『名探偵コナン 黒鉄の魚影』OFFICIAL INTERVIEW
【ブラックSIDE】
“黒ずくめ”キャスト
『名探偵コナン 黒鉄の魚影』
オフィシャルインタビュー第2弾

“黒ずくめの組織”
キャストの皆様

ジン役:堀之紀さん、
ウォッカ役:立木文彦さん、
ベルモット役:小山茉美さん、
バーボン(安室透/古屋零)役:古谷徹さん
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昨年『ハロウィンの花嫁』の後付け映像のジンの一言で、再び黒ずくめの組織の皆さんが劇場版に登場するのでは? と大きな話題となりました。沢山の反響が届いていたかと思いますが、いかがでしたか?

堀:ファンの方から劇場版に関して書いてある手紙をいただいたりしましたね。

小山:私は前回出演シーンがなかったので知りませんでした……すみません(笑)。

立木:僕はコナンの情報は常にチェックしておりますので、いよいよ出られるぞ! と楽しみにしていました。

古谷さんは『ハロウィンの花嫁』でも大活躍でしたね。

古谷:そうですね。『ハロウィンの花嫁』は3回くらい劇場に観に行っていたんですけど、その都度ジンの声を聴いて「あぁ、いよいよ来年は黒ずくめ(の組織)が来るんだ」と楽しみにしていました。

その時は「また次も出られるかも?」と思いました?

古谷:はい、絶対に出られるだろうと思っていましたし、僕の中では「出る」と決めていました(笑)。でも、先生が一人ずつ登場キャラクターを発表していっていた時になかなか出てこなかったので、だんだん心配になってきまして(笑)。それでスタッフにこっそり「出るの?」って聞きました。そうしたら「出ます」って言われたので、安心しましたね。

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完成した台本を読んだときはどんな印象をお持ちでしたか?

堀:相変わらずスケールが大きいなと思いました。予想がつかない展開も多くて面白かったです。あとはね、哀ちゃんの覚悟と言いますか……あの子は見ているといじらしいんだよね。

古谷:全然ジンじゃない(笑)!

(一同笑い)

堀:いやいや、中身はシェリーだけどさ、もしそのことを知らないで哀ちゃんが目の前にいたら、ジンといえどもさすがに助けるでしょ?

立木:さすがにジンの兄貴でも(笑)。

堀:シェリーだってことを知らなければきっとそうしちゃうよ。

古谷:堀ちゃん、哀ちゃんのこと結構好きでしょ?

堀:そうそう、好きなの。

(一同笑い)

堀:ジンって組織の人間の名前以外で口にするのはほとんど「シェリー」なんだよね。だからどうしても林原さんが演じているキャラクターに目がいっちゃうのよ。それに、元々シェリーが持っていた覚悟を哀ちゃんも持っちゃってるじゃない?だから余計に感情移入しちゃうんだよね。

なるほど(笑)。では、小山さんはいかがでした?

小山:最初に読んだときは、難しすぎて何が何だかわからなくて(笑)。それでその後に2、3回読んでみたんだけどやっぱりわからなくて。その頃、偶然古谷さんと別の現場でお会いした時に少し時間があったので、色々とレクチャーしてもらいました。「これってこうだよね?」って確認したりして。

堀:わかってなくてあんな芝居するんだから本当にすごいよね。

(一同笑い)

ベルモットって一番キャラクターが定まらないじゃないですか。色々な人に変身してなりきらなくてはいけない。そういう難しさもあるのではと思いますがいかがでしょう?

小山:そうなの。ベルモットは23年前に初めて登場したんだけど、出番は数年に一度くらいだから、毎回まずは思い出すということが大変なんですよね。しかも出てきてもいつも秘密めいていて、よくわからなくて(笑)。毎回脳内が混乱すると言いますか、ずっとクエスチョンマークが浮かんでいる感じで、戸惑っていますね。

トリプルフェイスを演じわけるのも大変だと思いますが、古谷さんはいかがでしたか?

古谷:劇場版は毎作品、一難去ってまた一難という感じで何度も山が来て、常にハラハラドキドキさせられる、まさに大スペクタクル作品という印象があったんですけど、今回は読み終わった後に「ラブストーリーじゃん」って思いました。その感覚がすごく新鮮でしたね。

個人的にはウォッカっていい人だなって思いました。

(一同笑い)

ぶつぶつ言いながらもキールに丁寧に説明してあげたり、案内までしてあげて……。

立木:よかったです(笑)。ウォッカって実は空気は読める人なんですよ。

小山:意外にね(笑)。

立木:そう、意外に(笑)。ウォッカも少しずつ成長してきているんじゃないですかね。でも、個人的には完成した作品を観終わった後に「ちょっと怖いな」と思ったんですよ。自分で言うのも変なのですが、「こんなに怖く演じたかな?」って。台本を読んでお芝居した時には気付かなかったんですけどね。

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確かにジンに近い冷酷さもありましたね。

立木:ですよね? やっぱり尊敬するジンの兄貴に近づこうという気持ちがあるのかなって思いました。ちょっと近づけたのかもしれない(笑)。

小山:でもウォッカの人の好さが出ちゃうのよね。

立木:そうなんですよね、ついつい良いやつなのが出ちゃう(笑)。でもウォッカにその部分がなくなってしまったらおしまいですからね。

堀:ウォッカは記憶力が良すぎるんだよね。ほら、ジンは何にも覚えてないから。

(一同笑い)

立木:でもジンは長いセリフじゃなくても、堀さんが発する一言一言に震えるくらい冷酷な感じが出ていてすごいなと思いました。今までで一番感じましたよ。

堀:そう? 俺は一番ポップにやったつもりなんだけど

小山・立木:うそうそ!

古谷:いや怖いよ! ヤバいのがわかる。

堀:おかしいなぁ。

立木:本人自覚無し(笑)。

ジンの冷酷さを改めて突き付けられた作品だったと思いましたが…。

堀:確かに、最後のピンガに関するシーンとかね。あれを笑って言っちゃうんだから。

古谷:やっぱり怖いよね。

黒ずくめの組織の主要メンバーが総出演となるのは劇場版では『純黒の悪夢(ナイトメア)』以来となりますが、あの頃は全員揃われてアフレコされていたと思います。今回はバラバラでの収録となってしまいましたが、大きな変化を感じたりはしましたか?

堀:おれはウォッカとキールと一緒だったんだけど、沢村さん以外の芝居は全部入っていたんだよね。最後の方だったから絵もある程度入っていたし、他の人の声もヘッドホンで聞いてるわけじゃない? 普段は茉美と隣でアフレコしているとやっぱり茉美が目に入るんだけど、今回はそれがなかったから茉美の姿が消えて純粋にベルモットがいるっていうイメージだったのよ。だからもしかしたら余計に怖く聴こえたのかもしれない。でもやっぱり寂しいよね。せっかくの劇場版なのにみんなの顔も見れないしさ。せっかくだから顔を見たいじゃない。

立木:これだけの方々と一緒にお芝居させていただく機会なんてなかなかないですからね。一緒に出来たら幸せですよね。

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せっかくなので黒ずくめの組織に関してのお話をもっとお伺いしたいです。まずはジンとウォッカ、ベルモットとバーボンでタッグを組むことも多いと思いますが、それぞれの関係性や、黒ずくめの組織自体をどう思いますか?

堀:僕はね、ジンは誰も信じていないと思ってる。

小山:そうね、それは言えてる! 信頼関係一切なし!

堀:あとね、僕の中ではだけど、ジンはウォッカに対して最大の信頼をしているけど、信用はしていない。

立木:それは僕も感じています。

堀:だからウォッカと言えども何かしくじったら多分ジンは撃つでしょうね。ジンにとってはあの方もラムもどうでもよくて、唯一忠誠を誓っているのは「組織」だけだと思います。

小山:私も誰も信頼していないと思います。ベルは今までずっと必ず単独行動。誰とも一緒に動いていなかったんだけど、先日のTVアニメ(第1079話「黒ずくめの謀略(正体)」)ではみんなでキャメルを探し回るというシーンがあったんです。キャンティ、コルン、キールもいるんですけど、「ベルはいつも個人で動いているから、一緒に動いていて不思議な気持ちがしますね」って言われて納得しました。バーボンとも別にバディとは思っていないんです。全然誰の事も信じていないし、どちらかというと腹の探り合い。

古谷:それはあるね。お互いの秘密を握り合っているし。

小山:よく一緒に車に乗っているけど、お互いに探りあっている感じ。

堀:ベルモットがやっていることがばれたら、シェリーより先に殺されるよね。

小山:そうかも。裏切り者としてね。

古谷:でもベルモットは組織のトップと直接つながっているから手出しは出来ないんだよね。

小山:そんなところも面白いと思います。徒党を組んでいるように見えて、実はみんな信頼してないしバラバラの事を考えていますから。

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その中でジンに忠誠を誓っているのがウォッカですね。

(一同笑い)

立木:そうなんです、唯一ですよね。もうね、ジンへの愛ですよ。嫌われたらおしまいだって気持ちで演じています。

(一同笑い)

立木:殺されるよりなにより嫌われることが嫌なんじゃないかなと思っています。

(一同笑い)

堀:こっちはね、感じているよ。ウォッカの愛は本当に感じている。

(一同笑い)

でも、いざとなったら……。

堀:ほら、それとこれとは別だから。

(一同笑い)

堀:だって好きだって言ってくれる女性を全部受け入れていたら大変じゃない。

立木:でも、例えばウォッカが女だとしたら……

(一同爆笑)

堀:ウォッカが女だったら気持ち悪いよ!

立木:あ、気持ち悪いですか…そっか…。

(一同笑い)

立木:でもウォッカの中ではバディなんです。

堀:さっきも言った通り、ジンはウォッカのことを心から信頼はしているんだよ。任せられるとも思っているし、記憶力もいいしね。ただ、信用はしていない。

立木:はい、それはとても感じています(笑)。個人的には、ベルモットとバーボンの関係性が深すぎてつかみきれない感じがミステリアスで魅力的だなって思っています。

古谷:二人とも明らかにされていないことが多いからね。

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今回、ラムが登場したのはまた新しい展開だったと思いますが、それによって更に謎が深まりあの方が遠くなった気がします。そんなラムとやり取りをしているのが…

古谷:バーボンですね! バーボンはラムと直接やり取りしていますから。ただ、声を変えられているのでまだ正体はわかっていないんです。

古谷さん、今回も安室でもあり降谷でもありバーボンでもあり、トリプルフェイスとして大活躍でしたね。

古谷:でも、僕が思っていたほどじゃなかったので少し残念でしたけどね。

(一同笑い)

昨年の活躍もすごかったですからね。

古谷:劇場版で登場する時は結構見せ場もあるから今回も出ると決まってからはすごく楽しみにしていたんです。ほら、毎回ハイスペックなスキルが増えていくじゃないですか。だから今回も何か新しいスキルを見せてもらえるのかなって期待をしていたんですけど…ベルと一緒にスキューバダイビングしていただけでしたからね、ちょっと欲張り過ぎかな(笑)。でもバーボンとしての登場の仕方が、『純黒の悪夢』の時よりも多かったと思うので、バーボンにスポットが当たってくれたのはうれしかったです。

今作でも対峙するのはコナン君と哀ちゃんですが、みなさんはこの2人にどのような印象を持たれていますか?

堀:僕はね、徹ちゃんが言ったみたいに哀ちゃんが好きでね……ちょっと感情移入して観ちゃうんだけど。

(一同笑い)

堀:だってあの子可愛いじゃない、大人びていてちょっとおしゃまなところもあって。

小山:だって中身は大人だもん。

堀:そうだけどさ(笑)。大人が持っている覚悟をあの子供が持っていると思ったらいじらしいじゃない。あんな子供が側にいたら毎日でもお菓子をあげちゃうね。

(一同笑い)

立木:哀ちゃんは魅力的でミステリアスですよね。とても小さい女の子ですけど、醸し出す空気感が独特というか。あと、哀ちゃんもコナン君もお互いにとってお互いが絶対にいなくてはいけない存在なんだなって思いました。二人でいなくちゃいけないです。そのバランスがすごいなと。コナン君に関しては俺ごときが……っていうくらいとんでもないレベルの少年です(笑)。そういう意味で言うと、そんなコナン君を前にして、計画を実行しようとしてどこかミスしたりうまくいかなかったり…それでも続ける俺達って懲りないですよね。

小山:だってウォッカがドジなんだもの。

(一同笑い)

立木:そうです、ウォッカはドジなんです(笑)。

堀:でもジンもポンコツなんだよ。

(一同笑い)

堀:だって、ジンがもう少し早く決断するとか、もう少しだけでも他人を信用していたら変わったこと多いじゃない。ピスコがシェリーの正体を突き止めたのに、それを確かめる前にジンが殺しちゃうしさ。

小山:まぁ、あんまり頭良くないよね(笑)。

堀:でしょ? だからネットでは「ジン ポンコツ」って結構出てくるのよ。「ジン ドジ」とかさ(笑)。

立木:もしかしたらシリーズを一番終わらせたくないのがジンなのかもしれない(笑)。

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小山さん演じるベルモットはコナン・哀ちゃんという二人に対して一番いろんな感情を持っているかと思いますが。

小山:深いことはわからないんだけど、コナン君のお母さんの有希子とベルは親友だし、コナン君と蘭ちゃんにはニューヨークで命を助けられているということもあるので、普通の感覚ではないと思います。灰原に関しては、おそらく昔から組織の一番の秘密と絡んでいると思っていて、生きていてもらっちゃ困るし、秘密がばれると怖いという思いもベルにはあるんじゃないかな。そこらへんが複雑なんですよね。だから悪いけど、ベルにとって灰原は可愛いとは思っていないの。ちょっと怖い存在だと思っている。

古谷:コナン君と哀ちゃんの二人共の正体を知っているのはベルモットだけだしね。

小山:そう。灰原は可愛くない、消したいって思ってる。

一同:おぉ~。

小山:コナン君に関してはあまりにも頭が良すぎるから側には置きたくない(笑)。

そんなコナン君と哀ちゃんの一番近くにいるのはバーボンですね。

古谷:映画のたびにだんだんコナン君とは距離が近づいていっています。今や本当に信頼していますからね。困った時のコナン君という感じで(笑)。今回もバーボンの立場で情報を全てリークしていました。演じるうえでは、その時々の立場によって微妙に切り替えないといけないのがやり甲斐だと感じています。

今作は、26作目となって、黒ずくめの組織の事が少し明らかになったような、それ故に更に遠ざかったような感じですが…

(一同笑い)

立木:まったく底が見えない(笑)。

今作の見どころと、ファンの方たちへのメッセージをお願いします。

立木:今回の作品は、自分も黒ずくめの組織のメンバーとして、最終回ではないけれど集大成的な部分もあると思って演じました。この作品の舞台も、キャラクターたちが大活躍するべく与えられた舞台だと思っていますし、色々な魅力的なキャラクターが登場しますので、ぜひ堪能してほしいです。

堀:見どころが満載だよね。おそらく何回も観てくれるっていうのは、一回では観きれないってことだと思うし、観るに値する作品だと思います。最後までハラハラドキドキが続いているし、今までの25作をいい意味でリスペクトしながらも新しい作品になったと思うので、ぜひ楽しんでご覧ください。

小山:とにかくワンカットワンカット見逃さないでほしいし、一言一句聞き逃さないでほしいです。創意工夫されていて、最後までとても楽しめるようによくできている作品だと思います。多分一回だけではわからないところもあると思いますので、何回でも観てください。

古谷:台本を読んだときはアクションやスペクタクル部分がいつもの劇場版に比べたら少ないのかなと思っていたのですが、完成した作品を観たら全然違いました。結構早い段階から驚きの連続で、高揚感があって、クライマックスはすごいことになっていました。更に舞台が大海原! 背景の美しさや波や太陽の描写もすごいです。これは大きなスクリーンで何度でも観たいと思いました。黒ずくめの組織がメインで出てくるだけあって、がっつりコナン君たちと対決するのも見どころです。一回では絶対に全ては把握できないと思うので、何回も劇場で楽しんでほしいです。そして歴代の数字をしのぐ作品になれるよう、皆さんのお力を貸していただきたいですね。バーボンの魅力もぜひ満喫してください。

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