難所での生活を余儀なくされる中、坂さんは、自身のトレードマークである素材のひとつ、紙を使うことによって、避難民にとって極めて重要なプライバシーを確保する方法を見つけました。
坂さんは最近、200万人近くのウクライナ人を受け入れているポーランドを訪れ、4日間の滞在中に、現地の建築家や大学生と協力しておよそ400セットの間仕切りを設置しました。この間仕切りは、ボール紙の管が柱や梁(はり)の役割を果たし、布の壁でプライベート空間を作るものです。
坂さんはNHKのインタビューに応じ、「ある避難民の女性が間仕切りのあるスペースに入った途端に泣き出してしまったのです。その女性は長く困難な移動を続けてきて、避難生活はとてもつらく、泣くことさえできなかったのでしょう」と、ポーランドでの体験を語りました。
坂さんは、国内外での被災地の支援活動を行ってきたことでよく知られています。
講師 米山明日香の写真
Listening Point
★アメリカ英語とイギリス英語の発音の違いに注意

Many are stuck in crowded shelters, but he's found a way to give them some much-needed privacy with one of his signature materials: paper.
避難民の多くが混雑した避難所での生活を余儀なくされる中、坂さんは、自身のトレードマークである素材のひとつ、紙を使うことによって、避難民にとって極めて重要なプライバシーを確保する方法を見つけました。

privacyが「プバシー」と発音されていて、驚いた方もいるのではないでしょうか?
多くの方はprivacy「プライバシー」と思っていると思います。これはアメリカ英語とイギリス英語の違いです。
アメリカ英語では「プライバシー」と[アィ]という二重母音で一般的には発音しますが、イギリス英語では「プバシー」と[イ]と短母音で発音するのが一般的です。
アメリカ英語とイギリス英語で発音が異なる単語に関しては、その両方を知っておくと、リスニングの際には便利です。

そのほかの例:
tomato
アメリカ英語発音 トメィロウ     イギリス英語発音 トマートウ

schedule
アメリカ英語発音 スジュール     イギリス英語発音 シェジュール
Today's Takeaway

現代英語を学ぶうえで役に立つ豆知識を取り上げます!

★-eeについて

evacueeは、evacuate「(他動詞)避難させる」と「(自動詞)避難する」という動詞の名詞形の1つです。

動詞に-eeという接尾辞、すなわち「語の後ろにつく文字」をつけると、「~される人」「~する人」という意味になります。ですから、evacueeは「避難する人、避難者」となります。
他にも、employee「雇われている人、従業員」、trainee「訓練生」、refugee「難民」などの使われ方があります。
ですから、-eeが聞こえたら「人」と理解すると便利です。

※番組やホームページで題材にする英語ニュースは、放送から一定期間が経過したニュースです。そのため、現在は状況や事実関係が異なっている場合があります。

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