著名な日本人建築家の坂茂さんが、ウクライナから避難した人たちの生活を改善するための活動を行っています。
避難民の多くが混雑した避難所での生活を余儀なくされる中、坂さんは、自身のトレードマークである素材のひとつ、紙を使うことによって、避難民にとって極めて重要なプライバシーを確保する方法を見つけました。
坂さんは最近、200万人近くのウクライナ人を受け入れているポーランドを訪れ、4日間の滞在中に、現地の建築家や大学生と協力しておよそ400セットの間仕切りを設置しました。この間仕切りは、ボール紙の管が柱や梁(はり)の役割を果たし、布の壁でプライベート空間を作るものです。
坂さんはNHKのインタビューに応じ、「ある避難民の女性が間仕切りのあるスペースに入った途端に泣き出してしまったのです。その女性は長く困難な移動を続けてきて、避難生活はとてもつらく、泣くことさえできなかったのでしょう」と、ポーランドでの体験を語りました。
坂さんは、国内外での被災地の支援活動を行ってきたことでよく知られています。