オリジナル幻獣 ウルローぺ

雅彩ラヰカ

生態調査報告#1 ウルローぺ

:梟狐 ウルローペ(ウルラ・アローペークス(ラテン語でフクロウ、ギリシャ語で狐))

 大きさ 体長:平均74cm 翼開長:150cm~190cm 尾の長さ:20cm~50cm 全長56cm~84cm 重さ:2・5~4・5kg 色:通常種・狐色 変種・黒、クリーム色、ライトブラウン、白など

 三等級(個体だと四等級)

 梟狐(きょうこ)とも呼ばれる裡辺皇国原産の同国を代表する生物で、国鳥でもある存在。人に対しては極めて友好的で、伝書鳥として用いられたり偵察などの軍用、そして国民の愛玩生物としても人気。野生にも広く分布し、地域に適応した進化をしている。人を襲うことは滅多にないが、野生の梟狐は獰猛なため下手に手出しすると反撃を受けることも。

 基本は一体で行動し、子孫を残す際に伴侶を見つける。一夫一妻であり、オスがひたすら子育てをしてメスが狩りを行う。我が子や伴侶を守るためであれば己の命さえ投げ打つほどであり、軍用・ペットの梟狐においてもそうした様子が見られる(飼い主に献身的で、甘えん坊、忠誠的)。そうした理由と、毛皮と羽毛に覆われた可愛らしい佇まい、梟=猛禽類のような凛々しさと力強さ故に大人気の生物でもある。

 飛翔速度は時速95kmにも達する。陸上においても強く、同等級くらいの幻獣にはほとんど負けなし。三等級までの間であれば王者のような立ち位置にある。

 知能が高く、人が発する言葉を理解する。主人と定めたもの、家族と定義したものへはよく懐き、面倒を見るが他人や敵にはそっぽを向いたりしてまったく愛想を振りまかない。

 食性は肉食で、ウサギやネズミ、あるいは格下の鳥類を捕食する。海辺に生息する種は魚や貝なども食べる。硬い殻を破壊する際には鉤爪で握りつぶしたり、硬いものに叩きつけて割ったりする。換毛期になると抜け毛でぬいるぐるみを作れるほど抜ける。子供をからかうときの定番ネタに、「冬に梟狐の毛を畑に埋めると、春には子供の梟狐が成っている」というものがある。また、「猫に鰹節」、「狐に鶏小屋の番をさせるな」と同じ意味合いの諺に、梟狐にウサギ小屋の番をさせる、がある。要するに番をしてくれないどころか肝心のウサギを食べてしまう、転じて、「悪さを助長する状況でそれを働きかねないものに重要なことをさせるな」、という意味である。

 オスよりメスの方が圧倒的に強く、オスの方が小柄。ヒエラルキーにおいては女王アリと働きアリに近く、オスはとにかく献身的にメスに貢ぐような仕草をする始末。徹底したかかあ天下である。縄張り争いの際は熾烈な戦闘になることもあり、諦めが悪い個体同士の場合、どちらかが死ぬまで争う。伴侶や縄張りを奪い合う際は獰猛な野生的一面が露わになり、テリトリーの防衛や食事の調達(卵が孵化するまでの間)はメスの尻に敷かれたオスが担当。

 求愛する際はオスが歌のような音色で鳴きながら踊り、最後に羽を一枚プレゼントする。その羽をメスが受け取ればプロポーズ成功となる。

 子供は生後七ヶ月ほどで成体となり、巣立っていく。

 野生下における平均寿命は七年。飼育下であれば平均十八年。

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