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2022年4月4日(月)の放送内容

米FRB ゼロ金利解除

FED RAISES RATES TO COUNTER INFLATION

2022年3月17日のニュース

「らじる★らじる」で放送を聞く

U.S. central bankers have seen prices for rent, for groceries, for clothes climb higher and higher.再生解説
アメリカの中央銀行(にあたるFRB)のメンバーは、目の当たりにしています、賃料や食料品や衣類の価格がますます上昇するのを。
解説
central bankerは「中央銀行の人」という意味なので、U.S. central bankersは「アメリカ中央銀行のメンバー、政策立案者」ということです。ただし、アメリカには日本でいう日本銀行のような中央銀行はなく、それにあたるのがFederal Reserve System(FRS)「連邦準備制度」で、その中枢機関がFederal Reserve Board(FRB)「連邦準備制度理事会」です。日本ではFRBという名称で報道されますが、英語の報道ではこれらの略称であるFedもよく同じ意味で使われます。ここでU.S. central bankersと言っているのは、FRBを分かりやすく表現しています。
seeは「目の当たりにする」という意味から、「経験する」というニュアンスを伴います。ここでは、see prices for ... climb「~の価格が上昇するのを目の当たりにする」と、see+目的語+動詞の原形という形をとっています。
rentは「賃料」です。groceriesは「食料品」、clothesは「衣類」で、複数形で使います。ちなみにgroceryなら「食料品店」のことです。
higher and higherのように、形容詞の比較級を重ねることで「ますます~」と、程度が著しい状態を表すことができます。
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They've kept interest rates near zero to help businesses recover from the pandemic. But they've decided it's time to tame inflation and to raise rates.再生解説
彼ら(FRB)は、金利をほぼゼロに維持してきました、企業が(新型コロナウイルスの)世界的な感染拡大から回復するのを後押しするために。しかし彼らは決定しました、今がインフレーションを抑制して金利を引き上げる時であると。
解説
theyは前のセンテンスに出てきたU.S. central bankers「アメリカ中央銀行のメンバー」、つまりFRBを指しています。
interest rateは「金利」で、これをnear zero「ゼロに近い、ほぼゼロ」に誘導する政策がゼロ金利政策です。もし金利がゼロであれば、企業は利子を支払うことなくお金を借りることができます。
help businesses recoverは「企業が(業績)回復するのを後押しする」で、help+目的語+動詞の原形となっています。数えられる名詞としてのbusinessは「企業」という意味です。
日本語でもカタカナで「パンデミック」と言いますが、名詞としてのpandemicは「(疫病の)世界的なまん延」です。ここでのthe pandemicは、the novel coronavirus pandemicあるいはthe COVID-19 pandemicを指していて、「新型コロナウイルス感染症の世界的なまん延」を表します。
tameは「(動物などを)手なずける、おとなしくさせる」として使われることもある動詞ですが、ここではインフレーションを「抑制する、管理下に置く」ことの比喩として使われています。
inflationには「膨張」の意味があることから、経済用語では「インフレ、物価の高騰」を意味します。
raise ratesは、raise interest rates「金利を引き上げる」ことを表しています。
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(Jerome Powell / U.S. Federal Reserve Chair)
“The economy is very strong, and against the backdrop of an extremely tight labor market and high inflation, the committee anticipates that ongoing increases in the target range for the federal funds rate will be appropriate.”再生解説
「経済は非常に堅調で、そして非常にひっ迫した労働市場と高いインフレを背景に、(連邦公開市場)委員会はこう予想しています、フェデラルファンド金利の誘導目標において継続的に引き上げることが適切になるだろうと。」
解説
FRBのジェローム・パウエル議長の言葉です。
against the backdrop of ...は「~を背景にして」という定型的なフレーズです。backdropの元の意味が「舞台の背景幕」であることから、背景情報を説明するときに使われるようになりました。
tight labor marketは「ひっ迫した労働市場」で、人手不足の状況を表しています。ここでのtightには「厳しい、余裕がない」という意味があります。
high inflationは「高いインフレ」で、物価上昇率が急激な状況(消費者物価の上昇)です。
本文のthe committeeは、Federal Open Market Committee(FOMC)「連邦公開市場委員会」を指しています。FOMCはFRBが開く会合で、アメリカの金融政策を決定する最高意思決定機関です。
ここでのanticipateは「予想する」という意味です。
target rangeは金利誘導を行う際の「目標の範囲」、「誘導目標レンジ」のことです。
federal fund「フェデラルファンド」は、アメリカの市中銀行が連邦準備銀行に預けている資金のことです。federal funds rate(FFR)は「フェデラルファンドレート、FF金利」と呼ばれ、金融政策を調節する際の政策金利となっています。
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Powell and other policymakers are raising their key interest rate by a quarter of a percentage point, the first increase since 2018.再生解説
パウエル議長と他の政策立案者たちは主要金利を0.25ポイント引き上げていて、2018年以来初めての上昇です。
解説
Powell and other policymakers「パウエル議長と他の政策立案者たち」は、U.S. central bankersを言い換えたものです。
ここでのkey interest rate「主要金利」は、前のセンテンスに出てきたFF金利を指しています。keyには「主要な、重要な」という意味があります。
ここでのbyは差分を表す前置詞で、by+数量表現の形で使います。by a quarter of a percentage pointは「1パーセンテージポイントの4分の1の差で」なので、つまり「0.25ポイントの差で」という意味です。
the first ... since ...は「~以来初めての~」という表現です。
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They aim for inflation of 2 percent. But they've seen it rise to 7.9 percent.再生解説
彼らは目指します、2%のインフレーションを。しかし彼らは目の当たりにしてきました、それが7.9%に上昇するのを。
解説
aim for ...は「~を目指す」です。
inflation of two percent「2%のインフレーション」、つまり2%のインフレ率を目指すということです。2%前後のインフレ率は、物価が安定する最適レベルとされています。
2文目のitは、inflationを指しています。ここでも、see+目的語+動詞の原形が使われています。
アメリカは景気の回復傾向が続き、雇用も改善する一方、物流の混乱や人手不足によって需要の回復に供給が追いつかず、消費者物価の上昇率がおよそ40年ぶりの高い水準を記録しました。
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Powell says that imposes “significant hardship” on consumers, especially those who struggle to pay more for the things they need.再生解説
パウエル議長は述べています、それが「著しい苦難」を消費者に強いる、特に生活必需品により多くのお金を出すことに悪戦苦闘する人々に。
解説
このthatは、前のセンテンスの「インフレーションが7.9%に上昇したこと」を指しています。
imposeは「強いる」です。目的語には苦痛、負担、義務、罰則などの事柄を取り、例えばimpose economic sanctions against Russiaなら「ロシアに対して経済制裁を科す」です。
significantは「著しい」、hardshipは「苦難、困難」で、consumerは「消費者」です。
those who ...のthoseは「(それら・あれらの)人々」で、who以下でどのような人々であるかを説明しています。ここでは、struggle「悪戦苦闘する」人々で、何に悪戦苦闘しているかというと、to pay more for the things they need「生活必需品により多くのお金を出すことに」です。
things they need「彼らが必要な物」とは、生活必需品を指しています。
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アメリカの中央銀行にあたるFRB=連邦準備制度理事会は家賃や食料品、衣類品などの価格がますます上昇するのを目の当たりにしています。FRBはこれまで、企業が新型コロナウイルスの世界的な感染拡大による影響から回復するのを手助けするために事実上のゼロ金利政策を維持してきましたが、今やインフレを抑え込むため、金利を引き上げることを決めました。
FRBのジェローム・パウエル議長は、「アメリカ経済は極めて堅調です。一方で、労働市場は大変ひっ迫し、物価上昇も続いていることから、FRBのFOMC=連邦公開市場委員会は、フェデラルファンド金利の誘導目標を継続的に引上げることが適切だと考えています」と述べました。
FRBは主要金利(フェデラルファンド金利)を(これまでの0%から)0.25ポイント引き上げました。これは、2018年以来の利上げです。FRBは2%の物価上昇率を目標に掲げていますが、現状は消費者物価指数の上昇率が7.9%に達しています。
パウエル議長は、そうしたインフレの状況は消費者、とりわけ日々の生活必需品への支出に悪戦苦闘する人々に「著しい苦難」を強いることになると話しています。
講師 米山明日香の写真
Listening Point
★that節内の主語と動詞を聞き分ける方法

The committee anticipates that ongoing increases in the target range for the federal funds rate will be appropriate.

リスニングで内容を理解をするときに重要なのは、「どこが主語」で、「どこが動詞」かを明確にしながら聞くことです。ここでは、that節の中の主語と動詞を聞き分けることが重要です。そこで、ここではincreaseという単語に注目しましょう。

この単語は一般的に動詞として使われることが多いのですが、動詞の場合、アクセントはincreaseと下線部(第2音節)に来ます。しかし、今回のニュースの音声ではincreaseと下線部(第1音節)に来ているので、名詞です。ということはongoing increasesが主語ということになります。
その後、in the target range for the federal funds rateという主語の修飾部分があり、その後ろに(will) beという動詞が来ています。

increasesが動詞だと理解してしまうと、後ろに(will) beという動詞が出てきたら、混乱します。逆にincreasesが名詞だと分かれば、後ろに動詞が来るなという「心構え」があらかじめできます。この「心構え」、言い換えると「予測して聞く力」がリスニングでは重要です。

このように同じ単語で名詞と動詞がある場合、アクセントの位置で名詞か動詞かが分かる場合がありますので、単語のアクセントの位置は注意して聞いていきましょう。
Today's Takeaway

現代英語を学ぶうえで役に立つ豆知識を取り上げます!

★混同しやすい単語raiseとriseについて

raiseは「~を上げる」という意味の他動詞で、目的語を取ります。

Powell and other policymakers are raising their key interest rate.
パウエル議長や他の政策立案者たちは主要金利を引き上げています。

そのほかの例:raise awareness「意識を高める」、raise concern「心配が生まれる」

一方、riseは「上がる、増える」という意味の自動詞で、目的語を取りません。

But they've seen it rise to 7.9 percent.
しかし彼らは、それが7.9%に上昇するのを目の当たりにしてきました。

そのほかの例:Gas prices are rising.「ガソリンの値段は上がっている」、The sun rises in the east.「太陽は東から昇る」、rise from the ashes「廃墟から立ち上がる」

なお、raiseは「レィズ」、rise「ラィズ」と発音します。

※番組やホームページで題材にする英語ニュースは、放送から一定期間が経過したニュースです。そのため、現在は状況や事実関係が異なっている場合があります。

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